60 / 82
第ニ期 41話~80話
第五十九話 夜中に腹が減ったので
しおりを挟む
計画通り俺はアルカナ川の水門周辺に強固な防衛陣地を構築した。エニマ国の進軍ルートが予想される水門の南東の丘陵地に土塁と空堀を巡らせて陣地を構築し、長期戦のために食料や武器などの保管庫も準備した。当面は俺と仲間たちも陣地に泊まり込んで警戒に当たることにした。
そんなある晩のこと、カザルが陣地の敷地の中を歩いていた。
「う~、最近は夜中にトイレに行きたくなって困るぜ。あっしも歳だな、あれ?ありゃあ、サフィーじゃねえか。こんな夜中に何をしているんだろう」
全身を覆う黒いマントに身を包んだサフィーが、物陰に身を隠しながら、しきりに食料倉庫の様子を伺っている。カザルが後ろから声をかけた。
「よう、サフィーじゃねえか。こんな夜中に何をしてるんで?」
「うわわわ。な、なんだお主か。驚かすな。われは腹が減って仕方がないのじゃ。で、食料を盗み・・・じゃなくて分けてもらいたいと思ってな、ここから、倉庫の様子を伺っておるのじゃ」
「なんだよ、サフィーは三人前の食事をもらってるじゃないか」
「んー、それでも、われは三人前では足りんのじゃ。われは昔から大食いじゃからのう。腹が減って腹が減って倒れそうじゃ・・・。そうじゃ、お主、食料庫から、われに食料を取ってきてくれんか」
「じょ、冗談じゃないですぜ。あっしは泥棒なんてしやせん。善良なドワーフなんだ」
「まあ、そう固いことを言わずに・・・そうじゃ、お主、われに食料を持ってきてくれたら、このマントの中を見せてやろう。見たいじゃろう」
「お断りですぜ。サフィーのビキニアーマーなんか、もう見飽きたでやす」
「いやいや、われは夜は裸で寝るのでな、今、マントの下は裸なんじゃ。何も身に着けておらんのじゃ。一糸まとわぬ生まれたままの姿じゃ。どうじゃ、みたいじゃろう」
「そそそ、そういうことなら話は別だぜ。そこで待ってておくんなせえ」
カザルは倉庫の番兵に怪しまれないよう、おもむろに背筋を伸ばすと、毅然とした態度で倉庫に向かって歩くが、右手と右足が同時に前に出ている。倉庫の入り口に近づくと番兵にぎこちなく敬礼して挨拶した。
「あー、陛下のご命令で見回りをしている。中へ入れておくんなせえ」
「はっ。カザル殿のご命令であれば、お通しいたします」
カザルは木製ドアを開けると倉庫の中に入り、ゆっくりドアを閉めた。
「へっへっへ、ちょろいもんだぜ。後は食料をちょろまかして・・・」
ところが倉庫の中でレイラに鉢合わせしてしまった。
「うわ、レイラ殿じゃないか」
「きゃあ、か、か、カザル殿か。驚いたぞ」
「こんな夜中にどうされたんで?」
「それはだな・・・なんというか・・・実は腹が減って仕方がないので、ちょっとだけ、食べ物をもらおうかと・・・。カザル殿は何のためにここへ?」
「あっしは裸マントの中を・・・じゃなくて、あっしも腹が減って・・・」
「そうか、なら安心したぞ。どこかに余り物の食べ物なんかが落ちていないかな」
二人は倉庫の中をあちこち探し回っていたが、隅の方でカザルが言った。
「おお、箱の上にちょうど二個のオレンジが置いてありやすぜ。ここに出しっぱなしで忘れたんじゃないですかね。これなら失敬してもバレないんじゃないですかね」
二人は素早くオレンジをしまい込むと、倉庫の入り口に向かった。突然ドアが開いてキャサリンが入ってきた。キャサリンは飛び上がって驚いた。
「きゃああ、何よ、あんたたち。びっくりしましたわ。こんな夜中に何をしているの?」
「あ、あっしは見回りでやす」
「わ、私も見回りです。見回りは近衛兵の勤めですから。キャサリン様こそ、こんな夜中にどうされたのですか?」
「わたくしは、いつも夜中になるとおなかが減るので、オレンジを二つばかり用意しておいたのですわ。あの箱の上に・・・」
箱の上に何もないことに驚いたキャサリンが大声で騒ぎ始めた。
「あー、わたくしのオレンジがなくなってますわ。確かにあの箱の上に二つ置いたのに・・・。あんたたち、ここで怪しい人を見なかった?」
レイラとカザルは激しく首を横に振った。キャサリンが言った。
「おのれ、さてはサフィーの仕業ね。一日中『腹が減った』ってブツブツ言ってますもの。泥棒は許しませんわ、お兄様に言いつけてやる」
キャサリンが割れんばかりの勢いでドアを締めて外へ出ていくと、レイラとカザルがものすごい勢いで、ちょろまかしたオレンジを箱の上に戻した。
