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第一期 おカネに関する初歩的なお話
12)先進国の中で最もおカネを増やしていない日本
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(じいちゃん)
2022年から円安が始まった。その原因について誤った考えが流布しておる。「日銀が金融緩和を続けた結果、日本円が大量に発行されたからだ」というものじゃ。
確かに日本はバブルが崩壊して以降、金融緩和を続けてきた。しかしながら、バブル崩壊の失われた30年の間、「日本は先進国の中で最もおカネを増やしていない国」なのである。それはデータから明らかじゃ。
(ねこ)
それは意外ですにゃ。マスコミには「日本は金融緩和でおカネがじゃぶじゃぶ」という話がいっぱい出ていたから、世界に比べて日本だけがおカネをどんどん増やしていると思っていたにゃ。
(じいちゃん)
確かにマスコミは「おカネがじゃぶじゃぶ」と言っていたので、多くの国民がマスコミの印象操作によって誤った考えを持ってしまったようじゃ。しかし、事実は全くの逆じゃ。
これはIMF(国際通貨基金)のデータを用いて、2001年からの先進国のおカネの量の変化を指数で示したものじゃ。2013年を1としておる。そのため、すべての国で2013年が1になっている。なぜ2013年を1としたかと言えば、2012年以前のユーロのデータがIMFに無かったからじゃ。
グラフの始点が揃って居ないために少々見にくいところはあるが、日本のおカネの増え方が一番小さいことは一目瞭然じゃ。
(ねこ)
本当だ。もっと最近はどうなのかにゃ。
(じいちゃん)
アメリカのドルと比較した数字がある。2019年末から2021年末の2年間において、ドルの量と円の量はどのように変化したか。
日本 1040兆円→1180兆円 約14%の増加
米国 15.5兆ドル→22兆ドル 約42%の増加
アメリカは日本の3倍以上もおカネを増やしていることがわかるのじゃ。これはコ●ナ危機に対応するため、政府が大量の国債を発行することによって、おカネの量が増えたことが原因じゃ。コ●ナ危機の財政出動でも、アメリカの方が日本よりはるかにおカネを増やしている。
(ねこ)
なるほど、日本は最もおカネを増やしていない国なのですにゃ。これなら、むしろ円安じゃなくて、円高になるはずにゃ。なんで円安になるのかにゃ。
(じいちゃん)
それは日米の金利差が原因じゃ。2024年現在、日本は金利が低く、アメリカは金利が高い。そのため、ドルを持っていた方が儲けが出やすいのじゃ。だから円を売ってドルを買う動きが大きくなる。もし米国が金利を下げたり、日銀が金利を引き上げることになれば、円安は解消へ向かうと考えられている。
(ねこ)
にゃんだ、それなら日銀が早く金利を引き上げて、行き過ぎた円安を解消すべきですにゃ。
(じいちゃん)
ところがそんな簡単な話ではない。そもそも日銀が金融緩和によって金利を下げている理由は、日本の景気が悪いからじゃ。景気が回復しないうちに金利を引き上げると、ますます景気が悪くなる。じゃから日銀は金利の引き上げには慎重なんじゃ。
しかし、逆に言えば、景気が良くなれば金利を引き上げる必要性が出てくる。では景気を良くするにはどうすればよいのか?それが給付金のような財政出動なんじゃ。給付金を受け取った人々が、それで消費を増やせば企業の売上が増えて景気が良くなる。景気が良くなれば、給料も増える。すると、ますます消費が増えるようになって、景気が良くなる。すると、日銀は金利の引き上げに動く。
そういうわけじゃから、円安を解消するには、まずは財政出動で景気を良くすること。そうすれば、日銀は頼まれなくとも金利を引き上げるのじゃよ。
(ねこ)
なるほど、日銀に無理やり金利を上げさせるのではなく、景気を良くすれば、自ら金利の引き上げに動くのですにゃ。
(じいちゃん)
失われた30年の間も、コ●ナ危機への対応でも、日本はけっして他の先進国に比べておカネをたくさん増やしたわけではない。だから、まだまだ政府が景気対策のためにおカネを使う余地はあるんじゃ。
