弟を好きになりました

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それからの2人

独占欲(R18

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 律が高校に入学したばかりの頃『三人に告白された』というようなことを言っていたけど……。それから、ほとんど女の影を見せたりしない。
 話によれば、年上の彼女がいると言ってあるから、あまりアプローチされないんだとか。
 俺としては凄くホッとしてる。律が俺のことを好きだとわかってはいても、やっぱり可愛い女の子の存在は俺にとって驚異的だから。
 俺を何よりも優先させてくれる律。きっと俺が不安になるから、気を遣ってくれてるんだろうなとは思う。
 だって……。兄の目から見ても律は凄くかっこいい。もてない筈がない! というよりもてなかったらそれはそれで納得いかない。でももてたら嫌だ。という相反する感情がある。

 今日は律が、珍しくリビングのソファに座って読書をしていたので、寄り添って肩に頭を預けてみた。
 
「面白い?」
「うん……。クラスメイトに借りたんだけどね」
 
 そう言ってぱらりとページをめくった途端、落ちてきた一枚の封筒。
 
「あ」
 
 俺と律は同時に声を上げた。それは明らかに、ラブレター……だった。
 こんなふうに形として見せられるとやっぱり酷くショックだ。目の前が真っ暗になるような感じがした。
 しかもつまり……この本は、女の子に借りたってことになる。それもあわせて厳しい。
 クラスで女子とだけ仲良くしてないなんてことがある訳ないと判ってはいたけど、やっぱり目にして見えるのは違う。
 
「ちゃんと断るからね。わかってるよね」
「うん……」
「僕は兄さんしか見えてないのに、どうしてそう不安になるかな」
 
 律は本を閉じて、ちゅっとキスをしてくれた。
 そうなんだ。律は俺のことを好きなんだ。不安になることなんてどこにもない。
 いや、不安……というより、嫉妬かもしれない。今までは不安になるばかりだったけど、なんだか物凄いイライラする。
 だって律は俺のだから。それに俺の方が絶対に、律を好きって気持ちも強い。それでも律に好きな相手ができたら俺はきっと身を引いてしまうんだと思う。
 律に俺より好きな相手ができる。そんな事態が起こらないためにも、ずっと俺を好きでいて貰わなきゃならない。
 
「俺の方が、その子より律のことを好きだよ」
「そんなの当然じゃない。それに、僕も兄さんだけが好きだよ」
「俺の方が、律のことを気持ちよくできるし」
「えっ?」
 
 そう言って律を押し倒す。珍しく驚いた表情を浮かべる律と、きっと野獣のような顔をしている俺。
 今すぐ隙間なく律と繋がりたいと思うのは、やっぱり不安だから? そうじゃない。気持ちよくして、メロメロにして、今まで以上に俺しか見えないようにさせたいから。 
 
 
 
 
 律の身体を愛撫しながら自分のそこを解して、上から飲み込んだ。俺のそこが目一杯拡がって熱い欲望をぎちぎちと締め上げる。
 
「っあ……は……」
「無茶、するから……。まだ早いって言ったのに」
「でも気持ちいいだろ? 律、気持ちいい?」
「うん……。いいよ」
「良かった……」
 
 ゼリー付の薄いゴム越しでもわかる、律の熱さ。俺の中で脈打ってる。俺が欲しいって訴えてる。
 下から突き上げられる度、疼く身体に目眩がした。
 
「あ、んんっ……。う、んっ……律ぅ」
「いやらしいね。兄さん、凄い……エッチだ」
「こんな浅ましい俺は嫌? 律と繋がることしか、そんなことしか……考えてないような俺は」
「まさか。大好きだよ。それに今日に始まったことじゃないんだから、今更でしょ」
 
 何気にさらりと酷い台詞を吐いて、律は俺のペニスを器用な指先で扱く。
 
「ん、や……ダメ、それされると、もたない」
「いいよ。何度でもイッて見せて。僕の上で腰振って、たくさん求めて。兄さんから求められるの、大好きなんだ」
 
 そんなことを言われたら、タガが外れてしまいそうだ。律の胸に手を置いて、俺はゆっくりと抽挿を開始した。
 なるべく中のポイントをずらして理性をコントロールし、律をいっぱい気持ち良くしようと思うのに、気付けば自分の快感を追ってしまう。
 いいところを律の熱を使って擦り上げ、自ら喘ぐ。恥ずかしすぎて仕方ないけど、それにすら煽られてたまらない。
 
「律……り、律……、あう……」
「可愛い。大好き、兄さん。本当に好き」
 
 俺が不安になっているのが判っているからか、律はいつも以上にたくさん、俺を好きだと言ってくれる。
 愛しい。嬉しい。大好きだ。胸がつまって泣いてしまいそうだ。
 
「俺以外好きにならないで。ずっと俺を好きでいて……」
「うん。好きでいるよ。兄さんのエッチな身体、気持ち良くて大好きだし」
「もっと……もっといっぱい、気持ち良くするから」
「でもね。もし兄さんに何かあって、こうしてセックスできなくなったとしても、僕はずっと兄さんを好きだからね。身体だけじゃないから、ずっと愛してるから」
「律ぅ……」
 
 それでも不安なんだ。身体を繋げることで気持ちが伝わるし、安心できるし、愛されてるって実感できる。
 律はそう言うけど、俺は幼い律に手を出して快感で家族愛と肉欲を結びつけてしまったような気がするから……。
 おかしいな。その頃は抱きたいって思ってたのに、今では身体の中で律が動くのがたまらなく気持ち良くてたまらなく嬉しい。
 少しでも今より深く、少しでも今より奥へ。律の熱を飲み込んで、俺の中で育て上げる。
 俺がイキそうになって腰を止めても中の律はびくびくと動いているし、緩く突き上げてくる。
 
「ダメだ、それ……。イッちゃうから」
「だからイッていいって。言っておくけど今日は一度や二度じゃ終わらないからね。こんな風に僕を誘って、可愛く嫉妬して。ホントたまらない。もっといっぱい欲しがって?」
「っふ、や、ああっ」
「っ……」
 
 可愛いおねだりと共に強く突き上げられて、俺は呆気なくイッてしまった。締め付けると同時、中で律の熱も跳ねて少しずつ萎んでいくのがわかった。
 律がこんなふうにあっさりイクの、久し振り。律も興奮してくれてるんだ。
 あまりの激しさに一回イッただけでぐったりしそうだけど、今日は俺ももっと欲しかった。
 律の上で倒れて気絶するまで、腰を振り続けたい勢いだ。
 
「あっ、ああっ……や、待って、まだ……っ」
 
 でもさすがに、復活が早すぎる。若い……。
 
「無理。ごめん、腰止まらない。ゴムが破裂するほど、やっちゃいそう」
 
 エロイ囁きに酩酊する。上から覆い被さってキスをする。身体が辛い。感じすぎて怖い。でも律が欲しくて欲しくて、俺はもっと……とその耳元で囁いた。
 ……律は俺のその言葉に、酷く従順に行動した。それこそ俺が気絶するまで。 
 
 
 
 
 嫉妬に駆られてもの凄い濃厚なエッチをしてしまった。
 身体がかなりきっついけど……でも気持ちよかった。
 律はする度にどんどん上手くなってて、翻弄されてしまう。嫌じゃないけど兄としてはちょっと情けなく、恥ずかしい。
 
「ん?」
 
 目が合うと、にこっと微笑んでくれる。その笑顔がなんだかかっこよく見えてドキドキした。
 
「じっと見てどうしたの? 可愛い、兄さん、好き」
 
 唇にキスが落ちてくる。律こそ可愛い。こんなかっこよくて可愛い律だから、俺はすぐ不安になるんだ。
 
「ラブレター……断るよな」
「当然でしょ」
 
 何言ってんの、というような顔で見られた。
 
「わかってるよ。わかってるけど心配なんだよ。律は昔から友達多いし、もてるから」
「兄さんがそういうふうに育てたのに。恋人じゃなく兄としてさ、年相応のことさせようって努力してくれてたの、知ってる」
 
 本当は俺のことだけ見て欲しかった。
 でも、それは兄としてダメだと思ったから、それだけにならないように気をつけていたのは確かだ。
 律が大きくなってきたせいで、ダメダメになりつつあるけど。
 
「でも最近じゃ僕もすっかり、友達なんてどうでもよくて兄さん一筋って感じになってきちゃってるけどね、兄さんの努力の甲斐も虚しく」
「それは俺、喜んでいいのか、悲しんでいいのか」
「喜んで。それだけ兄さんが好きだよ……ってことなんだから」
 
 前までなら罪悪感が先に立ってしまった。でも今は律がしっかりしてきているおかげか、嬉しさのが大きい。
 小さい子に大きくなったらお兄ちゃんと結婚するの、とか言われるのと大きくなってから言われるのの違い……とでも言ったらいいんだろうか。
 まあ俺の場合は、小さい律にそんなこと言われようものなら鼻血1リットルは軽い。
 
「うん、ありがとう律。ところで、いつもどんなふうに断ってるんだ?」
「え……普通に、年上の可愛い恋人に心底惚れてるから無理ですって」
「普通に……」
「ん? うん。それがどうかした?」
「手慣れてる気がする」
「普通でしょ、普通!」
 
 俺は律をぎゅーっと抱きしめて、首筋に強く吸いついた。
 
「っ……兄さん」
「ごめん」
 
 鮮やかに色づくキスマーク。律が俺の物だという証。
 これをつけながら告白を断る律に、女の子はどう思うだろう。
 嫉妬深い恋人がいるのねと思うかもしれない。あんまりだわって律に対して憤るかもしれない。
 それでも俺は、その後ろに恋人の……俺の存在を、感じて欲しかった。
 
「まあいいけど……。兄さんが嫉妬してくれるの、嬉しいから。もっと独り占めしていいんだよ。僕は兄さんだけのものだよ。もっとワガママ言ってよ。今までは僕が、兄さんにワガママばかり言ってきたんだから」
 
 甘やかしたいんだ、そう大人びた顔で囁く律に、甘えるより甘えて欲しくなってしまうのはやはり兄故か。
 でもこれからは、ちょっとずつワガママも言っていこうと思う。俺がワガママを言うことで君が、そんなに嬉しそうな顔をするのなら。 
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