はりぼてスケバン

あさまる

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その後のある日2

2

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ドタドタ。
複数人の足音。
それは彼女のいる部屋へ談笑しながら向かっていた。


扉が開く。
白辰高校の生徒達だ。
そんな彼らは驚きの光景を目の当たりにした。

ガン、ガン!
ガン、ガン!

「お、おいっ!蝶華!?止めろ!」
一目散に飛び出したのは辰美であった。


蝶華がしていた行為。
それは、端的に言えば奇行であった。
土下座をする姿勢で、そのまま何度も自身の頭を床へぶつけるというものであったのだ。

「た、辰美さん!?は、離して下さい!これは私への罰なんです!」

「罰!?お前はまだそんなことを……とにかく、訳の分からないことをするな!お前らも手伝え!」

「は、はいっ!」

「ウッス!」

数名の白辰高校の生徒達が彼女を抑え込む。
そして、ようやく彼女の動きが止まった。
その頃には皆、肩で息をしていた。

「……お、お騒がせ……しました……。」
未だに荒い息。
乱れた髪のまま、謝罪する蝶華。

「それは構わないが……。」
辰美が返事をする。
そして、他の生徒達は心配そうに彼女に声をかけた。

「その、一応正気です、大丈夫です。その……私の中の悪魔と戦っていました……。」

「悪魔。」

「この聖戦、私の軍の勝利でした。」

「聖戦。」

まるで理解が出来ない。
彼女は一体何を言っているのだ。
辰美を含めて皆、ただただ困惑していた。


「ま、まぁ……大丈夫なら良い。」

「八咫さん、ところで今日俺らを呼んだのって……。」

「あぁ、お前達にこれを振る舞いたくてな。」

「……振る舞いたくて、ですか?」

一体何をだろうか?
皆が興味津々に彼の次のアクションを待つ。

「あぁ、これだ!」

ドン!
あるものを机に置く辰美。
それは、どこからどう見てもワインボトルであった。

「いやいやいやいや、いくら八咫さんでもこれは……。」
苦笑いする生徒の一人。

「こ、これ……ワイン……ですよね?」
恐る恐る、しかし、どこか興味津々な表情でマジマジとそれを見つめる蝶華。

「いや、違うぞ、安心しろ。グレープジュースだ。親父が出張の土産で買ってきてくれた高いやつだそうだ。」

「お、おぉ……お土産の……凄いジュース……。」

「何かそう言われると確かに高そうなオーラありますね……。」

辰美の説明に皆が感嘆の声を上げていた。
その中でも蝶華のリアクションが一番良いものであった。
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