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その大半が無傷であった。
襲撃など、まるで嘘だったかのように元気そうだ。
蝶華と辰美。
その中で二人がそんなやりとりをしていた。
襲撃があったのは、黒龍高校だけではなかった。
白辰高校も似たような状況であった。
「……では、もう帰りますか?」
蝶華の質問。
「いや、まだ帰らない。」
彼女の問いに対する答え。
辰美のそれに、周囲の白辰生徒達の空気が張り詰める。
無論、蝶華も彼ら同様に緊張していた。
「尾谷が……蝶華、お前の兄がこの近くのラーメン屋が旨いと言っていた。そこへ行こう。」
「……へ?」
ついずっこけそうになってしまう蝶華。
「ほら、行くぞ、蝶華。……お前らはもう帰って良いぞ。」
「え?え?え?」
「お疲れ様でした!」
困惑する蝶華。
そして、辰美へ挨拶をし、帰路に着く白辰生徒達。
ずるずる……。
彼女は訳も分からずに辰美に引きずられていった。
辰美と二人きり。
そのきっかけが兄である心司である。
その点を除けば、蝶華にとって、これ以上にない最高のシチュエーションであった。
意識していなければ口角が上がってしまう。
悟られないよう、気取られないようにしないといけない。
駄目だ。
油断すると、その幸福感からスキップしてしまうかもしれない。
「蝶華……?」
「……っ!?は、はひっ!?」
ビクッ!?
表情、雰囲気に気を使っていた蝶華。
突如の呼び掛けに驚いてしまった。
「様子がおかしいが、どうした?」
「……よ、様子がおかしい……ですか……?」
「あぁ、不審だ。」
「……不審。」
ガックシ。
その言い草に肩を落としてしまった。
しかし、そのお陰で冷静になれることが出来た蝶華であった。
この後、蝶華は後悔することとなる。
そもそも、心司が関わっているということで気づくべきであった。
彼の薦めてきたラーメン屋。
そこは、大盛りで運動部で食べ盛りの男子高校生でも食べきれる者は少ないということで有名な店であった。
彼女にとても強烈な修羅場が待っている。
しかし、それはまた別の話である。
「ふざけるなっ……!ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなっ!」
不満。
不服。
不愉快。
様々なネガティブな感情が波のように襲って来る。
不良高校として有名な黒龍高校。
そして、白辰高校。
しかし、いくら悪名高きそれら高校でも、所詮は高校生。
襲撃など、まるで嘘だったかのように元気そうだ。
蝶華と辰美。
その中で二人がそんなやりとりをしていた。
襲撃があったのは、黒龍高校だけではなかった。
白辰高校も似たような状況であった。
「……では、もう帰りますか?」
蝶華の質問。
「いや、まだ帰らない。」
彼女の問いに対する答え。
辰美のそれに、周囲の白辰生徒達の空気が張り詰める。
無論、蝶華も彼ら同様に緊張していた。
「尾谷が……蝶華、お前の兄がこの近くのラーメン屋が旨いと言っていた。そこへ行こう。」
「……へ?」
ついずっこけそうになってしまう蝶華。
「ほら、行くぞ、蝶華。……お前らはもう帰って良いぞ。」
「え?え?え?」
「お疲れ様でした!」
困惑する蝶華。
そして、辰美へ挨拶をし、帰路に着く白辰生徒達。
ずるずる……。
彼女は訳も分からずに辰美に引きずられていった。
辰美と二人きり。
そのきっかけが兄である心司である。
その点を除けば、蝶華にとって、これ以上にない最高のシチュエーションであった。
意識していなければ口角が上がってしまう。
悟られないよう、気取られないようにしないといけない。
駄目だ。
油断すると、その幸福感からスキップしてしまうかもしれない。
「蝶華……?」
「……っ!?は、はひっ!?」
ビクッ!?
表情、雰囲気に気を使っていた蝶華。
突如の呼び掛けに驚いてしまった。
「様子がおかしいが、どうした?」
「……よ、様子がおかしい……ですか……?」
「あぁ、不審だ。」
「……不審。」
ガックシ。
その言い草に肩を落としてしまった。
しかし、そのお陰で冷静になれることが出来た蝶華であった。
この後、蝶華は後悔することとなる。
そもそも、心司が関わっているということで気づくべきであった。
彼の薦めてきたラーメン屋。
そこは、大盛りで運動部で食べ盛りの男子高校生でも食べきれる者は少ないということで有名な店であった。
彼女にとても強烈な修羅場が待っている。
しかし、それはまた別の話である。
「ふざけるなっ……!ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなっ!」
不満。
不服。
不愉快。
様々なネガティブな感情が波のように襲って来る。
不良高校として有名な黒龍高校。
そして、白辰高校。
しかし、いくら悪名高きそれら高校でも、所詮は高校生。
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