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【宝石少年と芸術の国】
愛し残された者たちへの裁き
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部屋全体を包んでいた虹の光が徐々に小さくなり、やがて手の平で転がる【ルルの石】の中に収まった。誰も何も言わない、呼吸すら聞こえない静かな中、ポタポタと音がする。明るい灰色の瞳から、大粒の涙が【ルルの石】に落ちる音だ。
全部、全部思い出した。母との別れも、彼女の虚ろな目も。
光の影響を受けたせいか、この部屋に居る全員が記憶を見た。視界を持たないルルは、音を聞いている。あまりにも想像できなかった過去だ。沈黙を破ったのは、両手の拳を握りしめるジオード。
「……お前の人称や言動を男に似せたのは……言い寄る男を少なくするためだ」
ビジュエラでは、同性の愛は珍しくない。それでも見た目のいい少女は、荒くれ者に狙われやすい。
だからジオードは、ルルがアルナイトの性別を当て、それを口止めしたのだ。これがジオードにできる、最大限の守り方だった。これ以外、あの頃は考えられなかった。
「……ルル。俺への罰を、決めてくれ」
全員がルルを見る。視線は不安で染められているが、ジオードからのものだけ違った。それは渇望。ルルはなぜかふふっと笑ったような息を吐く。そして、ジオードだけに言った。
『貴方は、ずるい人だ』
「何……?」
思わずポツリと零した疑問に、ルルは答えない。その代わり、アルナイトの涙を指で拭って優しく言った。
『アルナイト、君が裁いて』
「え……っ?」
「な、どういう事だ……!」
驚きの声を上げたのはアルナイトとジオードだけだったが、残りのみんなも驚愕を顔に浮かべている。冗談を言っているわけではない。至って真面目なのが、頭に響いたルルの声色と真っ直ぐな目でよく分かる。
アルナイトは、ルルが「裁くのは僕じゃない」と言っていたのを思い出す。しかし、丸投げをする意図が分からない。するとルルは平然と言った。
『貴方の罪に、僕は関係ない』
「る、ルル様、一体どういう事ですか?」
みんな呆気に取られる中、堪らずリッテが全員の胸の内を代弁する。それまでアルナイトの隣に座っていたルルは腰を上げ、声を上げたリッテたちに振り返る。
『何も変な事は、言っていない。この罪は、アルナイトとサファイア、そしてジオード3人のもの。そこに、世界の王だからと言って、関わっていない僕が、口を出すのは違う。正しい罰ではない』
言っている事は分かる。しかし前代未聞もいいところだ。一体どこに、裁きの権利を一般人に与える世界の王が居るのか。
『ジオードが今、犯したものは、どうでもいい。必要なのは、今に繋がった罰の根源の、解消。そうでなければ、意味がない』
ルルだって、無責任に言ったわけではない。彼は世界の王として扱われるのを嫌がるが、この旅を通して経験を王の審判に活かしている。ただこれまでの世界の王がどうやったかなんて、気にも留めないだけ。
これまでの王ではきっと、目の前の悪意を裁くだけだっただろう。しかしルルには心がある。全ての生き物に可能性と敬意を持っている。だからこの判断に至った。
ルルは、ジオードに何を言い渡せばいいか分かっている。しかしそれを言うのは、アルナイトでなければならないのだ。
『それに貴方は、僕からひどい罰を……たとえば、命に関わるような、凄惨なものを、望んだしょう?』
ジオードは図星を突かれ、うっと表情を顰めると「罰はそういうものだろ」と、不服そうに呟いた。するとルルはゆっくり首を横に振る。
『罰は……裁きと言うのは、償いではある。けれど、その人を終わりにさせない、ためのもの。貴方は、過ちを犯した。ならば、もう間違えないよう、新しく道を作ればいい』
アウィンはそこで気づく。以前の国での敵も、シナバーにもルルは必ず忠告をしていた事に。引き戻せる猶予を、必ず与えている。
ずっと考えていた。裁きとは何かを。先を失う絶望である死は、どんな悪党でもその命への冒涜だ。これは多くの人々とは違う思考だろう。ルルはあくまでも、全員を平等に見ているのだ。きっとジオードがあのまま崖の上から終わっていれば、そのまま何もしなかっただろう。ただ、残念だと思うだけだ。しかし彼は手を取った。だからこの選択肢が続いた。そしてそれを壊さないのは、アルナイトだけだ。
ルルは少し汗ばんだアルナイトの手に、そっと薄青い手を添える。まるで囁くように身を寄せて、彼女だけに言った。
『君はジオードに、何を望む? 心の中で、思った事を言えばいい』
裁きというのは、サファイアのように断罪を意味するかとばかり、思っていた。しかしそうではないと、ルルが教えてくれた。彼を、自分を信じて頷く。さっきまで手は震えていたが、すっかり治っている。
アルナイトは両手で、そっとジオードの手を包んだ。その時、僅かにピクリと反応する。
「母様、ひどいよね」
「……は?」
「オレたちを置いて行っちゃってさ!」
突然の文句は予想外で、ルル以外ポカンとしている。ジオードの手を握る彼女の両手は、怒りにぎゅうっと力がこもった。
「あんな狭いトコ、閉じ込めてさ。おかげでオレ、夜怖くなっちゃったじゃんか! あのまま部屋じゃなくて、外に出てたらさ……そしたらきっと……違ってたのかな」
「……、……」
ふっと手の力が弱まると同時に、アルナイトの文句は徐々に小さくなっていった。やがて言葉が終わり、ジオードは答えられずにいる。しかし、逸らすように手元に落としていた視線を彼女へ上げれば、少し寂しそうに微笑んでいた。
「でも……オレもたぶん、そうしたと思う」
ジオードはその弱々しい言葉に、濁った白い目を丸くした。アルナイトは彼にぎゅっと抱きつく。
「先生もでしょ? 母様ったら、ほんとひどいよ。オレたちを愛しっぱなしで、行っちゃったんだ」
「……そう、だな」
「でもオレ、母様の事も先生の事も大好きなままだよ」
「俺を恨まないのか。記憶を奪って、何も教えずに育てたんだぞ」
「先生の意地悪。今は、母様の気持ちも分かるし、先生の気持ちも分かる。だから恨んでなんかないよ」
「また、夢を見るぞ。俺は……」
ジオードはアルナイトの背中に回した手で、ぐっと服を握りしめる。そして、初めて感情を隠す事なく、苦しさに顔を歪めた。
「俺は、お前が心配で心配でたまらない……! いつもいつも、お前が怪我をして帰ってくれば肝を冷やす。いつかまた、奴らのようにお前の目を欲しがる奴が来るかもしれない。そうなったら、俺はもう守れない……っ」
魔力を持つ人間は本来、持たない者に比べると長寿だ。しかしそれは長い樹明の中、魔力を保ち続けられるから。一度に多く消費しすぎると、他の人間に比べて体が弱くなる。ジオードは国を一つ滅ぼした。目の濁りはその影響を受けている。
もうあの力は使えない。残り、きっと十数年もないだろう。そんな状態で、アルナイトを守る事はできない。するとアルナイトはムッとし、体を離すとジオードの顔を少し強く両手で包んだ。
「むぐっ」
「先生、よく見て!」
アルナイトはジオードをじっと見つめる。明るい灰色の瞳はまだ涙で濡れているが、それでも芯の強さを感じた。ああ、この子はこんな目をできたのか。涙で揺れているのは同じなのに、あの頃とは比べ物にならない。今までも、こんな表情をしていたのか?
アルナイトは呆然としているジオードに、にかっと笑う。
「やっと目が合った」
これまでジオードは、不器用なりにもアルナイトに接してきた。きちんと、彼女が愛を感じるくらいには。しかしその記憶の中に、目が合った瞬間はほとんど無かった。記憶を奪った事、自分だけが覚えているアルナイトの姿に、後ろめたかったのだろう。こんな庇い合いが、家族と言っていいのだろうか。
「オレ、もう1人で立てるよ」
そう言うアルナイトの表情は、まるでサファイアのような優しい微笑み。
「先生に引っ張ってもらわなくっても、平気になったんだよ」
それはきっと、記憶を持ったままではダメだった。今の生活があったからこその今がある。フロゥやマリン、ファルベ、そしてアルティアルの人々と出会い、交流し、少しずつ記憶の奥底にあった深い傷を癒していったのだ。
「でもさ、オレの性格、よく分かってるでしょ? 先生も隣に居ないと、強くなれない」
ジオードがそうであったように、アルナイトもまた、彼が居るからこそ立っていられた。笑う事ができた。夢を持つ事ができた。
「先生、ずっとオレを守ってくれて、ありがとう。独りにしてごめんね。今度はオレが、先生を守るよ。だからまた……ううん、今度こそ、本当の家族になって」
もう寄りかかるだけじゃない。ジオードに引かれるのではなく、ちゃんと手を繋いで、一緒に道を歩く。
ジオードは肩から力が抜ける感覚を味わった気がした。引き際だと思っていた。しかしそうじゃない。もう無理をして、怯えて暮らさなくていいのか。本当にもう、ただの家族になっていいのか。残されるのは、目が見えなくなって、体も弱っていく未来。これまでは散々、見えない足枷だった。もちろんそれが治ったわけではない。それなのに、今はどうしてか不安にならない。
「……生意気言いおって」
「えっ」
「大きく、強くなったんだな。こんなおいぼれ…………隣に置いて、後悔しても知らんぞ」
ジオードは久しぶりに、眉間にシワを寄せずに仕方なさそうに笑った。アルナイトは嬉しさのあまり、再び彼へぶつかるように抱き付く。これがジオードへの裁き。愛という呪いの先を行くための、新たな道標。
全部、全部思い出した。母との別れも、彼女の虚ろな目も。
光の影響を受けたせいか、この部屋に居る全員が記憶を見た。視界を持たないルルは、音を聞いている。あまりにも想像できなかった過去だ。沈黙を破ったのは、両手の拳を握りしめるジオード。
「……お前の人称や言動を男に似せたのは……言い寄る男を少なくするためだ」
ビジュエラでは、同性の愛は珍しくない。それでも見た目のいい少女は、荒くれ者に狙われやすい。
だからジオードは、ルルがアルナイトの性別を当て、それを口止めしたのだ。これがジオードにできる、最大限の守り方だった。これ以外、あの頃は考えられなかった。
「……ルル。俺への罰を、決めてくれ」
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「何……?」
思わずポツリと零した疑問に、ルルは答えない。その代わり、アルナイトの涙を指で拭って優しく言った。
『アルナイト、君が裁いて』
「え……っ?」
「な、どういう事だ……!」
驚きの声を上げたのはアルナイトとジオードだけだったが、残りのみんなも驚愕を顔に浮かべている。冗談を言っているわけではない。至って真面目なのが、頭に響いたルルの声色と真っ直ぐな目でよく分かる。
アルナイトは、ルルが「裁くのは僕じゃない」と言っていたのを思い出す。しかし、丸投げをする意図が分からない。するとルルは平然と言った。
『貴方の罪に、僕は関係ない』
「る、ルル様、一体どういう事ですか?」
みんな呆気に取られる中、堪らずリッテが全員の胸の内を代弁する。それまでアルナイトの隣に座っていたルルは腰を上げ、声を上げたリッテたちに振り返る。
『何も変な事は、言っていない。この罪は、アルナイトとサファイア、そしてジオード3人のもの。そこに、世界の王だからと言って、関わっていない僕が、口を出すのは違う。正しい罰ではない』
言っている事は分かる。しかし前代未聞もいいところだ。一体どこに、裁きの権利を一般人に与える世界の王が居るのか。
『ジオードが今、犯したものは、どうでもいい。必要なのは、今に繋がった罰の根源の、解消。そうでなければ、意味がない』
ルルだって、無責任に言ったわけではない。彼は世界の王として扱われるのを嫌がるが、この旅を通して経験を王の審判に活かしている。ただこれまでの世界の王がどうやったかなんて、気にも留めないだけ。
これまでの王ではきっと、目の前の悪意を裁くだけだっただろう。しかしルルには心がある。全ての生き物に可能性と敬意を持っている。だからこの判断に至った。
ルルは、ジオードに何を言い渡せばいいか分かっている。しかしそれを言うのは、アルナイトでなければならないのだ。
『それに貴方は、僕からひどい罰を……たとえば、命に関わるような、凄惨なものを、望んだしょう?』
ジオードは図星を突かれ、うっと表情を顰めると「罰はそういうものだろ」と、不服そうに呟いた。するとルルはゆっくり首を横に振る。
『罰は……裁きと言うのは、償いではある。けれど、その人を終わりにさせない、ためのもの。貴方は、過ちを犯した。ならば、もう間違えないよう、新しく道を作ればいい』
アウィンはそこで気づく。以前の国での敵も、シナバーにもルルは必ず忠告をしていた事に。引き戻せる猶予を、必ず与えている。
ずっと考えていた。裁きとは何かを。先を失う絶望である死は、どんな悪党でもその命への冒涜だ。これは多くの人々とは違う思考だろう。ルルはあくまでも、全員を平等に見ているのだ。きっとジオードがあのまま崖の上から終わっていれば、そのまま何もしなかっただろう。ただ、残念だと思うだけだ。しかし彼は手を取った。だからこの選択肢が続いた。そしてそれを壊さないのは、アルナイトだけだ。
ルルは少し汗ばんだアルナイトの手に、そっと薄青い手を添える。まるで囁くように身を寄せて、彼女だけに言った。
『君はジオードに、何を望む? 心の中で、思った事を言えばいい』
裁きというのは、サファイアのように断罪を意味するかとばかり、思っていた。しかしそうではないと、ルルが教えてくれた。彼を、自分を信じて頷く。さっきまで手は震えていたが、すっかり治っている。
アルナイトは両手で、そっとジオードの手を包んだ。その時、僅かにピクリと反応する。
「母様、ひどいよね」
「……は?」
「オレたちを置いて行っちゃってさ!」
突然の文句は予想外で、ルル以外ポカンとしている。ジオードの手を握る彼女の両手は、怒りにぎゅうっと力がこもった。
「あんな狭いトコ、閉じ込めてさ。おかげでオレ、夜怖くなっちゃったじゃんか! あのまま部屋じゃなくて、外に出てたらさ……そしたらきっと……違ってたのかな」
「……、……」
ふっと手の力が弱まると同時に、アルナイトの文句は徐々に小さくなっていった。やがて言葉が終わり、ジオードは答えられずにいる。しかし、逸らすように手元に落としていた視線を彼女へ上げれば、少し寂しそうに微笑んでいた。
「でも……オレもたぶん、そうしたと思う」
ジオードはその弱々しい言葉に、濁った白い目を丸くした。アルナイトは彼にぎゅっと抱きつく。
「先生もでしょ? 母様ったら、ほんとひどいよ。オレたちを愛しっぱなしで、行っちゃったんだ」
「……そう、だな」
「でもオレ、母様の事も先生の事も大好きなままだよ」
「俺を恨まないのか。記憶を奪って、何も教えずに育てたんだぞ」
「先生の意地悪。今は、母様の気持ちも分かるし、先生の気持ちも分かる。だから恨んでなんかないよ」
「また、夢を見るぞ。俺は……」
ジオードはアルナイトの背中に回した手で、ぐっと服を握りしめる。そして、初めて感情を隠す事なく、苦しさに顔を歪めた。
「俺は、お前が心配で心配でたまらない……! いつもいつも、お前が怪我をして帰ってくれば肝を冷やす。いつかまた、奴らのようにお前の目を欲しがる奴が来るかもしれない。そうなったら、俺はもう守れない……っ」
魔力を持つ人間は本来、持たない者に比べると長寿だ。しかしそれは長い樹明の中、魔力を保ち続けられるから。一度に多く消費しすぎると、他の人間に比べて体が弱くなる。ジオードは国を一つ滅ぼした。目の濁りはその影響を受けている。
もうあの力は使えない。残り、きっと十数年もないだろう。そんな状態で、アルナイトを守る事はできない。するとアルナイトはムッとし、体を離すとジオードの顔を少し強く両手で包んだ。
「むぐっ」
「先生、よく見て!」
アルナイトはジオードをじっと見つめる。明るい灰色の瞳はまだ涙で濡れているが、それでも芯の強さを感じた。ああ、この子はこんな目をできたのか。涙で揺れているのは同じなのに、あの頃とは比べ物にならない。今までも、こんな表情をしていたのか?
アルナイトは呆然としているジオードに、にかっと笑う。
「やっと目が合った」
これまでジオードは、不器用なりにもアルナイトに接してきた。きちんと、彼女が愛を感じるくらいには。しかしその記憶の中に、目が合った瞬間はほとんど無かった。記憶を奪った事、自分だけが覚えているアルナイトの姿に、後ろめたかったのだろう。こんな庇い合いが、家族と言っていいのだろうか。
「オレ、もう1人で立てるよ」
そう言うアルナイトの表情は、まるでサファイアのような優しい微笑み。
「先生に引っ張ってもらわなくっても、平気になったんだよ」
それはきっと、記憶を持ったままではダメだった。今の生活があったからこその今がある。フロゥやマリン、ファルベ、そしてアルティアルの人々と出会い、交流し、少しずつ記憶の奥底にあった深い傷を癒していったのだ。
「でもさ、オレの性格、よく分かってるでしょ? 先生も隣に居ないと、強くなれない」
ジオードがそうであったように、アルナイトもまた、彼が居るからこそ立っていられた。笑う事ができた。夢を持つ事ができた。
「先生、ずっとオレを守ってくれて、ありがとう。独りにしてごめんね。今度はオレが、先生を守るよ。だからまた……ううん、今度こそ、本当の家族になって」
もう寄りかかるだけじゃない。ジオードに引かれるのではなく、ちゃんと手を繋いで、一緒に道を歩く。
ジオードは肩から力が抜ける感覚を味わった気がした。引き際だと思っていた。しかしそうじゃない。もう無理をして、怯えて暮らさなくていいのか。本当にもう、ただの家族になっていいのか。残されるのは、目が見えなくなって、体も弱っていく未来。これまでは散々、見えない足枷だった。もちろんそれが治ったわけではない。それなのに、今はどうしてか不安にならない。
「……生意気言いおって」
「えっ」
「大きく、強くなったんだな。こんなおいぼれ…………隣に置いて、後悔しても知らんぞ」
ジオードは久しぶりに、眉間にシワを寄せずに仕方なさそうに笑った。アルナイトは嬉しさのあまり、再び彼へぶつかるように抱き付く。これがジオードへの裁き。愛という呪いの先を行くための、新たな道標。
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