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9th sense
9th sense 6
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しばらくすると、彼女の指先から、淡いオーラのような光が出てきた。
それは、暗闇の中にポツンと灯る、希望の光。
淡くて弱い光だったけど、それでもあたしは吸い寄せられるように、少しづつ彼女の方へ近づいていった。
もうすぐ小嶋未希の左指に触れる、、、
と思った瞬間、コインがスーッと『yes』の文字の上に移動した。
えっ?
あたしまだ、なんにもしてないのに?!
「イっ、イエス、、、」
驚きに満ちた顔で、和馬くんはボードの文字を読み上げた。
「名前を聞かせて下さい」
冷静な声で、小島未希は質問した。
興味と恐怖にかられた目で、航平くんも和馬くんもミクも、小島未希の指の動きを追っていく。
目隠ししてる小嶋未希に、盤の文字は見えるわけがない。
コインはゆっくりと、だけど正確に、五十音の文字の上を動いて、名前を綴った。
ひと文字づつ読み上げる和馬くんの声が、震え出してくる。
『さ・か・い・あ・ず・さ、、、』
六つの文字を読み上げた和馬くんは、ゴクリとツバを飲み込んだ。
『さかいあずさ』って、、、
確かにあたしの名前だ。
だれよ!?
人の名前を勝手に騙ってるのは!
<けけけけけ、、、>
<ぎひひひひ、、、>
どこからともなく、不気味な笑い声が響いてきた。
あたしは部屋のなかを見渡した。
いつの間に集まってきたんだろ?
部屋のあちこちに、小嶋未希のやることを興味深そうに眺めてる、たくさんの小さな黒い影がいたのだ。
その数はどんどん増えてく。
大胆にもテーブルの上に乗ってきて、コインに触ったり、小嶋未希にじゃれついてるやつもいる。
こいつら、どっかで見たことある、、、
そうだ!
如月に纏わりついてた、下級霊どもだ!
「酒井さん。あなたはどうして、ここにいるのですか?」
小嶋未希は質問を続けた。
彼女の指先には、小さな黒い影が蠢いてるのが見える。
自分が相手してるのが、下級霊だとも気づかないのかな?
所詮、この子の霊力って、この程度のものなのか、、、
下級霊どもは儀式に興味を持ったみたいで、面白半分にコインを動かしだした。
『う・ら・み』
「えっ?」「きゃ、、、」「おい、、」
コインの動きを見つめる三人に、動揺が広がる。
こら! 下級霊ども!!
そこは『恨み』とかじゃなくって、『恋』とか『告白』だろ!!
冷静を装い、小嶋未希は質問を続けた。
「なにを恨んでいるのですか?」
『に・く・い』
「なにが憎いのですか?」
『お・ま・え・ら・み・ん・な・む・か・つ・く』
「おまえらって、ここにいるわたしたちですか?」
『3・く・み・の・や・つ・ら・み・ん・な』
「3組って、、、 わたしたちのクラス」
震える声で、ミクがつぶやいた。
それでも小嶋未希は静かな声で、重ねて訊いた。
「憎いわけを教えて下さい?」
『こ・ろ・し・て・や・る』
「だから、恨んでいるわけを教えて下さい?」
『し・ね』
「どうして教えてくれないのですか?」
『の・ろ・つ・て・や・る』
「、、、もうやめよ! 怖いっ!」
パニックに陥ったミクは、思わず両手で顔を覆い、泣きながら叫んだ。
「あっ。ミクちゃん手を離すなよ!」
「ごっ、ごめん!」
真っ青な顔で、ミクは慌てて航平くんの手に自分の手を重ねる。
目隠しした小嶋未希の顔にも、焦りの色が浮かんできた。
それを見ながら、下級霊どもは嬉しそうに小躍りしたり、小嶋未希の頭に乗って、勝ち誇ったようにガッツポーズをとったりしてる。
、、、なんか、腹立ってきた。
こいつら、なんで勝手なことやってんのよっ!
そりゃ、航平くんを横取りしたミクや、それを知ってて黙ってた萌香にも腹立つし、怨みも感じてるけど、あんたら下級霊どもなんかに、とやかく言われたくないわよ!
