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「ねぇねぇ、真優ちゃん、真優ちゃん!」
ずいっ。
席に座っている真優の前に現れたクラスメイト。
彼女とは、話しかけたことはなかったはずだ。
強いて言えば、挨拶を交わすだけの関係だ。
そんな薄い仲の人物に声をかけられた。
「……は、はい。」
突然声をかけられ戸惑い気味の真優。
どうしたのだろう?
どんな用事なのだろうか?
面倒なことでなければ良いな。
それにしてもテンションが高いな。
話しかけてきた彼女を見て、そんなことを思う真優であった。
「あっ!ほら、飴舐める?甘くて美味しいよ?フルーツの味のやつだよ!」
「い、いえ、結構です……。」
そんなものを貰う義理はない。
断る真優。
「ならさ、ならさ!オレンジジュース飲む?甘いだけじゃないよ?なんと、甘酸っぱくて美味しいんだよ?」
「いえ、ですから結構です。お構いなく……。」
「……お構いなく?」
「……あっ。」
しまった。
ハッとする真優。
いくらなんでも今の言い方は失礼過ぎただろうか?
申し訳なくなる。
反省する真優。
しかし、そんな彼女の行動は杞憂となった。
「凄いね!難しい言葉知ってるねー。ほらほら、遠慮せずにー。」
「……え?あっ、いえ、その……本当に大丈夫ですから……。」
翔子達が瀬部高等学校に入学から一週間ほど経った。
一年生も、ある程度慣れてきたようだ。
その証拠に、皆どこかしらのグループに属しているようだ。
しかし、その中で真優は特定のグループに入っていなかった。
それどころか、彼女は誰とも深く付き合おうとは考えていなかった。
普通なら、そんな彼女の存在は浮くだろう。
しかし、それは彼女だけではなかった為、浮くことはなかった。
現に、こうしてクラスメイト達が真優に話しかけている。
変わる変わる毎日だ。
しかし、それは真優本人にとってはあまり良い気分ではなかった。
少し羨ましい。
そんな気持ちになっている真優。
彼女の視線の先。
そこには、とある女子生徒。
翔子だ。
彼女と話したことはない。
恐らく、そんな者は片手で数えられるほど少ないだろう。
声をかけれない。
翔子のそのただならぬオーラに物怖じし、皆話せずにいたのだ。
その結果、このわずかな時間で彼女は高嶺の花と化したのである。
放課後。
一言も話さなかった翔子は誰よりも早く席から立ち上がり、そのまま教室を去るのであった。
ずいっ。
席に座っている真優の前に現れたクラスメイト。
彼女とは、話しかけたことはなかったはずだ。
強いて言えば、挨拶を交わすだけの関係だ。
そんな薄い仲の人物に声をかけられた。
「……は、はい。」
突然声をかけられ戸惑い気味の真優。
どうしたのだろう?
どんな用事なのだろうか?
面倒なことでなければ良いな。
それにしてもテンションが高いな。
話しかけてきた彼女を見て、そんなことを思う真優であった。
「あっ!ほら、飴舐める?甘くて美味しいよ?フルーツの味のやつだよ!」
「い、いえ、結構です……。」
そんなものを貰う義理はない。
断る真優。
「ならさ、ならさ!オレンジジュース飲む?甘いだけじゃないよ?なんと、甘酸っぱくて美味しいんだよ?」
「いえ、ですから結構です。お構いなく……。」
「……お構いなく?」
「……あっ。」
しまった。
ハッとする真優。
いくらなんでも今の言い方は失礼過ぎただろうか?
申し訳なくなる。
反省する真優。
しかし、そんな彼女の行動は杞憂となった。
「凄いね!難しい言葉知ってるねー。ほらほら、遠慮せずにー。」
「……え?あっ、いえ、その……本当に大丈夫ですから……。」
翔子達が瀬部高等学校に入学から一週間ほど経った。
一年生も、ある程度慣れてきたようだ。
その証拠に、皆どこかしらのグループに属しているようだ。
しかし、その中で真優は特定のグループに入っていなかった。
それどころか、彼女は誰とも深く付き合おうとは考えていなかった。
普通なら、そんな彼女の存在は浮くだろう。
しかし、それは彼女だけではなかった為、浮くことはなかった。
現に、こうしてクラスメイト達が真優に話しかけている。
変わる変わる毎日だ。
しかし、それは真優本人にとってはあまり良い気分ではなかった。
少し羨ましい。
そんな気持ちになっている真優。
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彼女と話したことはない。
恐らく、そんな者は片手で数えられるほど少ないだろう。
声をかけれない。
翔子のそのただならぬオーラに物怖じし、皆話せずにいたのだ。
その結果、このわずかな時間で彼女は高嶺の花と化したのである。
放課後。
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