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執着旦那と愛の子作り&子育て編
早く帰ろう。
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目覚めてすぐに感じる温もりは安堵しかなかった。
前から抱きしめられ暑さや窮屈さよりも喜びを感じる。
じわじわと広がる魔力は心地良い。
あんな事がなければ感受していたところだが、そろりと見上げればその双方は閉じられたままだ。
つまり無意識にシャリオンに魔力を流していると言う事だ。
そんな風に甘やかされるのは困ってしまうが、相反することだがやはり嬉しい。
ガリウスに魔力を戻す様に送ると、しばらくしてガリウスの瞳がパチリと開いた。
シャリオンの大好きなアメジストだ。
それに自然に笑みを浮かべるとガリウスもシャリオンにしか見せない極上の笑みを浮かべると、身体を伸ばしてきたガリウスが唇を軽く啄んだ。
「おはようございます」
優しく微笑まれただけで胸が熱くなる。
慣れ親しんだはずななのに、今は・・・。
「っ・・・」
詰まらせたシャリオンにガリウスがそっと頬を撫でた。
嬉しい。
目頭が熱くなりそうで視線を逸らそうとした。
ほんの一瞬晒すのも嫌だが、いい大人が泣いてしまうのは恥ずかしいことだ。
散々ガリウスの前で涙を見せているわけで説得力がないかもしれないが。
しかし、すぐにガリウスによって戻される。
視界いっぱいに広がったガリウスに、我慢ができるはずがなかった。
目元にたまった大粒の涙を流すようにそっと手を触れられる。
「っ・・・だめ」
「何故です・・・?」
「・・・分からないならまだ戻ってないの?」
「そんなことはないです」
そういいながらシャリオンの手を取られるとガリウスの頬に手を添わされる。
「私がどんなシャリオン見たがるのは知っているでしょう?」
「っ・・・っ・・・もぅ・・・」
高ぶった感情はシャリオンのいうことを聞かないのに、もっと引き出すようにするガリウス。
戻ったことを実感させるように。
抱きしめる腕は優しさだけでなく、シャリオンが少しきつく感じるほどの強さだった。
・・・
・・
・
落ち着いてくるころにはすっかり鼻声になってしまっていたが、それでもガリウスは優しくなだめてくれた。
その優しさに幸せをまた感じつつ顔を上げると、ようやく朝の挨拶を返した。
「おはよう。ガリウス」
「おはようございます」
「あぁ・・・ひどい声だ」
「その声はたまにしか聴けませんから」
そう言って額に口づけるガリウス。
「ところで・・・いつもの呼んでくださらないのですか?」
触れるか触れないかのところでそう囁かれ、我慢できなかったシャリオンが今度は体を伸ばすとガリウスにキスをする。
なんどしてもし足りないと思ってしまう。
それでも会話の最中で、何度かした後にようやく顔を離した。
近くにいると口づけたくなってしまうから。
そんな欲望まみれな自分に頬を熱くしながら見上げた。
「あの呼び名も好きだけど、でもやっぱり・・・ガリウスという呼ぶのも好きなんだ」
ガリウスはよく甘えた声でシャリオンに甘える。
しかし、今のはそういうことではなく、悲しませた事実に不安だったのだ。
一方のシャリオンもガリウスのそれが、以前のように拗ねた物ではないことに気が付いた。
怒っているということではなく、今は特に『ガリウス』と呼べなかったことの反動だった。
するとシャリオンのそんな返答に満面の笑みを浮かべ、額に口付けるガリウス。
「私もシャリオンに呼んでいただけるのなら、どんな呼び名でも嬉しいです」
なんだろう。
今日のガリウスはいつも以上に甘い。
こんな感じだっただろうか?
最近神獣としてのガリウスしか見てなかったから不思議に感じてしまう。
「そんなこといったら可愛い呼び名をつけるよ?」
「いいですよ」
迷いもせず言い切られてしまい、そこまで言われると付けたくなって考えていると、笑顔だったガリウスが心配気にこちらを見てくる。
「どこか痛いところや、体調が悪いところはありませんか」
背伸びをしたりして自分の体におかしなところがないか探してみる。
痛みを帯びるところはなく、少し体がだるく感じるがそこまで酷いわけじゃない。
「ん・・・っ・・・大丈夫」
『ガリウスは?』と続けようとしたのだが、それよりも早く訪ねてくる。
「だるくありませんか」
「・・・よくわかったね」
「3日も目を覚さなかったので。
その間適度に体勢は変えていたのですが」
「3日?!」
「それだけ魔力を使ったということです。
体が経験した事が無いほどの量に耐えられなかったのでしょう。
負担をかけない様に調節していましたが、それも注意しなければなりませんでした」
口にしなくてもよくわかるなと、思ったら予想外の答えが返ってきて驚いてしまう。
魔力が低く魔法を使うと言う事が無かったシャリオンは知らないが、魔力譲渡は一般的に不快感や痛みを有する。
市販されているタリスマンも同様だ。
伴侶からの魔力譲渡は子を体に宿している為、通常よりそんな事はないが。
この世界で誰よりもシャリオンを見ているガリウスは、シャリオンに魔力を譲渡する時だけは、魔法行使の時よりも最大限に気を遣っている。
その面倒さよりも、自分の魔力がシャリオンを満たし、またそれで幸福や快感を植え付けていると言う事に喜びを感じてるのだ。
だが、今回は今までシャリオンに渡した分を軽く超えるほどだった。
口には出さないが、この場に子供を呼び寄せればよかったとガリウスは後悔した。
その方がシャリオンの負担が少なかったかもしれないからだ。
しかし、そういう考え方はシャリオンが好まないから言わないが。
「ごめんね。心配かけてっ
ガリィこそ疲れてるでしょう?・・・ぁ、覚えてる??」
そう尋ねればガリウスは困った様にしながらコクリとうなづいた。
「記憶はあります。・・・私の方こそ申し訳ありません。
相手の魔力の低さに慢心し、・・・シャリオンに心配をかけてしまった」
苦しそうに表情を浮かべ許しを乞うガリウスだが、操られていたならガリウスはどうしようもない。
「ガリィが戻ればそれで良いよ。
でも、・・・何があったの?
