はりぼてスケバン

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「そのシバ犬ちゃん、双葉の取り巻きに追いかけられてたからねー、匿って上げたんよ。」
尾谷が笑顔で言う。

「はいっ！さすが生徒会長さんっす！ありがとうございましたっす！もう感謝してもしきれないっす！」
シバ犬ちゃん。
最早犬扱いをされていた丸雄。
しかし、そんなことはお構い無しといった様子で依然として元気に言う。

「いやー、それほどでも……あるかなー？あははー。」

「……。」
なるほど。
今朝から丸雄の姿が見えなかったのは生徒会室にきたからであったのか。
単に授業が面倒で教室に来なかっただけだと思っていた為、心の中で謝罪する華子であった。

丸雄に生徒会長と呼ばれた尾谷。
そんな彼を見る華子。

「あぁ、鼬原ちゃん、申し遅れたねー。黒龍高校生徒会長の尾谷心司だよ、よろしくねー。」
ニコニコ。
笑顔で心司が華子へ言う。

「は、はい。よろしくお願いします。」
すでに自身のことは知っている。
きっともう自己紹介は不要だろう。
華子が頭を下げた。