甘え嬢ずな海部江さん。

あさまる

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コーヒーが好物。
それも、砂糖やミルクを入れていないブラックなら尚良い。
中学生の時、彼女はクラスメイト達に話したことがある。
しかし、その時の反応は酷いものであった。

その時のことを思い出すのも嫌だ。
視線、空気感。
自身が原因なのだろうが、その全てが不快であった。

忘れよう、忘れよう。
この高校でやり直すのだ。

嫌な記憶。
不快感。
一度、何かのきっかけで思い出してしまうと、芋づる式にずるずると溢れ出てしまう。

話題を変えよう。
そう言えば、同じクラスにとんでもない美人がいたな。

彼女へ向けられたいくつもの視線。
それは、無関係な真優ですら分かるような露骨なものであった。


「……あの子も苦労してきたんだろうな。」
再度、ぽつりと呟いた。
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