上 下
168 / 204
【宝石少年と芸術の国】

予想外の客人

しおりを挟む
 二曲目の歌の終わりと共に、人形は優雅に腰を折る。ルルもつられ、胸の前に手を置いて腰を折ったところで、ささやかな舞踏会もお開きとなった。皆満足そうな顔で三人と自分たちへ拍手を送り、マリンへ賞賛の声をかけて散り散りになっていく。
 人が少なくなったところで、人形はルルとアウィンへ会釈し、主人の隣に立った。

「二人とも、急に誘ってすまない。でも素晴らしい舞台になったよ。ありがとう」
「いえ、こちらこそ。とても気持ちよく歌えました」
『楽しかったよ。その人形は?』
「ああ……これが、僕の芸術なんだ。芸術と言われても、あまり代表的な物ではないけどね」

 マリンは人形を本物の少年のように抱きかかえると、操っていた糸を見せる。この糸は特殊で、彼の故郷で取れたもの。その国の中央で民を支える大木から分けてもらった、古い木肌を時間かけて糸にしたのだ。
 もちろん丈夫で伸縮性があるという、繊維として優れているというのであって、魔法のように物を操れる代物ではない。操る力は、マリン自身のものだ。

『それは、貴方が人間ではない、から?』
「確かマリン殿の種族は──」

 アウィンの視線は、最も特徴的である長く鋭い耳に向く。だが言葉が最後まで紡がれるより前に、マリンは彼の唇に指を置いて止めた。目を瞬かせるアウィンにウインクをし、ルルと視線を合わせるために少し腰をかがめる。

「どうぞ、自由に触って僕が何か、当ててごらん。その次は僕の番だ」

 ルルはフードの影になった顔をキョトンとさせると、可笑しそうにふふっと息を吐く。素直に言われるより、こういったクイズ形式の方が嬉しいと思うのはどうしてだろう。
 マリンは最初、話の流れが種族になったら、改めての自己紹介がてら直接言葉にしようとしていた。それなのにわざわざ回りくどくしたのは、小さな薄青い両手が、興味深そうにしていたから。許しを出すと、手はようやくだと言うように、嬉しそうに顔に触れる。
 ルルは基本、匂いで種族を識別する。しかしこの匂いには、まだ遭遇した事がない。そして、彼のものではない別の匂いがして、余計に気になっていた。
 人間よりも掘りが深く、目鼻立ちがハッキリしていて、絵に描きやすそうだ。鼻先が他より鋭くなっているように感じる。

「はは、むずむずするね」
『嫌なとこ、触ったら言ってね』

 紫の爪を持つ指先が、耳元を掠める。手が一瞬止まり、初めて触る形を頭に覚え込ませるように、何度も何度も優しくなぞった。
 堀の深さや鼻の形、そして特徴的な長い耳。文字でだけ、それらの人物像を見た事がある。オリクトの民の次に、自然界に愛されて共生していた種族。成長もゆっくりで、永い時を生きるのが彼らの特徴。

『長寿の耳長族』
「正解だ」
『でも、貴方は目が違う』

 そう言って、指が今度は目元を撫でた。左目は透き通るような薄い水色。しかし右目は、ピンク色をした全眼。義眼にしては少し違和感がある。ルルの鼻は、これが過去に誰かのものであったのを脳に伝えている。
 すると、マリンはそっとルルの手を握りながら自分の右目に触れた。

「これは、僕の愛しい人の目だ。義眼として使させてもらっているんだ」
『もしかして、その人、オリクトの民?』
「ああ、よく分かったね」
『アルナイトが、先生の友達の恋人が、オリクトの民だって、教えてくれたんだ』
「……なるほど。それを知ったのには、単なる話の流れではないようだね?」

 マリンの声音が、僅かに低くなる。ほとんど気づかない程度だが、耳のいいルルにはその意味を理解した。アルナイトが、その人物もこの国に来るまで色々あったと言っていたのを覚えている。警戒するのは無理ない。
 ルルはフードを取れない程度に退かす。ちょうど目線を合わせていたマリンは、髪の合間から覗く鉱石に目を丸くした。

『同じなの。話をしたくて、僕から聞いたんだ』

 マリンは驚いた様子のまま、アウィンに視線を向ける。彼は頷いた。

「そうか……理解したよ。君がその格好をしているのも。それなら安心して、あの子の家へ案内できるよ。同族と会えればきっと喜ぶ」

 マリンの表情は安堵にいつも通りの笑顔となる。二人は彼の案内で、ファルべと言う名のオリクトの民が経営する服屋へ向かう事になった。
 着くまでの歩く時間、他愛のない会話に選ばれたのは出身国について。マリンが生まれ、幼少期に育ったのはシュータムだった。シュータムと言えば、過去に出会った少女と同じ。

