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「夜のリゾートの甘い雰囲気は大胆になれます」
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「酔い覚ましに、少しビーチを歩いてみようか」
食事のあと、ヨシキさんはわたしの手をとり、ビーチへ出た。
グラス一杯のシャンパンだけではもの足りず、わたしたちは結局、赤ワインのフルボトルを一本開けていた。
わずかに群青色を残した漆黒の空には、ポツポツと星が瞬きはじめ、ライトアップされた光が、熱帯樹や教会を仄かに浮かび上がらせている。
なぎさには先客のカップルがポツポツといて、それぞれがひとつのシルエットになっている。
夜のリゾートホテルは、昼間とはまた違った、ロマンティックな雰囲気を醸し出していた。
「足許がふわふわします。少し酔ったみたい」
「大丈夫? それにしても凛子ちゃん、お酒強いね」
「すみません。調子に乗って、たくさん飲んじゃって」
「いいよ。凛子ちゃんって酔うと、頬や耳がピンクに染まっちゃって、すごく可愛いよ」
「やだ」
そう言って、わたしはヨシキさんの腕に絡みつき、肩にもたれかかった。
太陽の下ではこんな恥ずかしいことはできかったけど、お酒の勢いと、夜のリゾートの甘い雰囲気で、つい、大胆になれてしまう。
ヨシキさんもわたしの肩を抱き、しばらくふたりで、夜の浜辺をあてもなく歩いた。
遠くまで来たところで、ヨシキさんは立ち止まり、軽くわたしを抱き寄せる。
寄せては返す波の音を聞きながら、わたしたちはキスをかわした。
「んん…」
いい気分。
もつれるようにふたりは芝生の上に寝転がり、わたしはヨシキさんの上に馬乗りになった。
「キスしてあげます」
そう言いながら腰をかがめ、唇を重ねる。
ヨシキさんがしてくれるみたいに、まぶたや耳、首筋にキスをしていく。シャツのボタンを開けてはだけさせ、胸元にもくちづける。
「人に見られるよ」
「見せつけてあげましょ」
「凛子ちゃんって、お酒が入ると人が変わるな」
「こういうの、嫌いですか?」
「いや。大胆な凛子ちゃんも、すごくいいよ」
「ふふ。わたし、淫乱なのかも」
「大歓迎だよ」
「じゃあ、もっとさせて下さい」
わたしはキスを続けた。
軽く瞳を閉じ、ヨシキさんは気持ちよさそうに、唇をかすかに緩める。
そんな表情を見ていると、こちらまでむらむらしてくる。
もっと攻めてやりたい。
「今度はオレがしてやるよ」
しばらくされるがままになっていたヨシキさんは、逆襲するかのように態勢を入れ替え、わたしを草の絨毯の上に仰向けにした。
一瞬にして景色が入れ替わり、目の前一面に広がった夜空は、キラキラ輝く星が降ってきそうなくらいに綺麗。
ヨシキさんの指や唇が、わたしのからだをなぞっていく。
縦横無尽に快感が走る。
すべてのしがらみから解き放たれ、漆黒の宇宙を漂っているみたい。
たまらない。
わたしは背中をのけぞらせた。
瞳を閉じて、快楽に溺れていく。
「続きは部屋でな」
しばらくは快感に酔っていたが、ヨシキさんはからだを起こし、わたしから離れた。
わたしの腕をとって立ち上がらせ、からだについた草を軽く払ってくれる。
からだがまだ、くすぶっている。
なんだかじらされているみたいで、もっとヨシキさんがほしくなる。
つづく
食事のあと、ヨシキさんはわたしの手をとり、ビーチへ出た。
グラス一杯のシャンパンだけではもの足りず、わたしたちは結局、赤ワインのフルボトルを一本開けていた。
わずかに群青色を残した漆黒の空には、ポツポツと星が瞬きはじめ、ライトアップされた光が、熱帯樹や教会を仄かに浮かび上がらせている。
なぎさには先客のカップルがポツポツといて、それぞれがひとつのシルエットになっている。
夜のリゾートホテルは、昼間とはまた違った、ロマンティックな雰囲気を醸し出していた。
「足許がふわふわします。少し酔ったみたい」
「大丈夫? それにしても凛子ちゃん、お酒強いね」
「すみません。調子に乗って、たくさん飲んじゃって」
「いいよ。凛子ちゃんって酔うと、頬や耳がピンクに染まっちゃって、すごく可愛いよ」
「やだ」
そう言って、わたしはヨシキさんの腕に絡みつき、肩にもたれかかった。
太陽の下ではこんな恥ずかしいことはできかったけど、お酒の勢いと、夜のリゾートの甘い雰囲気で、つい、大胆になれてしまう。
ヨシキさんもわたしの肩を抱き、しばらくふたりで、夜の浜辺をあてもなく歩いた。
遠くまで来たところで、ヨシキさんは立ち止まり、軽くわたしを抱き寄せる。
寄せては返す波の音を聞きながら、わたしたちはキスをかわした。
「んん…」
いい気分。
もつれるようにふたりは芝生の上に寝転がり、わたしはヨシキさんの上に馬乗りになった。
「キスしてあげます」
そう言いながら腰をかがめ、唇を重ねる。
ヨシキさんがしてくれるみたいに、まぶたや耳、首筋にキスをしていく。シャツのボタンを開けてはだけさせ、胸元にもくちづける。
「人に見られるよ」
「見せつけてあげましょ」
「凛子ちゃんって、お酒が入ると人が変わるな」
「こういうの、嫌いですか?」
「いや。大胆な凛子ちゃんも、すごくいいよ」
「ふふ。わたし、淫乱なのかも」
「大歓迎だよ」
「じゃあ、もっとさせて下さい」
わたしはキスを続けた。
軽く瞳を閉じ、ヨシキさんは気持ちよさそうに、唇をかすかに緩める。
そんな表情を見ていると、こちらまでむらむらしてくる。
もっと攻めてやりたい。
「今度はオレがしてやるよ」
しばらくされるがままになっていたヨシキさんは、逆襲するかのように態勢を入れ替え、わたしを草の絨毯の上に仰向けにした。
一瞬にして景色が入れ替わり、目の前一面に広がった夜空は、キラキラ輝く星が降ってきそうなくらいに綺麗。
ヨシキさんの指や唇が、わたしのからだをなぞっていく。
縦横無尽に快感が走る。
すべてのしがらみから解き放たれ、漆黒の宇宙を漂っているみたい。
たまらない。
わたしは背中をのけぞらせた。
瞳を閉じて、快楽に溺れていく。
「続きは部屋でな」
しばらくは快感に酔っていたが、ヨシキさんはからだを起こし、わたしから離れた。
わたしの腕をとって立ち上がらせ、からだについた草を軽く払ってくれる。
からだがまだ、くすぶっている。
なんだかじらされているみたいで、もっとヨシキさんがほしくなる。
つづく
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