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第二章
千紗SIDE 4
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まさかの壮嗣監禁事件により開放された俺。
冷静になった時雨は俺と壮嗣二人に謝り、久々に俺は壮嗣の家に帰宅した。
帰宅の前に壮嗣が大学休学中の講義の映像が入ったDVDを時雨から貰い、帰宅するなり一緒に見た。
数日食事をしていなかった胃に重い物はキツい為、その日は卵雑炊を作り二人で食べた。
数日後裁判で壮嗣を監禁した彼女は大学退学になり、国外追放になった。
正直やり過ぎだと思ったが
「千紗に何かされたら俺何するか分かりませんから」
時雨に言われ
(コレ明らか時雨が強制的に権力か何か使って決めたな)
理解した。
なので、大学退学はそのままにしておいたが国外追放は止めさせて二度と俺達に接触しないと約束させる事にした。
「千紗は甘過ぎです」
時雨に言われたが、いや、時雨が厳し過ぎるだけじゃないのか?多分。
因みに俺にした軟禁にも反省したらしく、多額の慰謝料を手渡されたが全て断った。
何故なら今回の件は俺にも責任があるからだ。
時雨と恋人になり、大学で待ってるねと言って期待させておきながら、壮嗣を好きになった。
壮嗣が自分以外と話すと不機嫌になるのを知っているから、折角再会したのに時雨とは殆ど会話をしていない。
離れ離れになった恋人に逢う為に追いかけてきた大学でまさか振られるなんて、誰が思い付くだろうか。
久々に逢える期待を抱きながら再会したのにその相手には他に好きな人が出来ていましたなんて、俺だったら絶望する。
それを俺は時雨にしたのだ。
「ごめんなさい」
謝ったが、そんな台詞如きで赦される程俺の罪は軽くない。
「俺の事嫌いになりましたか?」
聞かれたが、嫌いにはなっていない。
寧ろまだ好きだ。勿論壮嗣の次にだが。
「嫌いになっていないのなら、まだ側に居させて貰えませんか?」
頼まれたが、良いのか?
そんなのお前がツラいだけだぞ?
「どんな関係でも良いんです。千紗が好きです。千紗じゃなきゃダメなんです」
涙目で見つめられ
(ほんっと何故こんなイケメンが俺なんかを好きなのだろうか?)
本気で不思議に感じた。
その後俺達は不思議な関係になった。
俺と壮嗣は恋人続行中だが、時雨は何故か俺の親友兼俺と壮嗣の家庭教師になった。
受験勉強の時も思ったのだが、時雨の教え方はかなり上手い。
基本だけでなく応用迄教えてくれるし、色々と分かりやすい。
時折ハグやキスを仕掛けてくるが、それ以上は絶対にしない為壮嗣は文句を言わず我慢してくれている。
なんか色々と俺にだけ美味しい展開になった気がするが、時雨も壮嗣も楽しそうに毎日笑っているから今日も俺は全力で二人に甘やかされている。
それから月日が経ち、俺達は全員同じ会社に就職した。
勿論時雨の父親の会社だ。
将来社長になる時雨は毎日多忙らしく、必死に働いている。
営業に配属された壮嗣は先輩達に気に入られ毎日扱かれている。
そして俺は目指していた秘書課に配属されたのだが、苦戦していた。
秘書課舐めていた。
時雨の会社は大きい上に人気があるからか、優秀な人材だらけだ。
その中でひよっこな俺はまだまだ未熟者で、先輩方の足下にも及ばなかったのだ。
でも此処で挫けては前に進めない。
取り敢えず今は沢山経験を積んで少しでも先輩方に追い付こう。
秘書課で一番優秀になるのはそれからだ。
まだまだ先は思いやられるけれど、優しい恋人と親友に囲まれて俺は順風満帆だ。
冷静になった時雨は俺と壮嗣二人に謝り、久々に俺は壮嗣の家に帰宅した。
帰宅の前に壮嗣が大学休学中の講義の映像が入ったDVDを時雨から貰い、帰宅するなり一緒に見た。
数日食事をしていなかった胃に重い物はキツい為、その日は卵雑炊を作り二人で食べた。
数日後裁判で壮嗣を監禁した彼女は大学退学になり、国外追放になった。
正直やり過ぎだと思ったが
「千紗に何かされたら俺何するか分かりませんから」
時雨に言われ
(コレ明らか時雨が強制的に権力か何か使って決めたな)
理解した。
なので、大学退学はそのままにしておいたが国外追放は止めさせて二度と俺達に接触しないと約束させる事にした。
「千紗は甘過ぎです」
時雨に言われたが、いや、時雨が厳し過ぎるだけじゃないのか?多分。
因みに俺にした軟禁にも反省したらしく、多額の慰謝料を手渡されたが全て断った。
何故なら今回の件は俺にも責任があるからだ。
時雨と恋人になり、大学で待ってるねと言って期待させておきながら、壮嗣を好きになった。
壮嗣が自分以外と話すと不機嫌になるのを知っているから、折角再会したのに時雨とは殆ど会話をしていない。
離れ離れになった恋人に逢う為に追いかけてきた大学でまさか振られるなんて、誰が思い付くだろうか。
久々に逢える期待を抱きながら再会したのにその相手には他に好きな人が出来ていましたなんて、俺だったら絶望する。
それを俺は時雨にしたのだ。
「ごめんなさい」
謝ったが、そんな台詞如きで赦される程俺の罪は軽くない。
「俺の事嫌いになりましたか?」
聞かれたが、嫌いにはなっていない。
寧ろまだ好きだ。勿論壮嗣の次にだが。
「嫌いになっていないのなら、まだ側に居させて貰えませんか?」
頼まれたが、良いのか?
そんなのお前がツラいだけだぞ?
「どんな関係でも良いんです。千紗が好きです。千紗じゃなきゃダメなんです」
涙目で見つめられ
(ほんっと何故こんなイケメンが俺なんかを好きなのだろうか?)
本気で不思議に感じた。
その後俺達は不思議な関係になった。
俺と壮嗣は恋人続行中だが、時雨は何故か俺の親友兼俺と壮嗣の家庭教師になった。
受験勉強の時も思ったのだが、時雨の教え方はかなり上手い。
基本だけでなく応用迄教えてくれるし、色々と分かりやすい。
時折ハグやキスを仕掛けてくるが、それ以上は絶対にしない為壮嗣は文句を言わず我慢してくれている。
なんか色々と俺にだけ美味しい展開になった気がするが、時雨も壮嗣も楽しそうに毎日笑っているから今日も俺は全力で二人に甘やかされている。
それから月日が経ち、俺達は全員同じ会社に就職した。
勿論時雨の父親の会社だ。
将来社長になる時雨は毎日多忙らしく、必死に働いている。
営業に配属された壮嗣は先輩達に気に入られ毎日扱かれている。
そして俺は目指していた秘書課に配属されたのだが、苦戦していた。
秘書課舐めていた。
時雨の会社は大きい上に人気があるからか、優秀な人材だらけだ。
その中でひよっこな俺はまだまだ未熟者で、先輩方の足下にも及ばなかったのだ。
でも此処で挫けては前に進めない。
取り敢えず今は沢山経験を積んで少しでも先輩方に追い付こう。
秘書課で一番優秀になるのはそれからだ。
まだまだ先は思いやられるけれど、優しい恋人と親友に囲まれて俺は順風満帆だ。
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