『シュータム出身の人と、会った事があるよ』
「本当かい? 人間だった?」
『うん。アガットというの』
「おや、彼女はシュータム出身だったのですね」
「アガット? 懐かしい! とても有名なお嬢さんだ。とある日を境に旅に出たと聞いていたけれど……元気だったかい?」

 シュータムは大樹から生成される枝に住人が住む。住める人数が限られ、人口は通常の国よりもひと回り程度少ない。そのため、顔見知りが多いのだろう。特にアガットは性格もあって良く目立つ。友人とまでは行かない関係でも、印象に強く残るのだ。

『幸せそうだったよ』
「今は行き着いた国で、仲の良い夫婦となっていましたよ」
「夫婦? へぇ、彼女は完全に同性愛派だったから驚いたな。運命って分からないね。けれど幸せなら僕も嬉しいな。アウィンはどこから?」
「私はリベルタという国から来ました」
「リベルタ? リベルタって──」
「マリン、もう帰ってきたのか?」

 引っ掛かりに首を傾げたマリンの思考を遮ったのは、青年に近い声だった。彼へ親しげに手を挙げているのは、薄ピンクの肌を持つ人物。片方の目が隠されているが、晒されている左目は、透き通るようなローズクオーツの全眼。
 間違いなくオリクトの民だ。マリンに向けられた瞳がルルたちに気付くと、彼は優しげな笑みで会釈する。すると誰かに呼ばれたのか、すぐ忙しそうに店内へ戻っていった。

「あの子が僕の恋人、ファルべだ。すまない、今は接客中らしい。様々な国の衣装を取り揃えているから、手が空くまで中を見ていってくれ」

 アルティアルで数ある服や布を扱う店の中でも、ここピンクローズは数多くの種類がある。亭主であるファルべは、短い期間だったが旅人の経験もあったため、コツコツ集めた衣装やアクセサリーがたくさんあるのだ。
 三階建てとなった店内は、一階が衣装とアクセサリー、二階は生地や石などの材料となるものを販売している。三階は住居スペースだ。

「そういえば、ルルも装飾品を扱っていますよね?」
『うん。ルナーが欲しい時、露店を出すんだ』
「へえ、どんな物を?」

 カバンの底にある青い小袋を取り出すのは、少し久しぶりな気がした。最近は二人に分割しているのもあって、ルナーがどうしても必要となる事態は少なくなった。
 所狭しと並ぶ商品の中、かろうじて空間のあるテーブルの上に、いくつかの装飾品を並べる。

「手に取ってもいいかい?」
『どうぞ』

 マリンは各種類のアクセサリーを物色したあと、二つの腕輪を手に持った。どちらも同じ、透明度の高い薄紫色の石だ。名前が分からないが、良質であるのは分かる。量産されるものではなく、どれも職人の手作りだろう。

「いいものだ。値段は?」
『決めてない』
「え?」
『それは、僕の一部だから』

 マリンはその言葉に、促されるように腕輪へ視線を戻す。そしてもう一度ルルを見た。言われて既視感を覚える。感覚に従った透き通る水色の瞳は、フードからチラリと見える紫の混ざる銀の髪を見つめた。

「もしかして、髪を?」
『そう。伸びた髪を切って、行った国の宝石職人に、作ってもらうの』

 髪は重宝される。特に美しい女性だったり、種族によっては高く売れた。オリクトの民の髪なんて、高級店に行ってもお目にかかれない。髪は切り落とせば宝石の材料となるため、溶かして装飾品を作るのだ。
 これを思い付いたのは、クーゥカラットに切ってもらった記憶がきっかけだ。当時はその場での思い付きだった。時が経つにつれ、本格的に価値のあるものだと知り、ならば旅に役立てようとこの方法を使っている。

「この商品、いくつか僕らの店に置きたいな。君らがいる間限定品で。どうだい? 売り上げは折半だ」
『面白そう。いいよ』
「よし! じゃあファルべと商談だ。そろそろ接客も終わるだろうし、呼んでくるよ」

 マリンは意気揚々と、暗くなっている店の奥へ早足に入っていった。アウィンは近くにあった指輪を手する。天井にある石の光に当たると、職人による細かな彫りがあるのが分かった。旅を共にする中で数回見たが、どれも見飽きない。

『アウィンだったら、いくらにする?』
「そうですね……市場に出すなら、この指輪は10万ルナーは下りません」
『そんなに?』
「ええ、模様もありますからね。一点ものというのは、ルルが想像するよりも高額なんですよ」

 アウィンの目は、柱であったため幼少期から鍛えられている。だから説得力があった。それでもルルの仮面とフードで守られた顔は、驚いた表情を浮かべている。その理由として、10万代のルナーは市場で出回る限界の値段だからだ。
 百万を超える物は、基本一般国民は扱わない。扱えるのは、特定の資格を持った商売人と貴族のみ。ルナーは赤紫をした1センチ代の石。それが百を超えると形が変わり、持ち歩くものでもなくなる。高額な物のやりとりは契約書も必要になるのだ。

「待たせてすまない」

 まだ耳慣れない声が聞こえ、ルルは商品を慌てて元の位置に戻す。直後に吊られた服をかき分けてマリンが顔を出し、遅れてファルべがやって来た。

「二人はマリンから聞いていた旅人だな? 私はファルべだ」

 そう言って握手を求めるファルべは男性的な見た目に反し、女性のような華のある笑顔を見せる。

「アウィンと申します」
『ルル。よろしく、ファルべ』
「よろしく。えっと……商品を見てほしいのはルルか?」
『うん。全て、同じ種類の、石だけど』

 ルルは近くにあったチョーカーを差し出す。ファルべは受け取ると、さっそく見えている片方の全眼で観察するように見つめた。天井の灯りに透かしたり、腰に付けたいくつもの道具の中からルーペを取り出し、細かく目を通す。
 そんな真剣な横顔を見つめるマリンは、チョーカーではなく彼自身に見惚れているようだった。

「マリン、視線がうるさい」
「しょうがない。君が魅力的すぎるから」

 まるで今にもここでキスをしそうに惚気るマリンを無視し、ファルべは商品を一つ一つ、丁寧に品定めしていく。最後のネックレスをテーブルに置き、思考を漏らすように悩ましそうに唸った。

「……この石は一体なんだ? とてもいい物だな。私の店で扱うには良すぎる物だよ。価値がありすぎる」

 多くの商品を取り揃えているだけに、彼は目が肥えていた。だからこルルの作った商品が、ただの装飾品でないのが分かる。

『じゃあ、お客さんに、決めてもらおう』
「そんな事をしたら、相応しい価値にならないじゃないか」
『僕は普段、そうしているの。その人にとっての、価値がほしいから』
「なるほど……一理ある。これはある種、貴方にとっての芸術か。ならその方法で店に置こう。もちろん、ルルが良ければだけれど」
『いいよ。面白そうだから』

 ルナーが動く重要な場。それを面白いという好奇心だけでの了承に、ファルべは淡い桃色の目をパチクリさせる。そして懐かしむようにクスクス笑った。彼もかつては好奇心に動かされて旅をした者。その感覚はよく分かる。

「なら置く場所やデザインを決めよう」

 全ての商品を売るというよりかは、ルルとファルべが厳選した物を売り出す事になった。期間限定というのも、看板で宣伝する必要がある。それらのデザインやらを決めるのは少し時間がかかりそうだ。
 ふと、アウィンの目が見覚えのある模様を見つけた。共に話を聞いているマリンにそっと耳打ちをする。

「少々店内を見て回ってよろしいですか?」
「ああ。何かあったら言ってくれ」

 ルルの隣に居た方がいいのかもしれないが、先程視界に入った物を、どうしても確かめたかった。テーブルの上に置かれているのは、ハンカチ。彼が注目したのは、角に入った刺繍だった。確かめた青い瞳は、ほんの少し涙ぐんでいるように見える。

「ああ、懐かしい」

 思わず感嘆の息と共に言葉が漏れる。無数の糸で紡がれたのは、白と青い鳥が重なった刺繍。それは母国リベルタの紋章だった。
 つまりはファルべはリベルタに訪れた事があるのだ。もっと種類があるのだろうか。アルティアルとどれほど距離が離れているのか分からないが、他国でお目にかかるのは滅多にない。
 アウィンは試しに近くの服を、カーテンのようにかき分ける。しかし次に視界に入ったのは服ではなく、ガーネットの瞳を持つ男。驚愕に見開かれた二人の目が、互いの色によって紫に染まる。

「アウィン!?」
「リッテ?!」

 そこに居たのは、懐かしい友だった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)

音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。 魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。 だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。 見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。 「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。

転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
俺はクギミヤ タツミ。 今年で33歳の社畜でございます 俺はとても運がない人間だったがこの日をもって異世界に転生しました しかし、そこは牢屋で見事にくそまみれになってしまう 汚れた囚人服に嫌気がさして、母さんの服を思い出していたのだが、現実を受け止めて抗ってみた。 すると、ステータスウィンドウが開けることに気づく。 そして、チートに気付いて無事にこの世界を気ままに旅することとなる。楽しい旅にしなくちゃな

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜

𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。 だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。 「もっと早く癒せよ! このグズが!」 「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」 「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」 また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、 「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」 「チッ。あの能無しのせいで……」 頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。 もう我慢ならない! 聖女さんは、とうとう怒った。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...