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【別視点:ルボミール】Ultimate

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ルボミールが気配を追える範囲に京の部屋を置いた。
常に一緒に居たかったのだが、それを反対したのは各大臣達だ。
おまけに京までもがそれを辞退したのだ。
代わりに隣室には控える約束をさせた。

京には如月とニコの他にも、信用のおけるαとβを宦官であることを伏せて配置している。
それでも不安は募っていく。


『「運命の番」を外してみるか?』


そう言われた時、ときが止まった。
それが、『逃げたい』と思っていると感じた時、自分の感情が激流で流れていく。

このまま監禁しよう


そう思った瞬間、αをこの部屋から近づける範囲を今まで以上に遠ざける。
無理やり番ってしまおうかと、瞬時に思った。だが、それを止めたのも京だった。
とても辛そうに吐かれた言葉に息を飲んだ。

『「運命の番」が怖い』

こんなに安心できるものを、京だって安心できているはずなのに何故怖がるのか。
笑ってしまいそうにもなったが。


『俺が異世界に来たのだってイレギュラーだ。
だったら、ルルの気持ちが俺から気持ちが離れてしまう可能性だってあるじゃないか!』


今にも泣いてしまいそうなそんな表情で、『運命の番』だから愛されているようで怖いという。
だが、それはそんなものがなくたって『愛していてほしい』と聞こえた。

ルボミールは番って閉じ込めてしまうのが、本音だ。
誰にも見せず大切に大事にして愛したい。

だが、この短い期間で京を見てきて思うが、彼は好ましい程真面目な好青年だった。
異世界に来た事に驚くほど冷静で、他人のために動く。聞けば元々トシマクを統べるものではないと言うではないか。
それなのに他人の為に私財を投げ合ってトシマクを守ろうとしてるのは素晴らしいことだ。
外貨が欲しいと言いラージャで鑑定施設を行うときも、売り上げを徴収税金の他に国に納めたいと言ったことも、結局孤児院に仕送りしていることも驚いた。
そんな彼に番いなど関係なく尊重したい気持ちは強まる。

確かに、Ωに興味がなかった自分は京の言うように『運命の番』がきっかけだったのかもしれない。

今はそんなものがなくても大切にしたいと思うのに。


絶対に逃してやるものか


逃げるのは許さないが、もともと『運命』などと不確かな言葉嫌いだ。
壊せるならば壊して欲しいくらいだ。


「その表情をみたら、キョウ様も怯え逃げるかも知れませんね。『運命の番』も外れるでしょうか」
「キョウにするわけがないだろう」
「はいはい。・・・そのキョウ様ですが『U』かも知れません」
「・・・」
「私は常にガードしているので、煽られませんがフェロモンが出ていない状態であれだけのαを魅了するとなると」
「よほどな事を言うな」
「・・・しかし、あれはキョウ様の美しさにだけ寄せられたと思いますか?」

その言葉思い出された光景に眉間のシワがよる。

国民にしらせる前に、大臣や他臣下の前で『運命の番』であることを紹介した瞬間。
やつらが京を見た瞬間目を奪われ、息を飲んだのをルボミールは見ていた。
漆黒の髪艶やかな髪を肩まで伸ばし軽く後ろで束ね、瞳はオニキスの様にくろぐろとし、濡れた様に光を放っている。
切れ長の目は上品だがとても艶を帯びている。
それなのに口元に笑みを浮かべるものだから、部屋にいる者たちが色めきだった。
陛下や普段はいない王妃まで同席していたのだが、その姿に惹かれていた。

自ら皆の前に立つと言ってくれた時、何が何でも守るつもりでいたし、そういう風に考えてくれる京が嬉しかった。
しかし、ハカセはこのことを心配していたのだろうか?
勘違いした輩が京をオーラで抑えつけようとした。
勿論、それをさせるはずもなく、部屋全体のαを押さえつける。
その中でも弱いαは真っ青になり倒れた。
それに気付いた京が腕を掴んで止めてくる。

「ルボミール王太子殿下。おやめ下さい」

凛として言う京の男性にしては透明感のある声ににざわめく。
それがまたルボミールを苛立たせた。
オーラで抑えつけようとしたところで、止めるように手を引かれる。

「この先、私が他のαと話すたびにそうされるのは余り建設的とは思えないのですが」
「話す必要などない」

そう言い切ったのだがジットリとした目は怒りを含んでいる。

「・・・ルル。私は仕事に私情を挟むような男は好きじゃない」

小声でルボミールにだけ聞こえるように愛称で呼ばれると、それだけで気分が上昇する。
他の人間に言われた言葉であれば苛立ちさえあったかもしれないが不思議と怒りもわかない。
その言葉に仕方なしに他αを抑えていたオーラを取り攫う。
そして、京へと手を伸ばした。