「やべえですぜ。このまんまだとサフィーに濡れ衣が着せられてしまいますぜ」
「オレンジが見つかったと、キャサリンお嬢様にお知らせしないと」
その頃サフィーは、カザルの帰りが遅いことにしびれを切らしていた。
「カザルは遅いのう。もう待ちきれんわ。・・・そうじゃ、こうなったらアルフレッド殿に何か食べるものをおねだりに行くのじゃ。アルフレッド殿なら身近に食べ物を置いているかも知れない」
そんなことが起きているとは思いもよらず、俺はテントの中で熟睡していた。サフィーはテントの中に忍び込むと、俺の枕元に近寄ってきた。そして耳元に顔を近づけて小声でささやいた。
「アルフレッド殿、アルフレッド殿、起きてくだされ・・・」
「ふあ? サフィーか? どうした」
「われは、お腹がへって倒れそうなのじゃ。何か食べ物をもらえないじゃろうか」
「ふわああ、仕方ないなあ。お前には三人前の食事を出しているはずだが・・・」
突然、アルフレッドのテントにキャサリンがすごい剣幕で入ってきた。
「見つけたわ、サフィー。わたくしのオレンジを盗んだでしょう?正直に言いなさい」
「なな、何のことじゃ。われはキャサリン様のオレンジを盗んだりしておらんのじゃ」
「ウソおっしゃい。きっと、そのマントの下にオレンジを隠し持っているのですわ。マントの下を見せるのですわ」
「ひどいのじゃ、そこまでわれを疑うなら見せてやろう。目を開いて、よーく見るのじゃ」
俺の横に立ったサフィーがマントを大きく広げてみせた。サフィーはマントの下に何も身に着けていない。裸マント状態である。しかも俺のすぐ横である。魔族には羞恥心というものがないのか。やばい、こんなものを見せつけられたら理性が破壊されるぞ。
「アルフレッド殿も、よく見るのじゃ。われは何も盗んでおらんぞ、ほれ、ほれ」
俺は見たい気持ちを必死に抑え込むと、目をそらせながら言った。
「わわわわ、わかった、わかった。サフィーは何も盗んでいない」
キャサリンが目を丸くして両手で口を覆った
「まああああ、サフィーったら、すっ裸ですわ・・・。裸でお兄様のテントに来るなんて、どういうつもりですの」
そこへ、レイラとカザルが駆け込んできた。
「キャサリン様! オレンジが見つかりました。箱の上に置いてありますが・・・・」
マントを広げたサフィーの裸を見るや、たちどころにレイラの顔が真っ赤になった。勢いよく剣を引き抜くと、震える手でサフィーに向けた。
「こここんな戦争の非常時に、アルフレッド様に、よよ夜這いをかけるとは・・・ゆゆ許さん」
「ちがうのじゃ、われはお腹が減っただけなのじゃ。われはアルフレッド殿に食べ物を分けてもらいにきただけなのじゃ。助けてほしいのじゃ」
俺は目を逸らせたままサフィーに言った。
「いいからマントを閉じろサフィー、いつまで広げているんだ。見ろ、カザルが大変なことになってる」
カザルが食い入るようにサフィーの姿を見ている。血走った両目が全開になって、いまにも飛び出しそうだ。口も完全に開ききっていて、よだれが垂れている。
「お、オレンジが一個、オレンジが二個・・・えへへへ」
キャサリンが俺の枕をひっつかむと、カザルの顔を思い切り殴りつけた。
「このスケベドワーフ、何を見てんのよ」
枕が破けて中身が飛び散った。俺はみんなに向かって言った。
「わかったわかった。この騒ぎは、サフィーに十分な食べ物を与えていなかった俺が悪かった。サフィーには三人前じゃなくて、特別に五人前の食事を出してもらうようにする。レイラとカザルの食事も、少し増やしてもらうようにお願いしておくから」
それを聞いたサフィーが、半泣きで俺に抱きついてきた。
「さすがアルフレッド殿じゃ、われは、うれしいのじゃ~」
それを見たキャサリンとレイラが怒り狂って、サフィーの身体を俺から引き離そうと必死に引っ張っている。
「まあ、何してるのですわ、お兄様から離れるのですわ」
「おい、離れろったら、この変態女」
こうして、しばらく馬鹿騒ぎを毎日繰り返しているうちに、何事もなく数週間が過ぎ去った。
そんなある晩のこと、カザルが陣地の敷地の中を歩いていた。
「う~、最近は夜中にトイレに行きたくなって困るぜ。あっしも歳だな、あれ?ありゃあ、サフィーじゃねえか。こんな夜中に何をしているんだろう」
全身を覆う黒いマントに身を包んだサフィーが、物陰に身を隠しながら、しきりに食料倉庫の様子を伺っている。カザルが後ろから声をかけた。
「よう、サフィーじゃねえか。こんな夜中に何をしてるんで?」
「うわわわ。な、なんだお主か。驚かすな。われは腹が減って仕方がないのじゃ。で、食料を盗み・・・じゃなくて分けてもらいたいと思ってな、ここから、倉庫の様子を伺っておるのじゃ」
「なんだよ、サフィーは三人前の食事をもらってるじゃないか」
「んー、それでも、われは三人前では足りんのじゃ。われは昔から大食いじゃからのう。腹が減って腹が減って倒れそうじゃ・・・。そうじゃ、お主、食料庫から、われに食料を取ってきてくれんか」
「じょ、冗談じゃないですぜ。あっしは泥棒なんてしやせん。善良なドワーフなんだ」
「まあ、そう固いことを言わずに・・・そうじゃ、お主、われに食料を持ってきてくれたら、このマントの中を見せてやろう。見たいじゃろう」
「お断りですぜ。サフィーのビキニアーマーなんか、もう見飽きたでやす」
「いやいや、われは夜は裸で寝るのでな、今、マントの下は裸なんじゃ。何も身に着けておらんのじゃ。一糸まとわぬ生まれたままの姿じゃ。どうじゃ、みたいじゃろう」
「そそそ、そういうことなら話は別だぜ。そこで待ってておくんなせえ」
カザルは倉庫の番兵に怪しまれないよう、おもむろに背筋を伸ばすと、毅然とした態度で倉庫に向かって歩くが、右手と右足が同時に前に出ている。倉庫の入り口に近づくと番兵にぎこちなく敬礼して挨拶した。
「あー、陛下のご命令で見回りをしている。中へ入れておくんなせえ」
「はっ。カザル殿のご命令であれば、お通しいたします」
カザルは木製ドアを開けると倉庫の中に入り、ゆっくりドアを閉めた。
「へっへっへ、ちょろいもんだぜ。後は食料をちょろまかして・・・」
ところが倉庫の中でレイラに鉢合わせしてしまった。
「うわ、レイラ殿じゃないか」
「きゃあ、か、か、カザル殿か。驚いたぞ」
「こんな夜中にどうされたんで?」
「それはだな・・・なんというか・・・実は腹が減って仕方がないので、ちょっとだけ、食べ物をもらおうかと・・・。カザル殿は何のためにここへ?」
「あっしは裸マントの中を・・・じゃなくて、あっしも腹が減って・・・」
「そうか、なら安心したぞ。どこかに余り物の食べ物なんかが落ちていないかな」
二人は倉庫の中をあちこち探し回っていたが、隅の方でカザルが言った。
「おお、箱の上にちょうど二個のオレンジが置いてありやすぜ。ここに出しっぱなしで忘れたんじゃないですかね。これなら失敬してもバレないんじゃないですかね」
二人は素早くオレンジをしまい込むと、倉庫の入り口に向かった。突然ドアが開いてキャサリンが入ってきた。キャサリンは飛び上がって驚いた。
「きゃああ、何よ、あんたたち。びっくりしましたわ。こんな夜中に何をしているの?」
「あ、あっしは見回りでやす」
「わ、私も見回りです。見回りは近衛兵の勤めですから。キャサリン様こそ、こんな夜中にどうされたのですか?」
「わたくしは、いつも夜中になるとおなかが減るので、オレンジを二つばかり用意しておいたのですわ。あの箱の上に・・・」
箱の上に何もないことに驚いたキャサリンが大声で騒ぎ始めた。
「あー、わたくしのオレンジがなくなってますわ。確かにあの箱の上に二つ置いたのに・・・。あんたたち、ここで怪しい人を見なかった?」
レイラとカザルは激しく首を横に振った。キャサリンが言った。
「おのれ、さてはサフィーの仕業ね。一日中『腹が減った』ってブツブツ言ってますもの。泥棒は許しませんわ、お兄様に言いつけてやる」
キャサリンが割れんばかりの勢いでドアを締めて外へ出ていくと、レイラとカザルがものすごい勢いで、ちょろまかしたオレンジを箱の上に戻した。
「やべえですぜ。このまんまだとサフィーに濡れ衣が着せられてしまいますぜ」
「オレンジが見つかったと、キャサリンお嬢様にお知らせしないと」
その頃サフィーは、カザルの帰りが遅いことにしびれを切らしていた。
「カザルは遅いのう。もう待ちきれんわ。・・・そうじゃ、こうなったらアルフレッド殿に何か食べるものをおねだりに行くのじゃ。アルフレッド殿なら身近に食べ物を置いているかも知れない」
そんなことが起きているとは思いもよらず、俺はテントの中で熟睡していた。サフィーはテントの中に忍び込むと、俺の枕元に近寄ってきた。そして耳元に顔を近づけて小声でささやいた。
「アルフレッド殿、アルフレッド殿、起きてくだされ・・・」
「ふあ? サフィーか? どうした」
「われは、お腹がへって倒れそうなのじゃ。何か食べ物をもらえないじゃろうか」
「ふわああ、仕方ないなあ。お前には三人前の食事を出しているはずだが・・・」
突然、アルフレッドのテントにキャサリンがすごい剣幕で入ってきた。
「見つけたわ、サフィー。わたくしのオレンジを盗んだでしょう?正直に言いなさい」
「なな、何のことじゃ。われはキャサリン様のオレンジを盗んだりしておらんのじゃ」
「ウソおっしゃい。きっと、そのマントの下にオレンジを隠し持っているのですわ。マントの下を見せるのですわ」
「ひどいのじゃ、そこまでわれを疑うなら見せてやろう。目を開いて、よーく見るのじゃ」
俺の横に立ったサフィーがマントを大きく広げてみせた。サフィーはマントの下に何も身に着けていない。裸マント状態である。しかも俺のすぐ横である。魔族には羞恥心というものがないのか。やばい、こんなものを見せつけられたら理性が破壊されるぞ。
「アルフレッド殿も、よく見るのじゃ。われは何も盗んでおらんぞ、ほれ、ほれ」
俺は見たい気持ちを必死に抑え込むと、目をそらせながら言った。
「わわわわ、わかった、わかった。サフィーは何も盗んでいない」
キャサリンが目を丸くして両手で口を覆った
「まああああ、サフィーったら、すっ裸ですわ・・・。裸でお兄様のテントに来るなんて、どういうつもりですの」
そこへ、レイラとカザルが駆け込んできた。
「キャサリン様! オレンジが見つかりました。箱の上に置いてありますが・・・・」
マントを広げたサフィーの裸を見るや、たちどころにレイラの顔が真っ赤になった。勢いよく剣を引き抜くと、震える手でサフィーに向けた。
「こここんな戦争の非常時に、アルフレッド様に、よよ夜這いをかけるとは・・・ゆゆ許さん」
「ちがうのじゃ、われはお腹が減っただけなのじゃ。われはアルフレッド殿に食べ物を分けてもらいにきただけなのじゃ。助けてほしいのじゃ」
俺は目を逸らせたままサフィーに言った。
「いいからマントを閉じろサフィー、いつまで広げているんだ。見ろ、カザルが大変なことになってる」
カザルが食い入るようにサフィーの姿を見ている。血走った両目が全開になって、いまにも飛び出しそうだ。口も完全に開ききっていて、よだれが垂れている。
「お、オレンジが一個、オレンジが二個・・・えへへへ」
キャサリンが俺の枕をひっつかむと、カザルの顔を思い切り殴りつけた。
「このスケベドワーフ、何を見てんのよ」
枕が破けて中身が飛び散った。俺はみんなに向かって言った。
「わかったわかった。この騒ぎは、サフィーに十分な食べ物を与えていなかった俺が悪かった。サフィーには三人前じゃなくて、特別に五人前の食事を出してもらうようにする。レイラとカザルの食事も、少し増やしてもらうようにお願いしておくから」
それを聞いたサフィーが、半泣きで俺に抱きついてきた。
「さすがアルフレッド殿じゃ、われは、うれしいのじゃ~」
それを見たキャサリンとレイラが怒り狂って、サフィーの身体を俺から引き離そうと必死に引っ張っている。
「まあ、何してるのですわ、お兄様から離れるのですわ」
「おい、離れろったら、この変態女」
こうして、しばらく馬鹿騒ぎを毎日繰り返しているうちに、何事もなく数週間が過ぎ去った。
0
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
奪い取るより奪った後のほうが大変だけど、大丈夫なのかしら
キョウキョウ
恋愛
公爵子息のアルフレッドは、侯爵令嬢である私(エヴリーヌ)を呼び出して婚約破棄を言い渡した。
しかも、すぐに私の妹であるドゥニーズを新たな婚約者として迎え入れる。
妹は、私から婚約相手を奪い取った。
いつものように、妹のドゥニーズは姉である私の持っているものを欲しがってのことだろう。
流石に、婚約者まで奪い取ってくるとは予想外たったけれど。
そういう事情があることを、アルフレッドにちゃんと説明したい。
それなのに私の忠告を疑って、聞き流した。
彼は、後悔することになるだろう。
そして妹も、私から婚約者を奪い取った後始末に追われることになる。
2人は、大丈夫なのかしら。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる