無理やりお仕置きされちゃうsubの話(短編集)

みたらし団子

文字の大きさ
上 下
41 / 49
裏切られたsub

3

しおりを挟む








「聞こえなかったの?“オナニーしろ”って言ったんだけど」

  今の命令がちゃんと聞こえていることぐらい100も承知しているくせに、潔がわざとらしくため息をついて2度目のグレアを含んだ命令を言ってくる。
  2人の自分を見る目は真剣そのもので僕をからかってふざけているとは思えないほどの気迫だった。

「な、なんで2人の前でそんなことしなきゃいけないんだよ…」

  domの命令に従いたい、2人を怒らせているかもしれない、そんな欲求や不安を押し殺して、弱々しい声で反論を口にする。
  ただ、その言葉も既に形式上の過程になりかけている。もしかしたら2人が命令を取り下げてくれるかもしれない…という希望を込めて最後の最後まで自分は足掻いたと自分に言い訳するためだけの言葉だった。

「なんでって、佐伯はsub、俺達はdom、それ以上の理由って必要?」

  確かにそうだ。subはdomの命令に従いたい欲求がある。それはつまり、domの意思に従いたいということで、今、domである2人が僕がオナニーをすることを望んでいるのだったらsubは何も考えずにそれに従うべきだ。
  そうすれば矛盾点はなくなるし、実に理論的な思考が完成する。

………つまり、今から自分が2人の前でオナニーしようともそれは理論的な結論に基づくものになる。
  自分の理性への言い訳が完了した。

  これはdomの意思であって、2人にオナニーをするところを見られて興奮してもそれはdomの命令にしたがっていることによるもので、だから、決して僕が変態なわけではない。

「あんまり見たら怒るから…」

  そう言って僕は2人の方に体の正面を向けた。既に少し立ち上がっている物を隠すように手で覆いながら2人を見る。2人とも変わらずに無表情だった。

「ん…ぁッ、はっ……ふ  ん…っ」

  目の前で親友がオナニーをしているというのに、2人はベッドの上に座ったままただじっと僕をている。
  親友の目の前でオナニーしているというのに僕のそれはいつも自分でする時よりも固く、先走りが溢れてきている。
  
  こんな状況なのに言葉を抑えることが出来ずに、吐息や喘ぎ声だけが潔の部屋に響き渡った。そしてそれすらも僕を興奮させる一助になる。

「あっ…ふ  んっ.../// ぁ ぅ…ふっ  はっ…ぁっ」

  吐息とともに快楽が大きくなる。近づく絶頂に向けて僕は手の動かすスピードをはやめた。2人に見られていることも忘れて自分の快楽だけを追い求める。それは順調に近ずいてきて、僕の体を幸せに満たしていた。その幸せがピークになる、なるはずだったちょうどその瞬間____

「佐伯、stop」

  脳で考えるよりも先に手の動きが止まった。自分のモノからは絶頂したのか先走りなのかわからない白い液体が数滴溢れ出て、それを握っていた自分の手に零れてくる。

  僕は絶望の表情を浮かべているだろう。
  そのまま、2人に目線を向けるとそこには今まで見たこともないような笑顔で微笑む2人がいた。













  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

お兄ちゃんはお医者さん!?

すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。 如月 陽菜(きさらぎ ひな) 病院が苦手。 如月 陽菜の主治医。25歳。 高橋 翔平(たかはし しょうへい) 内科医の医師。 ※このお話に出てくるものは 現実とは何の関係もございません。 ※治療法、病名など ほぼ知識なしで書かせて頂きました。 お楽しみください♪♪

処理中です...