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レイニーは元魔法少女
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しぐれにとって魔法とは何か。
それは人を助けるためのツールであり、同時に自分の存在意義を教えてくれる唯一の生きがいだった。
もちろんしぐれは人助けのために魔法少女となり、懸命に人々を救う活動をしてきた。
しかし、それはそれとして彼女の中には度重なる戦闘中にいつも充足を感じていた。
「本当に人助けがしたいの?」
しぐれの脳内で反芻されるその言葉。
いつか、誰かに言われた言葉だ。
「…………」
見透かされたような気がして答えられなかった。
————
「魔法少女は人を救うことが一番好きだよ」
いつかのミセスが言っていた言葉。
真の魔法少女は人を救うことを生きがいとして、だからこそ人を救うのに損得を考えないと言うらしい。
——鬱陶しい。
「あたしとチーム組まない?」
灰色の髪の女の子——みとまはそう言ってくれた。
「私は魔法少女に向いていないよ。だから組まない方がいい」
「そうかな? だって君が一番頑張っていたし、君とならこの街を守れると思ったんだけど」
人助けとは常に人のため、守るべき者のために行動しなくてはならない。
——でも私にはそれが出来ない。
魔法を使う理由はいつも、決まって。
——充実を感じられるから。
————
「どうかな? 私と組めば君はもう一度魔法少女に戻れる」
ミセスは笑みを浮かべ、蛇のような目つきでしぐれに言う。
この充実感。
懐かしき満足感。
魔力が循環している感覚。
夢にまで見た魔法。
——手放したくない。
「助けていただきありがとうございます」
「気にしないで。なんて言ってもレイニーのためだもの。それで手を組んでくれるの? 魔法少女になりたいでしょ?」
「その前に先ほどの液体について教えてほしいのですが?」
「ああ、さっきの液体はね。魔力付与液って言ってね。一時的に魔力を肉体に宿すの。まぁでも効力は数分。多分もう体内で分解されているわ」
「あなたもそれを使って魔法を?」
「ええそうよ。これさえあればいつでも魔法少女に戻れるの。どう?」
「…………」
しぐれは一度空を見て、息をついてからまたミセスを見た。
「魔法少女ってどうして人助けすると思いますか?」
「え、何よいきなり」
「いえ、ついさっきナッツに出会ってちょっと胸に来るものがありまして」
「そうね。あなたは手の届く範囲には手を伸ばしたいってやつだったかしら?」
「はい」
「私はちょっと違うわ。まぁ子供っぽいかもしれないけれど、充足感ね」
「充足感……ですか」
「魔法を使うと私はほかの人よりも優れていると感じるの」
「人を助けたいからではないのですか?」
「……その気持ちもあったわ、けど魔力を失ってから私は魔法が使える充足感のために人助けをしていたんだと気づいたの」
「だからまた魔法少女を?」
「そうよ。あなたも似た者同士のはずよ。さっきの戦いずいぶんと楽しそうだったし。私と組めばこの液体を自由に使っていいことにするわ。」
「…………」
しぐれにふといつかの記憶がよぎる。
それは少し前の記憶。
しぐれが魔力を失うほんの少し前の記憶。
————
「レイニー。本当にそれでいいの?」
「うん。これで行くしかないよ。私が全魔力を使ってあの怪人の足を止める。だからみとまは全力で倒して」
「でも、そんなことをしたらレイニーとしての活動が……」
みとまは心配をしている目でしぐれを見ている。
しぐれはみとまを見て、ゆっくりと話し始める。
「——魔法少女ってさ。損得考えずに人を助けるわけなんだよね。例えば余命九十年の子供と余命一日の青年を天瓶にかけられていても、どちらも助けたいと思ってしまうような馬鹿。きっと自分の命を代償に二人を救う選択とかする気がする」
「えっと?」
「つまり、自己犠牲の精神があるわけなの」
「う、うん」
「前にさ、みとま言ってたよね『本当に人助けしたいの?』って」
「…言ったけど」
「私は人を救うよりも自分の充足感のために魔法少女をやっていたんだ。だからきっとさっきの選択は間違いなく余命九十年の子供を救っちゃう」
しぐれは少し目を伏せてみとまに言う。
「そんな活動ばかりだった。これまでの私は本当になりたかった魔法少女じゃなかったんだよ」
「そんなことないよ。だって、しぐれのおかげで助かった人はたくさんいるよ?」
「確かにそうかもしれない。でもそれでも私はそんな魔法少女いやなんだよ」
「…………」
「自己犠牲の心が魔法少女。もしも私が魔法少女になれるとするのなら、今しかないって感じるの。だからごめん」
「……わかった。でも一つだけ聞かせて。しぐれはそれで本当にいいの? もう二度と魔法が使えなくなるんだよ」
しぐれは笑った。
「嫌だよ? でも魔法少女になりたいから」
————
しぐれはミセスの前で首を横に振った。
「私はもう魔法は使いません。魔法が使えるから魔法少女というわけじゃないと思うからです」
「え」
「私は魔力を失うその瞬間、自分を犠牲にようやく魔法少女になれたんです。だからいくら魔力が戻ろうと魔法少女にはなれません」
「い、いや魔法少女にこだわらなくてもいいじゃない。ただ魔法を使って人を助ければ、ね?」
しぐれはなおも首を横にする。
そしてみとまの顔を思い浮かべて口を開く。
「私にとって魔法は、ただの娯楽です」
ずっと心の中に潜めていた本音。
人助けなんて所詮は言い訳。
手の届く範囲には手を差し伸べる。
ナッツの言った通り、私は手の届く範囲だけ、そう自分に損がない範囲だけに手を差し伸べていた。手の届かないところにはもう伸ばさなくていいと考えていた。
「正直人助けなんてしたくありません。だって自分が損するだけですし。——だから、もうあの一回限りでごめんです」
「じゃ、じゃ魔法だけでも使えばいいじゃない。娯楽として使ってもいいわ、ね?」
「そうですね。そうできればいいんですけど、無理です」
「どうして?」
「魔法とは人助けのために存在すると考えているからです。魔法を娯楽としてしか見れない私には必要ありません」
「……で、でも」
「今日は正直、楽しかったです。でももう二度と魔法は使いません。それが私がレイニーとして魔法少女でいさせるための約束ですから」
「そんな、いいじゃない。一度使ってしまったのだから、これから先使うも使わないも変わらないでしょ!」
しぐれは猫を抱え上げた。ぐてっとしてはいるがまだ息はある。
病院に連れていけば間に合うかもしれない。
「ほら魔法を使えば猫を助けられるかもしれないでしょ!」
しぐれにはもうミセスの言葉は届かなかった。
————
終業式を終え、無事にインナー染めをしたことがバレて三者面談を繰り返した結果、通常よりも夏休みが三日減った。
クラスメイトは四日目の夏休み、しぐれにとっては初日の夏休み。
一通の連絡が着た。
アイコンはウサギ。
灰色っぽい髪色の女の子——みとまだ。
『いつものとこに集合』
間違いなく三日も夏休みが減った原因である癖に悠々としやがって。
そんな怒りをしぐれは感じた。
散々先生に怒られた挙句、染め上げてからおよそ一週間程度の赤は見事元の色に塗りつぶされてしまった。
赤色の髪のことを思い返すと、ふとミセスに出会い魔法を使ったひと時の記憶がよみがえる。
あの時、もしも頷いていれば夏休みは通常に遅れていたのかもしれない。
でもこれでいい。
魔法の使えない普通の女の子でいることがレイニーが魔法少女でい続けられる唯一の方法なんだから。
たとえ魔法の使えないつまらない日常でも、それには意味がある。
そうだ。
先日あった出来事。
後日談をみとまに言ってあげようか。
多分、嘘だって笑われるだろうけど。
——苦手な珈琲を飲みながらでも語ってやろう。
それは人を助けるためのツールであり、同時に自分の存在意義を教えてくれる唯一の生きがいだった。
もちろんしぐれは人助けのために魔法少女となり、懸命に人々を救う活動をしてきた。
しかし、それはそれとして彼女の中には度重なる戦闘中にいつも充足を感じていた。
「本当に人助けがしたいの?」
しぐれの脳内で反芻されるその言葉。
いつか、誰かに言われた言葉だ。
「…………」
見透かされたような気がして答えられなかった。
————
「魔法少女は人を救うことが一番好きだよ」
いつかのミセスが言っていた言葉。
真の魔法少女は人を救うことを生きがいとして、だからこそ人を救うのに損得を考えないと言うらしい。
——鬱陶しい。
「あたしとチーム組まない?」
灰色の髪の女の子——みとまはそう言ってくれた。
「私は魔法少女に向いていないよ。だから組まない方がいい」
「そうかな? だって君が一番頑張っていたし、君とならこの街を守れると思ったんだけど」
人助けとは常に人のため、守るべき者のために行動しなくてはならない。
——でも私にはそれが出来ない。
魔法を使う理由はいつも、決まって。
——充実を感じられるから。
————
「どうかな? 私と組めば君はもう一度魔法少女に戻れる」
ミセスは笑みを浮かべ、蛇のような目つきでしぐれに言う。
この充実感。
懐かしき満足感。
魔力が循環している感覚。
夢にまで見た魔法。
——手放したくない。
「助けていただきありがとうございます」
「気にしないで。なんて言ってもレイニーのためだもの。それで手を組んでくれるの? 魔法少女になりたいでしょ?」
「その前に先ほどの液体について教えてほしいのですが?」
「ああ、さっきの液体はね。魔力付与液って言ってね。一時的に魔力を肉体に宿すの。まぁでも効力は数分。多分もう体内で分解されているわ」
「あなたもそれを使って魔法を?」
「ええそうよ。これさえあればいつでも魔法少女に戻れるの。どう?」
「…………」
しぐれは一度空を見て、息をついてからまたミセスを見た。
「魔法少女ってどうして人助けすると思いますか?」
「え、何よいきなり」
「いえ、ついさっきナッツに出会ってちょっと胸に来るものがありまして」
「そうね。あなたは手の届く範囲には手を伸ばしたいってやつだったかしら?」
「はい」
「私はちょっと違うわ。まぁ子供っぽいかもしれないけれど、充足感ね」
「充足感……ですか」
「魔法を使うと私はほかの人よりも優れていると感じるの」
「人を助けたいからではないのですか?」
「……その気持ちもあったわ、けど魔力を失ってから私は魔法が使える充足感のために人助けをしていたんだと気づいたの」
「だからまた魔法少女を?」
「そうよ。あなたも似た者同士のはずよ。さっきの戦いずいぶんと楽しそうだったし。私と組めばこの液体を自由に使っていいことにするわ。」
「…………」
しぐれにふといつかの記憶がよぎる。
それは少し前の記憶。
しぐれが魔力を失うほんの少し前の記憶。
————
「レイニー。本当にそれでいいの?」
「うん。これで行くしかないよ。私が全魔力を使ってあの怪人の足を止める。だからみとまは全力で倒して」
「でも、そんなことをしたらレイニーとしての活動が……」
みとまは心配をしている目でしぐれを見ている。
しぐれはみとまを見て、ゆっくりと話し始める。
「——魔法少女ってさ。損得考えずに人を助けるわけなんだよね。例えば余命九十年の子供と余命一日の青年を天瓶にかけられていても、どちらも助けたいと思ってしまうような馬鹿。きっと自分の命を代償に二人を救う選択とかする気がする」
「えっと?」
「つまり、自己犠牲の精神があるわけなの」
「う、うん」
「前にさ、みとま言ってたよね『本当に人助けしたいの?』って」
「…言ったけど」
「私は人を救うよりも自分の充足感のために魔法少女をやっていたんだ。だからきっとさっきの選択は間違いなく余命九十年の子供を救っちゃう」
しぐれは少し目を伏せてみとまに言う。
「そんな活動ばかりだった。これまでの私は本当になりたかった魔法少女じゃなかったんだよ」
「そんなことないよ。だって、しぐれのおかげで助かった人はたくさんいるよ?」
「確かにそうかもしれない。でもそれでも私はそんな魔法少女いやなんだよ」
「…………」
「自己犠牲の心が魔法少女。もしも私が魔法少女になれるとするのなら、今しかないって感じるの。だからごめん」
「……わかった。でも一つだけ聞かせて。しぐれはそれで本当にいいの? もう二度と魔法が使えなくなるんだよ」
しぐれは笑った。
「嫌だよ? でも魔法少女になりたいから」
————
しぐれはミセスの前で首を横に振った。
「私はもう魔法は使いません。魔法が使えるから魔法少女というわけじゃないと思うからです」
「え」
「私は魔力を失うその瞬間、自分を犠牲にようやく魔法少女になれたんです。だからいくら魔力が戻ろうと魔法少女にはなれません」
「い、いや魔法少女にこだわらなくてもいいじゃない。ただ魔法を使って人を助ければ、ね?」
しぐれはなおも首を横にする。
そしてみとまの顔を思い浮かべて口を開く。
「私にとって魔法は、ただの娯楽です」
ずっと心の中に潜めていた本音。
人助けなんて所詮は言い訳。
手の届く範囲には手を差し伸べる。
ナッツの言った通り、私は手の届く範囲だけ、そう自分に損がない範囲だけに手を差し伸べていた。手の届かないところにはもう伸ばさなくていいと考えていた。
「正直人助けなんてしたくありません。だって自分が損するだけですし。——だから、もうあの一回限りでごめんです」
「じゃ、じゃ魔法だけでも使えばいいじゃない。娯楽として使ってもいいわ、ね?」
「そうですね。そうできればいいんですけど、無理です」
「どうして?」
「魔法とは人助けのために存在すると考えているからです。魔法を娯楽としてしか見れない私には必要ありません」
「……で、でも」
「今日は正直、楽しかったです。でももう二度と魔法は使いません。それが私がレイニーとして魔法少女でいさせるための約束ですから」
「そんな、いいじゃない。一度使ってしまったのだから、これから先使うも使わないも変わらないでしょ!」
しぐれは猫を抱え上げた。ぐてっとしてはいるがまだ息はある。
病院に連れていけば間に合うかもしれない。
「ほら魔法を使えば猫を助けられるかもしれないでしょ!」
しぐれにはもうミセスの言葉は届かなかった。
————
終業式を終え、無事にインナー染めをしたことがバレて三者面談を繰り返した結果、通常よりも夏休みが三日減った。
クラスメイトは四日目の夏休み、しぐれにとっては初日の夏休み。
一通の連絡が着た。
アイコンはウサギ。
灰色っぽい髪色の女の子——みとまだ。
『いつものとこに集合』
間違いなく三日も夏休みが減った原因である癖に悠々としやがって。
そんな怒りをしぐれは感じた。
散々先生に怒られた挙句、染め上げてからおよそ一週間程度の赤は見事元の色に塗りつぶされてしまった。
赤色の髪のことを思い返すと、ふとミセスに出会い魔法を使ったひと時の記憶がよみがえる。
あの時、もしも頷いていれば夏休みは通常に遅れていたのかもしれない。
でもこれでいい。
魔法の使えない普通の女の子でいることがレイニーが魔法少女でい続けられる唯一の方法なんだから。
たとえ魔法の使えないつまらない日常でも、それには意味がある。
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