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婚約編

利用価値。

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扱きながら見せつけられるメサのモノに恐怖がわく。
目を覚ましてから異常事態に冷静にならなければと、逃げ出したくなる衝動を押さえつけながら男を見上げる。





ガリウス以外に、・・・抱かれる?





そう男が言った言葉を反芻しただけなのに、想像だけで心が全力で拒否をしていた。
自分の気持ちがガリウスにあると意識した今では、以前よりも拒絶感が出てしまう。

どうしてもしたくない

ならば、・・・シャリオンの出来ることは数少ない。

慎重に行動しなければと、息を飲んだ。

「っ・・・触れられることに、・・・・」
「ん?・・・どうした」
「・・・な、・・・慣れなければいけないなら」

本当に嫌だ。

「く・・・口でする」

自分でそう決めたはずなのに、消え入りそうな声でつぶやく。
メサはそういうシャリオンにスッと目を細めた。

「貴方が?・・・それはガリウス様に仕込まれたと技を披露してくれるということか?」

可笑しそうに笑う男に、カァっと頬が熱くなる。

「ッ」

ガリウスにされたことを思い出すと体も熱くなり余計なことに芯を持ち始めてしまう。
隠すものがなく恥ずかし気にもじつくとメサは目ざとく気づく。

「・・・。健気なことで。・・・まぁそうだな。奉仕はこれから必要だ。
ただし、ただのおしゃぶりと訳が違う。あの男は喉を使うことを教えたか?」
「のどを使う・・・?」
「ここだ」
「!」

急に伸びてきた手にびくつが、鉄製の首輪の爪ではじかれた。
それでも意味が分からずに固まっていると小さくため息をつかれた。

「・・・?」
「はぁ。・・・なら、自分で足を開いて閉じないように、ひざ裏を抑えて良く見せろ」
「!」

メサはシャリオンの態度に眉をひそめた後、取り出した自分のモノをしまう。
シャリオンの背中に枕を重ねると肩をポンと押された。

口淫の話は過ぎ去ったのだろうか。
訳が分からないまま渋々と足を広げた。開かれた幅は狭いのは分かる。
けれどそれ以上広げるのも、ひざ裏を持つのも恥ずかしい。

「こんなことで恥ずかしがっていてどうする?
どうせ5分もしないうちに感じるんだ。
・・・いや。その跡は消すのに・・・痛みがあるが。
・・・まぁフェラをするのだからちょうどいいかもな」
「ふぇら?」
「そんなことも知らないのか?・・・本当にお坊ちゃまだことで。
そんなことよりもさっき言った通り、お前は早くひざ裏を抱えて恥ずかしいところすべてさらけ出せ」
「!」


わざと羞恥を煽るような物言い。
シャリオンは恥ずかしくてどうにかなりそうだった。
言われるままの格好をする頃には、先ほど芯を見せたそれはすっかり萎えていた。
メサはそれに手を添えるとゆるゆると扱き始める。

「今から喉の使い方とフェラの仕方を教えてやる。しっかりと覚えるんだな」

この状況で中々反応しなかったが、心とは裏腹に次第に固さを増していく。
時間がかかったことにメサは小さく舌打ちをするとそれを口に含んでしまった。

「!?」

熱い口の中で無理やり勃たされるシャリオンのモノ。
気持ちが良いはずなのに、・・・なぜか心は酷く冷たい。
それでもメサの口淫はうまいのだと思う。
口を外すころには完全に勃起していたから。

「っ」

メサの唾液で濡れ、いやらしくなったシャリオンのモノを見せつけるように舐めた。

「どんなにあの男に操を感じていても。・・・ここをこうされたらこうなるよなぁ?」
「っ」
「あいつはお前のここをどんな風に可愛がるんだ?」
「!?」
「舌でこの小さい穴を弄ったり」
「っ」

そういいながら、男が舌を突き入れたのは尿道だった。
唾液で濡れているとは言え太いそれを押し込まれて痛みに驚く。

「カリの付け根とか・・・」
「っ」
「それとも筋のところとか?」
「っ・・・っ」

気持ち良いのに、良くない。
混乱した頭でついに涙が目にたまる。
もう視界にはメサはにじんで見えない。

ガリウス・・・っ

瞬きをしたくない。
目を閉じてしまえば、またメサがそこにいるのだろう。
すると、また男の舌打ちが耳に届く。
そんなに嫌ならやめればよいのに。

ガリウスは・・・いや。
ガリウスもシャリオンの嫌がる恥ずかしいことをしてきたけれども、あの視線はこんな風に不快感を示したりはしなかった。
楽しむとはまた違う。
ガリウスの視線は慈しむようにシャリオンを包んでいた。
思い出すと切なくて、余計に泣きたくなってくる。

「・・・ガ・・・・リ」
「ッ」

そう呟いた途端、苛立ったようで男が再び口淫を始める。
じゅっじゅっと水音をひびかせされる口淫にシャリオンの頭からガリウスが消えて、その無理やり植え付けられる快感に奪われる。

「っ・・・やぁっ・・・・やだぁっ」
「・・・・ッ・・・今から喉を使ってやる。お前はそのやり方を覚えろ」
「ッ」

そういうと男に深くくわえ込まれた。
そして先端をきゅうと締め付けられ、吸われる。

「・・・ぁぁぁ!!」


メサに施される口淫は確かに気持ちよかった。
頭が真っ白になり枕に体を沈ませる。
涙が次々と溢れてくる。

「・・・喉の使い方は分かったか?」
「・・・、」
「返事をしろ。シャリオン」
「・・・っ」
「もう一度してやろうか?」
「っ・・・はいっ・・・・」


掠れた声でようやく返事をすると、メサはそれ以上は何も言わなかったが、部屋からも出ていかなかった。
シャリオンはあふれる嗚咽を枕に押し付け震えるしかできなかった。



☆☆☆



あれから何時間たったのだろうか。
この部屋は窓がなく、昼も夜もわからない。


メサはシャリオンにここで男娼のようなことをさせたいのだろうか。

あれから口淫の技術を体で覚えろと、何度もしゃぶられ教え込まれた。

何度も何度も。

ガリウスにつけられた跡の分されていたのかもしれない。
見えている部分の跡が今ではすべて消えていた。

無理やり振るわせられる口淫はつらいだけだ。
それなのにイキそうになると、跡を魔術で消される。
言っていた通り痛みを伴うそれは、何度もするうちのに痛いのか気持ち良いのか分からなくなってきた。
そうやって、何度もイかされることに疲労もたまってくる。

「ちょっと体力がなさすぎないか」

どうやら、シャリオンに合わせていたらしい。
ちょっと意外だった。

「・・・、僕はいつから売られるの」
「売られる?」

メサはいぶかし気に眉をひそめた。

「他の男に触られることに慣れろと言ったのは貴方だ」
「あぁ・・・。いや、売られるわけじゃない。お前は父に飼われ、俺はお前の面倒見るだけだ」
「父・・・?」
「あぁ。そしてお前は結婚させられる」
「え・・・?」


「お前の愛しい王子だよ」


どういう意味か理解するのに、かなりの時間を有した。
だが、メサはそれまで待ってくれていた。
・・・いや。だた話したくなかっただけなのかもしれないが。


「王子って・・・ルーク?」
「ルーク殿下を好きだったのか?それは悪かった。違う方だ」
「・・・・、ライガー?」
「それ以外にほかに王子はいたか?」

いないが、何故?

「・・・。僕はライガーとは婚約破棄されているのに何故そんなこと。
一体何が目的で・・・」
「・・・」

先ほどいった「父」という言葉に引っかかっていた。
メサは貴族の家を出入りはしているが平民だと聞いていた。
信用がある貴族からの紹介だとレオンは言っていたはずだが・・・。
だが迷っていても仕方がない。
ライガーが絡んでくる人物と言ったら、ファングスしか思い当たらない。

「・・・貴方の父とはファングス伯爵に弱みを握られているのか・・・?」

そう尋ねたシャリオンをフっと鼻で笑わらう。

「違う。それが父だ」
「・・・、え」
「おしゃべりはここまでだ。そんなに元気ならもう少し覚えてもらうぞ」
「ッ」
「お前があの男に戻ることはできない。
父に目を付けられたら最後。・・・俺の様に死ぬまで駒にされるだけだ。
・・・だが貴方はそのお綺麗な顔でよかったかもな。
男にまたがって可愛く啼いて、父の言うままにに人形でいればいれば痛いことはないはずだぜ?」

それは、逆に言えばメサは体罰があるということなのだろうか。
だが、とても受け入れられることではない。

「僕がライガーと結婚て。・・・ここまでして何のメリットがあるというの?」
「そんなこと。俺が父の考えていることを知らされているわけないだろう」
「知らされてなくても、近くで見ていた貴方なら分かることがあるんじゃないのか」
「・・・。好きでもない男のペニスを咥えされてて、へこんでると思ったら意外に元気じゃないか」

そう言ってニヤリと笑う男をジロリと睨む。

「っ馬鹿にしてないで・・・教えてくれないか」
「ふっ・・・まぁ知ったところでどうにもならないから教えてやる。
・・・貴方は国民に人気があるからな。
それに加えて王子は性格が良く国民に受け入れられている。
王位継承権が幼い頃に体が弱かったという理由というのも憐憫の眼を集めやすい」
「・・・それで?」
「わかっているんじゃないのか?
貴方と結婚をさせて、イメージアップを図り、王位継承権剥奪の撤回を国民を煽り求めるんだよ」
「・・・。本気で言っているのか?」

確かにそんな噂があったのは知っているが。

「それが叶うとしたらルーク殿下がどうしようもないお人でなければ成り立たないし、ライガー殿下だって争いごとを嫌っている。
なにより彼はルーク殿下を心から支えたいと幼少期から思っている。
その彼が、ルーク殿下を差し置いて・・・たとえ王位継承権が復活したところで、自身が王になるというわけがない」

それは傍にいた自分が良く知っている。
ファングス家がどんなに自分の家の血筋が混ざった王を輩出したくとも、本人が望まなければ意味がない。

「ルーク殿下に問題があれば、それこそ問題がない」
「・・・!」
「ライガー殿下のやる気か。・・・それはとっては簡単なことだな」
「ぇ・・・?」
「シャリオン。体の跡はすべて消えたな?」
「・・・ぇ?・・・、・・・・!」

消した跡のこと話し出されてハッとした。この男は黒魔術師だった。
黒魔術には禁術であるが、人を惑わす術がありそれを使う輩がいる。
だから幻術を効かないようにするタリスマンがあるのだ。

「っ」
「それに、宰相殿が溺愛する貴方がこちらの手中にあると知ったら、王位継承権復活も援護くらい容易いだろう。
宰相としてはファングス家は目の上のたんこぶかもしれないが・・・ライガー殿下にも問題ない人格なら、息子の為にひと肌も二肌も脱ぐはずだ」
「!!!」

その言葉にシャリオンは大きく目を見開いた。
そんなことはあるだろうか・・・。
まず、陛下がファングス家を・・・特に現当主を嫌っている。
嫌っているなんてものじゃない。
嫌悪しているのにレオンがそれを許容するとは思えない。


父上・・・

シャリオンは自分の所為で誤った判断をするような人じゃないことを良く知っている。
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