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中学生編
安心させてあげる
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律は頭がいい。俺も成績表を見せてもらってるけどオール5に近い。運動神経もいいらしく、体育も5だった。
多分相当にもてるだろうと思う。なのに今年は義理すらチョコを持って来なかった。
可愛い頃でさえ女の子にあれだけもててたんだから、貰えないはずない。
義理以外のチョコは貰ってこないというルールだけど手渡しじゃなければそういう訳にはいかないよな。
付き合ってる相手がいると公言してたとしても、誰もその姿を見たことがないんだし。
律は俺が気にするから女の影とかまったく見せないし、スマートに俺を大事にしてくれる。それこそ宝物みたいに。
そう思ってるのは俺も一緒だけど。
俺は律に好きな女性ができたら身を引くつもりでいる。
こんなにいっぱい幸せと思い出を貰えたからもう平気だ。
高校生になったら今より忙しくなってうちにも寄り付かなくなってきっといつか離れていく。
これだけ頭が良ければどこでも好きな所に行けるだろうな。
それより前に、来年は受験勉強で、俺の家に来る回数も減りそう……。
律はとても俺のことを好きでいてくれてると思う。それはわかる。
でもやっぱり不安なんだよ。小さい頃からこうしてるから、刷り込みみたいになってるかもしれないって。
「……また、妙なこと考えてるでしょ」
そして俺がこういうことを考え出すと何故かすぐ、律にばれる。
何でだ? 俺、そんなにわかりやすい?
今日は手だけで抜き合ったあと、いつものようにベッドでまったりしてるだけで、おかしい空気は何もなかったはず。
「律はどこの高校行くのかなって考えてただけだよ。来年ももうすぐだし、進路調査も始まってるよな」
「あー……。うん、そうだね」
「で、決まってる?」
「うん」
予想外の答えに俺は焦った。
普通の兄らしいことをあまりしていない俺としてはパンフレット見ながら相談されたりしたかったなと……。
そりゃ、12も離れてるから俺が高校に行く時のことなんてあまり参考にならないかもしれないけどさ。
律はわざと、俺に兄らしいことをさせたくなかったのかな。
兄でなく、恋人だから。
……頼りにならないからって意味じゃないといいな。
「ショック受けてたりする?」
「……何で?」
「僕が何も相談しなかったから」
お見通しすぎる。じゃあわかってて、相談しなかったのかぁ、律ぅ……。
「まだ希望……くらいで、これから相談しようと思ってたり、する?」
「いや、もう絶対そこ」
「そっか……」
「このマンションから一番近い高校」
「え?」
「母さんと父さん説得して、兄さんとここで暮らす」
「え……?」
「だって離れてると、兄さん不安になっちゃうでしょ」
律がここで暮らす?
嘘みたいだ……。嬉しい。凄く嬉しい。
どんなに忙しくても、ここへ帰ってきてくれるんだ。
「律……ッ」
俺はぎゅうっと律を抱きしめた。
家を出て律と離れて暮らすことになって俺がどれだけ寂しかったか!
「嬉しい?」
「うんっ……」
「ここ、僕が泊まりに来られるように元々広いところ選んでるから、平気だよね」
「あの狭い部屋に二人でも余裕だったし」
「そうだね……」
律もそっと俺を抱き返す。
「それに兄さんに一人暮らし勧めたあの時から、そうするつもりだったし」
「えっ?」
「あとから追う方が母さんと父さん説得しやすいかなって」
それであんなに、家を出るとき応援気味だったのか。
ずっと俺のことを考えてくれていたんだと思うと、嬉しくて仕方なかった。
「だから安心していいよ。ちゃんと、ずっと好きだから。兄さんだけを見てるから」
「律……」
「不安になるなら、いくらでも不安になればいい。その回数以上に、安心させてあげる」
男前過ぎて鼻血を噴きそうになった。
律、かっこいい。なのに俺は律に何もしてやることができない。いつもしてもらってばかりで。
「兄さん……」
「ん……」
軽いキスを何度もされる。
「好きだよ、本当に。だからずっと、僕の腕の中にいて」
いいのかな。それだけでいいのかな……。でも、律がそう言うなら、俺はずっと、ぎゅっとされていよう。
律と二人で暮らせるようになったら、少しは不安も薄れるよ。
だって事実上結婚みたいなものじゃないか。
せめて兄弟じゃなければと思ったこともある。でも俺は弟としての律も大好きだった。
そして今改めて、律と兄弟で良かったと思った。
世間に後ろ指をさされることなく、二人でこれからの刻を歩んで行けるんだから。
多分相当にもてるだろうと思う。なのに今年は義理すらチョコを持って来なかった。
可愛い頃でさえ女の子にあれだけもててたんだから、貰えないはずない。
義理以外のチョコは貰ってこないというルールだけど手渡しじゃなければそういう訳にはいかないよな。
付き合ってる相手がいると公言してたとしても、誰もその姿を見たことがないんだし。
律は俺が気にするから女の影とかまったく見せないし、スマートに俺を大事にしてくれる。それこそ宝物みたいに。
そう思ってるのは俺も一緒だけど。
俺は律に好きな女性ができたら身を引くつもりでいる。
こんなにいっぱい幸せと思い出を貰えたからもう平気だ。
高校生になったら今より忙しくなってうちにも寄り付かなくなってきっといつか離れていく。
これだけ頭が良ければどこでも好きな所に行けるだろうな。
それより前に、来年は受験勉強で、俺の家に来る回数も減りそう……。
律はとても俺のことを好きでいてくれてると思う。それはわかる。
でもやっぱり不安なんだよ。小さい頃からこうしてるから、刷り込みみたいになってるかもしれないって。
「……また、妙なこと考えてるでしょ」
そして俺がこういうことを考え出すと何故かすぐ、律にばれる。
何でだ? 俺、そんなにわかりやすい?
今日は手だけで抜き合ったあと、いつものようにベッドでまったりしてるだけで、おかしい空気は何もなかったはず。
「律はどこの高校行くのかなって考えてただけだよ。来年ももうすぐだし、進路調査も始まってるよな」
「あー……。うん、そうだね」
「で、決まってる?」
「うん」
予想外の答えに俺は焦った。
普通の兄らしいことをあまりしていない俺としてはパンフレット見ながら相談されたりしたかったなと……。
そりゃ、12も離れてるから俺が高校に行く時のことなんてあまり参考にならないかもしれないけどさ。
律はわざと、俺に兄らしいことをさせたくなかったのかな。
兄でなく、恋人だから。
……頼りにならないからって意味じゃないといいな。
「ショック受けてたりする?」
「……何で?」
「僕が何も相談しなかったから」
お見通しすぎる。じゃあわかってて、相談しなかったのかぁ、律ぅ……。
「まだ希望……くらいで、これから相談しようと思ってたり、する?」
「いや、もう絶対そこ」
「そっか……」
「このマンションから一番近い高校」
「え?」
「母さんと父さん説得して、兄さんとここで暮らす」
「え……?」
「だって離れてると、兄さん不安になっちゃうでしょ」
律がここで暮らす?
嘘みたいだ……。嬉しい。凄く嬉しい。
どんなに忙しくても、ここへ帰ってきてくれるんだ。
「律……ッ」
俺はぎゅうっと律を抱きしめた。
家を出て律と離れて暮らすことになって俺がどれだけ寂しかったか!
「嬉しい?」
「うんっ……」
「ここ、僕が泊まりに来られるように元々広いところ選んでるから、平気だよね」
「あの狭い部屋に二人でも余裕だったし」
「そうだね……」
律もそっと俺を抱き返す。
「それに兄さんに一人暮らし勧めたあの時から、そうするつもりだったし」
「えっ?」
「あとから追う方が母さんと父さん説得しやすいかなって」
それであんなに、家を出るとき応援気味だったのか。
ずっと俺のことを考えてくれていたんだと思うと、嬉しくて仕方なかった。
「だから安心していいよ。ちゃんと、ずっと好きだから。兄さんだけを見てるから」
「律……」
「不安になるなら、いくらでも不安になればいい。その回数以上に、安心させてあげる」
男前過ぎて鼻血を噴きそうになった。
律、かっこいい。なのに俺は律に何もしてやることができない。いつもしてもらってばかりで。
「兄さん……」
「ん……」
軽いキスを何度もされる。
「好きだよ、本当に。だからずっと、僕の腕の中にいて」
いいのかな。それだけでいいのかな……。でも、律がそう言うなら、俺はずっと、ぎゅっとされていよう。
律と二人で暮らせるようになったら、少しは不安も薄れるよ。
だって事実上結婚みたいなものじゃないか。
せめて兄弟じゃなければと思ったこともある。でも俺は弟としての律も大好きだった。
そして今改めて、律と兄弟で良かったと思った。
世間に後ろ指をさされることなく、二人でこれからの刻を歩んで行けるんだから。
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