27 / 28
After Story 3
星流SIDE 10
しおりを挟む
「ぁっ、先輩」
あれから先輩は僕を抱くけれど、殆ど無言を貫いている。
勉強会には参加してない。
いたたまれない空気が重い。
悪いのは僕と斑鳩。
でも一番悪いのは斑鳩の暴走という甘えの延長を抑えられなかった僕。
ダメなもんはダメ。
きちんと言って止めなければならなかった。
だが、怒るのが可哀想で、斑鳩が可愛すぎて、斑鳩にされる愛撫が気持ち良過ぎて、止めなかった。
飼い主失格だ。
唯可愛がるだけなら誰でも出来る。
でも好きだって、大切だって思っているのなら、可愛がるだけじゃダメだ。
きちんとして良い事と悪い事は教えなきゃいけないし、時には心を鬼にして怒らなければいけない。
先輩に謝ろう。
そう思っているのに、怒っている先輩が怖すぎてビクビクしてしまい、何も言えずに数日が過ぎてしまった。
休み時間、廊下の窓から外を眺めていたら
(あっ、先輩だ)
先輩の姿が目に入った。
眉目秀麗でスタイルの良い先輩は大学に入ってもその人気は衰えない。
寧ろ前にも増してモテてる気がする。
綺麗な黒髪ロングな女性に親しげに話し掛けられ、微笑んでる。
ズキリ、小さく胸に何かが刺さる。
肩を触られ
(嫌だ)
胸がざわついた。
怒っているせいで、僕に先輩は笑いかけない。
視線も声も冷たくて、触れてはくれるが、ソレも事務的だ。
合わせて貰えない視線。
呼ばれない名前。
(嫌だ、嫌だ、嫌)
ツゥー、涙が頬を伝った。
一度溢れ出したソレは止まる事を知らない。
顔を隠しながらしゃがみこんだ。
先輩、先輩、先輩。
寂しい。
寂しいです先輩。
泣いていたらふわり持ち上げられた身体。
(え?)
驚いて目をパチクリさせると
「なんで泣いてんの」
先輩が僕を姫抱きしていた。
そのまま先輩は屋上に足を向けた。
「さっき、先輩が綺麗な人と話してるの見ました」
「嗚呼、彼女ね。友人の一人なんだけれど、時折スキンシップが激しくて困ってるんだ」
「好きなんですね、先輩の事が」
「断ったんだけどね、友人だから余り無下にする事も出来なくてね」
確かに。
全然親しくない人なら適当にあしらえるが、友人ならどうして良いか分からなくなる。
「ねぇもし俺が断れないからって彼女とキスしたらどうする?」
え?
「抱き締めて触れて、星流にするのと同じ様な事をしたら?」
………………………………っ。
「ヤダ。嫌です。先輩は僕のです。だから僕以外に触れて欲しくない」
苦しくて流れる涙。
それを指先で拭うと
「漸く理解したみたいだね、星流」
ふわり先輩は微笑んだ。
「俺が星流以外に優しくしたり触れたら嫌でしょ?俺も一緒だよ。俺も星流には俺以外触れて欲しくない。だから怒ったんだよ。自分でも心が狭いって分かってる。でも許せないんだ。星流、俺だけを見てくれないか?俺だけを愛して?」
好きだ、愛してる。
愛の言葉を告げながら、先輩は僕を抱き締めた。
その後無事仲直りをした僕達は笑い合い、唇を重ねた。
初めての喧嘩。
ソレは僕が先輩の気持ちをきちんと理解してなかったのが原因だった。
翠葵の事は大好きだ。
でも翠葵と恋人になるつもりはない。
斑鳩の事は滅茶苦茶に可愛いし大切だが、翠葵同様恋人になる気はサラサラない。
なら二人に気を持たす事はしていけない。
触れたくても我慢しなければならない。
だって先輩が自分と同じ様な行動をしたら嫌だ。
自分がされて嫌な事を僕は先輩にしていた。
「ごめんなさい」
謝ると
「もう俺以外には触らせないからね?」
先輩は項を触った。
その日、先輩は首輪を外した。
「此処に付けるからね?俺の番だって証」
ねっとり舌を這わせながら言われ
「はい。僕を先輩の番にして下さい」
覚悟を決めた。
「ん、ゃ、やぁあぁああ、ぁあ」
初めて全て収められた先輩の物。
大きくて太い物が、胎内全てを余す事なく刺激する。
「痛い?」
心配そうに聞かれ
「大丈夫、です。続けて……下さい」
答えながら羞恥で先輩の胸に顔を埋めた。
「ふゃ、ひゃぁぅ、んぁ、ぁ」
声が止まらない。
「星流、星流。好きだ、愛してる」
甘く囁かれ
「ん、先輩。僕も、僕も好き」
熱くなる身体。
心が満たされる。
嗚呼、なんだ。
そうなのか。
僕、先輩が好きなんだ。
自然に口から出た言葉に、いつの間にか唯流されていただけではなく、好きになっていた事を気付かされた。
「初めて聞いた」
「初めて言いました」
ふふふ、互いに微笑み合い、唇を重ねる。
チュッ、チュッ、軽く触れ合いながら
「先輩、待たせてすみません。これからは先輩だけを見ますから。だから許して?」
甘える様な声を出すと
「嗚呼、二度と触らせない。星流お前は俺の番だ」
先輩は僕の項に歯を当てた。
あれから先輩は僕を抱くけれど、殆ど無言を貫いている。
勉強会には参加してない。
いたたまれない空気が重い。
悪いのは僕と斑鳩。
