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頼むから、おちついてくれ
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それからたった1日ほどで結果としてこちらの望みがすべて通ってしまった。
もう少しかかるだろうと持っていたのに、滞在1日ですべて終わってしまうとは。
そんな早く決定してしまった上に、こちらに利を求めないなんて国として大丈夫なのだろうか?
事が早く進んだのは殿下が猛烈に働きかけてくれたからしい。
αとは優秀な人らしく、そのαで構成された国の機関なのだから即決なのだろう、・・・か?
というか、Ωのおさめる街だから下に見ているのだろう。
だが、王族の・・・それも彼は王太子らしく、そんな彼の発言に逆らうものはいない。
そんなわけで、来週にはβとΩの農民と語学の教師が多数送られることになった。
嬉しい反面、急なこと準備が間にあうだろうか。
いや、間に合わせなきゃ
第三性別の存在をしり、自分たちがΩであると知った今。能天気にはいられない。
急いでトシマ区に帰る準備を始めている時に、ルボミールが部屋に来ることが知らされる。
それと共に、ゾクリと震えが走った。
発情と思ったけど、・・・これは違うのか?
このラージャにきて特に酷くなった。8時間ぐらいの周期で来ている。
聞いているΩの周期とは違い、なぜこんなに頻度があるのか分からないが、これも風邪薬を服用すると収まる。
京はハカセから薬を受け取ると一気に煽った。
あんな状態を他の誰かに、ルボミールには見せたくない。
淫蕩にふけり何度も自分を高めたことなど。
「っ」
「大丈夫~?ここにきて、もう3本目だよね」
「うん。まぁ今日帰るから大丈夫」
「それならいいけど」
正直いうとここにきて、薬が効きづらくなっている気がする。
どんな薬も同じ薬を飲み続けていては抗体が出来てしまう。
このΩの発情期と言うのは、病気ではないそうだが同じことが言えるのかもしれない。
ほてる体を少しでも冷ましたいが、スーツでそれも今くいかない。
そうしているうちにルボミールが姿を現しため、それに合わせて京もそちらに向かった。
「もう帰ってしまうのか?」
ふわりと香る花の香。
昨日よりも濃くなっている気がするが嫌味な感じではなく、ずっとかぎたくなってくるから不思議だ。
ルボミール達は京の香りが良いと言ったが、ルボミールには勝てない。
・・・あれ?あの時パルファムつけてたかな
ふと別なことに思考が言ってしまったが、目の前の美丈夫に目がひかれる。
今日も男からみてもカッコイイと思える姿を惜しげもなく晒していた。
筋肉は持て余すから要らないが、その身長は欲しいと思った。
目の前に来た男は寂し気な表情をしている。
彼等は男であってもΩである自分たちが恋愛対象になるとは分かったが、なんだか理解できなかった。
例えば自分がこの男ほど男らしいのであれば、わからないでもないが京はどちらかと言えば線が細い。
おまけに、ルボミールは王族で王太子であれば、相手などより取り見取りだろうに。
何故落ち人の自分なのか良くわからなかった。
そんなことを思いつつ、今日も綺麗なガーネットを見上げた。
「殿下。話を上手く進めていただいたそうで、ありがとうございます」
「そのようなこと。困っているのであれば力になる。貴方の為ならなんでも。・・・それで、こんな物を用意したんんだが」
そう言って出されたのは小箱で開けてみると赤い宝石がついたピアスだった。
ルボミールの瞳と同じようにガーネットの様にきらめきを放っている。
だが京の耳に穴は開いていない。
自分にあいていることを確認せず用意したのだろうか。
それともこの国の住民は開いているのものなのか?
だとしても受け取るのがここは礼儀だろう。
「ありがとうございます」
「この機会に俺が開けようとおもったのだが」
どうやら開けてないことは気づいていたらしい。
「この後船に乗り潮風にさらされてはどうなるかわからないから、今日開けるのはやめておこう」
「次回には開けておきます」
贈られたものを身に着けるのは普通である。
そう言ったのだが、彼は首を振った。
「いや。この世界にきて貴方達の常識が通じないこともある。だから俺が開けるまでこのままにしておいてくれ」
そう言って耳たぶを撫でられた。
男にされているというのにそれが嫌ではなかった。
・・・へんなの
例えば身近な男達にされると考えたら気持ちが悪いのにそれを感じなかったのである。
αだからなのだろうか。
「ここを意識して俺に話しかけてくれないか?」
「え?・・・えー。・・・こんにちわ?」
『あぁ。こんにちわ』
「!」
するとどういう事だろうか。
ピアスが触れている指先から、ルボミールの声が聞こえた気がした。
「なにこれ・・・すごい」
思わず口にするとズイっと顔を出したのはハカセだった。
「何?何がすごいの??」
「いや、ここから・・・ピアスに触れたところからも声が聞こえるんだ」
「え、貸して!」
手を伸ばしてくるハカセを止めたのはルボミールだった。
だが変わりに別のものをハカセの手に置いた。
「駄目だ。・・・そちらではなくこちらを貴方には渡そう」
「人によって違うってこと~?」
「・・・。いや。気持ちの問題だ」
「ふーん?」
ハカセはそれを受け取り、遊んでいるうちにその機能に勘づいたのか京にそれを使って話しかけてくる。
「はぁ~ん。携帯みたいだな。
このサイズはすごいじゃないか。
映像とか送れるように改造してもいい~?
昨日散歩してたら良い機材を見つけたんだ。それを試してみたい」
フラッと出かけたと思ったら、上機嫌なハカセとゲンナリしているSPと案内としてダンがついて行ったのだが、苦笑していたのだがそれが原因なのだろうか。
本人の『え~?ボクは何もしてないよ~?』はあまりあてにならないのは、昔からなのだが本当に必要なことはハカセはいうからしつこくは聞かなかった。
「おまえ・・・本当にすごいな」
その理解力もさることながら改良する気なのはすごいなと、心の中で『流石変態』とたたえておく。
例えば、地球のルーツが分かる言語のものを開発しようとするのとはわけが違う。(JAVA開発者がC言語にうつされる)
でも、この地にきても多くのことを発見しているハカセなら出来そうな気もした。
空気中に地球上とは違う概念があると言われたときは、考えるのをやめて頷いたくらいだ。
そのハカセの言葉にルボミールは驚いて見せたが、こくりと頷いた。
それは出来るならやってみろというような感じではなく、純粋な対応に見えた。
「そうだな。映像が送れるようになるのは素晴らしいことだ」
「ボク達の国ではもっと大きい媒体だたけど、音声を送信する装置から始まり画像に動画に音声など送信できたんだ~。
今でもあるんだけど、このサイズには勝てないね。
・・・知りたいな。・・・知りたいぁ」
そういってぶつぶつとつぶやきだすハカセ。
「期待している。・・・。そちらの準備が整ったら、シノノメ殿が良ければ、こちらの技術者を紹介してもいい」
その言葉に目を輝かせるハカセに苦笑した。
どうやら急ピッチを決めてやる必要がありそうだ。
探求心の欲望に素直なハカセは何もしないでいたらきっと、『ボク、ラージャに住むね!』と、意気揚々と出かけそうな感じがしたからだ。
今のトシマ区にはハカセが最大重要人物だからそれは困る。
「それはありがたいです。そのためにもこちらで準備を整えます」
「あぁ」
そういうと、別れの挨拶をした。
それは、最愛の恋人を送るようであり、まだであって2日も経っていないのだが。
αにとってΩの利点は、優れたαを生みやすいということくらいしか思いつかなかった。
そして5000人もの人口が全てΩで、それのトップだということ。
だがそれは勘繰り過ぎだろうか。
でも、ルボミールの善意にありがたいとは思うものの、これまでの経験が素直に信用するのを邪魔させた。
☆☆☆
島に帰ると休む間も無く、全区民を見ることが必須にしているチャットを起動する。
これは、京が島民代表になる上で、必須にしたものだ。
WEB会議のようなもので、これから決めなければいけないことや、相談事なども含めて話し合うためのものだ。
トシマ区しかないので狭くはあるが、
議会のたびに集まるには現代人(?)には厳しい。
そのため、WEB会議は必ずみてもらっている。
なお、京はいつで音声発言を出来るが、聞いている側は基本チャットで、質問権をあげると順番に音声チャットが出来るようになっている。
この地にきて数回は行っていて、今日も外の世界から帰ってきたら会議を行うことは全区民には告知済みだ。
そんな訳で、イヤフォンマイクを耳につけて第一声を発した。
「俺達が悩まされていたアノ症状の事が分かった」
そう発した途端、わーわー騒ぎ出すチャット欄。
まったく締まりがないが、京はこの空気を楽しんでいる。ネガティブに黙り込むより、楽観的に楽しんでくれたら良い。
行き過ぎたら自分が調整したら良いと思っているのだ。
だから、京もあまり内容や言葉が真面目過ぎない様に気をつけている。
「あれは定期的に手に入る自家製媚薬だと思ってくれ」
「アッハッハッハ!」
「・・・京様」
ラージャの話を総じて思ったことを第一声で言うと、ハカセは腹を抱えて笑い転げ、如月はあきれている。
チャット欄を見れば『wwww』と大草原が流れていた。
島では殆どの人が原因不明の発情を体験しているから余計にである。
Ωの地位が低いことは不安を覚えるが、暗いことばかりでは皆不安だろう。
「まぁ自分と特定性別にしか聞かないけどな。
・・・説明すると、どうやらこの地にはオメガバースと言う第三性別があるらしく、この自家製媚薬は『α』という性別に作用する」
すると。チャット欄では『なにそれ』『第三・・・血液型が含むとか?』『しっている!』
『俺はαか!?』などと流れてきた。
どうやらオメガバースを知っているものがいるらしい。
「なんで第三性別のオメガバースを知っているんだ???」
まさか、隠れハカセでもいるのかと、恐怖と期待が織り混ざったがそうではなかった。
なんでも、小説や漫画などで有名な設定ということを聞いて驚いた。
「あー・・・まぁ俺たちは異世界転生してるんだからそれもあり得るのか・・・?
で、さっき自分がαか気になっている奴がいたけど、残念なことに俺達はもれなくΩみたいだ」
途端にチャット欄に『orz』が並んで笑ってしまった。
しかし、一部では大変喜んでいる人物もいる。
喜ぶのは想定外だったから意外である。
と、思ったのだが。
『京様の番は女じゃなくαの男かβの男でお願いします!!!』と、流れていた。どうやら妹の仲間が居るらしい。
それをさらっと無視すると、齟齬があるかもしれないため、この地のオメガバースを説明する。
その頃にはみんな真面目に話を聞いてくれていた。
「それでだ。
前の会議の時に原因不明の体調不良の話をしたときに、市販の風邪薬が良く聞くという話をしたと思う。
俺はあれがおそらく発情期だったんだと思う。
現在なんでアレが効いたのかは研究中だけど、それをみんな必ず所持する様に。
ただ、飲み過ぎは
これからラージャや・・・場合によっては他の国からもこのトシマ区に多数の人間が来るけど、
その中には悪意が持っているものもいると思う。
・・・ラージャではΩはどうやら差別を受けているようだから、みんなには一層に注意してもらいたい」
そういうとみんなから応諾の返事が返ってきた。
「とりあえず、来週にはβとΩの田畑を耕すのが得意な人たちが来る。
ノウハウを教えてもらったら暫くはお願いすると思うが今ロボットを最終整備中だ。
まぁこちらにはトラクターがあるからそれほど重労働はないと思うが、まず基本をしっかり覚えてもらいたい。
・・・それと、こも大事なのだが、島の準備が整い次第以前言っていた観光地化をする予定だ。
その上で、警備の観点や何か案があったら教えてほしい」
体格さで力では勝てないのはよくわかった。
おまけに彼等は魔法を使うらしい。
その防衛も急がなければならない。
「それと、魔法がこの世界ではある様だ」
そういうと、一気にチャット欄が狂喜乱舞している。
「期待してるところ悪いが、使えないぞ?」
注意を促すために言ったのに、喜ぶそれに苦笑しながら言うと、反転し阿鼻叫喚に変わるのだった。
┬┬┬
暫くは説明たーんです(+_+)・・・早くからませたい。。
今日小話あげるかもです。
もう少しかかるだろうと持っていたのに、滞在1日ですべて終わってしまうとは。
そんな早く決定してしまった上に、こちらに利を求めないなんて国として大丈夫なのだろうか?
事が早く進んだのは殿下が猛烈に働きかけてくれたからしい。
αとは優秀な人らしく、そのαで構成された国の機関なのだから即決なのだろう、・・・か?
というか、Ωのおさめる街だから下に見ているのだろう。
だが、王族の・・・それも彼は王太子らしく、そんな彼の発言に逆らうものはいない。
そんなわけで、来週にはβとΩの農民と語学の教師が多数送られることになった。
嬉しい反面、急なこと準備が間にあうだろうか。
いや、間に合わせなきゃ
第三性別の存在をしり、自分たちがΩであると知った今。能天気にはいられない。
急いでトシマ区に帰る準備を始めている時に、ルボミールが部屋に来ることが知らされる。
それと共に、ゾクリと震えが走った。
発情と思ったけど、・・・これは違うのか?
このラージャにきて特に酷くなった。8時間ぐらいの周期で来ている。
聞いているΩの周期とは違い、なぜこんなに頻度があるのか分からないが、これも風邪薬を服用すると収まる。
京はハカセから薬を受け取ると一気に煽った。
あんな状態を他の誰かに、ルボミールには見せたくない。
淫蕩にふけり何度も自分を高めたことなど。
「っ」
「大丈夫~?ここにきて、もう3本目だよね」
「うん。まぁ今日帰るから大丈夫」
「それならいいけど」
正直いうとここにきて、薬が効きづらくなっている気がする。
どんな薬も同じ薬を飲み続けていては抗体が出来てしまう。
このΩの発情期と言うのは、病気ではないそうだが同じことが言えるのかもしれない。
ほてる体を少しでも冷ましたいが、スーツでそれも今くいかない。
そうしているうちにルボミールが姿を現しため、それに合わせて京もそちらに向かった。
「もう帰ってしまうのか?」
ふわりと香る花の香。
昨日よりも濃くなっている気がするが嫌味な感じではなく、ずっとかぎたくなってくるから不思議だ。
ルボミール達は京の香りが良いと言ったが、ルボミールには勝てない。
・・・あれ?あの時パルファムつけてたかな
ふと別なことに思考が言ってしまったが、目の前の美丈夫に目がひかれる。
今日も男からみてもカッコイイと思える姿を惜しげもなく晒していた。
筋肉は持て余すから要らないが、その身長は欲しいと思った。
目の前に来た男は寂し気な表情をしている。
彼等は男であってもΩである自分たちが恋愛対象になるとは分かったが、なんだか理解できなかった。
例えば自分がこの男ほど男らしいのであれば、わからないでもないが京はどちらかと言えば線が細い。
おまけに、ルボミールは王族で王太子であれば、相手などより取り見取りだろうに。
何故落ち人の自分なのか良くわからなかった。
そんなことを思いつつ、今日も綺麗なガーネットを見上げた。
「殿下。話を上手く進めていただいたそうで、ありがとうございます」
「そのようなこと。困っているのであれば力になる。貴方の為ならなんでも。・・・それで、こんな物を用意したんんだが」
そう言って出されたのは小箱で開けてみると赤い宝石がついたピアスだった。
ルボミールの瞳と同じようにガーネットの様にきらめきを放っている。
だが京の耳に穴は開いていない。
自分にあいていることを確認せず用意したのだろうか。
それともこの国の住民は開いているのものなのか?
だとしても受け取るのがここは礼儀だろう。
「ありがとうございます」
「この機会に俺が開けようとおもったのだが」
どうやら開けてないことは気づいていたらしい。
「この後船に乗り潮風にさらされてはどうなるかわからないから、今日開けるのはやめておこう」
「次回には開けておきます」
贈られたものを身に着けるのは普通である。
そう言ったのだが、彼は首を振った。
「いや。この世界にきて貴方達の常識が通じないこともある。だから俺が開けるまでこのままにしておいてくれ」
そう言って耳たぶを撫でられた。
男にされているというのにそれが嫌ではなかった。
・・・へんなの
例えば身近な男達にされると考えたら気持ちが悪いのにそれを感じなかったのである。
αだからなのだろうか。
「ここを意識して俺に話しかけてくれないか?」
「え?・・・えー。・・・こんにちわ?」
『あぁ。こんにちわ』
「!」
するとどういう事だろうか。
ピアスが触れている指先から、ルボミールの声が聞こえた気がした。
「なにこれ・・・すごい」
思わず口にするとズイっと顔を出したのはハカセだった。
「何?何がすごいの??」
「いや、ここから・・・ピアスに触れたところからも声が聞こえるんだ」
「え、貸して!」
手を伸ばしてくるハカセを止めたのはルボミールだった。
だが変わりに別のものをハカセの手に置いた。
「駄目だ。・・・そちらではなくこちらを貴方には渡そう」
「人によって違うってこと~?」
「・・・。いや。気持ちの問題だ」
「ふーん?」
ハカセはそれを受け取り、遊んでいるうちにその機能に勘づいたのか京にそれを使って話しかけてくる。
「はぁ~ん。携帯みたいだな。
このサイズはすごいじゃないか。
映像とか送れるように改造してもいい~?
昨日散歩してたら良い機材を見つけたんだ。それを試してみたい」
フラッと出かけたと思ったら、上機嫌なハカセとゲンナリしているSPと案内としてダンがついて行ったのだが、苦笑していたのだがそれが原因なのだろうか。
本人の『え~?ボクは何もしてないよ~?』はあまりあてにならないのは、昔からなのだが本当に必要なことはハカセはいうからしつこくは聞かなかった。
「おまえ・・・本当にすごいな」
その理解力もさることながら改良する気なのはすごいなと、心の中で『流石変態』とたたえておく。
例えば、地球のルーツが分かる言語のものを開発しようとするのとはわけが違う。(JAVA開発者がC言語にうつされる)
でも、この地にきても多くのことを発見しているハカセなら出来そうな気もした。
空気中に地球上とは違う概念があると言われたときは、考えるのをやめて頷いたくらいだ。
そのハカセの言葉にルボミールは驚いて見せたが、こくりと頷いた。
それは出来るならやってみろというような感じではなく、純粋な対応に見えた。
「そうだな。映像が送れるようになるのは素晴らしいことだ」
「ボク達の国ではもっと大きい媒体だたけど、音声を送信する装置から始まり画像に動画に音声など送信できたんだ~。
今でもあるんだけど、このサイズには勝てないね。
・・・知りたいな。・・・知りたいぁ」
そういってぶつぶつとつぶやきだすハカセ。
「期待している。・・・。そちらの準備が整ったら、シノノメ殿が良ければ、こちらの技術者を紹介してもいい」
その言葉に目を輝かせるハカセに苦笑した。
どうやら急ピッチを決めてやる必要がありそうだ。
探求心の欲望に素直なハカセは何もしないでいたらきっと、『ボク、ラージャに住むね!』と、意気揚々と出かけそうな感じがしたからだ。
今のトシマ区にはハカセが最大重要人物だからそれは困る。
「それはありがたいです。そのためにもこちらで準備を整えます」
「あぁ」
そういうと、別れの挨拶をした。
それは、最愛の恋人を送るようであり、まだであって2日も経っていないのだが。
αにとってΩの利点は、優れたαを生みやすいということくらいしか思いつかなかった。
そして5000人もの人口が全てΩで、それのトップだということ。
だがそれは勘繰り過ぎだろうか。
でも、ルボミールの善意にありがたいとは思うものの、これまでの経験が素直に信用するのを邪魔させた。
☆☆☆
島に帰ると休む間も無く、全区民を見ることが必須にしているチャットを起動する。
これは、京が島民代表になる上で、必須にしたものだ。
WEB会議のようなもので、これから決めなければいけないことや、相談事なども含めて話し合うためのものだ。
トシマ区しかないので狭くはあるが、
議会のたびに集まるには現代人(?)には厳しい。
そのため、WEB会議は必ずみてもらっている。
なお、京はいつで音声発言を出来るが、聞いている側は基本チャットで、質問権をあげると順番に音声チャットが出来るようになっている。
この地にきて数回は行っていて、今日も外の世界から帰ってきたら会議を行うことは全区民には告知済みだ。
そんな訳で、イヤフォンマイクを耳につけて第一声を発した。
「俺達が悩まされていたアノ症状の事が分かった」
そう発した途端、わーわー騒ぎ出すチャット欄。
まったく締まりがないが、京はこの空気を楽しんでいる。ネガティブに黙り込むより、楽観的に楽しんでくれたら良い。
行き過ぎたら自分が調整したら良いと思っているのだ。
だから、京もあまり内容や言葉が真面目過ぎない様に気をつけている。
「あれは定期的に手に入る自家製媚薬だと思ってくれ」
「アッハッハッハ!」
「・・・京様」
ラージャの話を総じて思ったことを第一声で言うと、ハカセは腹を抱えて笑い転げ、如月はあきれている。
チャット欄を見れば『wwww』と大草原が流れていた。
島では殆どの人が原因不明の発情を体験しているから余計にである。
Ωの地位が低いことは不安を覚えるが、暗いことばかりでは皆不安だろう。
「まぁ自分と特定性別にしか聞かないけどな。
・・・説明すると、どうやらこの地にはオメガバースと言う第三性別があるらしく、この自家製媚薬は『α』という性別に作用する」
すると。チャット欄では『なにそれ』『第三・・・血液型が含むとか?』『しっている!』
『俺はαか!?』などと流れてきた。
どうやらオメガバースを知っているものがいるらしい。
「なんで第三性別のオメガバースを知っているんだ???」
まさか、隠れハカセでもいるのかと、恐怖と期待が織り混ざったがそうではなかった。
なんでも、小説や漫画などで有名な設定ということを聞いて驚いた。
「あー・・・まぁ俺たちは異世界転生してるんだからそれもあり得るのか・・・?
で、さっき自分がαか気になっている奴がいたけど、残念なことに俺達はもれなくΩみたいだ」
途端にチャット欄に『orz』が並んで笑ってしまった。
しかし、一部では大変喜んでいる人物もいる。
喜ぶのは想定外だったから意外である。
と、思ったのだが。
『京様の番は女じゃなくαの男かβの男でお願いします!!!』と、流れていた。どうやら妹の仲間が居るらしい。
それをさらっと無視すると、齟齬があるかもしれないため、この地のオメガバースを説明する。
その頃にはみんな真面目に話を聞いてくれていた。
「それでだ。
前の会議の時に原因不明の体調不良の話をしたときに、市販の風邪薬が良く聞くという話をしたと思う。
俺はあれがおそらく発情期だったんだと思う。
現在なんでアレが効いたのかは研究中だけど、それをみんな必ず所持する様に。
ただ、飲み過ぎは
これからラージャや・・・場合によっては他の国からもこのトシマ区に多数の人間が来るけど、
その中には悪意が持っているものもいると思う。
・・・ラージャではΩはどうやら差別を受けているようだから、みんなには一層に注意してもらいたい」
そういうとみんなから応諾の返事が返ってきた。
「とりあえず、来週にはβとΩの田畑を耕すのが得意な人たちが来る。
ノウハウを教えてもらったら暫くはお願いすると思うが今ロボットを最終整備中だ。
まぁこちらにはトラクターがあるからそれほど重労働はないと思うが、まず基本をしっかり覚えてもらいたい。
・・・それと、こも大事なのだが、島の準備が整い次第以前言っていた観光地化をする予定だ。
その上で、警備の観点や何か案があったら教えてほしい」
体格さで力では勝てないのはよくわかった。
おまけに彼等は魔法を使うらしい。
その防衛も急がなければならない。
「それと、魔法がこの世界ではある様だ」
そういうと、一気にチャット欄が狂喜乱舞している。
「期待してるところ悪いが、使えないぞ?」
注意を促すために言ったのに、喜ぶそれに苦笑しながら言うと、反転し阿鼻叫喚に変わるのだった。
┬┬┬
暫くは説明たーんです(+_+)・・・早くからませたい。。
今日小話あげるかもです。
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