言葉に出せません

プロローグ

注意書

攻→ドＭ：遠野　望（とおや　のぞむ）

受→サド：神城　直人（かみしろ　なおと）


本編内でのリバエロはありませんが、匂わせる空気があります。

ギャグですがシモネタもエロも割りとガッツリなので要注意。


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　僕には最近気になるお隣りさんが居る。
　背が高くてかっこよくて、ちょっと鬼畜っぽい。
　ああ、僕のこと、蹴ったり言葉で虐めたりしてくれないかなぁ、ハァハァ。
　絶対お仲間だとは思うんだ。しかもＳＭ趣味があってサドに違いない！

　……まあ、後半は希望だけど。

　そんな相手から、突然お家に招待されました！
　ああ、夢みたいだ。もしかして向こうも僕のこと好きなのかも！
　食べられちゃったりしてー。きゃっ！

　……なんて、それじゃ困る訳ですよ。

　僕は背もそんな高くないし、女顔ではないけど穏和そうと言われる顔立ち、加えてマゾ。
　そのせいで誤解されるけど、僕はネコのできないバリタチだ。そんな感じだから恋人ができた試しがない。たいてい致す前に逃げられる。

　でもね、この恋はもう逃せないって思ってる。

　だって本当に好みなんだ。あの鬼畜そうな顔を喘がせたい！　そしてこの変態めって罵ってほしい！　想像しただけでイキそうだ。
　きっと向こうも僕をお仲間だと思ってる。これはそういう意味合いを込めた誘いだと考えていいだろう。
　僕の態度から気があるとも判るだろうから、多分ストレートに来る。つまり、油断している。
　僕が突っ込む側だなんて夢にも思わないだろう。
　温厚そうなタチも女顔のタチもいるけど、それに加えてマゾとなると、中々いないからな。そもそもゲイはネコが多いし。
　ああ、僕がマゾでさえなかったらきっと入れ食い状態だったのに！

　これは、そんな僕に巡ってきた恋のチャンスだ。
　お隣りさん、ごめんなさい。貴方で童貞、捨てさせて頂きますッ！
　そんな決意を固めつつ、僕は仕事帰りスーツのポケットに睡眠薬を忍ばせた。
　……うん、きっと力じゃ敵わないもんね、仕方ないよね。