「薬を」

京は懐から薬を取り出し封をねじ切ると、ルボミールに手渡した。
その視線は『だから言ったのに』と言われているようだ。
だが、これはルボミールの狙いでもあるのだから許して欲しい。
これはαに特化した薬で感情をコントロールするための薬で、一昨日αへ威嚇していたこともあり京から薬を提案されていた。
だが、どうせならこれだけのαの前で飲んだことで、トシマク産の薬はΩだけでなくαの作りも製造できることを見せつけるのが目的だ。

とろりとした甘い液体が喉を通過していく。
即効性のある薬はゆっくりと感情が落ち着いていく。
その間手を繋いでいてくれ京が、なだめるように指先で指を撫でてくれる。
感情は抑えられたはずだが、京に微笑んだ。

「ちゃんと効いたみたい」
「あぁ。礼を言う。キョウ」
「どういたしまして」

ホッとしたように笑みを浮かべる京に笑みが移ると周りがざわめいた。
今回のは京のというより、自分が笑ったことに対してだったので、薬も飲んでいたし怒りもわかなかった。
そっと手を外そうとする京の手をきゅっと逃がさないように握ると、両陛下の方へ視線を向ける。

「お待たせしました」
「もう、良いかのう」
「大変仲が良いですね」
「陛下、王妃。御前で失礼を致しました」
「いや。『運命の番』なのにまだ番っていないと聞いて疑っていたが、・・・その様子では本当なようじゃのう」

それまでΩを虐げていても、番ったΩを大切にするαは多い。
互いのフェロモンが合えば引き寄せられるのだ。
陛下や王妃もそのケースで、愛人の中にはΩいる。
勿論執着でそのように囲うαもいるが、愛もあり多少のΩのわがままを聞き入れることもαもいる。
しかし、先ほどの京の様にαのすることを止めるΩにあまりいい気はしないものが多い。
それはΩをの様に考える者が多いからである。
だが、『運命の番』と、とあるケースを除いては別。
『運命の番』であるΩに嫌われることは、人生の死を意味しているため、Ωの願いは聞いてしまうのだ。

「そうですわね。・・・シルヴィ殿に羨ましがられましたわ」

元婚約者シルヴィは、『運命の番』に強いあこがれを抱いており、もし自分に『運命の番』が出来たら王太子であろうが別れると言ってきた人物である。
実際は、ルボミールの方に『運命の番』が出来てしまったわけだが。
王妃とも仲は良好だったようで、たまにあったりもしているそうだ。
ルボミールは直接の番であるため言わないが、番ったら京を見てみたいと言っているそうだ。
それを初めて人伝いで聞いたときは苛立ったのに、今はクスリのおかげで押さえらえていた。
元婚約者の行動に困ったものだと思っていると王妃が続ける。

「『運命の番』を外したいだなんて聞いたら荒れそうですわね」
「好きにさせて置けばいいのですよ。そんな不確かな物がなくともキョウを愛しています」
「『運命の番』を不確かなものと申すか!はっはっはっ!
・・・どうであれ、そのような世迷言を言っている時間はないであろう?」

そういう陛下の視線が鋭くなる。
『運命の番』がどうのというより、世継ぎのことだ。

「・・・。過去の『運命の番』が王族に居た場合」
「今日、ここに来たのはキョウが『運命の番』であることと、それ以外に伴侶を作る気がないこと、トシマク産の薬の効果の証明のた目ですよ。それ以外の話は別の機会になさってください。・・・行くぞキョウ」

そう言うと今日の手を引いたところだった。

「まってください。兄上」

そういうのは陛下の弟の息子であるルーカスだ。
歳は28歳で王族の象徴である赤髪赤目を持つ男だ。
向上心もあり野心もある。
性格も悪くなく、Ωに対して嫌悪感などは特にない。
歳がそれほど近いわけではないが、よく比較されることがあると聞いている。
はっきりとは言わないが自分を疎ましく思っているであろう男は、今は自棄になってくすぶっているが、それくらいが丁度よかった。

「王太子の座をお前に譲ろう」

話しかけてきた男よりも早く、先にそう言うと息を飲むキョウが聞こえてそちらを見れば、心配げに揺れている。

きっと約束が違うなどと思っているのだろうな

その心中を想像しながらクスリと笑みを浮かべていると、ドッと周りが騒めいた。
両陛下がため息をつき、ルーカスの父である宰相が騒めく大臣達を鎮める。

ルボミールとしてはどちらでもよかった。
引き受けてくれたら最良であったぐらいだ。


「いりません」



しかし。









「そのΩを下さい」









突発的にオーラで潰そうとしたが判断が遅れたのはトシマク産の薬の影響だ。
この瞬間飲んでしまったことに後悔をしたが、京がルボミールの手を強く握り返し引き留める。
何故止めるのかと怒りのまま見れば至極嫌そうな顔をしていた。

「発言をさせていただいても宜しいでしょうか」

京は嫌そうにした顔を戻すと、両陛下に礼を取る。
その京に呆気に取られていたが了承すると、京はルーカスを見て言った。



「お断ります」
「!?」


Ωがそんなことをはっきり言うとは思ってなかった大臣達が慌て始めるが京は続けた。

「私は男女しかない世界から来た異世界人です。
ただの男性の方と結婚する気はありませんよ。・・・それともペットをご所望でしたでしょうか?
あいにく私は貴方のもとで毛玉遊びが出来るほど暇ではないので素敵なαの女性をおすすめします」
「いや、お前が良い」
「私がルルの将来的に番になることを認めているのは、慕っている部分があるからです」

底冷えしそうなほど冷たい声で淡々と言い切った京に思わず、抱きしめたくなった。

「・・・。あまり俺の番を揶揄うな。お前には婚約者がいるだろう」
「この国のαは何人娶ろうとも養えれば問題ない」

そしてその言葉に切れたのは京だ。

「養うのは国民の税金です。貴方はどれだけのことをなさっているのでしょうか」
「・・・」
「Ωの異世界人なので、新聞に載らないことは分からないのですよ」
「っ」

確かにこの国に居て、数年いれば公開している式典などに顔を出しているならわかるだろうが、それ以外からしたら両陛下と王太子くらいしか王族の名前は知られないだろう。

「でも、例え貴方が著名人だとしても、私を『物』扱いするような人間とはお断りです。
・・・陛下ならびに王妃殿下。申し訳ございません。
王族の方に大変失礼を致しました。
勝手ながらこのお詫びは私の島の薬をと思うのですが如何でしょうか」

両陛下に尋ねた言葉を遮る。

「それは駄目だ。こちらが失礼をしたのだから、キョウは何もする必要はない」
「しかし」
「ルボミールの言う通りだ。突然発言をしルボミールの客人でもあるであるそなたに無礼な態度を取ったのはルカースじゃ。・・・そうだな。宰相よ」
「おっしゃる通りにございます」
「っ・・・父上」
「黙っておれ。・・・僭越ながらキョウ様。
・・・それでは、殿下と番ってはいただけないでしょうか」
「キョウはバースもない世界からやってきたのだぞ。・・・お前が男女とバース以外のそのほかの区別がある世界に言った時にも同じことがいえるのか」
「王子。しかしながらここはラージャにございます」
「あなた方の技術が我らとは別の道を進んでいることは聞いております。
そしてそれが優れているとも。
もしかしたら本当に青の大魔法使いにはこなせなかった『運命の番』を外すことが出きりのかもしれません。
・・・しかし、先ほど貴方は殿下を慕っていると仰られた」
「・・・、・・・えぇ」
「まずは婚約までは進めていただけませぬか」

その言葉に苦笑を浮かべる京。
詫びるとは言いつつも話を進めているからだ。
この時、ルボミールは止めることもできた。・・・だが、それをしなかった。

「えぇ。外した時も殿下が私を好いてくださるのであればそのまま結婚する約束ですので」

この後、ルボミールの歳を理由に待っても数年だろう。
ルボミールはそれほど長くは掛からないと睨んでいるが。

「おぉ!それは良かったですな。これで陛下ならびに王妃殿下もひとまず安心されましょう」
「そうじゃな。・・・ところで、先ほどルボミールが言っておった薬の件だが、正式にに回すのだ」

そうしなくても、ルボミールは買う予定だった。
番いたいΩがいる前で、暴走を抑えられたαの薬はここに居るα達も欲しがる薬だろうと思っていたからだ。
貴族のなかにはいまだに自分の子供のΩをヒートトラップに使うものがいるからだ。
平民でのがれられても貴族のΩとなれば話が違う。
だが、そこから見えたのは、陛下も京の有用性を見出したことだった。

αは番を作っても他に番を作ることが出来る。
たまたま今まで番が一組ずつしかいなかっただけで、・・・・その先を考えると感情が溢れてしまいそうなのに思考がぼやける。



・・・これが効果か・・・

ルボミールは敵が増えそうな気がして、頭が痛くなる思いだった。


☆☆☆


当時のことを思いだし、ルボミールの眉間の皺は深くなる。
京の気配と会話が番のピアスから聞こえなくなり荒れたことで、京が傍に来たことで心情を知ることができた上に精神安定のために京が傍に居ることになったのに。


あの挨拶の時に、京をものにしたいと思ったものを全員仕留めてしまいたいと心底思った。

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