無理やりお仕置きされちゃうsubの話(短編集)

みたらし団子

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そのsubの欲は無限大です(★★★★★)【完結】

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  部屋を出てさっきのリビングに戻ると、(元?)ご主人様は服を着替えていて、窓枠に腰をかけながらタバコを吸っていた。外はもう暗くなっていて、夜の都市の夜景を背後にタバコを吸っている姿は、美しいとしか言いようがない。

  (さっきまであの人とプレイしてたんだ…。)

  なんだかアニメや漫画のキャラクターが目の前に出てきているみたいで不思議な気分になる。
  そして、1番真ん中にある大きいテーブルに目を向けると、結構な厚さのある札束が置いてあった。少し距離があるからよく分からないけど、3、40枚はあると思う。

  (嫌な予感がする)

  部屋に入ると(元?)ご主人様も俺に気がついたみたいでチラッとこっちを見て、全身を眺めるとすぐ目線を外された。

  「そこに今日の代金が置いてある。わかっていると思うが、今日のことは誰にも話さないように。」

  なるほど。金額が大きすぎると思っていたら口止め料だったらしい。(元?)ご主人様はもう必要なことは言ったというようにこっちの方は見ようともしない。本当だったら今頃、喜んで受け取って帰っているはずだけど、今は逆に裏切られたような怒りに似た感情が湧いてくる。
確かに俺はplayをする代わりに、ご主人様に衣食住を要求した。それは、言ってしまえば自分を買ってもらっているようなものだ。結果的にご主人様の期待に応えられなかったのに、お金までもらえて感謝するべきだと思う。
  
(けど………)

  さっきから俺は何に引っかかっているんだろう?どう考えてもplayを勝手に終わらせて、after careもしないdomなんて信用できるとは思えない。さっさとお金を取って帰るべきだ。それなのに、身体が動かない。このまま関係を終わらせたくない。
  
 (もう一回だけでもチャンスはないのか?)

  もうお金なんてどうでもよかった。そのままテーブルの上の札を掴んでご主人様の方へ歩いていき、タバコの換気のために開けられている窓から外に諭吉の束を思いっきり投げ捨てた。
  
「何を…している?」
俺の予想外の行動に驚いたのか、ご主人様の目が僕を見てくれる。

  「さっきは命令を聞けなくて申し訳ありませんでした。もう一度だけチャンスをください。」
そう言って足元にすわってご主人様の機嫌を伺いながら靴を舐めてみる。蹴飛ばされて追い出されることも覚悟していたけど、意外にもご主人様はタバコを持ったまま驚いたように僕を見て固まっていた。

  (これは大丈夫ってことか…?)
 少し希望が見えてきた。もうどうにでもなれっ。俺はご主人様のズボンのチャックを開いて、それを取り出すと口に含んで舐め始めた。








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