14 / 118
1
7
しおりを挟む
「……。」
きっと、これは本当だろう。
飛鳥は彼の言葉を信じることにした。
「さ、ジャンジャンゴミ拾いするぞーっと!」
そう言うと、心司は歩き出し、飛鳥から遠ざかるのであった。
「……まぁ、今はあいつを信じる他ないか……。」
飛鳥の結論は、そんなものであった。
そして、彼も歩き出した。
「……。」
妙な緊張感。
華子はプレッシャーを感じていた。
原因は分かっていた。
それは、周囲で監視する住民の目であった。
原因は分かっている。
黒龍高校の生徒達。
不良の巣窟である黒龍高校。
華子を含む、そこに属する者達が、いきなりゴミ拾いのボランティアをし始めたのだ。
何か裏があると疑わない方がおかしい。
華子も彼らの気持ちは分かる。
むしろ、本来彼ら側の考えに同意していただろう。
今まで好き勝手やっていた不良達。
そんな彼らが突然住民にとって良いことをしようしている。
疑わしい。
不気味。
恐い。
こんな感想を抱くのも無理はない。
華子もきっと、彼らと同じ立場になれば同じ考えを持つだろう。
しかし、だからこそ、変えたいのだ。
不良という烙印を押されている彼ら。
しかし、蓋を開ければ素直な少年達だ。
それを知ってほしい。
だからこそ、このきっかけは重要なのだ。
地道な積み重ね。
それこそが重要なのかもしれない。
現状のイメージを打破する為にはそれくらいのことをしなければならないだろう。
「よしっ!皆頑張ろうっ!」
黒龍高校の者達へ向けた華子の声。
そして、それに彼らは反応する。
彼女の声に、皆が声を上げる。
それは、うるさいほどのものであった。
これは駄目だ。
もう少し、おしとやかとまではいかないが、大人しくしてもらった方が良いかもしれない。
内心そんなことを思う華子であった。
ゾロゾロと移動する生徒達。
そして、その中で華子もゴミ拾いを行う。
不良である為、華子も彼らの行動にはあまり期待していなかった。
しかし、良い意味でそれを裏切ってくれた。
意外なことに、皆しっかりとゴミ拾いをしていたのだ。
これはどういうことだろう?
どういう風の吹きまわしだろう?
疑問に思う華子。
そんな彼女の視線に気づいたのか、彼らの一人が彼女を見て口を開く。
「鼬原?どうしたんだ?」
「え?あ、ごめん、皆ちゃんとゴミ拾いやってくれてるなーって思って……。」
きっと、これは本当だろう。
飛鳥は彼の言葉を信じることにした。
「さ、ジャンジャンゴミ拾いするぞーっと!」
そう言うと、心司は歩き出し、飛鳥から遠ざかるのであった。
「……まぁ、今はあいつを信じる他ないか……。」
飛鳥の結論は、そんなものであった。
そして、彼も歩き出した。
「……。」
妙な緊張感。
華子はプレッシャーを感じていた。
原因は分かっていた。
それは、周囲で監視する住民の目であった。
原因は分かっている。
黒龍高校の生徒達。
不良の巣窟である黒龍高校。
華子を含む、そこに属する者達が、いきなりゴミ拾いのボランティアをし始めたのだ。
何か裏があると疑わない方がおかしい。
華子も彼らの気持ちは分かる。
むしろ、本来彼ら側の考えに同意していただろう。
今まで好き勝手やっていた不良達。
そんな彼らが突然住民にとって良いことをしようしている。
疑わしい。
不気味。
恐い。
こんな感想を抱くのも無理はない。
華子もきっと、彼らと同じ立場になれば同じ考えを持つだろう。
しかし、だからこそ、変えたいのだ。
不良という烙印を押されている彼ら。
しかし、蓋を開ければ素直な少年達だ。
それを知ってほしい。
だからこそ、このきっかけは重要なのだ。
地道な積み重ね。
それこそが重要なのかもしれない。
現状のイメージを打破する為にはそれくらいのことをしなければならないだろう。
「よしっ!皆頑張ろうっ!」
黒龍高校の者達へ向けた華子の声。
そして、それに彼らは反応する。
彼女の声に、皆が声を上げる。
それは、うるさいほどのものであった。
これは駄目だ。
もう少し、おしとやかとまではいかないが、大人しくしてもらった方が良いかもしれない。
内心そんなことを思う華子であった。
ゾロゾロと移動する生徒達。
そして、その中で華子もゴミ拾いを行う。
不良である為、華子も彼らの行動にはあまり期待していなかった。
しかし、良い意味でそれを裏切ってくれた。
意外なことに、皆しっかりとゴミ拾いをしていたのだ。
これはどういうことだろう?
