13 / 21
1章
1章 12話
しおりを挟む
進展があったのはそれから1ヶ月後だった。彼女が刑務所から帰ってきたのだ。死傷者がおらず、負傷者とも示談が成立したためである。軍人って生命力高いんだなとつくづく思った。
今現在彼女は、生活保護を受けて生活しているそうだ。そうして彼女とはもう会うことは無いだろう。そう思っていた。
「あの・・・東雲晃也さんのお家でしょうか・・・」
「あ、僕がそうですが・・・って君は」
扉を開けるとそこにはあの夜の女の子が立っていた。
「あっ、あの時はどうも・・・ありがとうございました・・・」
「あっはい・・・」
彼女のオドオドした様子にこちらもかしこまってしまった。
「お兄ちゃん~誰が来たの・・・ってこの女の子誰!?」
面倒臭いのが来たぞと思い、話をすぐ切り上げる。
「な、何か用事でもあったのか?」
「あっ、いえ、あの日のお礼をと・・・あの時はどうも・・・」
「あの日って何!?ねぇ!お兄ちゃん!何があっ、んんー!」
「お前はちょっと黙ってて!・・・あっごめんな」
明の口を抑えながら苦笑いをする。彼女もクスッと笑っていた。
「・・・君、ちゃんと笑えるんだね」
「え?」
「ああ!いや失礼だったな!ごめんね」
「いえ、あれから立ち直ろうと必死で。でも今の笑いはなんか勝手に出ちゃいました」
とまた笑う。
「フードでよく見えてなかったけど笑ってる顔が・・・」
いやいや、何を言ってるんだ僕は。とすぐさま明の口を抑えている逆の手で今度は自分の口を抑える。
「・・・そういえば、名前聞いてなかった。名前はなんて言うの?」
「私ですか・・・?私は、ひかりです」
「ひかりさん・・・」
「さんはやめてください・・・その恥ずかしいです・・・」
「じゃあ・・・えっと、ひかり・・・?」
「こ、これはこれで恥ずかしいですね」
何を話してるんだ僕は。そうして更に無駄話をした。話が終わる頃には明は酸欠でぐったりしていた。
「東雲さん。そういえば教えておきたい事があってですね・・・」
僕の耳元で南雲君が言った。
「実はですね・・・陽太・・・日神君がですね・・・彼女出来たんですよ学校で」
「おお!良かったじゃん!それがどうしたんだ?」
「いやそれが・・・その彼女の名前、東雲明って言うんですよ」
そう、クスクス笑った。
「・・・日神君?」
前にいた日神君に笑いながら肩に手を乗せた。
「な、なんですか・・・?」
「君、僕の大切な妹の彼氏さんになったんだってね?」
「げっ」
そうやって日神君は全速力で逃げた。
「待ちなさい!」
街を駆けた。妹を渡すまいと嫌なお父さんのようになってしまっている。
けれどもこうやって走っている今でも分かる。確かに今でもあの平穏だった農村を夢見る。だが、こちらの方が退屈しなくて済む、退屈無く過ごせる。これからもこの日々が続くと思うと、期待で胸が膨らむ。
今現在彼女は、生活保護を受けて生活しているそうだ。そうして彼女とはもう会うことは無いだろう。そう思っていた。
「あの・・・東雲晃也さんのお家でしょうか・・・」
「あ、僕がそうですが・・・って君は」
扉を開けるとそこにはあの夜の女の子が立っていた。
「あっ、あの時はどうも・・・ありがとうございました・・・」
「あっはい・・・」
彼女のオドオドした様子にこちらもかしこまってしまった。
「お兄ちゃん~誰が来たの・・・ってこの女の子誰!?」
面倒臭いのが来たぞと思い、話をすぐ切り上げる。
「な、何か用事でもあったのか?」
「あっ、いえ、あの日のお礼をと・・・あの時はどうも・・・」
「あの日って何!?ねぇ!お兄ちゃん!何があっ、んんー!」
「お前はちょっと黙ってて!・・・あっごめんな」
明の口を抑えながら苦笑いをする。彼女もクスッと笑っていた。
「・・・君、ちゃんと笑えるんだね」
「え?」
「ああ!いや失礼だったな!ごめんね」
「いえ、あれから立ち直ろうと必死で。でも今の笑いはなんか勝手に出ちゃいました」
とまた笑う。
「フードでよく見えてなかったけど笑ってる顔が・・・」
いやいや、何を言ってるんだ僕は。とすぐさま明の口を抑えている逆の手で今度は自分の口を抑える。
「・・・そういえば、名前聞いてなかった。名前はなんて言うの?」
「私ですか・・・?私は、ひかりです」
「ひかりさん・・・」
「さんはやめてください・・・その恥ずかしいです・・・」
「じゃあ・・・えっと、ひかり・・・?」
「こ、これはこれで恥ずかしいですね」
何を話してるんだ僕は。そうして更に無駄話をした。話が終わる頃には明は酸欠でぐったりしていた。
「東雲さん。そういえば教えておきたい事があってですね・・・」
僕の耳元で南雲君が言った。
「実はですね・・・陽太・・・日神君がですね・・・彼女出来たんですよ学校で」
「おお!良かったじゃん!それがどうしたんだ?」
「いやそれが・・・その彼女の名前、東雲明って言うんですよ」
そう、クスクス笑った。
「・・・日神君?」
前にいた日神君に笑いながら肩に手を乗せた。
「な、なんですか・・・?」
「君、僕の大切な妹の彼氏さんになったんだってね?」
「げっ」
そうやって日神君は全速力で逃げた。
「待ちなさい!」
街を駆けた。妹を渡すまいと嫌なお父さんのようになってしまっている。
けれどもこうやって走っている今でも分かる。確かに今でもあの平穏だった農村を夢見る。だが、こちらの方が退屈しなくて済む、退屈無く過ごせる。これからもこの日々が続くと思うと、期待で胸が膨らむ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが集団お漏らしする話
赤髪命
大衆娯楽
※この作品は「校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話」のifバージョンとして、もっと渋滞がひどくトイレ休憩云々の前に高速道路上でバスが立ち往生していた場合を描く公式2次創作です。
前作との文体、文章量の違いはありますがその分キャラクターを濃く描いていくのでお楽しみ下さい。(評判が良ければ彼女たちの日常編もいずれ連載するかもです)
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる