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9th sense
9th sense 3
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『想いが昂じたとき、物理的に影響を与えることもできる』
確かそんなことを、如月は言ってた。
ってことは、『萌香なんか死ねばいいのに』ってあたしの気持ちが、彼女に害を与えたってこと?!
もしかしてあたし、、、
能力がパワーアップしてるのかも。
萌香の怪我は、出血の割にはそんなにひどくなく、顔面の打ち身と擦り傷、全治3週間程度の胸の裂傷くらいですんだ。
だけど、額と胸から血を流す姿が、みんなにはあたしの姿にダブって見えたらしい。
『萌香が怪我したのは、あたしの呪いだ』という噂が、あっという間に学校中に広がり、みんなそれを信じ込んでしまった。
、、、ひどい。
ちょっと前までは、いっしょに笑いあってた仲なのに。
今はみんな、あたしに怯えるばかり。
如月がいる頃は、まだよかった。
あたしの話を聞いてくれて、共感してくれる人がいたから。
でも今は、だれもあたしのこと、わかろうともしない。
ただ怖がるだけ。
怯えるだけ。
どんなに手を尽くしても、航平くんにもあたしの存在は、わかってもらえない。
、、、淋しい。
こんな真っ暗闇で孤独な世界。
たったひとりでいるには、淋しすぎる。
昔みたいに、みんなといっしょにいたい。
こんな世界でも、友達とでもいれば、少しは気が紛れるかもしれない。
みんなといられれば。
せめて、、、
せめて航平くんだけでも、こっちに来てくれればいいのに。
「航平、今日はみんなで見舞いにきたぞ」
それから数日たった放課後、航平くん家に中島和馬くんが、女子を連れてやってきた。
もう三日も学校を休んでる航平くんは、顔色も悪く、なんだか生気がない。
ジャージ姿で玄関まで出迎えた航平くんは、『おや?』という顔で、中島くんのうしろを見た。
そこにはミクのほかにもうひとり、メガネをかけた知らない女子が立ってたからだ。
「航平くん。具合どう?」
「ああ。まだ本調子じゃないけど、、、」
「ちゃんと病院に行ってる?」
「行っても、原因わかんないし」
ミクの問いかけに曖昧な返事をした航平くんは、訝しげに見知らぬ女子を見た。
女の子の背中をポンと叩いいて、和馬くんは紹介する。
「航平は初めてだったな。こっちは5組の小嶋未希ちゃん。今日の儀式のために来てもらったんだ」
「儀式?」
ますます訝しげな瞳で、航平くんは『小嶋』と紹介された女の子を見た。
黒ぶちのメガネをかけて髪をツーサイドアップにした、地味目な子だ。
「なんだよ? 儀式って」
航平くんの問いに、中島くんはまじめな顔になる。
あたしも気になる。
儀式って、なんなのよ?
「まあ、、、
とにかく、上がるぜ」
そう言いながら、航平くんの返事を待たずに、中島くんは靴を脱いで上がり込んだ。
「お邪魔します」
「、、、どうぞ」
ミクと小嶋未希さんも靴を揃えて玄関へ上がる。
まだ納得できない様子で、航平くんは浮かない顔をしていたが、和馬くんに言われるまま、二階の自分の部屋へ三人を案内した。
狭い階段を四人が登っていく。
そのあとをあたしも追いかけた。
「航平。おまえ、信じるか?」
航平くんの部屋に続く廊下を歩きながら、中島くんは小声で訊いた。
つづく
確かそんなことを、如月は言ってた。
ってことは、『萌香なんか死ねばいいのに』ってあたしの気持ちが、彼女に害を与えたってこと?!
もしかしてあたし、、、
能力がパワーアップしてるのかも。
萌香の怪我は、出血の割にはそんなにひどくなく、顔面の打ち身と擦り傷、全治3週間程度の胸の裂傷くらいですんだ。
だけど、額と胸から血を流す姿が、みんなにはあたしの姿にダブって見えたらしい。
『萌香が怪我したのは、あたしの呪いだ』という噂が、あっという間に学校中に広がり、みんなそれを信じ込んでしまった。
、、、ひどい。
ちょっと前までは、いっしょに笑いあってた仲なのに。
今はみんな、あたしに怯えるばかり。
如月がいる頃は、まだよかった。
あたしの話を聞いてくれて、共感してくれる人がいたから。
でも今は、だれもあたしのこと、わかろうともしない。
ただ怖がるだけ。
怯えるだけ。
どんなに手を尽くしても、航平くんにもあたしの存在は、わかってもらえない。
、、、淋しい。
こんな真っ暗闇で孤独な世界。
たったひとりでいるには、淋しすぎる。
昔みたいに、みんなといっしょにいたい。
こんな世界でも、友達とでもいれば、少しは気が紛れるかもしれない。
みんなといられれば。
せめて、、、
せめて航平くんだけでも、こっちに来てくれればいいのに。
「航平、今日はみんなで見舞いにきたぞ」
それから数日たった放課後、航平くん家に中島和馬くんが、女子を連れてやってきた。
もう三日も学校を休んでる航平くんは、顔色も悪く、なんだか生気がない。
ジャージ姿で玄関まで出迎えた航平くんは、『おや?』という顔で、中島くんのうしろを見た。
そこにはミクのほかにもうひとり、メガネをかけた知らない女子が立ってたからだ。
「航平くん。具合どう?」
「ああ。まだ本調子じゃないけど、、、」
「ちゃんと病院に行ってる?」
「行っても、原因わかんないし」
ミクの問いかけに曖昧な返事をした航平くんは、訝しげに見知らぬ女子を見た。
女の子の背中をポンと叩いいて、和馬くんは紹介する。
「航平は初めてだったな。こっちは5組の小嶋未希ちゃん。今日の儀式のために来てもらったんだ」
「儀式?」
ますます訝しげな瞳で、航平くんは『小嶋』と紹介された女の子を見た。
黒ぶちのメガネをかけて髪をツーサイドアップにした、地味目な子だ。
「なんだよ? 儀式って」
航平くんの問いに、中島くんはまじめな顔になる。
あたしも気になる。
儀式って、なんなのよ?
「まあ、、、
とにかく、上がるぜ」
そう言いながら、航平くんの返事を待たずに、中島くんは靴を脱いで上がり込んだ。
「お邪魔します」
「、、、どうぞ」
ミクと小嶋未希さんも靴を揃えて玄関へ上がる。
まだ納得できない様子で、航平くんは浮かない顔をしていたが、和馬くんに言われるまま、二階の自分の部屋へ三人を案内した。
狭い階段を四人が登っていく。
そのあとをあたしも追いかけた。
「航平。おまえ、信じるか?」
航平くんの部屋に続く廊下を歩きながら、中島くんは小声で訊いた。
つづく
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