Campus91

茉莉 佳

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19 12月のダイアリー

12月のダイアリー 11月10日

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11月10日(日) 晴れときどき曇り

久し振りの休日だけど、なにも予定がない。

家のなかでひとりでいるのは辛い。
いろいろ考えて、どんどん気分が沈んでいくから。
なので、はるみに電話してみたら、彼女もたまたま休みだったので、駅で待ち合わせて街に行き、地下街とかでショッピングしたあと、お茶した。

そう言えば、みっこ以外の友だちと出かけるのって、最近はほとんどなかったな。
みんな学校が違うし、休みも違うし、彼氏のいる友だちはそちらばかり優先して、なかなか会えない。

女同士の友情って、虚しい。
高校時代はあんなにいつもいっしょにいたのに、しょせん、その場だけの繋がりなのかぁ。
みっこは『長いこと親友ができなかった』って言ってたけど、『友だちが多い』って思っていたわたし自身も、実はみっことたいして変わらなかったのかもしれない。

人間なんて、結局ひとり。

はるみも『新しい彼氏ができた』って言って、なんだか浮かれていて、会っているあいだ中そんな話ばっかり。
そういうのを見ているのは、やっぱりいたたまれない。
彼女に川島君と別れたこととか話したけど、今は自分の幸せに酔っているはるみは、わたしの話もうわの空。

ううん。

わたしの話を、はるみもちゃんと聞いてくれてたのかもしれない。
『新しい彼氏ができれば、川島君のことも忘れられるよ』と、はるみは言っていた。
でもそれって、なんの解決にもならない。
川島君のことを忘れられないから、わたしは苦しんで、前向きにもなれない。そんな状態で、新しい恋愛なんかに踏みだすなんて、できるわけがないじゃない。
はるみの言葉は、わたしの心を素通りする。
もちろん彼女も、わたしの辛さをわかってくれて、慰めてくれたのかもしれない。
だけど、わたしが心を閉ざしちゃってて、はるみの話を受け入れなかったのかもしれない。

心を開くのって、案外難しい。
だれに対してもできるってわけじゃ、ないみたい。
みっことは、そんなことはなかった。
彼女はわたしの話をいつでも真剣に聞いてくれて、アドバイスしてくれて、わたしを真剣に叱ってくれた。
そんな友人って、ほんとに貴重だった。

つづく
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