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婚約編
【別視線:??? : ???】
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これは王都のとある屋敷での出来事。
男怒号が響く。
「いつになったら連れてくるのだ!!!」
「ひぃっ」
「約束の時間はとうに過ぎておるが。・・・約束が守れないとなるとどうなるか、理解していないではあるまいな」
「いえっそのようなことは!」
男の怒りに、震えながら土下座をする男。
一体どんな怒りを買ったのか。
「も、もうしばらくお待ちくださいっ必ず、最終リミットまでは持って行かせませんっ」
「お主のその耳障りのいい言葉は聞き飽きたのだがな」
「っ・・・影を、・・・放ちました故」
「影を?・・・お主そんなものを持っておったのか」
「はっ」
「だったらさっさと連れて来ぬか!」
「それには手順というものがありましてっ・・・今しばらくお待ちください!」
「・・・。2月。」
「・・・っ」
「半年もお主ごときに時間はやれん。2カ月で結果を示せ。でなければお前の家は取り潰す」
その男にそのような権限はない。
だが、眼光は鋭く、足元で震える男は本当にやられると確信した。
この男は、動かせるだけの力を持ち合わせているのだ。
「お主は私の元にハイシア家の倅を連れてくるか、・・・ふむ。そうだな。『残り』を消すことだ」
「!?」
その言葉に、男は目がこぼれるほど大きく広げた。
そんなことをして失敗したら自分はこの国で生きていけなくなる。
恐怖で震える男に、男は途端に声を落ち着かせた。
「ところで、アボット侯爵は知っておるかのう」
アボット侯爵とは広大な領地を持ち大きな港を保有しており、国内でも影響力の男だ。
だが、その豊かな領地よりも彼が有名なのは趣味の方だ。
相手を壊すまで抱くともっぱら噂の男で、その相手には女が多いと言われている。
「侯爵にクロエを紹介して・・・少し触らせたがのう。大変興味を持っておったぞ。」
「!?・・・そっ・・・それだけは!」
落ち着いた声はここまでだった。
再び怒声が部屋に響く。
「だったら早く良い知らせを示すのだ!!!」
そういいながら頭を力加減もせずに思い切りけられると、男はごろごろと転がりドアへとぶつかった。
そして、ドアの当たりに立っている衛兵に顎で連れて行けとしめす。
「帰るそうだ」
「はっ」
まだ痛みで立てない男を衛兵たちがつかみ上げ外に連れていく。
使えない男に舌打ちをしつつ、男は酒の入ったグラスに手を付けた。
「全く忌々しい。・・・どいつもこいつも。
・・・そもそもあの男があんなことをするからこんなことになっておるのだっ
おとなしくしておればよいものを!!」
忌々しそうにつぶやくと男はベルを鳴らす。
そしてその音ともに、若い男たちが入ってきた。
その途端表情が緩む。
「どうしたの?今日は一段と機嫌が悪そう」
「僕たちが慰めてあげようか?」
「お前じゃお慰めできるわけないでしょっ」
美しい男たちは、その男にすり寄る。
「お前たちを順番に食べさせておくれ」
「えっちー」
「あはは」
「たくさん食べて?」
可愛く淫らな男たちに先ほどまでの激怒した顔は一瞬にしてなくなる。
「可愛いのう・・・」
そんなことを言いつつ、一人の男が脳裏に映る。
美しさで言ったらこのもの達よりはるかに上だ。
手元に堕ちてきたら、壊れない程度に楽しむのもいいなと、下種な笑みを浮かべるのだった。
男怒号が響く。
「いつになったら連れてくるのだ!!!」
「ひぃっ」
「約束の時間はとうに過ぎておるが。・・・約束が守れないとなるとどうなるか、理解していないではあるまいな」
「いえっそのようなことは!」
男の怒りに、震えながら土下座をする男。
一体どんな怒りを買ったのか。
「も、もうしばらくお待ちくださいっ必ず、最終リミットまでは持って行かせませんっ」
「お主のその耳障りのいい言葉は聞き飽きたのだがな」
「っ・・・影を、・・・放ちました故」
「影を?・・・お主そんなものを持っておったのか」
「はっ」
「だったらさっさと連れて来ぬか!」
「それには手順というものがありましてっ・・・今しばらくお待ちください!」
「・・・。2月。」
「・・・っ」
「半年もお主ごときに時間はやれん。2カ月で結果を示せ。でなければお前の家は取り潰す」
その男にそのような権限はない。
だが、眼光は鋭く、足元で震える男は本当にやられると確信した。
この男は、動かせるだけの力を持ち合わせているのだ。
「お主は私の元にハイシア家の倅を連れてくるか、・・・ふむ。そうだな。『残り』を消すことだ」
「!?」
その言葉に、男は目がこぼれるほど大きく広げた。
そんなことをして失敗したら自分はこの国で生きていけなくなる。
恐怖で震える男に、男は途端に声を落ち着かせた。
「ところで、アボット侯爵は知っておるかのう」
アボット侯爵とは広大な領地を持ち大きな港を保有しており、国内でも影響力の男だ。
だが、その豊かな領地よりも彼が有名なのは趣味の方だ。
相手を壊すまで抱くともっぱら噂の男で、その相手には女が多いと言われている。
「侯爵にクロエを紹介して・・・少し触らせたがのう。大変興味を持っておったぞ。」
「!?・・・そっ・・・それだけは!」
落ち着いた声はここまでだった。
再び怒声が部屋に響く。
「だったら早く良い知らせを示すのだ!!!」
そういいながら頭を力加減もせずに思い切りけられると、男はごろごろと転がりドアへとぶつかった。
そして、ドアの当たりに立っている衛兵に顎で連れて行けとしめす。
「帰るそうだ」
「はっ」
まだ痛みで立てない男を衛兵たちがつかみ上げ外に連れていく。
使えない男に舌打ちをしつつ、男は酒の入ったグラスに手を付けた。
「全く忌々しい。・・・どいつもこいつも。
・・・そもそもあの男があんなことをするからこんなことになっておるのだっ
おとなしくしておればよいものを!!」
忌々しそうにつぶやくと男はベルを鳴らす。
そしてその音ともに、若い男たちが入ってきた。
その途端表情が緩む。
「どうしたの?今日は一段と機嫌が悪そう」
「僕たちが慰めてあげようか?」
「お前じゃお慰めできるわけないでしょっ」
美しい男たちは、その男にすり寄る。
「お前たちを順番に食べさせておくれ」
「えっちー」
「あはは」
「たくさん食べて?」
可愛く淫らな男たちに先ほどまでの激怒した顔は一瞬にしてなくなる。
「可愛いのう・・・」
そんなことを言いつつ、一人の男が脳裏に映る。
美しさで言ったらこのもの達よりはるかに上だ。
手元に堕ちてきたら、壊れない程度に楽しむのもいいなと、下種な笑みを浮かべるのだった。
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