192 / 210
【宝石少年と芸術の国】
彼だけの駒
しおりを挟む
ルルは玄関までアルナイトを見送り、アウィンの手を借りてソファに戻った。すると、リッテが声を顰めるようにして、懐からひと欠片の岩を取り出す。匂いからして、アルティアルの土台となっている鉱石の一部だと分かる。
「宝というのは……もしや金の事ではないかと」
「金ですって?」
「ああ。この鉱石の成分の中に、金を生成できるものが含まれている」
リッテはルルから宝について聞かれた日から、気になって仕方なく、ずっと探っていた。最初はアヴィダンの尾行もしたそうだが、商人としての顔しか見られない。他と言えば、ただ何かを探している事くらいだ。
だから自分で考えた。人間が宝と称するならば、真っ先にルナーが浮かぶ。だがルナーは人工石で、アヴィダンの探すという行動には繋がらない。それでもルナー関連で考えるとすれば、変換できる高価な鉱石。
「そこでこの土地の鉱石に目を向けました。少し珍しい石でしたので。口に入れて感じる成分は、間違いなく金を生成するものが含まれている。ルル様のご意見を頂きたくて……」
『うん、金だよ』
あっさりとした即答に、リッテとアウィンは顔を見合わせる。この鉱石からは金を生成する成分があるが、香りまではしない。しかしルルは食べて確かめる事もしない。
ルルはアルティアルを守るため、2人も知っておいていいだろうと、穴を通じた洞窟での出来事を語った。2人は、アルティアルを支えるのが金でできた大木だと知ると、持って来た石の欠片に思わず視線を落とす。そんな大量な金にも驚きだが、思った以上の大冒険をしていた事にも衝撃だ。
リッテは気が気じゃなさそうに深く息をつく。アウィンにも言われたが、こんなにヤンチャな世界の王は後にも先にもないだろう。まあ無事だったから、小言は言わないでおく。
「やはりあの女神像の下ですか。少し気になっていた場所です」
『あの大木は、長い年月をかけて、アルティアルを生成した。でも僕以外、行く事はできない。万が一のため、 鉱石で塞いだから』
そして現王へ向けての資料も、もうマグマが喰らって存在しない。知っているのはこの3人と、アルナイトだけ。彼女はそう簡単に喋るような人ではない。金について注意すれば、すぐ理解してくれた。
『それに、アルナイトはここを、とても愛している』
「ふむ……まあ、ルル様がそう仰るのなら」
「それに、もう塞いだのでしょう? あと警戒するのは、アヴィダンの行動だけです」
『そうだね』
ルルは穏やかな表情で頷いたあと、虹の目を半分目蓋で隠し、口元に手を添えた。考え込んでいる様子に、アウィンはどうしたのかと首をかしげる。
『2人はもし、欲しいものが手に、できなかったら……どうする?』
「私なら諦めますかね」
「うむ、他を当たるか、別のものに視点を向けますね」
ルルは逡巡するように目を閉じる。アヴィダンの行動は、果たして彼の欲求を満たすために、彼だけが考えたものなのだろうか。混乱を稼ぎ、探すのは作戦としていい。実際、そこにそれ以上の意図はないかもしれない。しかしルルの胸の奥底で何かが引っ掛かっている。これは王による本能だろうか。まだ確信するには早い気がした。
『彼の……アヴィダンの事が、知りたい。リッテ、あるだけでいいから、彼自身の資料が、欲しい』
「承知いたしました。手元にあるだけ、全てお持ちしましょう。しかし何かあっても、今日は行動なさらないでくださいね」
『何故?』
「足の怪我をお忘れですか?」
ルルは「足?」と首をかしげたがすぐ思い出したようにハッとする。重い程度で痛みが無いし、話に集中していてすっかり忘れていた。ちょっと散歩しようとでも思っていたくらいだ。
ルルは足をぷらぷらさせて、小さく『退屈』と呟く。
「王の体は無敵ではないのですよ?」
そんな事分かっている。それでも、ただベッドで休むのなんてもったいない。
ぷくっと頬を膨らませて見せても「そんな顔してもダメです」と、リッテは胸の前で腕組みをした。そんな2人を見ていたアウィンは可笑しそうに笑う。
「ではルル、今日は音楽鑑賞なんていかがですか?」
「?」
「我々の音の審査員になってください。やはり観客が居た方がいい練習となります。手伝ってくれますか?」
ルルは丸い目をパチクリさせ、不服に膨らんだ頬から空気を抜いた。それはとても有意義な時間になりそうだ。ルルは『もちろん』と嬉しそうに頷く。リッテはやれやれと息をつき、腰を上げるとオーアトーン用の椅子に座る。ソファから1人の観客の小さな拍手から、鮮やかな音楽が広がった。
~ ** ~ ** ~
画材屋に寄って少し絵の具を買い足し、アルナイトは工房に帰った。実を言うと、別に絵の具は買わずとも、まだ充分量は残っている。
早く工房に戻って絵の続きを描かないといけないと分かっている。それでも、寄り道する口実が欲しかった。足がこんなに工房に行きたくないと訴えるのは初めてだ。どれだけスランプになっても、いつもすぐに工房に行こうとするのに。
なんだか怖い。いろんな秘密を胸にしまって、いつも通り接する自信がないのだ。もしドアを開けて、フロゥに何かあったら? もし何かをしていたら?
(……ルルがくれたお守りがあるんだ。大丈夫だ。すぐいつものフロゥに戻る。それに、明日ルルが来てくれる)
自分が出来ることは、悔しいが何もない。かろうじて近くで見守る事だけ。何かあれば、必死に意識を逸らす事だけ。
アルナイトは居た堪れなく、珍しくため息を吐く。だがすぐ、気合いを入れるように両頬をパチンと叩いた。
「オレはオレが出来る事を、頑張ってする!」
限られているのなら、それをする。そしてルルに繋ぐのだ。姿勢を正し、工房のドアを開ける。中に入れば、壁に染み込んだ絵の具の匂いが緊張感を少しばかり解いてくれる。
意を決して階段をのぼり、そっと工房に顔を見せた。
「あれ? フロゥ?」
想像していた彼の姿が無かった。道具の買い足しだろうか。しかしこの前買ったばかりだったような気がする。
荷物を入れた袋を自分のスペースに置き、壁で少し区切っているフロゥの場所を覗いた。途中になっている絵には、埃避けの布がかぶさっていて、今日はまだ手をつけていないのだと分かる。
「あ、道具箱開いてる」
重厚で様々な道具が所狭しと並んでいる道具箱。物は多いが、整頓されていて一瞬でどこに求めているのが見つけられる。しかしフロゥにしては不用心だ。
アルナイトは少し迷ったが、失礼して中を見る事にした。もしかしたら、これはフロゥからアヴィダンの道具を隠せるチャンスだから。しかしすぐ彼女は残念そうに肩を落とす。ちょうどその画材だけが持ち出されているのだ。
(っていうか、外に画材って必要か?)
スケッチブックは、棚から1冊も抜かれずきっちり埋まっている。つまりはスケッチをしに行ったわけではないようだ。ではなんのために?
「……大丈夫、だよな?」
きっと大丈夫だ。なんの根拠も無ければ、ただの願いでしかないが。
アルナイトは自分の工房をチラリと見てから、階段を急いで降りた。こんな状況で、自分の作品なんて描けない。彼女はフロゥを探して、外へ駆け出した。
~ ** ~ ** ~
机の上に転がる、小指の爪ほども無い小さな宝石。器もなく、無機質でもまるでこちらを見つめているように見えるのは、きっと元は人形の目となっていたからだろう。この木偶の目は優秀だと、アヴィダンは感心していた。
おかげで有力な情報が手に入った。水晶玉が映す光景に、彼はシワのある小さな目を疑ったものだ。人形の目を通して少し歪んだ、水の中のような映像にはルルとアルナイトが映る。そしてルルが石像を戻す直前に、その手で石を生み出すのも。
アヴィダンは変装していないルルを知らない。ただ服装からして他国民であるのは理解した。そして彼がオリクトの民であり、その石像は彼らにしか開けられない事も。本当に、運がいい。
「ふふふ……これは計画を少し変更させるか」
あそこに、金塊がある。声は残念ながら分からないが、これは長年の勘だ。しかし場所が分かっても、オリクトの民の手が無ければいけない。普通ならこれで諦める事になる。だがアヴィダンには使える『駒』があるのだ。
「また私のために役立ってくれよ」
彼の指が、人形の目を乱暴に弾き飛ばした。
「宝というのは……もしや金の事ではないかと」
「金ですって?」
「ああ。この鉱石の成分の中に、金を生成できるものが含まれている」
リッテはルルから宝について聞かれた日から、気になって仕方なく、ずっと探っていた。最初はアヴィダンの尾行もしたそうだが、商人としての顔しか見られない。他と言えば、ただ何かを探している事くらいだ。
だから自分で考えた。人間が宝と称するならば、真っ先にルナーが浮かぶ。だがルナーは人工石で、アヴィダンの探すという行動には繋がらない。それでもルナー関連で考えるとすれば、変換できる高価な鉱石。
「そこでこの土地の鉱石に目を向けました。少し珍しい石でしたので。口に入れて感じる成分は、間違いなく金を生成するものが含まれている。ルル様のご意見を頂きたくて……」
『うん、金だよ』
あっさりとした即答に、リッテとアウィンは顔を見合わせる。この鉱石からは金を生成する成分があるが、香りまではしない。しかしルルは食べて確かめる事もしない。
ルルはアルティアルを守るため、2人も知っておいていいだろうと、穴を通じた洞窟での出来事を語った。2人は、アルティアルを支えるのが金でできた大木だと知ると、持って来た石の欠片に思わず視線を落とす。そんな大量な金にも驚きだが、思った以上の大冒険をしていた事にも衝撃だ。
リッテは気が気じゃなさそうに深く息をつく。アウィンにも言われたが、こんなにヤンチャな世界の王は後にも先にもないだろう。まあ無事だったから、小言は言わないでおく。
「やはりあの女神像の下ですか。少し気になっていた場所です」
『あの大木は、長い年月をかけて、アルティアルを生成した。でも僕以外、行く事はできない。万が一のため、 鉱石で塞いだから』
そして現王へ向けての資料も、もうマグマが喰らって存在しない。知っているのはこの3人と、アルナイトだけ。彼女はそう簡単に喋るような人ではない。金について注意すれば、すぐ理解してくれた。
『それに、アルナイトはここを、とても愛している』
「ふむ……まあ、ルル様がそう仰るのなら」
「それに、もう塞いだのでしょう? あと警戒するのは、アヴィダンの行動だけです」
『そうだね』
ルルは穏やかな表情で頷いたあと、虹の目を半分目蓋で隠し、口元に手を添えた。考え込んでいる様子に、アウィンはどうしたのかと首をかしげる。
『2人はもし、欲しいものが手に、できなかったら……どうする?』
「私なら諦めますかね」
「うむ、他を当たるか、別のものに視点を向けますね」
ルルは逡巡するように目を閉じる。アヴィダンの行動は、果たして彼の欲求を満たすために、彼だけが考えたものなのだろうか。混乱を稼ぎ、探すのは作戦としていい。実際、そこにそれ以上の意図はないかもしれない。しかしルルの胸の奥底で何かが引っ掛かっている。これは王による本能だろうか。まだ確信するには早い気がした。
『彼の……アヴィダンの事が、知りたい。リッテ、あるだけでいいから、彼自身の資料が、欲しい』
「承知いたしました。手元にあるだけ、全てお持ちしましょう。しかし何かあっても、今日は行動なさらないでくださいね」
『何故?』
「足の怪我をお忘れですか?」
ルルは「足?」と首をかしげたがすぐ思い出したようにハッとする。重い程度で痛みが無いし、話に集中していてすっかり忘れていた。ちょっと散歩しようとでも思っていたくらいだ。
ルルは足をぷらぷらさせて、小さく『退屈』と呟く。
「王の体は無敵ではないのですよ?」
そんな事分かっている。それでも、ただベッドで休むのなんてもったいない。
ぷくっと頬を膨らませて見せても「そんな顔してもダメです」と、リッテは胸の前で腕組みをした。そんな2人を見ていたアウィンは可笑しそうに笑う。
「ではルル、今日は音楽鑑賞なんていかがですか?」
「?」
「我々の音の審査員になってください。やはり観客が居た方がいい練習となります。手伝ってくれますか?」
ルルは丸い目をパチクリさせ、不服に膨らんだ頬から空気を抜いた。それはとても有意義な時間になりそうだ。ルルは『もちろん』と嬉しそうに頷く。リッテはやれやれと息をつき、腰を上げるとオーアトーン用の椅子に座る。ソファから1人の観客の小さな拍手から、鮮やかな音楽が広がった。
~ ** ~ ** ~
画材屋に寄って少し絵の具を買い足し、アルナイトは工房に帰った。実を言うと、別に絵の具は買わずとも、まだ充分量は残っている。
早く工房に戻って絵の続きを描かないといけないと分かっている。それでも、寄り道する口実が欲しかった。足がこんなに工房に行きたくないと訴えるのは初めてだ。どれだけスランプになっても、いつもすぐに工房に行こうとするのに。
なんだか怖い。いろんな秘密を胸にしまって、いつも通り接する自信がないのだ。もしドアを開けて、フロゥに何かあったら? もし何かをしていたら?
(……ルルがくれたお守りがあるんだ。大丈夫だ。すぐいつものフロゥに戻る。それに、明日ルルが来てくれる)
自分が出来ることは、悔しいが何もない。かろうじて近くで見守る事だけ。何かあれば、必死に意識を逸らす事だけ。
アルナイトは居た堪れなく、珍しくため息を吐く。だがすぐ、気合いを入れるように両頬をパチンと叩いた。
「オレはオレが出来る事を、頑張ってする!」
限られているのなら、それをする。そしてルルに繋ぐのだ。姿勢を正し、工房のドアを開ける。中に入れば、壁に染み込んだ絵の具の匂いが緊張感を少しばかり解いてくれる。
意を決して階段をのぼり、そっと工房に顔を見せた。
「あれ? フロゥ?」
想像していた彼の姿が無かった。道具の買い足しだろうか。しかしこの前買ったばかりだったような気がする。
荷物を入れた袋を自分のスペースに置き、壁で少し区切っているフロゥの場所を覗いた。途中になっている絵には、埃避けの布がかぶさっていて、今日はまだ手をつけていないのだと分かる。
「あ、道具箱開いてる」
重厚で様々な道具が所狭しと並んでいる道具箱。物は多いが、整頓されていて一瞬でどこに求めているのが見つけられる。しかしフロゥにしては不用心だ。
アルナイトは少し迷ったが、失礼して中を見る事にした。もしかしたら、これはフロゥからアヴィダンの道具を隠せるチャンスだから。しかしすぐ彼女は残念そうに肩を落とす。ちょうどその画材だけが持ち出されているのだ。
(っていうか、外に画材って必要か?)
スケッチブックは、棚から1冊も抜かれずきっちり埋まっている。つまりはスケッチをしに行ったわけではないようだ。ではなんのために?
「……大丈夫、だよな?」
きっと大丈夫だ。なんの根拠も無ければ、ただの願いでしかないが。
アルナイトは自分の工房をチラリと見てから、階段を急いで降りた。こんな状況で、自分の作品なんて描けない。彼女はフロゥを探して、外へ駆け出した。
~ ** ~ ** ~
机の上に転がる、小指の爪ほども無い小さな宝石。器もなく、無機質でもまるでこちらを見つめているように見えるのは、きっと元は人形の目となっていたからだろう。この木偶の目は優秀だと、アヴィダンは感心していた。
おかげで有力な情報が手に入った。水晶玉が映す光景に、彼はシワのある小さな目を疑ったものだ。人形の目を通して少し歪んだ、水の中のような映像にはルルとアルナイトが映る。そしてルルが石像を戻す直前に、その手で石を生み出すのも。
アヴィダンは変装していないルルを知らない。ただ服装からして他国民であるのは理解した。そして彼がオリクトの民であり、その石像は彼らにしか開けられない事も。本当に、運がいい。
「ふふふ……これは計画を少し変更させるか」
あそこに、金塊がある。声は残念ながら分からないが、これは長年の勘だ。しかし場所が分かっても、オリクトの民の手が無ければいけない。普通ならこれで諦める事になる。だがアヴィダンには使える『駒』があるのだ。
「また私のために役立ってくれよ」
彼の指が、人形の目を乱暴に弾き飛ばした。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる