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「……あはは、まぁ、後戻りは出来ないと思いますし……。」
何とか明るさを装おうとしている。
その結果、苦笑い。
逆効果だ。
「大丈夫じゃない?」
随分と気楽なものだ。
そもそも、番長だ何だとかは不良同士で解決すれば良かったはずだ。
そうでないなら、生徒会長である心司が何とかすべきだ。
「……。」
「あ、あー、ごめん、ごめん。」
彼女の怒りを察したのだろう。
やや誠意に欠けるものの、謝罪する心司であった。
「……いえ。」
「……本当にすまない、ここからは真剣に話をしようか。」
「……っ!……はい。」
心司の雰囲気が変わった。
今までのどこかふざけたものから想像のつかないような緊張感のあるものとなった。
当たり前といえば、当たり前なのだろう。
こんな場所で、仮にも生徒会長を名乗っているのだ。
何らかの力を持っているに決まっている。
それを忘れていたのは、彼の日頃の態度のせいだろう。
油断させ、いざという時に自身の迫力を遺憾無く発揮させる。
恐らくそれこそが、彼のやり方なのだろう。
「君が言いたいことは分かっている。しかし、君の口から聞きたい……いや、生徒会長として、聞かなければならない。」
「……分かりました……。」
「……。」
深呼吸。
言おう。
もう、言ってしまおう。
「私は……黒龍高校の……番長に……なります!」
言ってしまった。
もう後戻りは出来ない。
しかし、なぜかすっきりしている。
「……あぁ、そうか……。ふふ、そうか、そうか。」
「……。」
「それでは、後の雑務は俺に任せてくれ。」
「え?あ、ありがとうございます。」
「なに、礼には及ばない。これからよろしくな。」
「……はい。」
「じゃあ、今から行こうか。」
「え?い、行く?どこへですか?」
どこかに行かなければならないのか。
そんなこと、聞いていない。
まさか、番長とは市役所にでも行って申請してこなければならないのか?
そうであれば、マイナンバーカードも持参すべきなのか?
もちろん、そんな馬鹿なことをするわけがない。
それでは、どこへ行くのだろう?
やはり、分からない。
「……そんなの、決まってるだろ?前番長の、武蔵野双葉のところだよ!」
「え、えー!?」
衝撃的な発言に、これまでにないリアクションをする華子。
「……と、いうことで、放課後に一緒に行こうねー。」
何とか明るさを装おうとしている。
その結果、苦笑い。
逆効果だ。
「大丈夫じゃない?」
随分と気楽なものだ。
そもそも、番長だ何だとかは不良同士で解決すれば良かったはずだ。
そうでないなら、生徒会長である心司が何とかすべきだ。
「……。」
「あ、あー、ごめん、ごめん。」
彼女の怒りを察したのだろう。
やや誠意に欠けるものの、謝罪する心司であった。
「……いえ。」
「……本当にすまない、ここからは真剣に話をしようか。」
「……っ!……はい。」
心司の雰囲気が変わった。
今までのどこかふざけたものから想像のつかないような緊張感のあるものとなった。
当たり前といえば、当たり前なのだろう。
こんな場所で、仮にも生徒会長を名乗っているのだ。
何らかの力を持っているに決まっている。
それを忘れていたのは、彼の日頃の態度のせいだろう。
油断させ、いざという時に自身の迫力を遺憾無く発揮させる。
恐らくそれこそが、彼のやり方なのだろう。
「君が言いたいことは分かっている。しかし、君の口から聞きたい……いや、生徒会長として、聞かなければならない。」
「……分かりました……。」
「……。」
深呼吸。
言おう。
もう、言ってしまおう。
「私は……黒龍高校の……番長に……なります!」
言ってしまった。
もう後戻りは出来ない。
しかし、なぜかすっきりしている。
「……あぁ、そうか……。ふふ、そうか、そうか。」
「……。」
「それでは、後の雑務は俺に任せてくれ。」
「え?あ、ありがとうございます。」
「なに、礼には及ばない。これからよろしくな。」
「……はい。」
「じゃあ、今から行こうか。」
「え?い、行く?どこへですか?」
どこかに行かなければならないのか。
そんなこと、聞いていない。
まさか、番長とは市役所にでも行って申請してこなければならないのか?
そうであれば、マイナンバーカードも持参すべきなのか?
もちろん、そんな馬鹿なことをするわけがない。
それでは、どこへ行くのだろう?
やはり、分からない。
「……そんなの、決まってるだろ?前番長の、武蔵野双葉のところだよ!」
「え、えー!?」
衝撃的な発言に、これまでにないリアクションをする華子。
「……と、いうことで、放課後に一緒に行こうねー。」
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