Cotton Candy

いちご

文字の大きさ
上 下
11 / 37
第一章

10.

しおりを挟む
中学迄俺は長い前髪と眼鏡をして読書ばかりしていた為、殆ど下を向いて過ごしていた。
そしたら何故か女子に絡まれた。

前髪切ろよ、眼鏡外せ、姿勢伸ばせ、もっと笑え。彼女達にとっては親切心だったのかもしれないが、煩わしかった。
一度無理矢理眼鏡外されて前髪上げられた時、キャァとか嘘でしょ?とか言われて。それ以来余計彼女達に纏まり付かれる様になった。
何故だ?意味分からん。
そのせいで一部の男子には睨まれるし嫌われるしで、散々だった。
お陰で俺は女性が苦手になった。

同性に興味はなかった。
実際格好良いと思える人もトキメク相手も居なかったし。
TVや雑誌でも好きになるのは凛茉みたいに可愛らしい女の子だった。
まぁ、周囲に居る女の子は怖いし苦手だったけれど。

この学校を知った時、最初は女子が居ないって事だけが魅力的だった。
偏差値も低かったしな。
でも在校生が沢山ホモに走るって噂を聞いて、興味が沸いた。
男同士ってどんなんだろう?
なんか気楽そう。
で、そのまま進路を此処にしたワケだ。

「先輩は男性が好きなんですか?」
あっ、そう捉えちゃうよな。
「いや、好きになったのは凛茉が初めてだ。因みに好きになったのも初めて」
凛茉は俺にとって初めての恋人であり、初恋の相手でもある。

「妬けますね。でも良かった。ならまだ余り恋愛に免疫はないんですね。もし他にも沢山相手居たら俺嫉妬で何するか分かりませんでした」
ニッコリ笑ってるが、オイ、青葉お前笑顔怖い。

「あっ、失敗しました。折角先輩美味しそうになってたのに長話のせいで戻りましたね。残念です」
美味しそうって、お前なぁ。
もっと違う言い方あるだろうが。

「そういえば先輩。昼休み、屋上で何があったんですか?三浦先輩に死角になっている場所を選ばれたせいで何をしてたか全く分かりませんでしたが」
ん?
「教室に戻る時三浦先輩に縦抱きされてましたね」
ちょっと待て。
なんかいつも思うんだが、コイツの話ってたまにおかしくないか?

「いつもは真面目にノート取っているのに机に伏せたままで。俺心配で授業耳に入りませんでした」
……何故に俺の教室内での行動を知ってる。

「先生に当てられた時泣きそうになったから、慌てて駆け付けましたよ。後で言い訳しなきゃいけませんね、先程の授業の教師に」
だから何故事細かに分かるんだよ俺の行動が。

「ねぇ先輩。教えてくれませんか?屋上で何があったか」
……………………ぅっ!!
言えるか。
言えるワケない。
凛茉と三浦に沢山甘やかされてキスされたなんて。
口移しでご飯食べさせられたとか。
胸触られそうになった時予鈴鳴ったから終わったけれど、ちょっと残念だったかな、とか思ってないから。
三浦に縦抱きされた時耳元で名前呼ばれてちょっとだけイッた、とかないから。
授業中アイツ等に触られた熱が疼いて下半身モジモジしてた、とかないからな絶対。

「先輩顔真っ赤です」
あれ?
なんか怒ってる?いや、拗ねてるのか?コレ。

「俺も一緒に食べたかったです。お昼ご飯」
そうか、お昼逢えなかったから寂しかったんだな。
「モグモグしてる先輩をモグモグしたかったです」
……ん、モグモグ?
意味分からん。

「教室でのあの顔、触った時の熱さ、明らかに何かありましたね?勃ってましたし」
ギャアアアアーーーッ!バレた。

「何されたんですか?2人に」
至近距離で真っ直ぐ見られて真っ赤になる。
そんな綺麗な顔で真剣に見られたらおかしくなる。
ドクドクバクバク鳴り始めた鼓動。
「な、何もな…い、よ?た、唯ご飯。お昼ご飯食べただけっ」
誤魔化す様に口を開いたが、有り得ない位吃った。

俺、恥ずかしい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!

もしかして俺の人生って詰んでるかもしれない

バナナ男さん
BL
唯一の仇名が《 根暗の根本君 》である地味男である< 根本 源 >には、まるで王子様の様なキラキラ幼馴染< 空野 翔 >がいる。 ある日、そんな幼馴染と仲良くなりたいカースト上位女子に呼び出され、金魚のフンと言われてしまい、改めて自分の立ち位置というモノを冷静に考えたが……あれ?なんか俺達っておかしくない?? イケメンヤンデレ男子✕地味な平凡男子のちょっとした日常の一コマ話です。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

淫愛家族

箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。 事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。 二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。 だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

処理中です...