どういう風の吹きまわしだろう?
疑問に思う華子。
そんな彼女の視線に気づいたのか、彼らの一人が彼女を見て口を開く。
「鼬原?どうしたんだ?」
「え?あ、ごめん、皆ちゃんとゴミ拾いやってくれてるなーって思って……。」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
ただ巻き芳賀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
【ショートショート】ほのぼの・ほっこり系
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
青春
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。
声劇用だと1分半〜5分ほど、黙読だと1分〜3分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
【ショートショート】おやすみ
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。
声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
光のもとで2
葉野りるは
青春
一年の療養を経て高校へ入学した翠葉は「高校一年」という濃厚な時間を過ごし、
新たな気持ちで新学期を迎える。
好きな人と両思いにはなれたけれど、だからといって順風満帆にいくわけではないみたい。
少し環境が変わっただけで会う機会は減ってしまったし、気持ちがすれ違うことも多々。
それでも、同じ時間を過ごし共に歩めることに感謝を……。
この世界には当たり前のことなどひとつもなく、あるのは光のような奇跡だけだから。
何か問題が起きたとしても、一つひとつ乗り越えて行きたい――
(10万文字を一冊として、文庫本10冊ほどの長さです)
学童職員、小学生になる。
ぽんた
青春
主人公篠塚真帆は、学童職員をしている30歳。
七夕の日、何となく
「学童の子達の授業風景を見たい」
とお願い事をしたら、翌日何故か
小学生になってしまった!!?
真帆は偽名『杉田こはる』を名乗り、
なんやかんやあって、詩森(うたもり)小学校の3年生として生活することに。
30歳の小学生、杉田こはるとその周りの人々が繰り広げるほのぼの日常ギャグ小説!キュン要素もありますよ!!

良いものは全部ヒトのもの
猫枕
恋愛
会うたびにミリアム容姿のことを貶しまくる婚約者のクロード。
ある日我慢の限界に達したミリアムはクロードを顔面グーパンして婚約破棄となる。
翌日からは学園でブスゴリラと渾名されるようになる。
一人っ子のミリアムは婿養子を探さなければならない。
『またすぐ別の婚約者候補が現れて、私の顔を見た瞬間にがっかりされるんだろうな』
憂鬱な気分のミリアムに両親は無理に結婚しなくても好きに生きていい、と言う。
自分の望む人生のあり方を模索しはじめるミリアムであったが。

君と煌めく青春を取り戻す
倉辻 志緒
青春
あることがきっかけで高校一年生の時に中退して漫画家をしているカナミは、久しぶりのオフの日に気晴らしをかねて街中に出かけることにした。
カナミは対人恐怖症のため、混み合う場所などは苦手。どちらかと言えば男性が苦手なのだが、突然に顔立ちの綺麗な男の子に話をかけられる。
カナミ自身も不思議だったのだが、この男の子の事は拒絶反応が出なかった。ひょんなことから知り合いになり、男の子を家政婦として自宅に招く事になるが二人の過去が絡み合い、急速に変化していくことに──
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる