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【宝石少年と芸術の国】
本能的な恐怖
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ルルが初めて自分を描いてもらっている間、アウィンはリッテが泊まっている宿に、再び訪れていた。マリンから貰った他国由来の茶菓子を、コーヒーで味わう。ただお茶をしているのではなく、リッテが持って来た自国の様子が記された資料に目を通していた。
特に変わった事はないようだが、一つだけ気になった。何やら奇妙な事件が起こっている。体の一部が無くなると言った被害が多数寄せられていた。
「父上がリッテと同行しなかったのは、この件の事ですか?」
「ああ。ここ一、二年で増えているからな」
これが目に留まったのは、奇妙だからだけではない。今も鮮明に思い出せる20年前。自分の足が無くなったあの朝と重なったからだ。
「これも、国宝が関連するのでしょうか」
「まあ、そうだろうな」
リッテにしては、あっさりとした受け答えだった。かつてリベルタの国宝に最も近く関わっていたオリクトの民だから分かるのだ。国宝がどれだけ生き物の思考を左右するのかを。
「時間が経てば経つほど、国宝の穢れと共に生き物はおかしくなる。だから大戦争なんてものも生まれるんだ」
「それを正すために、世界の王が存在するのでしょう?」
「そうだ。ルル様だって、アルティアルに訪れたのは気まぐれではあるまい」
「ええ。国宝の音を頼りに旅をしていると言っていました。以前訪れた国でも、国宝を巡っての出来事がありましたし」
「例外にも早いがな。この国の国宝……ラピスラズリも、遅かれ早かれ訪れる自身の崩壊から王を求めたんだろう」
ガーネットの全眼を閉じ、ゆっくりとコーヒーカップを傾ける。しかし、穏やかだった眉間は何かに気付いたようにシワ寄った。
「……お前、アルティアルの国宝がどこにあるか、知ってるか?」
「ええ、中央の祭壇の中でしょう? 芸術祭の景品としているんだとか」
「なんだって?! なんて馬鹿な扱いを……! ルル様に報せなければ」
「既に知っていますよ」
「は?」
「だから、知っているんです」
普段は鋭い全眼は、驚きのあまりか零れそうに大きく見開いている。そうなる気持ちも分かるが、アウィンはむしろ知らなかった事に驚きだ。
部外者だとしても尋ねたら答えてくれたから、おそらく隠しているわけではないだろう。リッテは催しの景品よりもそのイベント内容に注視する性格だから、尋ねなかったのだ。
唖然としたリッテは、憤りに立ち上がっていた腰を力無くソファに落とす。そして難しそうな表情で腕組みをした。しかめられたその表情は、アウィンにとっては不安とも見てとれる。
「……ルル様はどうなさると?」
「参加し、景品として受け取るつもりです。ですがルルの正体を知るのは、リッテとファルベ殿のみ。確実性はありません」
「…………何故お前はそう平然としていられるんだ。もし悪用する輩にでも渡ったら」
「大丈夫です。ルルは必ず国宝を新しくします」
もちろんそこに辿り着くまでに、多くの試練が待ち受けているのは確かだ。それでもアウィンは言葉を撤回しない。実際に、ルルが王である姿を目の当たりにしたからだ。
ティーカップに視線を落とす青い瞳は、その時を思い出すように遠くを見ているかのようだった。リッテもそんな表情でいくらか察したのか、自分を落ち着かせるようにゆっくり紅茶をひと口啜る。
「見たのか? 新しくするところを」
「ええ。それだけではありません。国宝を悪用しようとした人物を裁く姿も」
「どうだった?」
「そうですね……なんというか、まるで別人のようでした」
世間から隠れた森の出来事を、友だからと言っても易々語る事はできない。だからと言うべきか、時折アパティアの今を無意味に考える時がある。彼女は今もなお、土地の栄養として、あそこで孤独に喘いでいるだろう。きっと今頃は、死を望んでいるかもしれない。
「妥当な罰でしょう。ですがとても……とても、残酷な罰でした」
当然の報いと言える。それでも、どうしてか哀れまずにはいられなかった。その原因の一つは、おそらくルルの裁きを終えた直後の姿が、印象強くアウィンの頭に焼き付いているからだろう。
裁きのあと、驚いたアウィンの様子を見て、ルルはいつも通りの表情で、少しだけ不思議そうにしていた。たったそれだけの事。そこに、アウィンは漠然とした恐怖を感じていた。
ルルにとって罪人を裁くという行動は、寝て起きて食事をするという、日常生活と何ら変わらない。その感覚の違いと、普段の彼との差の大きさが、アウィンに本能的な恐怖を植え付けたのだ。そして、だからこそ断言できるのだ。ルルが必ず悪人を裁き、国宝を新しくすると。
「お前と王がいくら仲が良くとも、対等なんかじゃないぞ」
「ええ、それを思い知りました」
まだ数ヶ月という短い年月だが、人生観で見れば比較的長く共にいる。それでも、決して交わる事はないのだと、嫌でも理解した。ルルがいくら対等を望もうとも、裁きを下す者と受ける者の差は埋まらない。
最も、本人の前でこんな事は言えない。言えば、とても悲しい表情をするだろう。ルルは何よりも、世界の王として敬われるのが嫌いなのだから。
リッテは未だ紅茶に視線を落とすアウィンにムッとすると、指で額を強く小突いた。
「お前が妙なショックを受けるなどおこがましい。だがな、友であるのは確かなんだ。それを忘れて、ルル様を悲しませるな」
アウィンは不機嫌そうなリッテのぶっきらぼうな言葉にキョトンとし、すぐ可笑しそうに吹き出した。
「ふふ……ええ、もちろんです」
その時恐怖したのは事実だ。しかし今もかと尋ねられると、少し違う。逆にその差を知った事によって、分別がついた。
ルルの純粋さは大きな落とし穴でもある。彼が彼のまま、世界の王と旅人を全うできるよう、側に居る今、守りたい。それはルルを王として恐るからではなく、友人として、運命のイタズラで悲しませたくないからだ。
「ルル様が参加なさるなら、お前もやるんだろ? どんな絵を描くんだ」
「参加はしますが、別々ですよ?」
「なんだって?」
「当たり前です。私も貴族として、絵は習いました。ですが、それではルルの足手纏い。お互いが得意な芸術で参加した方が、国宝にも近づきます」
「じゃあ……お前、まさか歌で?」
「私の歌では及ばないと?」
「そうじゃない」
リッテは感情を素直に言葉にする性格ではない。だから言わないが、彼は何よりアウィンの歌が好きだった。どれほどと問われると、これまた本人に言えないが、まだ顔見知りだった頃、仕事の合間に聞こえてくるアウィンの歌が安らぎだったくらいに。だから喉が潰されたと知った時には、何がなんでも取り戻そうと古文書を読み漁ったものだ。
男の歌い手で、アウィンほどの歌唱力を持つ者は、そう居ない。分かっているが、リッテは心配そうに腕組みをし、まるで苛立っているかのように指で腕をトントンと叩く。
「……喉は?」
「順調です」
まだ十五日ある。発表までに充分仕上がるだろう。
しかしリッテの顔はますますしかめっ面になっていった。その様子にアウィンはクスクスと笑う。
「大丈夫ですよ。この国で、あんな事をする輩も居ないでしょうし」
「分かっている」
「まあ……不安がない、と言えば嘘になりますが」
小さな声で語られた本音に、リッテの顔はさらにシワより、アウィンから背けられた。しばらくの間、どこか悩むように閉じられたガーネットの全眼が薄く開かれ、チラリとアウィンを見る。
「この国にオーア・トーンがある」
「おや、そうなのですか?」
「それで……俺も──」
「なんです?」
「だから、それで俺も参加して、お前の歌に音を加えてやると言っているんだ」
驚きに、青い瞳が丸くなる。ずいぶんな言い方だが、それはアウィンにとって救いだった。過去、何度もリッテの音と一緒に歌った。だから彼の音が側にあれば、どんな所でも体が臆せず歌えるのだ。
「よろしいの、ですか?」
「勘違いするな。お前はリベルタの柱の一人。そんな人物が、同盟国の一大イベントで恥をかくなんて許さないだけだ」