日銀の金利を上げて、行き過ぎた円安に歯止めをかけたいのであれば、まずは政府が国債を発行して給付金政策などにおカネを投入し、景気を回復させるべきなのじゃよ。
2022年から円安が始まった。その原因について誤った考えが流布しておる。「日銀が金融緩和を続けた結果、日本円が大量に発行されたからだ」というものじゃ。
確かに日本はバブルが崩壊して以降、金融緩和を続けてきた。しかしながら、バブル崩壊の失われた30年の間、「日本は先進国の中で最もおカネを増やしていない国」なのである。それはデータから明らかじゃ。
(ねこ)
それは意外ですにゃ。マスコミには「日本は金融緩和でおカネがじゃぶじゃぶ」という話がいっぱい出ていたから、世界に比べて日本だけがおカネをどんどん増やしていると思っていたにゃ。
(じいちゃん)
確かにマスコミは「おカネがじゃぶじゃぶ」と言っていたので、多くの国民がマスコミの印象操作によって誤った考えを持ってしまったようじゃ。しかし、事実は全くの逆じゃ。
これはIMF(国際通貨基金)のデータを用いて、2001年からの先進国のおカネの量の変化を指数で示したものじゃ。2013年を1としておる。そのため、すべての国で2013年が1になっている。なぜ2013年を1としたかと言えば、2012年以前のユーロのデータがIMFに無かったからじゃ。
グラフの始点が揃って居ないために少々見にくいところはあるが、日本のおカネの増え方が一番小さいことは一目瞭然じゃ。
(ねこ)
本当だ。もっと最近はどうなのかにゃ。
(じいちゃん)
アメリカのドルと比較した数字がある。2019年末から2021年末の2年間において、ドルの量と円の量はどのように変化したか。
日本 1040兆円→1180兆円 約14%の増加
米国 15.5兆ドル→22兆ドル 約42%の増加
アメリカは日本の3倍以上もおカネを増やしていることがわかるのじゃ。これはコ●ナ危機に対応するため、政府が大量の国債を発行することによって、おカネの量が増えたことが原因じゃ。コ●ナ危機の財政出動でも、アメリカの方が日本よりはるかにおカネを増やしている。
(ねこ)
なるほど、日本は最もおカネを増やしていない国なのですにゃ。これなら、むしろ円安じゃなくて、円高になるはずにゃ。なんで円安になるのかにゃ。
(じいちゃん)
それは日米の金利差が原因じゃ。2024年現在、日本は金利が低く、アメリカは金利が高い。そのため、ドルを持っていた方が儲けが出やすいのじゃ。だから円を売ってドルを買う動きが大きくなる。もし米国が金利を下げたり、日銀が金利を引き上げることになれば、円安は解消へ向かうと考えられている。
(ねこ)
にゃんだ、それなら日銀が早く金利を引き上げて、行き過ぎた円安を解消すべきですにゃ。
(じいちゃん)
ところがそんな簡単な話ではない。そもそも日銀が金融緩和によって金利を下げている理由は、日本の景気が悪いからじゃ。景気が回復しないうちに金利を引き上げると、ますます景気が悪くなる。じゃから日銀は金利の引き上げには慎重なんじゃ。
しかし、逆に言えば、景気が良くなれば金利を引き上げる必要性が出てくる。では景気を良くするにはどうすればよいのか?それが給付金のような財政出動なんじゃ。給付金を受け取った人々が、それで消費を増やせば企業の売上が増えて景気が良くなる。景気が良くなれば、給料も増える。すると、ますます消費が増えるようになって、景気が良くなる。すると、日銀は金利の引き上げに動く。
そういうわけじゃから、円安を解消するには、まずは財政出動で景気を良くすること。そうすれば、日銀は頼まれなくとも金利を引き上げるのじゃよ。
(ねこ)
なるほど、日銀に無理やり金利を上げさせるのではなく、景気を良くすれば、自ら金利の引き上げに動くのですにゃ。
(じいちゃん)
失われた30年の間も、コ●ナ危機への対応でも、日本はけっして他の先進国に比べておカネをたくさん増やしたわけではない。だから、まだまだ政府が景気対策のためにおカネを使う余地はあるんじゃ。
日銀の金利を上げて、行き過ぎた円安に歯止めをかけたいのであれば、まずは政府が国債を発行して給付金政策などにおカネを投入し、景気を回復させるべきなのじゃよ。
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