でも一番悪いのは斑鳩の暴走という甘えの延長を抑えられなかった僕。
ダメなもんはダメ。
きちんと言って止めなければならなかった。
だが、怒るのが可哀想で、斑鳩が可愛すぎて、斑鳩にされる愛撫が気持ち良過ぎて、止めなかった。
飼い主失格だ。
唯可愛がるだけなら誰でも出来る。
でも好きだって、大切だって思っているのなら、可愛がるだけじゃダメだ。
きちんとして良い事と悪い事は教えなきゃいけないし、時には心を鬼にして怒らなければいけない。
先輩に謝ろう。
そう思っているのに、怒っている先輩が怖すぎてビクビクしてしまい、何も言えずに数日が過ぎてしまった。
休み時間、廊下の窓から外を眺めていたら
(あっ、先輩だ)
先輩の姿が目に入った。
眉目秀麗でスタイルの良い先輩は大学に入ってもその人気は衰えない。
寧ろ前にも増してモテてる気がする。
綺麗な黒髪ロングな女性に親しげに話し掛けられ、微笑んでる。
ズキリ、小さく胸に何かが刺さる。
肩を触られ
(嫌だ)
胸がざわついた。
怒っているせいで、僕に先輩は笑いかけない。
視線も声も冷たくて、触れてはくれるが、ソレも事務的だ。
合わせて貰えない視線。
呼ばれない名前。
(嫌だ、嫌だ、嫌)
ツゥー、涙が頬を伝った。
一度溢れ出したソレは止まる事を知らない。
顔を隠しながらしゃがみこんだ。
先輩、先輩、先輩。
寂しい。
寂しいです先輩。
泣いていたらふわり持ち上げられた身体。
(え?)
驚いて目をパチクリさせると
「なんで泣いてんの」
先輩が僕を姫抱きしていた。
そのまま先輩は屋上に足を向けた。
「さっき、先輩が綺麗な人と話してるの見ました」
「嗚呼、彼女ね。友人の一人なんだけれど、時折スキンシップが激しくて困ってるんだ」
「好きなんですね、先輩の事が」
「断ったんだけどね、友人だから余り無下にする事も出来なくてね」
確かに。
全然親しくない人なら適当にあしらえるが、友人ならどうして良いか分からなくなる。
「ねぇもし俺が断れないからって彼女とキスしたらどうする?」
え?
「抱き締めて触れて、星流にするのと同じ様な事をしたら?」
………………………………っ。
「ヤダ。嫌です。先輩は僕のです。だから僕以外に触れて欲しくない」
苦しくて流れる涙。
それを指先で拭うと
「漸く理解したみたいだね、星流」
ふわり先輩は微笑んだ。
「俺が星流以外に優しくしたり触れたら嫌でしょ?俺も一緒だよ。俺も星流には俺以外触れて欲しくない。だから怒ったんだよ。自分でも心が狭いって分かってる。でも許せないんだ。星流、俺だけを見てくれないか?俺だけを愛して?」
好きだ、愛してる。
愛の言葉を告げながら、先輩は僕を抱き締めた。
その後無事仲直りをした僕達は笑い合い、唇を重ねた。
初めての喧嘩。
ソレは僕が先輩の気持ちをきちんと理解してなかったのが原因だった。
翠葵の事は大好きだ。
でも翠葵と恋人になるつもりはない。
斑鳩の事は滅茶苦茶に可愛いし大切だが、翠葵同様恋人になる気はサラサラない。
なら二人に気を持たす事はしていけない。
触れたくても我慢しなければならない。
だって先輩が自分と同じ様な行動をしたら嫌だ。
自分がされて嫌な事を僕は先輩にしていた。
「ごめんなさい」
謝ると
「もう俺以外には触らせないからね?」
先輩は項を触った。
その日、先輩は首輪を外した。
「此処に付けるからね?俺の番だって証」
ねっとり舌を這わせながら言われ
「はい。僕を先輩の番にして下さい」
覚悟を決めた。
「ん、ゃ、やぁあぁああ、ぁあ」
初めて全て収められた先輩の物。
大きくて太い物が、胎内全てを余す事なく刺激する。
「痛い?」
心配そうに聞かれ
「大丈夫、です。続けて……下さい」
答えながら羞恥で先輩の胸に顔を埋めた。
「ふゃ、ひゃぁぅ、んぁ、ぁ」
声が止まらない。
「星流、星流。好きだ、愛してる」
甘く囁かれ
「ん、先輩。僕も、僕も好き」
熱くなる身体。
心が満たされる。
嗚呼、なんだ。
そうなのか。
僕、先輩が好きなんだ。
自然に口から出た言葉に、いつの間にか唯流されていただけではなく、好きになっていた事を気付かされた。
「初めて聞いた」
「初めて言いました」
ふふふ、互いに微笑み合い、唇を重ねる。
チュッ、チュッ、軽く触れ合いながら
「先輩、待たせてすみません。これからは先輩だけを見ますから。だから許して?」
甘える様な声を出すと
「嗚呼、二度と触らせない。星流お前は俺の番だ」
先輩は僕の項に歯を当てた。
0
お気に入りに追加
147
あなたにおすすめの小説
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
あなたの隣で初めての恋を知る
ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)

目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる