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5.海竜殿下の一癖ありそうな婚約者 前編
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リカルドは日々相変わらず忙しくしていたが、ごくたまにメリーウェザーを視察などにも同行させてくれ、メリーウェザーが見聞を広げるのに大いに貢献してくれたりした。
メリーウェザーの方も少しずつ海竜の国に慣れてきたし、勉強を進めることで少しずつ自信を取り戻してきたし、リカルドの優しさのおかげで婚約者に殺されかけたショックなどが少しずつ薄らいでいくのを感じていた。
そんなある日。
突然、リカルドがこんなこと聞いていいのかと迷った口ぶりで聞いた。
「メリーウェザー、今日は王宮の定例舞踏会があるんだ。私の客人だから君も来ても良いかと思うのだが。君の国の舞踏会とは勝手が違うかもしれないけど。君のダンスを見てみたいと思ってね」
「え、いいんですか? リカルド殿下、私と踊ってくださいます?」
メリーウェザーは顔をパーっと輝かせた。
メリーウェザーもリカルド殿下と踊ってみたいと思っていたのだ。
メリーウェザーは心の中でガッツポーズをとった。
リカルドは思わず口元を手で覆った。
「う。そんなに素直に喜ばれると、ちょっと可愛すぎる」
「リカルド殿下?」
メリーウェザーは舞踏会に期待するワクワクした目をリカルドに向ける。
リカルドはハッとした。
「あ、いや。何でもない。分かった、じゃあぜひ舞踏会に出席してくれ。ドレスは準備させよう」
「あ、リカルド殿下はどんな色がお好きですか?」
「え?」
「いやー、せっかくですもの。リカルド殿下の好みのドレスで参加しますよ」
メリーウェザーはウキウキで舞い上がっていたので、自分のちょっと馴れ馴れしい発言に気付いていなかった。
リカルドは「ふむ?」と考えた。
自分の好み? どんな女性を好ましく思ったっけ?
よく分からない。でも、けっこう真面目な出で立ちの女性の方が好きだ。
リカルドが返答に困って言葉が出てこないので、メリーウェザーは悪戯っぽい目をした。
「いいですよ。リカルド殿下。では私がリカルド殿下の好みを当てて見せましょう。楽しみにしててくださいまし」
リカルドはメリーウェザーの発言に驚いていた。
こんなことを言う娘だったか?
でも同時に少しほっとしてもいた。
こんなことを言えるということは、少しは傷が癒えたのかもしれないから。
だからリカルドはメリーウェザーの煽ったセリフを甘んじて受け入れ、
「ああ、楽しみにしているよ」
とにっこり笑って答えた。
さて舞踏会の時間になった。
昼間は忙しく公務に明け暮れていたリカルド殿下だったし、メリーウェザーの方はメリーウェザーの方で、ウォルトン秘書官の監視下で勉強していたのだが、めいめい舞踏会の準備を終えて顔を突き合わせてみると、二人ともお互いの姿に目を見張るばかりだった。
初めて見るリカルドの正装は、本当に美しかった。
仕立ての良い衣装はけっして派手ではなかったが、存在感を放っていた。リカルドの『族長』としての威厳をとても納得させるものだったのだ。
そして、メリーウェザーの方は。
初めて袖を通す海竜国のドレスに心が浮き立っていた。
もちろん新しく仕立てる暇はなかったから、リカルドの親族の衣装を手直しして着ているのだが、暖海を思わせる独特の刺繡がとっても新鮮で、メリーウェザーの心を明るくしてくれているのだ。
それは、たいへん作りの細やかな清楚なドレスだった。
リカルドはあまりのメリーウェザーの佇まいに、無防備に褒めざるを得なかった。
「可愛い人だと思ってはいたが、その衣装もよく似合っている」
「でしょう?」
メリーウェザーも無邪気に微笑んだ。
「リカルド殿下はきっと少し落ち着いた印象のドレスの方が好みだと思ったの。想像してみたのよね。どんな人が隣に立ったらお似合いかなって」
リカルドはメリーウェザーが自分の好みを分かってくれたことに少し嬉しい気持ちになった。
そして吸い込まれるようにメリーウェザーに近づくと手を取った。
「エスコートさせてくれるかい?」
「は、はい!」
メリーウェザーは心臓が飛び出るかと思った。
リカルド殿下の好みを想像しているとどうしてもリカルド殿下のことを考えてしまい、何だかときめく気持ちが増長されてしまったような気がしている。
つい最近まで婚約者がいた分際で、自分でもあさましいと思うけど。
でも……これはきっと、違うわ。心理学的に何か名前がついているような現象なんだと思うの。何もかも失った人間が誰かに保護されたとき、その安心感から保護者に好意を抱くのは、きっと普通のことなんだと思うのよね。
この気持ちも、きっとそれと一緒なんだと思うの。リカルド殿下は美形でいらっしゃるから、よけいに好意を持ちやすいはずだわ!
でも、メリーウェザーは最近はもう、この気持ちに積極的に乗っかろうとまで思っている。
だって、こうしてリカルド殿下のことを考えていると楽しい。
存在を否定され居場所がない絶望の淵では、楽しいという気持ちが何よりの希望になる……ような気がするから。
リカルドの方も何か緊張しているのか、メリーウェザーをエスコートしながら言葉少なだった。
肩に力が入っていて少し不自然だったのだろう。
メリーウェザーとリカルドは何か特別な関係のように見えた。
二人が王宮の定例舞踏会に到着すると、すでに会場は人込みで溢れかえり賑やかだった。
定例舞踏会ということで、族長のリカルドがいなくても、舞踏会はつつがなく進行しているようだ。
しかしさすがにリカルドが足を踏み入れると、たくさんの海竜族の人がこちらに目をやった。
「あ、リカルド殿下がいらっしゃったわ」
「相変わらず素敵でいらっしゃるわね」
「あら、でも隣のお嬢さんは?」
「まあ、いったい誰を連れていらっしゃるの?」
「大丈夫よ、あのお嬢さん、なんか変。あれは海竜族ではないわ。リカルド殿下が保護したという噂のヒトじゃないかしら」
「ああ納得だわ。婚約者のガーネット様をエスコートせず、別の女性をエスコートするなんて、あのリカルド殿下に限ってありませんものね」
周囲の噂話を聞きかじって、メリーウェザーはぎょっとした。
え!? リカルド殿下に婚約者!?
そんなの、そんなの聞いてない! 確かに私からは聞かなかったけれども!
メリーウェザーは目の前が真っ暗になった気がした。
吐き気がする。
何を浮かれていたの、メリーウェザー? そもそも私は土俵になんか立ってなかったんだわ。だってリカルド殿下には婚約者が……。あの真面目なリカルド殿下が婚約者をないがしろにするはずがないもの。
でもこれでよいのよ、メリーウェザー。自分にだって婚約者がいたでしょ。気を乗り換えるなんて早すぎるじゃない。そんな尻軽をリカルド殿下は軽蔑するでしょうし。
当たり前、当たり前のこと……。
メリーウェザーが必死に心の中で自分を落ち着かせようとしていると、
「メリーウェザー?」
とリカルドが心配そうにメリーウェザーの顔を覗き込んだ。
「どうかしたか、何か顔色が悪いような」
「あ、いえ……」
メリーウェザーはリカルドを直視できず顔を背ける。
リカルドは少しメリーウェザーの扱いに困ったようだった。
誘うべきかそっとしておくべきか迷いながら、そっと言った。
「ダンスでもしようか?」
「あ、いえ……。今はそんな気分ではないので……」
メリーウェザーは固辞した。
リカルドが余計に困惑した顔をする。
メリーウェザーは自己嫌悪に陥った。
リカルド殿下を困らせてしまった。
でも……でも……。婚約者がいる人と、こんな気持ちでダンスなんかできない。
そ、そりゃ、他人行儀にすればいいだけなのだけど、だけど……。
「大丈夫か? なんか変だよ」
リカルドはまだメリーウェザーを心配してくれる。
そうしてメリーウェザーの手を取ろうとしたリカルドをメリーウェザーは振り払った。
「す、すみません……!」
リカルドは振り払われた腕をもう一度伸ばしかけ、そして「嫌がっているなら」と思い留めた。
リカルドの腕が不自然に宙を漂った。
その様子を、一人の海竜族の女が見ていた。
リカルドの婚約者のガーネットだ。
メリーウェザーの方も少しずつ海竜の国に慣れてきたし、勉強を進めることで少しずつ自信を取り戻してきたし、リカルドの優しさのおかげで婚約者に殺されかけたショックなどが少しずつ薄らいでいくのを感じていた。
そんなある日。
突然、リカルドがこんなこと聞いていいのかと迷った口ぶりで聞いた。
「メリーウェザー、今日は王宮の定例舞踏会があるんだ。私の客人だから君も来ても良いかと思うのだが。君の国の舞踏会とは勝手が違うかもしれないけど。君のダンスを見てみたいと思ってね」
「え、いいんですか? リカルド殿下、私と踊ってくださいます?」
メリーウェザーは顔をパーっと輝かせた。
メリーウェザーもリカルド殿下と踊ってみたいと思っていたのだ。
メリーウェザーは心の中でガッツポーズをとった。
リカルドは思わず口元を手で覆った。
「う。そんなに素直に喜ばれると、ちょっと可愛すぎる」
「リカルド殿下?」
メリーウェザーは舞踏会に期待するワクワクした目をリカルドに向ける。
リカルドはハッとした。
「あ、いや。何でもない。分かった、じゃあぜひ舞踏会に出席してくれ。ドレスは準備させよう」
「あ、リカルド殿下はどんな色がお好きですか?」
「え?」
「いやー、せっかくですもの。リカルド殿下の好みのドレスで参加しますよ」
メリーウェザーはウキウキで舞い上がっていたので、自分のちょっと馴れ馴れしい発言に気付いていなかった。
リカルドは「ふむ?」と考えた。
自分の好み? どんな女性を好ましく思ったっけ?
よく分からない。でも、けっこう真面目な出で立ちの女性の方が好きだ。
リカルドが返答に困って言葉が出てこないので、メリーウェザーは悪戯っぽい目をした。
「いいですよ。リカルド殿下。では私がリカルド殿下の好みを当てて見せましょう。楽しみにしててくださいまし」
リカルドはメリーウェザーの発言に驚いていた。
こんなことを言う娘だったか?
でも同時に少しほっとしてもいた。
こんなことを言えるということは、少しは傷が癒えたのかもしれないから。
だからリカルドはメリーウェザーの煽ったセリフを甘んじて受け入れ、
「ああ、楽しみにしているよ」
とにっこり笑って答えた。
さて舞踏会の時間になった。
昼間は忙しく公務に明け暮れていたリカルド殿下だったし、メリーウェザーの方はメリーウェザーの方で、ウォルトン秘書官の監視下で勉強していたのだが、めいめい舞踏会の準備を終えて顔を突き合わせてみると、二人ともお互いの姿に目を見張るばかりだった。
初めて見るリカルドの正装は、本当に美しかった。
仕立ての良い衣装はけっして派手ではなかったが、存在感を放っていた。リカルドの『族長』としての威厳をとても納得させるものだったのだ。
そして、メリーウェザーの方は。
初めて袖を通す海竜国のドレスに心が浮き立っていた。
もちろん新しく仕立てる暇はなかったから、リカルドの親族の衣装を手直しして着ているのだが、暖海を思わせる独特の刺繡がとっても新鮮で、メリーウェザーの心を明るくしてくれているのだ。
それは、たいへん作りの細やかな清楚なドレスだった。
リカルドはあまりのメリーウェザーの佇まいに、無防備に褒めざるを得なかった。
「可愛い人だと思ってはいたが、その衣装もよく似合っている」
「でしょう?」
メリーウェザーも無邪気に微笑んだ。
「リカルド殿下はきっと少し落ち着いた印象のドレスの方が好みだと思ったの。想像してみたのよね。どんな人が隣に立ったらお似合いかなって」
リカルドはメリーウェザーが自分の好みを分かってくれたことに少し嬉しい気持ちになった。
そして吸い込まれるようにメリーウェザーに近づくと手を取った。
「エスコートさせてくれるかい?」
「は、はい!」
メリーウェザーは心臓が飛び出るかと思った。
リカルド殿下の好みを想像しているとどうしてもリカルド殿下のことを考えてしまい、何だかときめく気持ちが増長されてしまったような気がしている。
つい最近まで婚約者がいた分際で、自分でもあさましいと思うけど。
でも……これはきっと、違うわ。心理学的に何か名前がついているような現象なんだと思うの。何もかも失った人間が誰かに保護されたとき、その安心感から保護者に好意を抱くのは、きっと普通のことなんだと思うのよね。
この気持ちも、きっとそれと一緒なんだと思うの。リカルド殿下は美形でいらっしゃるから、よけいに好意を持ちやすいはずだわ!
でも、メリーウェザーは最近はもう、この気持ちに積極的に乗っかろうとまで思っている。
だって、こうしてリカルド殿下のことを考えていると楽しい。
存在を否定され居場所がない絶望の淵では、楽しいという気持ちが何よりの希望になる……ような気がするから。
リカルドの方も何か緊張しているのか、メリーウェザーをエスコートしながら言葉少なだった。
肩に力が入っていて少し不自然だったのだろう。
メリーウェザーとリカルドは何か特別な関係のように見えた。
二人が王宮の定例舞踏会に到着すると、すでに会場は人込みで溢れかえり賑やかだった。
定例舞踏会ということで、族長のリカルドがいなくても、舞踏会はつつがなく進行しているようだ。
しかしさすがにリカルドが足を踏み入れると、たくさんの海竜族の人がこちらに目をやった。
「あ、リカルド殿下がいらっしゃったわ」
「相変わらず素敵でいらっしゃるわね」
「あら、でも隣のお嬢さんは?」
「まあ、いったい誰を連れていらっしゃるの?」
「大丈夫よ、あのお嬢さん、なんか変。あれは海竜族ではないわ。リカルド殿下が保護したという噂のヒトじゃないかしら」
「ああ納得だわ。婚約者のガーネット様をエスコートせず、別の女性をエスコートするなんて、あのリカルド殿下に限ってありませんものね」
周囲の噂話を聞きかじって、メリーウェザーはぎょっとした。
え!? リカルド殿下に婚約者!?
そんなの、そんなの聞いてない! 確かに私からは聞かなかったけれども!
メリーウェザーは目の前が真っ暗になった気がした。
吐き気がする。
何を浮かれていたの、メリーウェザー? そもそも私は土俵になんか立ってなかったんだわ。だってリカルド殿下には婚約者が……。あの真面目なリカルド殿下が婚約者をないがしろにするはずがないもの。
でもこれでよいのよ、メリーウェザー。自分にだって婚約者がいたでしょ。気を乗り換えるなんて早すぎるじゃない。そんな尻軽をリカルド殿下は軽蔑するでしょうし。
当たり前、当たり前のこと……。
メリーウェザーが必死に心の中で自分を落ち着かせようとしていると、
「メリーウェザー?」
とリカルドが心配そうにメリーウェザーの顔を覗き込んだ。
「どうかしたか、何か顔色が悪いような」
「あ、いえ……」
メリーウェザーはリカルドを直視できず顔を背ける。
リカルドは少しメリーウェザーの扱いに困ったようだった。
誘うべきかそっとしておくべきか迷いながら、そっと言った。
「ダンスでもしようか?」
「あ、いえ……。今はそんな気分ではないので……」
メリーウェザーは固辞した。
リカルドが余計に困惑した顔をする。
メリーウェザーは自己嫌悪に陥った。
リカルド殿下を困らせてしまった。
でも……でも……。婚約者がいる人と、こんな気持ちでダンスなんかできない。
そ、そりゃ、他人行儀にすればいいだけなのだけど、だけど……。
「大丈夫か? なんか変だよ」
リカルドはまだメリーウェザーを心配してくれる。
そうしてメリーウェザーの手を取ろうとしたリカルドをメリーウェザーは振り払った。
「す、すみません……!」
リカルドは振り払われた腕をもう一度伸ばしかけ、そして「嫌がっているなら」と思い留めた。
リカルドの腕が不自然に宙を漂った。
その様子を、一人の海竜族の女が見ていた。
リカルドの婚約者のガーネットだ。
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