つづく
それは、暗闇の中にポツンと灯る、希望の光。
淡くて弱い光だったけど、それでもあたしは吸い寄せられるように、少しづつ彼女の方へ近づいていった。
もうすぐ小嶋未希の左指に触れる、、、
と思った瞬間、コインがスーッと『yes』の文字の上に移動した。
えっ?
あたしまだ、なんにもしてないのに?!
「イっ、イエス、、、」
驚きに満ちた顔で、和馬くんはボードの文字を読み上げた。
「名前を聞かせて下さい」
冷静な声で、小島未希は質問した。
興味と恐怖にかられた目で、航平くんも和馬くんもミクも、小島未希の指の動きを追っていく。
目隠ししてる小嶋未希に、盤の文字は見えるわけがない。
コインはゆっくりと、だけど正確に、五十音の文字の上を動いて、名前を綴った。
ひと文字づつ読み上げる和馬くんの声が、震え出してくる。
『さ・か・い・あ・ず・さ、、、』
六つの文字を読み上げた和馬くんは、ゴクリとツバを飲み込んだ。
『さかいあずさ』って、、、
確かにあたしの名前だ。
だれよ!?
人の名前を勝手に騙ってるのは!
<けけけけけ、、、>
<ぎひひひひ、、、>
どこからともなく、不気味な笑い声が響いてきた。
あたしは部屋のなかを見渡した。
いつの間に集まってきたんだろ?
部屋のあちこちに、小嶋未希のやることを興味深そうに眺めてる、たくさんの小さな黒い影がいたのだ。
その数はどんどん増えてく。
大胆にもテーブルの上に乗ってきて、コインに触ったり、小嶋未希にじゃれついてるやつもいる。
こいつら、どっかで見たことある、、、
そうだ!
如月に纏わりついてた、下級霊どもだ!
「酒井さん。あなたはどうして、ここにいるのですか?」
小嶋未希は質問を続けた。
彼女の指先には、小さな黒い影が蠢いてるのが見える。
自分が相手してるのが、下級霊だとも気づかないのかな?
所詮、この子の霊力って、この程度のものなのか、、、
下級霊どもは儀式に興味を持ったみたいで、面白半分にコインを動かしだした。
『う・ら・み』
「えっ?」「きゃ、、、」「おい、、」
コインの動きを見つめる三人に、動揺が広がる。
こら! 下級霊ども!!
そこは『恨み』とかじゃなくって、『恋』とか『告白』だろ!!
冷静を装い、小嶋未希は質問を続けた。
「なにを恨んでいるのですか?」
『に・く・い』
「なにが憎いのですか?」
『お・ま・え・ら・み・ん・な・む・か・つ・く』
「おまえらって、ここにいるわたしたちですか?」
『3・く・み・の・や・つ・ら・み・ん・な』
「3組って、、、 わたしたちのクラス」
震える声で、ミクがつぶやいた。
それでも小嶋未希は静かな声で、重ねて訊いた。
「憎いわけを教えて下さい?」
『こ・ろ・し・て・や・る』
「だから、恨んでいるわけを教えて下さい?」
『し・ね』
「どうして教えてくれないのですか?」
『の・ろ・つ・て・や・る』
「、、、もうやめよ! 怖いっ!」
パニックに陥ったミクは、思わず両手で顔を覆い、泣きながら叫んだ。
「あっ。ミクちゃん手を離すなよ!」
「ごっ、ごめん!」
真っ青な顔で、ミクは慌てて航平くんの手に自分の手を重ねる。
目隠しした小嶋未希の顔にも、焦りの色が浮かんできた。
それを見ながら、下級霊どもは嬉しそうに小躍りしたり、小嶋未希の頭に乗って、勝ち誇ったようにガッツポーズをとったりしてる。
、、、なんか、腹立ってきた。
こいつら、なんで勝手なことやってんのよっ!
そりゃ、航平くんを横取りしたミクや、それを知ってて黙ってた萌香にも腹立つし、怨みも感じてるけど、あんたら下級霊どもなんかに、とやかく言われたくないわよ!
つづく
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