Campus91

茉莉 佳

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19 12月のダイアリー

12月のダイアリー 11月20日

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11月20日(水) 曇り

水曜日はみっちり、一日授業。

今日の授業はみっこと同じ教科もある。
教室で顔を合わせたときに、どんな反応をすればいいか悩んでいたけど、そんな心配はなかった。

あの日からずっと、みっこは学校を休んでいる。
だれもみっこを見ていないし、家に電話しても出ないという話だった。
いったい彼女、どうしたんだろう?
あれから怪我が悪化したりとか、事件のショックで心を病んだりしてるんじゃないかとか、悪いことばかり考えてしまう。
もし、そうやって彼女が学校に来れないほど、苦痛を感じているなら、それはわたしのせい。
弱っているところにわたしがひどいことを言って、追い打ちをかけたせいだ。

『ワガママで嘘つきで、親友の彼氏でも狙うような女。友だちなんかできないわよ』
だなんて…
友だちとして、人として、絶対口にしちゃいけない言葉だろう。
いくら、川島君と別れたばかりで、混乱していたとはいえ、そんなひどい言葉を、あんな状態のみっこに投げつけるなんて。
わたしって最低。


みっこのことが気になる。
でもわたしには、電話をする勇気もない。
みっこから冷たい言葉を聞くのが、怖い。
わたしのことを拒否されるのが、怖い。
わたしはみっことの友情を、完全に壊すようなことを言った。
今さらどんな顔して、みっこに会えるっていうんだろう。
彼女からは、もう電話もない。
きっと彼女はもう、わたしを許してはくれない。

つづく
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