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執着旦那と愛の子作り&子育て編

人は見かけによらない。

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ハイシア領。領主執務室。
クロエにひとまず仕事を任せ、ゾルからガリオン達の報告を聞くシャリオン。
普段
ゾルが嘘をつかないのは当たり前なのに、聞き返してしまうのは仕方がない。
それだけシャリオンにとっては衝撃だったのだ。

「え?」
「事実だ」

まさか、探していたアップルトン男爵とアイリスが男性だと思わなかった。
それもヴィスタがわかるという匂いを追って見つけたということはつまりそういうことである。

「あんなに可愛い人だったのに。・・・人は見かけによらないな」

所作も完ぺきに女性だった。
いや、男らしかったら城に潜り込むことは難しいだろうが。

「・・・驚くのはそこじゃないだろう」
「そうだよね。男子だったのにシュリィの近くにいたのも・・・。
けど、今は格があるのだから、男女あまり関係ないんじゃないかな?
・・・とは言え『女子』を集めていたのに嘘ついていたのだから。
一体何が目的だったんだろ」

ゾルは『そういうことでもないだろう』と、思っていたのだが話が進まないので指摘をやめて首を横に振った。

「それはまだガリウスが調査中だ」
「そう。・・・あ。ねぇ。僕も話したいのだけどガリウスに」
「・・・念のために確認するがどういう事態かは理解できているのだな」

ウルフ家の者は主人の言葉に強く断れない。
とはいえ無謀なことに突っ込んでいく主人をそのまま送り出せるほど、ゾルは自分の力を過信していない。

「駄目・・・かなぁ」

だが、そんな主人のお願いに言葉をのんだ。

「わかっているのだな?あの少年がドラゴンの血を引いているかもしれないということを」

今精霊はこの世界にいない。・・・多分いない。
・・・と言うのもアルアディアにはいないことや、見たことがないために『多分』になってしまう。
それだったら先日ヴィスタとやりあったセレスの状態を見るに、その時に血を取得したと考える方が普通だから限定しているのだ。
そういえば、精霊は見たことがないから『いない』と言えるが、普通の(?)魔物はどうなのだろうか。
気になるがそんな話が出なかったので確認しようがない

「そうだね。またヴィスタに臭いって言われるのかな。
あ・・・今はガリウスにも言われちゃうのか・・・それは嫌だな」
「・・・、・・・、・・・」

本日何度目かの『だから。そんなことを言っているのではない』と、思いつつ困ったときの相手の名前を出した。

「ガリウスに聞いてみたらどうだ?」
「そう・・・だね。そうしてみよう」

ガリオンが戻るのを待ち報告を聞くと、アップルトン男爵と話をしたいと連絡を取ることになった。

★★★

騎士館に向かうとアルベルトに挨拶をした。
なんだか以前より中の雰囲気が変わったような気がする。
そんな事を思いながら第二騎士団へとたどりついた。

「今日は・・・あぁ、ゾルがいるなら大丈夫だね」

シャリオンが来ることを数分前に知らされたアルベルトは、いつも隣にいるガリウスがおらず指摘しようと思ったが、ガリウスがアップルトン男爵と話しているため当然だ。
それに隣にゾルがいるのを思い出して視線を向けてほっとしたように息をついた。
もし。騎士館をシャリオン一人で歩かせたと知れたらガリウスに何を言われるかわからない。
ガリウスはシャリオンのことに対してだけ理不尽である為細心の注意が必要なのである。

「今日はどのような用事かな?」
「はい。騎士館に併設されている、・・・沈黙の間に用がありまして」

実際は逆の意味だ。
王族や貴族の尋問に使われる部屋である。
それでシャリオンの来訪理由が分かったようだ。

「そこに伴侶殿もおりますよ。
・・・しかし、それがわかっていながらわざわざ来ていただけるとは・・・。
ガリウスに爪の垢を煎じて飲ませたい・・・」
「ガリウスが・・・ご迷惑をかけております」
「えぇ!
と、・・・言ってやりたいところなんですが、アイツの陰で助かっていることは数えきれないほどありますからな」
「そうですか。・・・いえ。僕は王太子王配殿下の相談役ですが、ガリウスと違い外部の人間なので、決まったお部屋に行く以外はお断りを入れるのが筋かと。
普段皆さんが守られているこちらに普段見ないものが案内人も付けずにうろつくのは、警備的にも良くないことでしょう」
「・・・そんな風にご理解いただける貴族ばかりだと、私はとんでもなく助かるのですがね」

どうやら勝手に歩き回る輩がいるらしい。
咄嗟にエリザベトのことを思い浮かべた。

「まぁ・・・私もお話しやすいアルベルト様を頼ているので筋を通し切れているか?と言ったら別になるのですが」
「いえいえ。是非とも私を当てにしてください。
他にシャリオン様を任せたと言ったらガリウスに文句を言われます」

大げさだとも思ったが、シャリオンはくすくすと笑った。

「それだけガリウスがアルベルト様を信頼しているということだと思います。
・・・、なんて・・・私が言うのも恥ずかしいことですが」

少し照れたように言えばアルベルトは少し驚きつつもすぐ笑顔になる。

「はぁー。これはこれは。お2人は何年たっても熱々な。
さて。ご案内いたしましょう。
あぁ。それと。これから会う者たちのことはここを出て沈黙の間に着くまで口にしないでください。
ガリウスからも言われると思いますがハイシア家の中以外でも同様でお願いします」
「わかりました」

逃亡していた貴族が捕まったのだ。
その全貌が見えてくるまで見つかったことは言うべきではない。
シャリオンの返事ににこりと微笑んだ。

「少し開ける。あとを頼むぞ」
「ハ!」

入口の騎士に留守番を頼むとアルベルトの案内で沈黙の間に向かう。
その道すがら気になっていた事を聞いてみた。

「中の雰囲気が変わりましたね」
「?そうかな?特に配置換えはしてないが」
「なんだか生き生きとしています。
て、・・・可笑しいですね。
けして以前が閑寂であるとかそういったことではないです」

あの頃はもっと空気が張り詰めていたというか。
騎士館としてはそちらの方が良いのだろうか?
しかし、今が緊張感がないというわけではない。
むしろ今の方が緊張感や安心感があるといえる。
それは直感的なことなのだが。

そんな風に言うとアルベルトは苦笑した。

「以前は緊張感がありましたな」
「今もあるから大丈夫です。皆さんがこの国を守ってくださるのですから、適度に息抜きは必要だと思いますし、王族の方々の前でなければ宜しいのではないでしょうか」

シャリオンの言葉に嬉しそうに微笑むアルベルト。
先ほどのガリオンの報告を思い出した。
アップルトン親子を保護したという知らせを受けたがその中で、シュルヤヴァーラを見たと言うものだった。
なぜガリオンが彼を知っているかはわからないが、城外で勤務時間に見たというのはおかしな話だ。

「・・・そういえば、シュルヤヴァーラ団長をしばらく見かけませんね」

第一騎士団と第二騎士団は王城の敷地内にある。
以前は第一騎士団が城内を警備していたが、アシュリーが王族になったことで第二騎士団から専属警備を出すことになった。
それに伴い時計回りのように、第二騎士団が今まで行っていた警備周辺を第一騎士団がするようになったというのはうっすらガリウスから聞いている。

「どちらに?」
「・・・第一騎士団団長は・・・そうですねぇ。素晴らしいお方なので皆の士気を挙げているのでしょう」

ニコリと微笑むアルベルト。
どうやら城外に出ていることは知らないようだが、シュルヤヴァーラは勤務で間違いないようだ。
第二騎士団がみていた城門は第一騎士団の者たちがいたのは馬車から見えていた。
シュルヤヴァーラが外出しても以前とは情報系統が違うのかもしれない。
悪いことを聞いたなと少しだけ反省する。
たとえ知っていたとしても勤務中にとは別騎士団からしたら、楽しいものではないだろう。

「そうですね」
「さて。こちらの建物ですよ。シャリオン様。足元をお気をつけて」

たどり着いた沈黙の館。
石畳の階段を上り中に入っていくと、魔法で明かりがともされている。

・・・ここにミクラーシュは来たんだな

そんなことを思いつつ案内され部屋にたどり着いた。

★★★


中に入ると2人が驚いたようにこちらを見てくる。
どうやらシャリオンがくるとは知らせていなかったようだ。

「迷いませんでしたか?」
「案内してもらったから大丈夫だよ」
「・・・大丈夫なのですか?」

それはシャリオンがアイリスに対して大丈夫なのか?と言う意味だ。
少し話は飛ぶがエリザベトはおそらく匂いの元であり、ドラゴンの血を引いた子なのだろう。
それなのに、ドラゴンに臭いとわれるのは不思議なことではあるが。
そしてそのヴィスタが反応したのはアイリスである。
つまりアイリスはドラゴンの血を引いていあるはずで、シャリオンはエリザベトのように恐怖がないかと言っているのだ。

「大丈夫だよ。・・・2人に話をしてもいい?」
「「っ」」
「えぇ」

その言葉にガリウスの隣に座った。

「まずは男爵から。
何故ルーク王太子殿下に側室になりたいなどとあの場で言われたのですか?」
「っ」
「ずっと気になっていたのです。ただ申し込みたいだけなら、しかるべき手順を踏めばいいこと。
それなのになぜあのような場でしたのか。
あんなことをしたらアイリス嬢・・・いえ、アイリス様が跡継ぎとしてやっていくのはかなり難しいです」
「確かにそうですね。・・・まぁつまりそれは、あの時から逃亡するつもりだったということでしょう」
「やっぱりそうか。・・・断られないことを想定してたりしてない?」

シャリオンの問いかけにアップルトン男爵は黙った。
ガリウスの視線もシャリオンが何を確認しようとしているか分かったのだ。

アシュリーのメイドとして募集された面子の中に男性が混じっているのは問題だが、
もしあの時ルークが側室として迎えた場合、男性でも別に構わなかったのだ。
様は子供を授かれればいいのだ。
そこで問題になっているのが、今上がっている『ドラゴンの血を引くもの』である。
シャリオンとガリウスの視線が注がれるが、アップルトン男爵は答えない。

「ガリウスはもう例の件を確認したの?」
「いいえ。・・・ですが間違いないように思います。匂います」
「・・・そう」

そう言った途端アイリス嬢はビクッと体を揺るがした。
それをガリウスが見逃す筈もなかった。

「最近、王都で外道なことが行われていることはご存じですか?」

いつものガリウスなら確信をついていくところなのに、なんとも回りくどい。
証拠がないとこんなにも大変なのだと思った。

「いえ・・・何のことか」
「実は力を得るために魔物の血を体に取り込むものがいるらしいのです」
「「!」」

明らかに動揺したのがわかる。
しかし、どうやって認めさせるのかと思っていると、シャリオンも良く見慣れた・・・いや。
懐かしいものを出した。

真っ白な魔力を纏った紙。魔法道具の魔法紙だ。
それを2人の前に置く。

「私はその調査にあたっているのです。そのご協力をお願いいたします」
「っ」
「お2人に書いていただきたいので、アイリス様もお願いいたします」
「・・・、必要、ありません」
「アイリス!」
「父上。これを出されてはもう無駄です」
「っ」
「この紙の前では嘘はつけません。
でしたら回りくどいことをせずに言ってしまった方が早いです」

そんな風に堂々と言い切りアイリスに、頭の回転が速い人だと思った。

「私。精霊の血を体に取り込んでいます」
「え?」
「・・・精霊?」

その言葉に2人が驚くとアイリスまで驚いた。

「ご存知・・・なかったのですか」

呆然としたようにつぶやく。
ガリウスの同席ですべてを知っていると思ったようだ。

「いや・・・魔物・・・ドラゴンだと思っていました」

シャリオンがそういうとアイリスは納得したようだ。

「ドラゴンではないことは確かです。
私達にあんな狂暴で血が濃い生物に攻撃をするなんてできません。
・・・精霊だとは思いますが、あれが魔物と言われると判断が付きません」

ガリウスでさえ精霊は見たことがないというのだ。
当然だと思う。

「書物にあったのです光の玉の様な生物と」
「ん?」
「どうかなさったのですか」
「光の玉・・・?」

光の玉と言えば子供達だ。
セレスに魔力コントロールにやっていたのを思い出す。
だがそれではないことはわかる。

・・・。・・・でも魔を纏った物が魔物なら・・・、いや。今はそんなことよりもだ。

アイリスは困ったように答えた。

「多分。としか申し上げることができません」

どうやら、自分たちのこの世界のことを長らく住んでいてもわかっていないことが多いようだ。
するとシャリオンが興味を示してしまったことにガリウスの視線が不安気だ。
いつも不安がっているシャリオンと逆になっていて思わず苦笑を浮かべた。

「大丈夫だよ。僕が見たことがあるのは神霊だから」

そう答えるもガリウスの表情は硬い。

「それは・・・どこで?・・・いえ。あとで詳しく教えてください」
「うん。じゃぁ話を戻そうか」
「えぇ。・・・何故、その血を取り入れたのでしょうか」
「・・・分かりません」

ガリウスの視線がアイリスから男爵へ向かうと気まずそうに答える。

「本当にわからないのです」
「力を得ようとしたのではないのですか」
「っ違います!!」

声を荒げて否定したがハッとすると視線を下ろした。

「た・・・確かにそう言われているようですが」
「私には残念ながらその兆候は現れませんでした」
「やはり力を欲していたわけですね」
「!」

うかつな発言にアイリスは言葉をのんだ。

「ヴレットブラード侯爵の指示ですか」

無言は肯定である。
落ちついた様子でもアイリスはまだ若いのだから仕方がないだろう。
自分の失言に真っ青になった。

「まぁ良いでしょう。
こちらに先ほど言った誓約を書いてください。今日はそれで構いません」

その言葉にホッとする2人。

「では、この館の」
「ハイシアに招待するのはダメかな」

ガリウスの続ける言葉をすべていう前に話した。

「シャリオン・・・見張りを付けます」

さほど驚いているようではないが、駄目だというガリウス。
心配は解るのだが。

「けど、ここは例の家ヴレットブラードと親しい人間もいるから」
「それならここではなく警備が強く、手出しが出来ない場所であれば問題ありませんね」
「うん・・・ごめんね」
「いいえ。私もシャリオンに言われるまで見張りをつければいいと思っていましたが、・・・確かにその場合を考えていませんでした」
「・・・っ・・・」

そんな風に話しているシャリオン達にアイリスは複雑な表情をしていた。

★★★

内密にアップルトン男爵親子はハドリー領で見てもらうことになった。
それを王都の屋敷に戻ってきたガリウスから聞いた。

「そうなんだ。・・・ハドリー領なら大丈夫かな」
「えぇ」

ハドリーとは懇意にしているのでその辺は安心できる。

「まぁ。最近は以前のように大きな顔は出来ないでしょうがね」
「ハドリー侯爵・・・のことではないでしょう?」
「ヴレットブラード侯爵とつながりのある者ですよ」
「ユングストレーム伯爵?」

エリザベトと大体一緒にいるフィロメナ・ユングストレームの家だ。

「次男が第一騎士団に所属してますね」
「そうなんだ」

ガリウスの状況把握に驚いてしまう。
ユングストレームの次男が第一騎士団に所属しているとは知らなかった。
だとしたら確かに入ってこれてしまうだろう。
だが、ハドリー領で預かってもらっているなら安心だ。

「それよりも。シャリオンには昼間のことで確認したいです」
「あぁ。うん。・・・でも、僕は神霊しか見てないよ?」
「それはどこで見たのでしょうか」
「この屋敷でね。子供達を授かっている時にディディから祝福を受けたでしょう?」
「・・・あの時ですか」
「うん。
何と言ったらいいいか。・・・湖畔に集まる夜蝶にも似てた」

美しいその光景は結婚式後に滞在した湖畔の館から見える、泉に集まる夜蝶の様だった。
あれは別物だろうが美しいことに変わりない。

「・・・。あれは・・・ただの虫か魔物だと思っていたのですが」
「今の状態で見てみると何か変わるかな」
「そうですね。リングもありますし」

ぶつぶつと考えている考えているガリウス。

「僕も・・・聞いても良い?」
「はい。なんでしょうか」
「シュルヤヴァーラ騎士団長は最近どうしているの?」
「何故彼が気になるのですか?」
「今日勤務中に城外で見たんだ」
「・・・それは困りましたね」
「ガリウスにも情報が入っていないってこと?
それとも、僕のため?」
「前者ですよ」
「そう・・・それはそれでまずいね」
「そうですね」

第一騎士団に知り合いは居ない。
以前所属していたミクラーシュだったらわかるのだろうが。
彼は今。王都に入ることは出来ない。
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