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本編
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PCや本で調べてみたが、運命の番との感じ方は様々らしい。
匂いで分かる・触れ合うと甘い電流が流れる・心身共に相性が良い・出逢った瞬間分かる、等々。
確かに先輩からは他の人とは違う香りがするし、不思議な電流も感じる。
だが突然運命の番とか言われても困る。
僕が好きなのは翠葵だし、翠葵以外とは付き合いたくない。
なのに、母に言ってしまった事によりあっという間に僕と先輩は互いの両親公認の許婚になってしまった。
早く子供の顔が見たいって喜ばれたが、それはかなり気が早いよ皆。
卒業したら結婚って。
あのさぁ、ちょっと待とうか。
まだ付き合ってさえいないです。
付き合うより前に許婚になってしまった僕と先輩。
翠葵に恋している自分にとっては非常に困る状況だ。
翠葵と僕の両親は長い間僕達が元許婚同士だったからか仲が良い。
婚姻関係が結ばれたその日のウチに母は翠葵のお母さんに僕に運命の番が現れた事を話した。
そのせいであっという間に翠葵にバレてしまった。
あ~あぁ、絶対知られたくなかったのにな。
悲しい。
土日を挟んだから明日、バレてから初めて翠葵に逢う。
一体どんな顔して逢えば良いのだろうか。
憂鬱で全く眠れなかった。
「おはよう星流」
寝れなくても朝はやって来る物で、眠たい目を擦りながらリビングに行くと
「は?」
何故か其処には先輩が居た。
「一緒に学校に行きたくて来ちゃった」
ちゃっかり食卓に着いてるし、テーブルには先輩の分の朝食も用意されていた。
突然来られて用意なんて出来るワケない。
多分事前に母には連絡を入れていたのだろう。
「お味噌汁凄く美味しいです」
和やかに母と話す先輩を視界に入れ
「顔洗ってきます」
洗面所に移動し溜息を零した。
その日から毎日先輩は僕の家で朝食を食べて一緒に登校し、下校時はそのまま僕を自宅に招き夕食を提供した。
つまり毎日朝は先輩が僕の家で、夜は僕が先輩の家でご飯を食べる。
で、週末はどちらかの部屋で寝泊まりすることが決定しているらしい。
うん、コレ外堀から固めていかれてるね。
どんどん逃げれなくなっている。
これじゃ本当に結婚させられてしまう。
週末はまだ来ていないが、寝泊まりって別に何もしない、よな?する、のか?
いや、それはちょっと無理だし避けたい。
月曜日翠葵に逢った時先輩の事を話したら寂しそうな顔でそっかぁと告げられた。
運命の相手に逢えて良かったねとか言われなくて良かった。
もし祝福の言葉を言われたら、哀しくて泣いてしまう。
嗚呼、これじゃ益々言えない。翠葵が好きだって。
まぁ、元々言えないけどね。
今日は木曜日。
明日学校が終わったらそのまま僕は先輩の家に招待されている。
先輩には悪いけれど、憂鬱だ。
多分翠葵はお母さんから僕の母から聞いた話を色々聞かされている筈。
週末の事も知ってそうだ。
なんか嫌だな。
溜息を吐くと
「今日部活休みだから一緒に帰ろうか?」
翠葵が優しく髪を撫でてくれた。
「えっ、良いの?」
断る理由なんてない。
寧ろ大歓迎だ。
「折角だから沢山寄り道もする?」
嬉しい誘いに速攻
「うん、する!!」
僕は頷いた。
匂いで分かる・触れ合うと甘い電流が流れる・心身共に相性が良い・出逢った瞬間分かる、等々。
確かに先輩からは他の人とは違う香りがするし、不思議な電流も感じる。
だが突然運命の番とか言われても困る。
僕が好きなのは翠葵だし、翠葵以外とは付き合いたくない。
なのに、母に言ってしまった事によりあっという間に僕と先輩は互いの両親公認の許婚になってしまった。
早く子供の顔が見たいって喜ばれたが、それはかなり気が早いよ皆。
卒業したら結婚って。
あのさぁ、ちょっと待とうか。
まだ付き合ってさえいないです。
付き合うより前に許婚になってしまった僕と先輩。
翠葵に恋している自分にとっては非常に困る状況だ。
翠葵と僕の両親は長い間僕達が元許婚同士だったからか仲が良い。
婚姻関係が結ばれたその日のウチに母は翠葵のお母さんに僕に運命の番が現れた事を話した。
そのせいであっという間に翠葵にバレてしまった。
あ~あぁ、絶対知られたくなかったのにな。
悲しい。
土日を挟んだから明日、バレてから初めて翠葵に逢う。
一体どんな顔して逢えば良いのだろうか。
憂鬱で全く眠れなかった。
「おはよう星流」
寝れなくても朝はやって来る物で、眠たい目を擦りながらリビングに行くと
「は?」
何故か其処には先輩が居た。
「一緒に学校に行きたくて来ちゃった」
ちゃっかり食卓に着いてるし、テーブルには先輩の分の朝食も用意されていた。
突然来られて用意なんて出来るワケない。
多分事前に母には連絡を入れていたのだろう。
「お味噌汁凄く美味しいです」
和やかに母と話す先輩を視界に入れ
「顔洗ってきます」
洗面所に移動し溜息を零した。
その日から毎日先輩は僕の家で朝食を食べて一緒に登校し、下校時はそのまま僕を自宅に招き夕食を提供した。
つまり毎日朝は先輩が僕の家で、夜は僕が先輩の家でご飯を食べる。
で、週末はどちらかの部屋で寝泊まりすることが決定しているらしい。
うん、コレ外堀から固めていかれてるね。
どんどん逃げれなくなっている。
これじゃ本当に結婚させられてしまう。
週末はまだ来ていないが、寝泊まりって別に何もしない、よな?する、のか?
いや、それはちょっと無理だし避けたい。
月曜日翠葵に逢った時先輩の事を話したら寂しそうな顔でそっかぁと告げられた。
運命の相手に逢えて良かったねとか言われなくて良かった。
もし祝福の言葉を言われたら、哀しくて泣いてしまう。
嗚呼、これじゃ益々言えない。翠葵が好きだって。
まぁ、元々言えないけどね。
今日は木曜日。
明日学校が終わったらそのまま僕は先輩の家に招待されている。
先輩には悪いけれど、憂鬱だ。
多分翠葵はお母さんから僕の母から聞いた話を色々聞かされている筈。
週末の事も知ってそうだ。
なんか嫌だな。
溜息を吐くと
「今日部活休みだから一緒に帰ろうか?」
翠葵が優しく髪を撫でてくれた。
「えっ、良いの?」
断る理由なんてない。
寧ろ大歓迎だ。
「折角だから沢山寄り道もする?」
嬉しい誘いに速攻
「うん、する!!」
僕は頷いた。
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