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14.海の平和
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アシェッド王太子とマリアンヌの断罪劇が終わり、茶番の結婚式を中止にしたクーデンベルグ公爵は、メリーウェザーとリカルドを残し、大聖堂から参列者を捌けさせた。
人気が無くなるとクーデンベルグ公爵は「ふうっ」と大きくため息をつき、メリーウェザーの方を振り返った。
そして、
「娘よ。色々な目に遭ったようだな。つらかったろう。よく生きて帰ってきてくれた」
と目に涙を浮かべて娘との再会を喜んだ。
しかし、メリーウェザーの方は再会はまあ嬉しいことだったけれども、別の用件があって何やら気がそぞろである。
「お久しぶりですお父様。あのね、あのね、実は結婚を認めていただきたい方が!」
「は!? おまえ、いきなり……ああだが、分かっている、さっき言っていたリカルド殿下だね」
クーデンベルグ公爵は頷いた。
娘の脈絡のなさには慣れっこなのだ。
「さっきの断罪劇はなんだったのかという話の転換っぷりだね」
「だってだって、だって! リカルド殿下とはゆっくりと愛を育んでいたんですけど、お父様に結婚のご許可をいただきに帰ってきたら、まさかのアシェッド王太子とマリアンヌさんの結婚式と日にちがかぶっているんだもの! びっくりしたわ。マリアンヌさんのことはリカルド殿下が調べてくれていて、いつかアシェッド王太子との結婚は阻止しなくちゃと思っていたところだったから、慌ててこんな飛び入り断罪劇をやってしまいましたけれど。私を殺そうとしたことも怒ってやらなくちゃと思ってましたしね」
メリーウェザーはてへっと笑った。
クーデンベルグ公爵は苦笑した。
「彼らにとってはとんでもない飛び入り参加だっただろうが。しかし彼らの正体が分かってよかった。まあ、あの二人は殺人(未遂)罪でもう二度と外には出てこれんだろうがな」
メリーウェザーは微笑んだ。
「それでね、お父様。こちらがリカルド殿下。海竜族の長をされているんだけど」
「知っているよ」
「え? あ、それでさっき名前も……」
メリーウェザーは父の顔を見てから、ハッとしてリカルド殿下の方も見た。
リカルドもゆったりと微笑んでいる。
「知っている、クーデンベルグ公爵は海運を統べる政府の要職に就いておられるからね。何度か話し合いをした事がある。海竜の一族は海に強いから、貿易船の難破などで救助する機会がヒト族より多いからね」
「そうだったの!」
「あのマリアンヌって女の祖父の海賊の件もそうだよ。海賊の被害のことはよく把握していた。海竜族は嵐を呼べるから、海賊船を撃退するのも手伝ったりね。だからマリアンヌって女の素性を知ったときは呆れた」
リカルドは苦笑した。
「マリアンヌという女の親族の海賊まがいの船団は、今後まともに航海できないようにしてやろう」
「うわ。リカルド殿下ったらなかなかの強カードだったわ。そんなおまけ付きだとは思わなかった。というか、そんな協力関係にあったなんて知らなかったわ」
メリーウェザーは目を丸くした。
「ウォルトンと勉強したんじゃなかったのかい」
リカルドは悪戯っぽく目を細めた。
メリーウェザーは赤面する。
「ウォルトン秘書官には私が知らなかったことは内緒よ」
リカルドはクーデンベルグ公爵の方を向いた。
「クーデンベルグという名前であなたの娘さんだということは存じていた。殺されかかっていた手前、しばらく保護していたのだが。すまない、あなたには娘さんが生きていることをずっと黙っていた」
「いや、助けてくれて礼を言う。不肖の娘だが、これでも私にとっては世界一大事な娘でね」
「クーデンベルグ公爵。そういう言い方をするのはわざとですか? 私がどういう理由であなたを訪ねてきたかもう薄々お分かりだろうに」
リカルドは苦笑した。
クーデンベルグ公爵は楽しそうに笑った。
「じゃあ、改めて聞こう。どういった理由ですかな?」
「だから! 私、結婚したい人がいるって……!!!」
そうメリーウェザーが横から口を挟もうとしたので、リカルドはそっとメリーウェザーの腕をつついた。
「クーデンベルグ公爵は私に言わせたいんだよ」
「え……?」
メリーウェザーが怪訝そうに顔を上げたが、リカルドはメリーウェザーににこっと笑顔を向けた後、クーデンベルグ公爵の方を向いた。
「娘さんとの結婚を許していただけないでしょうか」
クーデンベルグ公爵はもうリカルドが言いはじめる前からニヤニヤしていたのだが、その言葉を聞くと嬉しそうに万歳をした。
「よかった、よかった! あのクズ王太子に散々イライラしていたところだったのだ! うちの娘ばっかり不幸な目に遭っていると神に文句を言おうと思っていた! ざまあみろ、神は見捨てなかった!」
「お父様、言い方……」
メリーウェザーがそっと父を窘める。
が、急にクーデンベルグ公爵は真面目な顔になって、
「しかし、リカルド殿、本当にうちの娘でいいんですかな? 流されやすそうに見えるわりには、わりかし性格は強めですぞ」
と念を押す。
リカルドは笑顔でゆったりと首を振った。
「私は彼女の逆境で挫けないところに惹かれたので」
「ふむ、なんだかんだへこたれないところはあるかな……」
とクーデンベルグ公爵はあごを撫でながらぶつぶつと相槌を打とうとしたとき、待ちきれないメリーウェザーが口を挟んだ。
「そういうのはもういいから。ねえ、お父様、結婚は認めてくださるわよね?」
クーデンベルグ公爵はせっかちのメリーウェザーに苦笑した。
「私に許可を? あんなに人前で堂々と宣言しておいて?」
メリーウェザーは赤くなった。
クーデンベルグ公爵は両腕を組んだ。
「クズ男にひどい目に遭ってたいへんだったろうから、今回はおまえの好きな通りにさせてやろうと思っている。リカルド殿、娘を頼みますよ」
リカルドは微笑み、メリーウェザーの肩に手を乗せた。
「ええ、頼まれますよ。海の発展にご尽力ください」
「何よ、結局政略結婚なの!?」
メリーウェザーが抗議の声をあげる。
それをリカルド殿下がそっと制した。
「いいや、私たちの愛が海上の友好関係を結ぶのさ」
「なんじゃそりゃ」
メリーウェザーは突っ込んで見せたが、まあそれも悪くないかもと思って、にっこりとリカルドに微笑みかけた。
人気が無くなるとクーデンベルグ公爵は「ふうっ」と大きくため息をつき、メリーウェザーの方を振り返った。
そして、
「娘よ。色々な目に遭ったようだな。つらかったろう。よく生きて帰ってきてくれた」
と目に涙を浮かべて娘との再会を喜んだ。
しかし、メリーウェザーの方は再会はまあ嬉しいことだったけれども、別の用件があって何やら気がそぞろである。
「お久しぶりですお父様。あのね、あのね、実は結婚を認めていただきたい方が!」
「は!? おまえ、いきなり……ああだが、分かっている、さっき言っていたリカルド殿下だね」
クーデンベルグ公爵は頷いた。
娘の脈絡のなさには慣れっこなのだ。
「さっきの断罪劇はなんだったのかという話の転換っぷりだね」
「だってだって、だって! リカルド殿下とはゆっくりと愛を育んでいたんですけど、お父様に結婚のご許可をいただきに帰ってきたら、まさかのアシェッド王太子とマリアンヌさんの結婚式と日にちがかぶっているんだもの! びっくりしたわ。マリアンヌさんのことはリカルド殿下が調べてくれていて、いつかアシェッド王太子との結婚は阻止しなくちゃと思っていたところだったから、慌ててこんな飛び入り断罪劇をやってしまいましたけれど。私を殺そうとしたことも怒ってやらなくちゃと思ってましたしね」
メリーウェザーはてへっと笑った。
クーデンベルグ公爵は苦笑した。
「彼らにとってはとんでもない飛び入り参加だっただろうが。しかし彼らの正体が分かってよかった。まあ、あの二人は殺人(未遂)罪でもう二度と外には出てこれんだろうがな」
メリーウェザーは微笑んだ。
「それでね、お父様。こちらがリカルド殿下。海竜族の長をされているんだけど」
「知っているよ」
「え? あ、それでさっき名前も……」
メリーウェザーは父の顔を見てから、ハッとしてリカルド殿下の方も見た。
リカルドもゆったりと微笑んでいる。
「知っている、クーデンベルグ公爵は海運を統べる政府の要職に就いておられるからね。何度か話し合いをした事がある。海竜の一族は海に強いから、貿易船の難破などで救助する機会がヒト族より多いからね」
「そうだったの!」
「あのマリアンヌって女の祖父の海賊の件もそうだよ。海賊の被害のことはよく把握していた。海竜族は嵐を呼べるから、海賊船を撃退するのも手伝ったりね。だからマリアンヌって女の素性を知ったときは呆れた」
リカルドは苦笑した。
「マリアンヌという女の親族の海賊まがいの船団は、今後まともに航海できないようにしてやろう」
「うわ。リカルド殿下ったらなかなかの強カードだったわ。そんなおまけ付きだとは思わなかった。というか、そんな協力関係にあったなんて知らなかったわ」
メリーウェザーは目を丸くした。
「ウォルトンと勉強したんじゃなかったのかい」
リカルドは悪戯っぽく目を細めた。
メリーウェザーは赤面する。
「ウォルトン秘書官には私が知らなかったことは内緒よ」
リカルドはクーデンベルグ公爵の方を向いた。
「クーデンベルグという名前であなたの娘さんだということは存じていた。殺されかかっていた手前、しばらく保護していたのだが。すまない、あなたには娘さんが生きていることをずっと黙っていた」
「いや、助けてくれて礼を言う。不肖の娘だが、これでも私にとっては世界一大事な娘でね」
「クーデンベルグ公爵。そういう言い方をするのはわざとですか? 私がどういう理由であなたを訪ねてきたかもう薄々お分かりだろうに」
リカルドは苦笑した。
クーデンベルグ公爵は楽しそうに笑った。
「じゃあ、改めて聞こう。どういった理由ですかな?」
「だから! 私、結婚したい人がいるって……!!!」
そうメリーウェザーが横から口を挟もうとしたので、リカルドはそっとメリーウェザーの腕をつついた。
「クーデンベルグ公爵は私に言わせたいんだよ」
「え……?」
メリーウェザーが怪訝そうに顔を上げたが、リカルドはメリーウェザーににこっと笑顔を向けた後、クーデンベルグ公爵の方を向いた。
「娘さんとの結婚を許していただけないでしょうか」
クーデンベルグ公爵はもうリカルドが言いはじめる前からニヤニヤしていたのだが、その言葉を聞くと嬉しそうに万歳をした。
「よかった、よかった! あのクズ王太子に散々イライラしていたところだったのだ! うちの娘ばっかり不幸な目に遭っていると神に文句を言おうと思っていた! ざまあみろ、神は見捨てなかった!」
「お父様、言い方……」
メリーウェザーがそっと父を窘める。
が、急にクーデンベルグ公爵は真面目な顔になって、
「しかし、リカルド殿、本当にうちの娘でいいんですかな? 流されやすそうに見えるわりには、わりかし性格は強めですぞ」
と念を押す。
リカルドは笑顔でゆったりと首を振った。
「私は彼女の逆境で挫けないところに惹かれたので」
「ふむ、なんだかんだへこたれないところはあるかな……」
とクーデンベルグ公爵はあごを撫でながらぶつぶつと相槌を打とうとしたとき、待ちきれないメリーウェザーが口を挟んだ。
「そういうのはもういいから。ねえ、お父様、結婚は認めてくださるわよね?」
クーデンベルグ公爵はせっかちのメリーウェザーに苦笑した。
「私に許可を? あんなに人前で堂々と宣言しておいて?」
メリーウェザーは赤くなった。
クーデンベルグ公爵は両腕を組んだ。
「クズ男にひどい目に遭ってたいへんだったろうから、今回はおまえの好きな通りにさせてやろうと思っている。リカルド殿、娘を頼みますよ」
リカルドは微笑み、メリーウェザーの肩に手を乗せた。
「ええ、頼まれますよ。海の発展にご尽力ください」
「何よ、結局政略結婚なの!?」
メリーウェザーが抗議の声をあげる。
それをリカルド殿下がそっと制した。
「いいや、私たちの愛が海上の友好関係を結ぶのさ」
「なんじゃそりゃ」
メリーウェザーは突っ込んで見せたが、まあそれも悪くないかもと思って、にっこりとリカルドに微笑みかけた。
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