45 / 118
4
1
しおりを挟む
華子への直接的な襲撃。
そして、彼女だけでなく辰美への襲撃。
それらが行われ始めてから数日が経過した。
そう。
数日が経過してしまったのだ。
つまり、その間も失敗し続けていたのだ。
亥玄を初めとした黒龍高校生徒達。
そして、白辰高校の生徒達。
彼らの尽力のおかげでそれらはことごとくが防がれたのだ。
華子達にとって喜ばしい現状。
しかし、それは裏を返せば巳白や秋姫達には芳しくない状況であった。
芳しくない。
些か甘い。
そのような表現は誤りかもしれない。
あまりにも、思うようにいっていない。
これが正しいものだろう。
想定よりも障壁が高い。
いや、高過ぎる。
黒龍高校、そして白辰高校。
甘く見ていた。
たかがそこそこ名の知れた不良高校。
そんな両校を潰すなど容易である。
そう考えていた。
しかし、その思考は甘かった。
名前が通っている。
そこには理由があるはずだ。
そんなことも考えていなかった。
なんと浅はかなことだろう。
「……。」
「……。」
白百合高校。
その教室内。
上手くいかない。
思い通りにならない。
苛立ち。
巳白は日に日に口数が少なくなっていった。
それに比例するように、秋姫も話さなくなっていた。
三花が連れて来た者達。
結局彼らの手を借りても思うような結果が得られなかった。
今までのやり方では意味がない。
ジリ貧だ。
「……あぁ、そうか……何だ、簡単なことだった……。」
「た、瀧澤君……?」
「もっと単純なことだったんだよ。」
「……単純なこと?」
「そう、単純だったんだ。」
「……それで、その単純なことって?」
このままでは堂々巡りだ。
その具体的な内容を知りたい。
そんな考えから、秋姫はより直接的な質問をした。
今までなら、彼女の問いに対して正確に彼女の求める答えを出していた。
しかし、今の彼はそんな普段と全く違う様子だ。
それほどに心が揺れ動いているのだろう。
「何も不意打ちにこだわらなくても良いんだよ。直接襲撃させれば良い。」
「……ちょ、直接?」
「あぁ、襲撃するんだ……!黒高と白高にね……っ!」
ニヤリ。
巳白の口角が不気味に上がる。
「……え?」
彼から出たと疑いたくなるような言葉に、上手く声が出ない秋姫。
「まぁ、楽しみにしていてよ。」
心底楽しそう。
先ほどまでの苛立ちが嘘かのような巳白。
そして、彼女だけでなく辰美への襲撃。
それらが行われ始めてから数日が経過した。
そう。
数日が経過してしまったのだ。
つまり、その間も失敗し続けていたのだ。
亥玄を初めとした黒龍高校生徒達。
そして、白辰高校の生徒達。
彼らの尽力のおかげでそれらはことごとくが防がれたのだ。
華子達にとって喜ばしい現状。
しかし、それは裏を返せば巳白や秋姫達には芳しくない状況であった。
芳しくない。
些か甘い。
そのような表現は誤りかもしれない。
あまりにも、思うようにいっていない。
これが正しいものだろう。
想定よりも障壁が高い。
いや、高過ぎる。
黒龍高校、そして白辰高校。
甘く見ていた。
たかがそこそこ名の知れた不良高校。
そんな両校を潰すなど容易である。
そう考えていた。
しかし、その思考は甘かった。
名前が通っている。
そこには理由があるはずだ。
そんなことも考えていなかった。
なんと浅はかなことだろう。
「……。」
「……。」
白百合高校。
その教室内。
上手くいかない。
思い通りにならない。
苛立ち。
巳白は日に日に口数が少なくなっていった。
それに比例するように、秋姫も話さなくなっていた。
三花が連れて来た者達。
結局彼らの手を借りても思うような結果が得られなかった。
今までのやり方では意味がない。
ジリ貧だ。
「……あぁ、そうか……何だ、簡単なことだった……。」
「た、瀧澤君……?」
「もっと単純なことだったんだよ。」
「……単純なこと?」
「そう、単純だったんだ。」
「……それで、その単純なことって?」
このままでは堂々巡りだ。
その具体的な内容を知りたい。
そんな考えから、秋姫はより直接的な質問をした。