連れ去られた日の夜は話せたのに」
「魔法ではないようです」
「魔法じゃない・・・?」
そんなことあるのだろうか?と、思ったが、だからシャリオンの状態異常回復が使えなかったのだろうか。
そう思えば納得できたし、罪悪感も薄れた。
魔法を使える様になったのは、あまりにも地味でショックも受けたがそれでも嬉しかった。
王都に居るガリウスや自分には縁がないと思っていたが、ガリウスがそんな事態になっていたならシャリオンの魔法で溶けたなら早かったはずだ。
それもこれも、シャリオンのスキルが足りない所為だ。
「えぇ。・・・だからシャリオンの魔法が効かなかったようです」
「けど・・・もっとこの魔法が強かったなら、違う未来もあったと思う。特訓しないとだね」
特訓をしただけでこの威力が上がるのかは未知数だ。
しかし、魔力が有無で魔法の威力が変わるのは周知の事実。
シャリオンの魔法は少々珍しいようだが、同じことが言えるのではないかと思った。
そんな時、ふとガリウスがヴィスタと話していた事を思い出す。
ガリウスはこれまでも魔法を造っている様だった。
「魔法を造るのって難しいの?」
ガリウスは少々難しい顔をする。
答えられることなら言いたいが、その話題についてあまり他人とそう言う話をしたことがない。
一度だけそう言う話をしたことがあるが、思い切り怪訝な顔をされて以来あまりその話をしていなかったからだ。
「どうでしょうか・・・。
周りには居ないので、・・・難しいのかもしれません。
シャリオンが望むならお手伝いしましょうか?」
ここでレオンだったらシャリオンの為を思ってだが『必要ない』と言われてしまうところだが、ガリウスはシャリオンにとことん甘い。
無理だと言われない事に嬉しそうに微笑むシャリオン。
「ありがとう。帰ったら教えて欲しい。・・・でも」
「えぇ。続きですね」
シャリオンはこくりと頷く。
無事に戻ったが、気になるのは当然だった。
「彼女達が使うあれは・・・魔力は使うようです。
ゾル達の使う秘術に少し似ているかもしれません。
その系統は専門ではないのでうまく出来ないのですが・・・申し訳ありません」
ガリウスの謝ることではない。
色々な技術があることに驚きを感じつつもその能力は怖いものだった。
コンドル家の洗脳はどちらになるのだろうか?
「でも何故解けたのだろう。
・・・それにまたこんなことがあったら」
「それについては大丈夫です」
「どう言うこと?」
「魔法紙を使っての最高レベルの誓約を交わしました。
それに術式を一部改変し封印しました。
もし、今後解けても想定した通りには動かないでしょう」
3日も目を覚さなかったので、その間にしたのだろう。
シャリオンが考えることなど、ガリウスが考えられない訳ない。
・・・が、それはそんなに簡単にできることなのだろうか。
まるでセレス達がするようなものにも聞こえるのだが。
「解けたのはシャリオンの言葉ですね。
・・・言いかけた言葉と言った方が正しいでしょうか」
そう言いながらガリウスの気配がおかしい事に気がついた。
そちらを見れば目が笑っていない様な気がする。
「え?」
「・・・あの男に『好きにしていい』と、言いそうになりましたね?」
「あぁ・・・うん。あの時はちょっと焦ってて。
流石に不味かったよね」
そう答えたのだが、ガリウスが本気で怒っているのがわかった。
「もしそう言ったとして。
貴方を好きだと言ったあの男が、貴方を思うようにするために動いたらどうするのですか」
「、・・・それは」
たしかにそうかもしれないが、シャリオンにはヴィスタとどうにかなると言うのが想像しにくかった。
ガリウスと同じ顔の造形なのに、隣についてくるくらいでそれ以上の事が想像できなかったのだ。
しかし、危機感の無いシャリオンに目を細めた。
「それと。・・・あの男に『慰められた』とは何をされたのですか?」
「そ、・・・いや、何も無かったよ?」
「本当に?」
念を押して聞かれてしまい、シャリオンは諦めた。
ガリウスは『何かをされた』と、確信しているのだからいい逃げなど出来るわけがない。
「・・・抱きしめられただけ」
その言葉にピタリと止まったガリウス。
神獣だったガリウスはなんとも思わなくても、今のガリウスは別だ。
「っご、ごめんっ
急に後ろに回られてっ
それで、あの、・・・、・・・、ごめんなさい」
シャリオンが対応できる速さではなかった。
ゾルでもできなかったのだ。
シャリオンの謝罪にガリウスの怒気が次第におさまっていった。
小さく溜息を吐かれると強く抱きしめられる。
「シャリオンが悪いことはありません。
しかし、・・・そんな事をしてきた男に、あんな事言うのはいけません」
「っ・・・うん」
「シャリオンがなんとも思ってなくても、相手がどう思うかはわからないでしょう?」
「う、うん」
これ以上怒らせてはいけないと、シャリオンは大人しくしておく。
しかし、ガリウスの言う通りヴィスタはそういつもりだったのだろうか。
だから「伴侶」なんて言ったのだろうか?
「つまり、ヴィスタはそう言うことなの?」
シャリオンの問いかけにガリウスはつまらなそうにした。
「知りません」
「そ、そっか」
「シャリオンが知る必要もありません」
「わかった」
素直にシャリオンがそう答えていると、怒りのボルテージが収まってきたようだ。
「すみません。・・・貴方に怒ってるわけではないのです。
あなたが素敵なのはアルアディアの者であれば全国民が周知の事実です」
「いや・・・それは・・・どうだろう」
ガリウスに褒められるのは嬉しいが、それは行き過ぎである。
「わかってるよ。・・・僕もね。
ここにきて、神官達に必要とされたり、
ディアドラ達と仲良さげに話しているところを見て・・・ちょっと嫉妬しちゃった」
白状しながら頬が熱くなっていく。
もっと広い心でいたいからだ。
フッと口元に笑みを浮かべながらシャリオンの頬にチュッと口づけた。
「たとえ記憶がなくとも貴方を目にした時から、貴方を愛する自信があります」
「っ・・・~」
なんと返していいかわからなくなるようなことを言うガリウス。
恥ずかしさは募るばかりで、シャリオンはガリウスを抱きしめた。
衣服越しにでもガリウスの熱を感じると、気分はますます高ぶっていく。
そろりと体を少し話して、見上げると熱っぽい瞳と交わる。
唇を求めるように見つめていると、触れるか触れないくらいかくらいまで近寄る。
それなのにガリウスは唇には口づけてくれなくて、シャリオンが背伸びをして口付けた。
「んっ・・・」
ハムハムと食み付きながら応えてくれないガリウスの唇をペロリと舐める。
「・・・がりぃ・・・」
鼻にかかった甘えた声で名前を呼ぶと、その視線は欲望にギラついているのに止めてくる。
「駄目です・・・」
「っ・・・なぜ・・・?」
「口付け以上のことをしたくなってしまいます」
「っ・・・それが、・・・なぜダメなの?」
無意識に体をすり寄らせるシャリオン。
「3日も目を覚まさなかったのです。・・・アルアディアで診てもらうまでは」
「っ・・・キスも・・・?」
「、・・・」
シャリオンも煽っている自覚はある。
心臓を脈打たせながら、ガリウスの背中を撫でると息を飲んだ。
ガリウスの言い分も正しいのがわかるし、シャリオンもガリウスの健康状態を確かめたくある。
目覚めたときにはガリウスしか考えられなかったが、ここはまだキュリアスの聖堂だ。
だがこの状況は火が付いてしまった。
息を飲むガリウスにシャリオンは悪戯心が弾んだ。
「・・・っ」
「ガリィ」
「・・・、・・・最後まではしませんよ」
「キスだけでいいよ?」
「それは無理だと言っているでしょう?・・・そもそも貴方もそれで終えられるのですか?」
悪戯が過ぎてしまったことに気づかなった。
シャリオンはクスリと笑みを浮かべた。
「うん。ハイシアに帰ったら、沢山愛し合おう?」
そういうとガリウスは意地悪気に目を細めた。
それを、ハイシアに帰って愛し合うときにいつものように、ベッドの上で意地悪されるのだろうと思っていたが。
シャリオンの認識は少し甘かったようだ。
・・・
・・
・
ガリウスに組み敷かれ、両の手は指を絡め合わせ繋がれる。
それは嬉しいのに、動きも封じられていて快楽の戒めになっていた。
「あっ・・・・ふぅっ・・・んぅ・・・ぁんっ」
キスを繰り返し深くなっていく口付けにシャリオンはあっという間に昂まった。
それはガリウスも一緒で重なった互いの体の間には熱く昂ぶったものがあるのがわかる。
シャリオンを知り尽くしたガリウスは、キスだけで追いやるのは容易いことだった。
長く触れ合えない時間が続き、理性など薄氷と一緒で軽く触れるキス以上のことをしてしまえば、止まる自信がなかった。
シャリオンの体の状況を考えれば良くないことは明白だ。
なのに、いつも天使のようなシャリオンが小悪魔のように誘うそれに何かが弾けた。
ガリウスの精神を試すような意地悪気で可愛いその姿に、正しい判断ができなかったのである。
始める頃はシャリオンを煽る為だった行為も、最高潮に昂りながらもガリウスを同時に苦しめている。
清廉潔白で淫靡なことなど普段の様子からは想像できないシャリオンは、今では可愛らしく喘ぎ声をあげながら、ガリウスの足に自分の足を絡ませてきている。
両手がふさがれているから、シャリオンが動かせるのは口と足しかないのだ。
キスの合間に甘えた声で求めてくるシャリオンに『駄目です。約束でしょう?』と、言いながらも口付けを続けた。
もう期待で濡らしているのが、ガリウスが腰を軽く揺らす滑るそれでシャリオンにもわかる。
「はぁんっ・・・んぅっ・・・が・・・がりぃっ・・・もうっ」
口付けをしすぎて、唇が腫れそうなほど熱を持っている気がする。
けれど、それで止まることはなく、半泣きになっているシャリオンの唇に吸い付いた。
「・・・駄目です」
「っ・・・ごめんっ・・・あやまるからぁっ」
「本当に駄目です。しっかりとシャリオンの体が大丈夫か確かめるまでは抱けません」
「っ・・・っ・・・」
