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「……ま、まぁ……多分そうで……あ、いや、どうでしょう?そんなタラレバは分かりませんよ?」
否定することは出来ない。
彼女には、曖昧な返答が精一杯であった。
「あはは……でも、お前は現状を変える為に頑張ってくれてるんだな……。」
「はいっ!」
成り行きとはいえ、番長になったのだ。
やれることはなる。
それが今の華子が考えていることであった。
「よしっ!俺も力になる!」
「え……?」
「それ、俺もやらせてくれ。」
「で、でもお休みの日ですよ?」
彼のまさかの提案に戸惑う華子。彼女はただ、了承を貰えれば良かったのだ。
それが、これほど迷惑をかけてしまう結果になるのはあまり好ましくない。
「それはお前達もだろ?それに、何かあった時に教師がいないと困るだろ?」
「それは……そうですけど……。」
確かにそうだ。
しかし、今までの言動から考えると、彼がそこまで責任感のある人物であるとは考えられない。
いきなりどうしたのだろう。
華子が疑問に思う。
「何だろうな、俺もお前に感化されたみたいだな。」
「……?」
「正直、こんな場所で頑張ったところで無意味だと思っていたんだ。」
「そ、それは……。」
およそ教師から聞いてはならないような発言だ。
ただただ困る華子は苦笑いしてしまう。
「まぁ、そうなるよな。……でも、俺にでも何か出来ることがあるんじゃないかってな……。」
「先生……。」
心を動かされるとはこのことをこのことを言うのだろうか。
華子の中で、何か込み上げて来るものがあった。
「なんてな!」
「が、頑張りましょうね!」
その言葉に力が籠る。
「あぁ!ところで……。」
「はい?」
「……他の奴らにはもう言ってあるのか?」
「……え?」
「こういうのって、ある程度の人数がいないと意味ないと思うんだが……。」
「あー……。」
確かにそうだ。
しかし、それに関しては全く考えていなかった。
先ほどまであった力が彼女の身体中から抜け出ていく。
「まさか……まだ誰にも言ってないのか?」
「い、いえ……その……藤柴君と鯉崎君は知ってるんですけど……。」
「まぁ、あの二人なら後から言ったとしても大丈夫だと思うが……。」
「あはは……。」
それもそうか。
「そうか……。」
「ははは……。」
もう笑うしか出来ない。
先ほどから乾いた笑いしか出てこない華子であった。
否定することは出来ない。
彼女には、曖昧な返答が精一杯であった。
「あはは……でも、お前は現状を変える為に頑張ってくれてるんだな……。」
「はいっ!」
成り行きとはいえ、番長になったのだ。
やれることはなる。
それが今の華子が考えていることであった。
「よしっ!俺も力になる!」
「え……?」
「それ、俺もやらせてくれ。」
「で、でもお休みの日ですよ?」
彼のまさかの提案に戸惑う華子。彼女はただ、了承を貰えれば良かったのだ。
それが、これほど迷惑をかけてしまう結果になるのはあまり好ましくない。
「それはお前達もだろ?それに、何かあった時に教師がいないと困るだろ?」
「それは……そうですけど……。」
確かにそうだ。
しかし、今までの言動から考えると、彼がそこまで責任感のある人物であるとは考えられない。
いきなりどうしたのだろう。
華子が疑問に思う。
「何だろうな、俺もお前に感化されたみたいだな。」
「……?」
「正直、こんな場所で頑張ったところで無意味だと思っていたんだ。」
「そ、それは……。」
およそ教師から聞いてはならないような発言だ。
ただただ困る華子は苦笑いしてしまう。
「まぁ、そうなるよな。……でも、俺にでも何か出来ることがあるんじゃないかってな……。」
「先生……。」
心を動かされるとはこのことをこのことを言うのだろうか。
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「なんてな!」
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その言葉に力が籠る。
「あぁ!ところで……。」
「はい?」
「……他の奴らにはもう言ってあるのか?」
「……え?」
「こういうのって、ある程度の人数がいないと意味ないと思うんだが……。」
「あー……。」
確かにそうだ。
しかし、それに関しては全く考えていなかった。
先ほどまであった力が彼女の身体中から抜け出ていく。
「まさか……まだ誰にも言ってないのか?」
「い、いえ……その……藤柴君と鯉崎君は知ってるんですけど……。」
「まぁ、あの二人なら後から言ったとしても大丈夫だと思うが……。」
「あはは……。」
それもそうか。
「そうか……。」
「ははは……。」
もう笑うしか出来ない。
先ほどから乾いた笑いしか出てこない華子であった。
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