早口に並べられる言い訳に、アウィンは嬉しそうに笑って頷いた。その言葉の裏の意味は、長く隣にいたからこそよく分かる。だからこそ嬉しく、まだ顔を背けているリッテへ手を差し伸べた。
「楽しみましょう、お互いに」
「足を引っ張るなよ」
ふんっと鼻を鳴らしながらも、リッテはアウィンの手を強く握り返した。
特に変わった事はないようだが、一つだけ気になった。何やら奇妙な事件が起こっている。体の一部が無くなると言った被害が多数寄せられていた。
「父上がリッテと同行しなかったのは、この件の事ですか?」
「ああ。ここ一、二年で増えているからな」
これが目に留まったのは、奇妙だからだけではない。今も鮮明に思い出せる20年前。自分の足が無くなったあの朝と重なったからだ。
「これも、国宝が関連するのでしょうか」
「まあ、そうだろうな」
リッテにしては、あっさりとした受け答えだった。かつてリベルタの国宝に最も近く関わっていたオリクトの民だから分かるのだ。国宝がどれだけ生き物の思考を左右するのかを。
「時間が経てば経つほど、国宝の穢れと共に生き物はおかしくなる。だから大戦争なんてものも生まれるんだ」
「それを正すために、世界の王が存在するのでしょう?」
「そうだ。ルル様だって、アルティアルに訪れたのは気まぐれではあるまい」
「ええ。国宝の音を頼りに旅をしていると言っていました。以前訪れた国でも、国宝を巡っての出来事がありましたし」
「例外にも早いがな。この国の国宝……ラピスラズリも、遅かれ早かれ訪れる自身の崩壊から王を求めたんだろう」
ガーネットの全眼を閉じ、ゆっくりとコーヒーカップを傾ける。しかし、穏やかだった眉間は何かに気付いたようにシワ寄った。
「……お前、アルティアルの国宝がどこにあるか、知ってるか?」
「ええ、中央の祭壇の中でしょう? 芸術祭の景品としているんだとか」
「なんだって?! なんて馬鹿な扱いを……! ルル様に報せなければ」
「既に知っていますよ」
「は?」
「だから、知っているんです」
普段は鋭い全眼は、驚きのあまりか零れそうに大きく見開いている。そうなる気持ちも分かるが、アウィンはむしろ知らなかった事に驚きだ。
部外者だとしても尋ねたら答えてくれたから、おそらく隠しているわけではないだろう。リッテは催しの景品よりもそのイベント内容に注視する性格だから、尋ねなかったのだ。
唖然としたリッテは、憤りに立ち上がっていた腰を力無くソファに落とす。そして難しそうな表情で腕組みをした。しかめられたその表情は、アウィンにとっては不安とも見てとれる。
「……ルル様はどうなさると?」
「参加し、景品として受け取るつもりです。ですがルルの正体を知るのは、リッテとファルベ殿のみ。確実性はありません」
「…………何故お前はそう平然としていられるんだ。もし悪用する輩にでも渡ったら」
「大丈夫です。ルルは必ず国宝を新しくします」
もちろんそこに辿り着くまでに、多くの試練が待ち受けているのは確かだ。それでもアウィンは言葉を撤回しない。実際に、ルルが王である姿を目の当たりにしたからだ。
ティーカップに視線を落とす青い瞳は、その時を思い出すように遠くを見ているかのようだった。リッテもそんな表情でいくらか察したのか、自分を落ち着かせるようにゆっくり紅茶をひと口啜る。
「見たのか? 新しくするところを」
「ええ。それだけではありません。国宝を悪用しようとした人物を裁く姿も」
「どうだった?」
「そうですね……なんというか、まるで別人のようでした」
世間から隠れた森の出来事を、友だからと言っても易々語る事はできない。だからと言うべきか、時折アパティアの今を無意味に考える時がある。彼女は今もなお、土地の栄養として、あそこで孤独に喘いでいるだろう。きっと今頃は、死を望んでいるかもしれない。
「妥当な罰でしょう。ですがとても……とても、残酷な罰でした」
当然の報いと言える。それでも、どうしてか哀れまずにはいられなかった。その原因の一つは、おそらくルルの裁きを終えた直後の姿が、印象強くアウィンの頭に焼き付いているからだろう。
裁きのあと、驚いたアウィンの様子を見て、ルルはいつも通りの表情で、少しだけ不思議そうにしていた。たったそれだけの事。そこに、アウィンは漠然とした恐怖を感じていた。
ルルにとって罪人を裁くという行動は、寝て起きて食事をするという、日常生活と何ら変わらない。その感覚の違いと、普段の彼との差の大きさが、アウィンに本能的な恐怖を植え付けたのだ。そして、だからこそ断言できるのだ。ルルが必ず悪人を裁き、国宝を新しくすると。
「お前と王がいくら仲が良くとも、対等なんかじゃないぞ」
「ええ、それを思い知りました」
まだ数ヶ月という短い年月だが、人生観で見れば比較的長く共にいる。それでも、決して交わる事はないのだと、嫌でも理解した。ルルがいくら対等を望もうとも、裁きを下す者と受ける者の差は埋まらない。
最も、本人の前でこんな事は言えない。言えば、とても悲しい表情をするだろう。ルルは何よりも、世界の王として敬われるのが嫌いなのだから。
リッテは未だ紅茶に視線を落とすアウィンにムッとすると、指で額を強く小突いた。
「お前が妙なショックを受けるなどおこがましい。だがな、友であるのは確かなんだ。それを忘れて、ルル様を悲しませるな」
アウィンは不機嫌そうなリッテのぶっきらぼうな言葉にキョトンとし、すぐ可笑しそうに吹き出した。
「ふふ……ええ、もちろんです」
その時恐怖したのは事実だ。しかし今もかと尋ねられると、少し違う。逆にその差を知った事によって、分別がついた。
ルルの純粋さは大きな落とし穴でもある。彼が彼のまま、世界の王と旅人を全うできるよう、側に居る今、守りたい。それはルルを王として恐るからではなく、友人として、運命のイタズラで悲しませたくないからだ。
「ルル様が参加なさるなら、お前もやるんだろ? どんな絵を描くんだ」
「参加はしますが、別々ですよ?」
「なんだって?」
「当たり前です。私も貴族として、絵は習いました。ですが、それではルルの足手纏い。お互いが得意な芸術で参加した方が、国宝にも近づきます」
「じゃあ……お前、まさか歌で?」
「私の歌では及ばないと?」
「そうじゃない」
リッテは感情を素直に言葉にする性格ではない。だから言わないが、彼は何よりアウィンの歌が好きだった。どれほどと問われると、これまた本人に言えないが、まだ顔見知りだった頃、仕事の合間に聞こえてくるアウィンの歌が安らぎだったくらいに。だから喉が潰されたと知った時には、何がなんでも取り戻そうと古文書を読み漁ったものだ。
男の歌い手で、アウィンほどの歌唱力を持つ者は、そう居ない。分かっているが、リッテは心配そうに腕組みをし、まるで苛立っているかのように指で腕をトントンと叩く。
「……喉は?」
「順調です」
まだ十五日ある。発表までに充分仕上がるだろう。
しかしリッテの顔はますますしかめっ面になっていった。その様子にアウィンはクスクスと笑う。
「大丈夫ですよ。この国で、あんな事をする輩も居ないでしょうし」
「分かっている」
「まあ……不安がない、と言えば嘘になりますが」
小さな声で語られた本音に、リッテの顔はさらにシワより、アウィンから背けられた。しばらくの間、どこか悩むように閉じられたガーネットの全眼が薄く開かれ、チラリとアウィンを見る。
「この国にオーア・トーンがある」
「おや、そうなのですか?」
「それで……俺も──」
「なんです?」
「だから、それで俺も参加して、お前の歌に音を加えてやると言っているんだ」
驚きに、青い瞳が丸くなる。ずいぶんな言い方だが、それはアウィンにとって救いだった。過去、何度もリッテの音と一緒に歌った。だから彼の音が側にあれば、どんな所でも体が臆せず歌えるのだ。
「よろしいの、ですか?」
「勘違いするな。お前はリベルタの柱の一人。そんな人物が、同盟国の一大イベントで恥をかくなんて許さないだけだ」
早口に並べられる言い訳に、アウィンは嬉しそうに笑って頷いた。その言葉の裏の意味は、長く隣にいたからこそよく分かる。だからこそ嬉しく、まだ顔を背けているリッテへ手を差し伸べた。
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