そう言うと額に口づけられた。
自分が煽ったのはわかっている。
けれど、与えられない決定的な快感を欲して目頭が熱くなりそうだ。
すると、ガリウスが瞼に口付けた。
繋がれていた手をそのまま下に持っていかれると、熱く昂ぶったモノに導かれた。
泣き出しそうだった表情に期待が含んでいく。
ガリウスの顔が再び近づいてきて口づけられるのかと思ったが、通り過ぎて耳にチュッと口づけられた。
「っ・・・ぁっ・・・んっ」
「・・・シャリオン。・・・扱いてください」
「・・・!」
「私がしたら止まりません。・・・お願いです」
そう言いながら腰を押し付けられると、シャリオンは息を飲んだ。
熱くて固いモノが手に当たっている。
先ほどあんなに誘って見せたのに、いざとなると緊張してしまう。
すると、ガリウスがつないでいた手を解き、シャリオンの前をくつろげるとすで濡れているモノを付け根からゆっくりと先端へと撫でられた。
「っ・・・、・・・」
たったそれだけでゾクゾクと体が震えた。
しかしガリウスの手は離れると、シャリオンの手をつかむと、・・・ガリウスの熱く猛ったものを今度こそ握らせられた。
手の甲に触れている時も熱く固くなっているのがわかったが、握らされたことではっきりと大きさが分かった。
「・・・ぉ・・・きぃ」
「・・・シャリオンとこうしていてならないわけないでしょう?」
抱いてほしくてたまらなくなるが、今日のガリウスはしてはくれないだろう。
許されたのはシャリオンが動かして、共に果てるだけだ。
「っ・・・うまく・・・できない・・・かもしれない、けど」
そう言いながら、シャリオンはガリウスと自分のモノを合わせて握った。
何度かしては居るが、ガリウスがしてくれる方が何倍も気持ちがいいのは知っているから自信はないが。
自分のモノよりも倍はあるガリウスのモノにシャリオンの蜜が絡まる。
ぎこちなく動いていた手は、動かす度に蜜を塗り広がっていく。
水音が大きくなるにつれて自分ばかり興奮しているみたいで恥ずかしいのに、興奮が止まらない。
気持ちがよくて、だが自分だけ感じているのではないかとガリウスを甘く呼ぶ。
「んっ・・・っぁっ・・・が・・・りぃっ・・・・い・・・ぃ?」
「・・・えぇ・・・」
「っ」
ガリウスの声も熱く切なくなっているのに気づくと、シャリオンの手も止まらなくなっていく。
両手でつかんでガリウスを逝かせようと必死に動かした。
勿論、シャリオンはそれだけで十分に気持ちがいい。
「っ・・・がりっ・・・がりぃっ・・・」
「っ・・・っ・・・良いですよ」
逝かせたかったはずなのに、もう逝きたくなってたまらなくなっていった。
久しぶりの射精だからというのもある。
「ごっ・・・めっ」
「っ・・・私ももう我慢できません」
「!」
そう言うとシャリオンの手の上から手を重ねられると、シャリオンの握力より強い力でじゅぶじゅぶと扱かれた。
「っ~っ・・・!」
「っ」
自分で扱いているはずなのに、扱かれているような感覚。
ぐじゅぐじゅと蜜音を響いた。
すると、耳元でささやかれる。
「っ・・・シャリオン・・・」
「が・・・りぃっ」
「いうのを・・・忘れていました」
「っ・・・?」
「シャリオンのモノは全て私の中に出して下さい」
「っ・・・ぇ・・・?」
「・・・・お願いします」
「っ・・・・?・・・う、・・・んっ」
よく意味は分からなかったが、そのまま手を動かした。
気持ちよくて逝きたくて。
そして触れ合えることが嬉しくて。
言葉の意味を考えられなくてただ手を動かす。
それだけで想いが募っていき、唇を求めるようにガリウスを見つめる。
「っ・・・がりぃっ・・・すきっ」
「っ・・・私も・・・・愛しています」
愛を囁きあうともう止まらなくなっていった。
「っ・・・ひぃぁっんんぅっ・・・ぁっ・ぁっ・・・ぁっ・・・ィ・・・くっイッちゃっ」
「っ・・・ックっ・・・一緒に・・・」
「ぅんっ・・・うんっ・・・!」
全身を駆け抜ける快感に満たされながら。
二人は達するのだった。
前から抱きしめられ暑さや窮屈さよりも喜びを感じる。
じわじわと広がる魔力は心地良い。
あんな事がなければ感受していたところだが、そろりと見上げればその双方は閉じられたままだ。
つまり無意識にシャリオンに魔力を流していると言う事だ。
そんな風に甘やかされるのは困ってしまうが、相反することだがやはり嬉しい。
ガリウスに魔力を戻す様に送ると、しばらくしてガリウスの瞳がパチリと開いた。
シャリオンの大好きなアメジストだ。
それに自然に笑みを浮かべるとガリウスもシャリオンにしか見せない極上の笑みを浮かべると、身体を伸ばしてきたガリウスが唇を軽く啄んだ。
「おはようございます」
優しく微笑まれただけで胸が熱くなる。
慣れ親しんだはずななのに、今は・・・。
「っ・・・」
詰まらせたシャリオンにガリウスがそっと頬を撫でた。
嬉しい。
目頭が熱くなりそうで視線を逸らそうとした。
ほんの一瞬晒すのも嫌だが、いい大人が泣いてしまうのは恥ずかしいことだ。
散々ガリウスの前で涙を見せているわけで説得力がないかもしれないが。
しかし、すぐにガリウスによって戻される。
視界いっぱいに広がったガリウスに、我慢ができるはずがなかった。
目元にたまった大粒の涙を流すようにそっと手を触れられる。
「っ・・・だめ」
「何故です・・・?」
「・・・分からないならまだ戻ってないの?」
「そんなことはないです」
そういいながらシャリオンの手を取られるとガリウスの頬に手を添わされる。
「私がどんなシャリオン見たがるのは知っているでしょう?」
「っ・・・っ・・・もぅ・・・」
高ぶった感情はシャリオンのいうことを聞かないのに、もっと引き出すようにするガリウス。
戻ったことを実感させるように。
抱きしめる腕は優しさだけでなく、シャリオンが少しきつく感じるほどの強さだった。
・・・
・・
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落ち着いてくるころにはすっかり鼻声になってしまっていたが、それでもガリウスは優しくなだめてくれた。
その優しさに幸せをまた感じつつ顔を上げると、ようやく朝の挨拶を返した。
「おはよう。ガリウス」
「おはようございます」
「あぁ・・・ひどい声だ」
「その声はたまにしか聴けませんから」
そう言って額に口づけるガリウス。
「ところで・・・いつもの呼んでくださらないのですか?」
触れるか触れないかのところでそう囁かれ、我慢できなかったシャリオンが今度は体を伸ばすとガリウスにキスをする。
なんどしてもし足りないと思ってしまう。
それでも会話の最中で、何度かした後にようやく顔を離した。
近くにいると口づけたくなってしまうから。
そんな欲望まみれな自分に頬を熱くしながら見上げた。
「あの呼び名も好きだけど、でもやっぱり・・・ガリウスという呼ぶのも好きなんだ」
ガリウスはよく甘えた声でシャリオンに甘える。
しかし、今のはそういうことではなく、悲しませた事実に不安だったのだ。
一方のシャリオンもガリウスのそれが、以前のように拗ねた物ではないことに気が付いた。
怒っているということではなく、今は特に『ガリウス』と呼べなかったことの反動だった。
するとシャリオンのそんな返答に満面の笑みを浮かべ、額に口付けるガリウス。
「私もシャリオンに呼んでいただけるのなら、どんな呼び名でも嬉しいです」
なんだろう。
今日のガリウスはいつも以上に甘い。
こんな感じだっただろうか?
最近神獣としてのガリウスしか見てなかったから不思議に感じてしまう。
「そんなこといったら可愛い呼び名をつけるよ?」
「いいですよ」
迷いもせず言い切られてしまい、そこまで言われると付けたくなって考えていると、笑顔だったガリウスが心配気にこちらを見てくる。
「どこか痛いところや、体調が悪いところはありませんか」
背伸びをしたりして自分の体におかしなところがないか探してみる。
痛みを帯びるところはなく、少し体がだるく感じるがそこまで酷いわけじゃない。
「ん・・・っ・・・大丈夫」
『ガリウスは?』と続けようとしたのだが、それよりも早く訪ねてくる。
「だるくありませんか」
「・・・よくわかったね」
「3日も目を覚さなかったので。
その間適度に体勢は変えていたのですが」
「3日?!」
「それだけ魔力を使ったということです。
体が経験した事が無いほどの量に耐えられなかったのでしょう。
負担をかけない様に調節していましたが、それも注意しなければなりませんでした」
口にしなくてもよくわかるなと、思ったら予想外の答えが返ってきて驚いてしまう。
魔力が低く魔法を使うと言う事が無かったシャリオンは知らないが、魔力譲渡は一般的に不快感や痛みを有する。
市販されているタリスマンも同様だ。
伴侶からの魔力譲渡は子を体に宿している為、通常よりそんな事はないが。
この世界で誰よりもシャリオンを見ているガリウスは、シャリオンに魔力を譲渡する時だけは、魔法行使の時よりも最大限に気を遣っている。
その面倒さよりも、自分の魔力がシャリオンを満たし、またそれで幸福や快感を植え付けていると言う事に喜びを感じてるのだ。
だが、今回は今までシャリオンに渡した分を軽く超えるほどだった。
口には出さないが、この場に子供を呼び寄せればよかったとガリウスは後悔した。
その方がシャリオンの負担が少なかったかもしれないからだ。
しかし、そういう考え方はシャリオンが好まないから言わないが。
「ごめんね。心配かけてっ
ガリィこそ疲れてるでしょう?・・・ぁ、覚えてる??」
そう尋ねればガリウスは困った様にしながらコクリとうなづいた。
「記憶はあります。・・・私の方こそ申し訳ありません。
相手の魔力の低さに慢心し、・・・シャリオンに心配をかけてしまった」
苦しそうに表情を浮かべ許しを乞うガリウスだが、操られていたならガリウスはどうしようもない。
「ガリィが戻ればそれで良いよ。
でも、・・・何があったの?
連れ去られた日の夜は話せたのに」
「魔法ではないようです」
「魔法じゃない・・・?」
そんなことあるのだろうか?と、思ったが、だからシャリオンの状態異常回復が使えなかったのだろうか。
そう思えば納得できたし、罪悪感も薄れた。
魔法を使える様になったのは、あまりにも地味でショックも受けたがそれでも嬉しかった。
王都に居るガリウスや自分には縁がないと思っていたが、ガリウスがそんな事態になっていたならシャリオンの魔法で溶けたなら早かったはずだ。
それもこれも、シャリオンのスキルが足りない所為だ。
「えぇ。・・・だからシャリオンの魔法が効かなかったようです」
「けど・・・もっとこの魔法が強かったなら、違う未来もあったと思う。特訓しないとだね」
特訓をしただけでこの威力が上がるのかは未知数だ。
しかし、魔力が有無で魔法の威力が変わるのは周知の事実。
シャリオンの魔法は少々珍しいようだが、同じことが言えるのではないかと思った。
そんな時、ふとガリウスがヴィスタと話していた事を思い出す。
ガリウスはこれまでも魔法を造っている様だった。
「魔法を造るのって難しいの?」
ガリウスは少々難しい顔をする。
答えられることなら言いたいが、その話題についてあまり他人とそう言う話をしたことがない。
一度だけそう言う話をしたことがあるが、思い切り怪訝な顔をされて以来あまりその話をしていなかったからだ。
「どうでしょうか・・・。
周りには居ないので、・・・難しいのかもしれません。
シャリオンが望むならお手伝いしましょうか?」
ここでレオンだったらシャリオンの為を思ってだが『必要ない』と言われてしまうところだが、ガリウスはシャリオンにとことん甘い。
無理だと言われない事に嬉しそうに微笑むシャリオン。
「ありがとう。帰ったら教えて欲しい。・・・でも」
「えぇ。続きですね」
シャリオンはこくりと頷く。
無事に戻ったが、気になるのは当然だった。
「彼女達が使うあれは・・・魔力は使うようです。
ゾル達の使う秘術に少し似ているかもしれません。
その系統は専門ではないのでうまく出来ないのですが・・・申し訳ありません」
ガリウスの謝ることではない。
色々な技術があることに驚きを感じつつもその能力は怖いものだった。
コンドル家の洗脳はどちらになるのだろうか?
「でも何故解けたのだろう。
・・・それにまたこんなことがあったら」
「それについては大丈夫です」
「どう言うこと?」
「魔法紙を使っての最高レベルの誓約を交わしました。
それに術式を一部改変し封印しました。
もし、今後解けても想定した通りには動かないでしょう」
3日も目を覚さなかったので、その間にしたのだろう。
シャリオンが考えることなど、ガリウスが考えられない訳ない。
・・・が、それはそんなに簡単にできることなのだろうか。
まるでセレス達がするようなものにも聞こえるのだが。
「解けたのはシャリオンの言葉ですね。
・・・言いかけた言葉と言った方が正しいでしょうか」
そう言いながらガリウスの気配がおかしい事に気がついた。
そちらを見れば目が笑っていない様な気がする。
「え?」
「・・・あの男に『好きにしていい』と、言いそうになりましたね?」
「あぁ・・・うん。あの時はちょっと焦ってて。
流石に不味かったよね」
そう答えたのだが、ガリウスが本気で怒っているのがわかった。
「もしそう言ったとして。
貴方を好きだと言ったあの男が、貴方を思うようにするために動いたらどうするのですか」
「、・・・それは」
たしかにそうかもしれないが、シャリオンにはヴィスタとどうにかなると言うのが想像しにくかった。
ガリウスと同じ顔の造形なのに、隣についてくるくらいでそれ以上の事が想像できなかったのだ。
しかし、危機感の無いシャリオンに目を細めた。
「それと。・・・あの男に『慰められた』とは何をされたのですか?」
「そ、・・・いや、何も無かったよ?」
「本当に?」
念を押して聞かれてしまい、シャリオンは諦めた。
ガリウスは『何かをされた』と、確信しているのだからいい逃げなど出来るわけがない。
「・・・抱きしめられただけ」
その言葉にピタリと止まったガリウス。
神獣だったガリウスはなんとも思わなくても、今のガリウスは別だ。
「っご、ごめんっ
急に後ろに回られてっ
それで、あの、・・・、・・・、ごめんなさい」
シャリオンが対応できる速さではなかった。
ゾルでもできなかったのだ。
シャリオンの謝罪にガリウスの怒気が次第におさまっていった。
小さく溜息を吐かれると強く抱きしめられる。
「シャリオンが悪いことはありません。
しかし、・・・そんな事をしてきた男に、あんな事言うのはいけません」
「っ・・・うん」
「シャリオンがなんとも思ってなくても、相手がどう思うかはわからないでしょう?」
「う、うん」
これ以上怒らせてはいけないと、シャリオンは大人しくしておく。
しかし、ガリウスの言う通りヴィスタはそういつもりだったのだろうか。
だから「伴侶」なんて言ったのだろうか?
「つまり、ヴィスタはそう言うことなの?」
シャリオンの問いかけにガリウスはつまらなそうにした。
「知りません」
「そ、そっか」
「シャリオンが知る必要もありません」
「わかった」
素直にシャリオンがそう答えていると、怒りのボルテージが収まってきたようだ。
「すみません。・・・貴方に怒ってるわけではないのです。
あなたが素敵なのはアルアディアの者であれば全国民が周知の事実です」
「いや・・・それは・・・どうだろう」
ガリウスに褒められるのは嬉しいが、それは行き過ぎである。
「わかってるよ。・・・僕もね。
ここにきて、神官達に必要とされたり、
ディアドラ達と仲良さげに話しているところを見て・・・ちょっと嫉妬しちゃった」
白状しながら頬が熱くなっていく。
もっと広い心でいたいからだ。
フッと口元に笑みを浮かべながらシャリオンの頬にチュッと口づけた。
「たとえ記憶がなくとも貴方を目にした時から、貴方を愛する自信があります」
「っ・・・~」
なんと返していいかわからなくなるようなことを言うガリウス。
恥ずかしさは募るばかりで、シャリオンはガリウスを抱きしめた。
衣服越しにでもガリウスの熱を感じると、気分はますます高ぶっていく。
そろりと体を少し話して、見上げると熱っぽい瞳と交わる。
唇を求めるように見つめていると、触れるか触れないくらいかくらいまで近寄る。
それなのにガリウスは唇には口づけてくれなくて、シャリオンが背伸びをして口付けた。
「んっ・・・」
ハムハムと食み付きながら応えてくれないガリウスの唇をペロリと舐める。
「・・・がりぃ・・・」
鼻にかかった甘えた声で名前を呼ぶと、その視線は欲望にギラついているのに止めてくる。
「駄目です・・・」
「っ・・・なぜ・・・?」
「口付け以上のことをしたくなってしまいます」
「っ・・・それが、・・・なぜダメなの?」
無意識に体をすり寄らせるシャリオン。
「3日も目を覚まさなかったのです。・・・アルアディアで診てもらうまでは」
「っ・・・キスも・・・?」
「、・・・」
シャリオンも煽っている自覚はある。
心臓を脈打たせながら、ガリウスの背中を撫でると息を飲んだ。
ガリウスの言い分も正しいのがわかるし、シャリオンもガリウスの健康状態を確かめたくある。
目覚めたときにはガリウスしか考えられなかったが、ここはまだキュリアスの聖堂だ。
だがこの状況は火が付いてしまった。
息を飲むガリウスにシャリオンは悪戯心が弾んだ。
「・・・っ」
「ガリィ」
「・・・、・・・最後まではしませんよ」
「キスだけでいいよ?」
「それは無理だと言っているでしょう?・・・そもそも貴方もそれで終えられるのですか?」
悪戯が過ぎてしまったことに気づかなった。
シャリオンはクスリと笑みを浮かべた。
「うん。ハイシアに帰ったら、沢山愛し合おう?」
そういうとガリウスは意地悪気に目を細めた。
それを、ハイシアに帰って愛し合うときにいつものように、ベッドの上で意地悪されるのだろうと思っていたが。
シャリオンの認識は少し甘かったようだ。
・・・
・・
・
ガリウスに組み敷かれ、両の手は指を絡め合わせ繋がれる。
それは嬉しいのに、動きも封じられていて快楽の戒めになっていた。
「あっ・・・・ふぅっ・・・んぅ・・・ぁんっ」
キスを繰り返し深くなっていく口付けにシャリオンはあっという間に昂まった。
それはガリウスも一緒で重なった互いの体の間には熱く昂ぶったものがあるのがわかる。
シャリオンを知り尽くしたガリウスは、キスだけで追いやるのは容易いことだった。
長く触れ合えない時間が続き、理性など薄氷と一緒で軽く触れるキス以上のことをしてしまえば、止まる自信がなかった。
シャリオンの体の状況を考えれば良くないことは明白だ。
なのに、いつも天使のようなシャリオンが小悪魔のように誘うそれに何かが弾けた。
ガリウスの精神を試すような意地悪気で可愛いその姿に、正しい判断ができなかったのである。
始める頃はシャリオンを煽る為だった行為も、最高潮に昂りながらもガリウスを同時に苦しめている。
清廉潔白で淫靡なことなど普段の様子からは想像できないシャリオンは、今では可愛らしく喘ぎ声をあげながら、ガリウスの足に自分の足を絡ませてきている。
両手がふさがれているから、シャリオンが動かせるのは口と足しかないのだ。
キスの合間に甘えた声で求めてくるシャリオンに『駄目です。約束でしょう?』と、言いながらも口付けを続けた。
もう期待で濡らしているのが、ガリウスが腰を軽く揺らす滑るそれでシャリオンにもわかる。
「はぁんっ・・・んぅっ・・・が・・・がりぃっ・・・もうっ」
口付けをしすぎて、唇が腫れそうなほど熱を持っている気がする。
けれど、それで止まることはなく、半泣きになっているシャリオンの唇に吸い付いた。
「・・・駄目です」
「っ・・・ごめんっ・・・あやまるからぁっ」
「本当に駄目です。しっかりとシャリオンの体が大丈夫か確かめるまでは抱けません」
「っ・・・っ・・・」
そう言うと額に口づけられた。
自分が煽ったのはわかっている。
けれど、与えられない決定的な快感を欲して目頭が熱くなりそうだ。
すると、ガリウスが瞼に口付けた。
繋がれていた手をそのまま下に持っていかれると、熱く昂ぶったモノに導かれた。
泣き出しそうだった表情に期待が含んでいく。
ガリウスの顔が再び近づいてきて口づけられるのかと思ったが、通り過ぎて耳にチュッと口づけられた。
「っ・・・ぁっ・・・んっ」
「・・・シャリオン。・・・扱いてください」
「・・・!」
「私がしたら止まりません。・・・お願いです」
そう言いながら腰を押し付けられると、シャリオンは息を飲んだ。
熱くて固いモノが手に当たっている。
先ほどあんなに誘って見せたのに、いざとなると緊張してしまう。
すると、ガリウスがつないでいた手を解き、シャリオンの前をくつろげるとすで濡れているモノを付け根からゆっくりと先端へと撫でられた。
「っ・・・、・・・」
たったそれだけでゾクゾクと体が震えた。
しかしガリウスの手は離れると、シャリオンの手をつかむと、・・・ガリウスの熱く猛ったものを今度こそ握らせられた。
手の甲に触れている時も熱く固くなっているのがわかったが、握らされたことではっきりと大きさが分かった。
「・・・ぉ・・・きぃ」
「・・・シャリオンとこうしていてならないわけないでしょう?」
抱いてほしくてたまらなくなるが、今日のガリウスはしてはくれないだろう。
許されたのはシャリオンが動かして、共に果てるだけだ。
「っ・・・うまく・・・できない・・・かもしれない、けど」
そう言いながら、シャリオンはガリウスと自分のモノを合わせて握った。
何度かしては居るが、ガリウスがしてくれる方が何倍も気持ちがいいのは知っているから自信はないが。
自分のモノよりも倍はあるガリウスのモノにシャリオンの蜜が絡まる。
ぎこちなく動いていた手は、動かす度に蜜を塗り広がっていく。
水音が大きくなるにつれて自分ばかり興奮しているみたいで恥ずかしいのに、興奮が止まらない。
気持ちがよくて、だが自分だけ感じているのではないかとガリウスを甘く呼ぶ。
「んっ・・・っぁっ・・・が・・・りぃっ・・・・い・・・ぃ?」
「・・・えぇ・・・」
「っ」
ガリウスの声も熱く切なくなっているのに気づくと、シャリオンの手も止まらなくなっていく。
両手でつかんでガリウスを逝かせようと必死に動かした。
勿論、シャリオンはそれだけで十分に気持ちがいい。
「っ・・・がりっ・・・がりぃっ・・・」
「っ・・・っ・・・良いですよ」
逝かせたかったはずなのに、もう逝きたくなってたまらなくなっていった。
久しぶりの射精だからというのもある。
「ごっ・・・めっ」
「っ・・・私ももう我慢できません」
「!」
そう言うとシャリオンの手の上から手を重ねられると、シャリオンの握力より強い力でじゅぶじゅぶと扱かれた。
「っ~っ・・・!」
「っ」
自分で扱いているはずなのに、扱かれているような感覚。
ぐじゅぐじゅと蜜音を響いた。
すると、耳元でささやかれる。
「っ・・・シャリオン・・・」
「が・・・りぃっ」
「いうのを・・・忘れていました」
「っ・・・?」
「シャリオンのモノは全て私の中に出して下さい」
「っ・・・ぇ・・・?」
「・・・・お願いします」
「っ・・・・?・・・う、・・・んっ」
よく意味は分からなかったが、そのまま手を動かした。
気持ちよくて逝きたくて。
そして触れ合えることが嬉しくて。
言葉の意味を考えられなくてただ手を動かす。
それだけで想いが募っていき、唇を求めるようにガリウスを見つめる。
「っ・・・がりぃっ・・・すきっ」
「っ・・・私も・・・・愛しています」
愛を囁きあうともう止まらなくなっていった。
「っ・・・ひぃぁっんんぅっ・・・ぁっ・ぁっ・・・ぁっ・・・ィ・・・くっイッちゃっ」
「っ・・・ックっ・・・一緒に・・・」
「ぅんっ・・・うんっ・・・!」
全身を駆け抜ける快感に満たされながら。
二人は達するのだった。
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