今までなら、彼女の問いに対して正確に彼女の求める答えを出していた。
しかし、今の彼はそんな普段と全く違う様子だ。
それほどに心が揺れ動いているのだろう。
「何も不意打ちにこだわらなくても良いんだよ。直接襲撃させれば良い。」
「……ちょ、直接?」
「あぁ、襲撃するんだ……!黒高と白高にね……っ!」
ニヤリ。
巳白の口角が不気味に上がる。
「……え?」
彼から出たと疑いたくなるような言葉に、上手く声が出ない秋姫。
「まぁ、楽しみにしていてよ。」
心底楽しそう。
先ほどまでの苛立ちが嘘かのような巳白。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
ただ巻き芳賀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
ヤンデレ彼女は蘇生持ち
僧侶A
恋愛
ヤンデレは暴走するとすぐに相手の体を刺してしまう、何とも大変な恋人の事である。
そんな女性と俺は知らずにお付き合いすることになった。
でも、彼女は蘇生が使える。だからいくら刺されても生き返らせてくれます。
やったね!ヤンデレと付き合っても生存ルート確定。
つまり自分の事をひたすら愛してくれるただの良い女性です!
完結まで毎日14時に更新します。
朝起きたらイケメンだったはずの俺がブサイクになっていた
綾瀬川
青春
俺は西園寺隼人。15歳で明日から高校生になる予定だ。
俺は、イケメンでお金持ち、男女問わず友達もたくさん、高校生で美人な彼女までいた。
いたというのが過去形なのは、今日起きたら貧乏な家でブサイクになっていたからだ。
ーーなんだ。この体……!?
だらしなく腹が出ていて汚いトランクス履いている。
パジャマは身につけていないのか!?
昨晩シルクのパジャマを身に纏って寝たはずなのに……。
しかも全身毛むくじゃらである。
これは俺なのか?
どうか悪い夢であってくれ。
枕元のスマホを手に取り、
インカメで自分の顔を確認してみる。
それが、新しい俺との出会いの始まりだった。
「……は?」
スマホを見ると、超絶不細工な男がこちらを見ている。
これは俺なのか?夢なのか?
漫画でお馴染みの自分の頬を思い切りつねってみる。
「痛っっっ!!!」
痛みはばっちり感じた。
どうやらいまのところ夢ではなさそうだ。
そうして、俺は重い体をフラフラさせながら、一歩を踏み出して行った。
俺の家には学校一の美少女がいる!
ながしょー
青春
※少しですが改稿したものを新しく公開しました。主人公の名前や所々変えています。今後たぶん話が変わっていきます。
今年、入学したばかりの4月。
両親は海外出張のため何年か家を空けることになった。
そのさい、親父からは「同僚にも同い年の女の子がいて、家で一人で留守番させるのは危ないから」ということで一人の女の子と一緒に住むことになった。
その美少女は学校一のモテる女の子。
この先、どうなってしまうのか!?
【完結】眼鏡ごしの空
一茅苑呼
青春
幼なじみの『彼』に似た先輩。
「いまでもオレ、松原のことが好きだよ」
───『彼』に似ているから駄目なのに、『彼』に似すぎているから、突き放すことができない……。
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
地味男はイケメン元総長
緋村燐
青春
高校一年になったばかりの灯里は、メイクオタクである事を秘密にしながら地味子として過ごしていた。
GW前に、校外学習の班の親交を深めようという事で遊園地に行くことになった灯里達。
お化け屋敷に地味男の陸斗と入るとハプニングが!
「なぁ、オレの秘密知っちゃった?」
「誰にも言わないからっ! だから代わりに……」
ヒミツの関係はじめよう?
*野いちごに掲載しているものを改稿した作品です。
野いちご様
ベリーズカフェ様
エブリスタ様
カクヨム様
にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる