弟を好きになりました

used

文字の大きさ
上 下
45 / 76
中学生編

掠れた声で呼んで(R15

しおりを挟む
 弟が中学2年生になりました。
 もう中2かぁ……。早いなぁ。身長も大分伸びて、身体測定では162cmあったらしい。
 今までは低い方だったけど、もう周りと同じくらいじゃないだろうか。誕生日も秋だから、まだ14になってないしな。
 
 さて、そんな律ですが、今日家に来てから一言も口をきいてくれません。
 別に俺に対して怒ってる訳じゃないんだけど、むすっとしてる。
 
「いいじゃないか。俺、今の律の声も好きだよ……」
「だって変だもん、ガラガラで……」
 
 律がちらっとこっちを見て、ようやく口を開いてくれた。
 
「ホントだ、凄い声」
「………………」
「でも、そういう声も聞いておきたいし覚えておきたいし、なんなら録音しておきたいな」
 
 律が紙に字を書く。……変態って書かれた。
 よっぽど機嫌が悪いらしい。別にいいのに。ホントいいのに。律がこういう拗ね方してると、俺としてはもう、可愛くて可愛くてしょうがない。
 
「律~」
 
 ぎゅうっと抱き締めて、何度もキスをする。今の身長ならまだお姫様抱っこできるから、抱え上げてベッドへ連れ込んだ。
 服を脱がしながら、現れた肌に朱い跡を残していく。体育の着替えでも見えない辺りだけ。
 
「……もー。何でそんなにやる気満々なの」
 
 律が俺の額に、ちゅっとキスをしてくれる。かーわいい……。
 
「だって律が、コンプレックス感じて鬱々してるの見たら、燃えてきちゃって」
「前からさ、結構思ってたんだけど、兄さんて本当に変態一歩手前だよね」
 
 えっ、真顔!? え、前から!? ……まあ、小学生の律にあんなことやこんなことしちゃった時点でそうだとは思う。でも今の律には言われたくない……。
 
「律だってエッチじゃん……」
「僕のは正常な男の子の範囲ですー」
「まだ中2なのに」
「恋人がいる男としては、正常」
「こんなふうに背中から服捲り上げて、素肌撫で上げちゃうのに?」
「うん」
「ズボンに手突っ込んで、奥……探っちゃう、のに」
「ん……」
「あ、まっ……。明日、仕事だし」
「煽ったのは兄さんだもん」
 
 慣れた指先で弄り回されて、頭がぼうっとしてくる。エロ過ぎるって、絶対。
 ……まあ、嫌じゃないけど。むしろ、好きだけど。好きな子がエッチ好きとか最高だし。いや俺がやられる側だから、俺がそう思われてるのか?
 本当は求められるのも嬉しくて仕方ないんだ。でも身体が追いつかない、体力的な意味で。残念だ。
 
「だから今日は最後まで、ね」
「あ……あっ、ダメ、ダメダメ」
「兄さんのダメって、誘ってるようにしか聞こえないんだよね」
 
 よいしょ、なんて色気のないかけ声をかけて押し倒され、ズボンを下着ごと脱がされて両足を思い切り開かれた。律もいつの間にか脱いでる。
 えっ、ちょっ……。しかも、つけないでされ……。
 
「律、まっ……」
「……嘘だよ。ちゅーと、これだけね」
 
 身体を重ね合わせて、お互いのが擦れるようにされる。後ろしかいじられてなかったのに、俺のそれは恥ずかしいくらい固くなっていた。
 でも挿入しないなら、俺だって律にしたい。
 
「お、俺に動かさせて」
「やだ。だめ」
「だって律の声聞きたい……」
「だから、だめ」
「じゃあもっと喋ってて」
「…………」
 
 急に黙り込まれた。そして腰を擦りつけられて、俺ばっかり喘いでしまう。
 うう……ずーるーい……。
 
「声変わり、終わったら、さ……。きっと凄い、格好いい声になるよ。俺が声だけでイッちゃうくらい」
「ん……」
「だから、そうなる前の声ももっと聞かせて。聞きたい。格好良くなった声で囁かれたら、俺腰が砕けちゃってこんなことできなくなりそうだもん。俺にさせて」
「でも僕は、僕の下で喘ぐ兄さんが好きなの」
「ば……っ、あ、あ、あっ……。も……俺だって、そ、なのに……っ」
「いつも格好いいんだから、僕の前でだけ、可愛い姿、見せて……」
 
 掠れて変わった声が、耳に届く。ノイズの交じったような声だけど、俺にはとても綺麗に響いた。
 そんな台詞、さらっと言っちゃってさぁ。ああ、もう敵わないなぁ。
 
「声が低くなっても、僕のこと、好きでいてくれる?」
「またそれを言う……。だから、別に俺は、律が小さくて声高くて女の子みたいだったから好きになった訳じゃなくて……」
「わかってるけど、成長するって不安なんだ。何度も聞かないと、不安」
「好きだよ、好き……。律が大好き。愛してる」
 
 小さい律も、変わっていく律もみんな好き。本当に愛しい。そんなこと気にしちゃうところも、ちょっと生意気になってきたところも。
 最近じゃ俺より身長の高くなった律に、女の子みたいに抱き締められる夢も見るよ。言わないけど。
 こんな女々しい俺嫌だし。格好いいお兄ちゃんでいたいし。だからこそ、たまにはイニシアチブを取りたい。
 
「だから、俺にもさせてって。擦らせて。律ぅ……。そんな、されたら、も……イッちゃう」
「でもー……。変声期の時ってあまり高い声とか音域、無理に出さない方がいいって言ってたもん。だから代わりに、兄さんがいっぱい喘いで」
 
 何それ狡い。ホント狡い。でも確かに説得力はある。心から喋りたくないふうだったし。
 ……仕方ないなぁ。
 
「じゃあ、その代わり、いっぱい好きだって言って」
「んっ」
 
 律はにこっと笑ってキスをして、掠れた声でいっぱい好きだと言ってくれた。
 好きな人の声で囁かれるなら、どんな声色だって幸せなんだよ、律。 
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

待てって言われたから…

ふみ
BL
Dom/Subユニバースの設定をお借りしてます。 //今日は久しぶりに津川とprayする日だ。久しぶりのcomandに気持ち良くなっていたのに。急に電話がかかってきた。終わるまでstayしててと言われて、30分ほど待っている間に雪人はトイレに行きたくなっていた。行かせてと言おうと思ったのだが、会社に戻るからそれまでstayと言われて… がっつり小スカです。 投稿不定期です🙇表紙は自筆です。 華奢な上司(sub)×がっしりめな後輩(dom)

処理中です...