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一人は普通の学校。
そして、もう一人は地元でも有名な進学校へと進んだ。
バラバラの進路。
それでもその仲は変わらないと思っていた。
少なくとも、片方の少年はそう思い、向こうもそんな考えだろうと考え、そう信じていた。
しかし、それは意図も容易く裏切られることになる。
別々の学校へ進学した。
つまり、別々の価値観を持つ友人を持つということになる。
そのズレがやがて大きくなっていくのを、幼い彼らは理解出来ずにいた。
後先考えず、楽しければ良い。
今後の為、今はひたすら学んだ者と、今を楽しんだ者。
そのズレは、やがて大きな価値観の相違となっていった。
その結果、仲違いするのは想定出来たものであった。
それは、そんな話であった。
価値観の違い。
それは、仲の良い者を別つのも容易いものである。
「な、なるほど……。」
「すまないな、つまらない話を長々としてしまった……。」
「そんなことないよ!鯉崎君の話、聞けて良かった。」
嘘偽りのない華子の言葉。
「……結局、二人は仲違いしたまま別れてしまった。……だから……その……。」
あぁ、そういうことか。
なんと不器用なのだろう。
なんと可愛らしいのだろう。
「ふふふ、ありがとう。心配してくれたんだね。」
「……う、うるさい。」
「……でも、多分、大丈夫だよ。」
どうやら亥玄のことを誤解していたようだ。
クールな一匹狼。
そんな印象であった。
しかし、その実ただ不器用な年相応な少年であったようだ。
恐がっていたのが馬鹿らしく思えた。
そして、つい微笑んでしまう華子であった。
そして、もう一人は地元でも有名な進学校へと進んだ。
バラバラの進路。
それでもその仲は変わらないと思っていた。
少なくとも、片方の少年はそう思い、向こうもそんな考えだろうと考え、そう信じていた。
しかし、それは意図も容易く裏切られることになる。
別々の学校へ進学した。
つまり、別々の価値観を持つ友人を持つということになる。
そのズレがやがて大きくなっていくのを、幼い彼らは理解出来ずにいた。
後先考えず、楽しければ良い。
今後の為、今はひたすら学んだ者と、今を楽しんだ者。
そのズレは、やがて大きな価値観の相違となっていった。
その結果、仲違いするのは想定出来たものであった。
それは、そんな話であった。
価値観の違い。
それは、仲の良い者を別つのも容易いものである。
「な、なるほど……。」
「すまないな、つまらない話を長々としてしまった……。」
「そんなことないよ!鯉崎君の話、聞けて良かった。」
嘘偽りのない華子の言葉。
「……結局、二人は仲違いしたまま別れてしまった。……だから……その……。」
あぁ、そういうことか。
なんと不器用なのだろう。
なんと可愛らしいのだろう。
「ふふふ、ありがとう。心配してくれたんだね。」
「……う、うるさい。」
「……でも、多分、大丈夫だよ。」
どうやら亥玄のことを誤解していたようだ。
クールな一匹狼。
そんな印象であった。
しかし、その実ただ不器用な年相応な少年であったようだ。
恐がっていたのが馬鹿らしく思えた。
そして、つい微笑んでしまう華子であった。
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