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【宝石少年と霧の国】
木の隠し事
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驚いた。まさか、こんなところに隠し扉があったなんて。アウィンは目玉のように埋め込まれたアメトリンを、恐る恐るなぞる。
しかし何故わざわざ隠していたのか。確かに国宝の扉は、どの国も厳重。それでもこの木はアンブルを慕って、身を任せるほど信頼もしている。そんな彼女にさえ、見せる事はせずとも場所すら教えないのは疑問が残る。
ルルは取手の無い大きな扉を撫でる。黄と紫が合わさる不思議な鉱石。無限の色を持つ全眼の宝石に、混ざりきらない色が濃く映り込む。頑なに閉ざしていた扉は、共鳴するように輝き、音も無く開いた。
「地下に続いているようですね」
下から風が吹く風で靡く髪を押さえながら、アウィンは恐る恐る暗い底を見下ろした。ルルも彼の手に支えられながら身を乗り出す。
暗闇の中、驚いたように丸くなった虹の目が眩しい。ルルはポツリと独り言のように呟く。
『居る』
「え?」
『鼓動が、聞こえる。人じゃない』
この木は、きっと国宝以外も守っているのだ。もう一つの命を。国宝の音の波も、それが影響している可能性が高い。
底の見えない暗闇に飛び込むには抵抗がある。行かなければいけないが、飛行魔法でどこまで安全に行けるだろう。アウィンの役目は、ルルが健全なまま国宝へ送り届ける事だ。しかしこれでは安全が保障できない。
ギシギシと枝が軋む音がした。続いて、シュルシュルと何かが擦れる音が、上から近づいてくる。音が耳に入った頃、目の前に蔓が垂れ下がってきた。何本もの蔓が絡まり、太い縄のようになっている。掴んで軽く引いてみても、簡単には千切れなさそうだ。
よく見ると、下に輪っかがある。どうやらここに足を引っ掛けるようで、木が連れて行ってくれるらしい。
「ルルは私に捕まってくださいね」
『うん』
アウィンは蔓にしっかり手を引っ掛け、腰に少女のような腕が回ったのを確認すると、地面を蹴った。
木の軋む音と共に、ゆっくりゆっくり暗い道を降りていく。しかし所々に浅く輝く鉱石や花が居て、暗闇の心細さは思った以上に薄れた。
ルルはギュッとアウィンの体に捕まりながら、見えない瞳で下を見つめる。小さいのは代わりないが、それでも、確かに国宝の音が大きくなっていった。しかしそれとは別の音が鉱石の耳を優しくくすぐる。
(……歌?)
微かに聞こえるのは、鼻歌だろうか。言葉が聞こえないから、きっとそうだ。少女のように小さくて鈴のように可愛らしい音がする。
絶えず暗闇が続くと思っていたが、それは案外すぐに終わりを告げた。小さく光が遠くに見える。まるで外かと勘違いしそうな、柔らかな陽光を思わせる光だ。目が暗闇に慣れたからか、眩しく見え、アウィンは光の痛みに目を細める。色の見えなかった光は近づくにつれて落ち着き、新緑を思わせる緑を見せた。
「ルル、もう少しで底に着きます」
『どうなってる?』
「草原のような物が見えますね」
『草原?』
幹の中を通って、まさか草原なんて単語を聞くなんて、思っていなかった。
アウィンの言葉は正しく、二人の足は柔らかな草の上に降り立つ。
『ここ、あったかい。太陽の暖かさと、一緒』
ルルは確かめるように上へ手の平を差し出す。アウィンは言葉を忘れ、ただ頷いた。おそらくここは、根の中に当たる。しかしそれが信じられない。
木の底は、眩しい緑に包まれていた。役目を果たして戻っていく蔓を見送れば、確かに降りてきた穴が見える。しかし不思議な事に、そこは直視できないほどに眩しい。ルルが言った通り、まるで太陽のようだった。辺り一面の草原、壁のようになった蔦。それらは瑞々しい。背を超える大きな花もあり、なんだか小人になった気分だ。
ルルは周囲を少し見回すと、目の前の蔦を退けて一歩進み出した。小さな足が草を踏んだ音で、アウィンも我に返って続く。
しかし、ここは本当に外のみたいだ。上に土があって、ここが地下であるなんて忘れてしまう。生い茂る蔓と蔦の中をしばらく進み、チラチラと覗く茶色に気付いた。木のように見えるが、よくよく目を凝らすと根だと分かった。それが地下であると証拠付けるのだが、どうにも現実味が感じられない。
そんな目眩を感じそうな世界でも、ルルの足は迷いが無い。国宝の音を頼りにしているのだろうと思ったが、それだけじゃなかった。歌声がアウィンの耳にも聞こえた。小さな可愛らしい鼻歌だ。それは子守唄のように聞こえる。音がハッキリした時、同時にルルの足が止まった。
彼の背中が暗く見えた。それは逆光となっているから。穴から注ぐ光とは別に、目の前が眩い光に包まれている。辿り着いたそこは、蔓のカーテンが覆っていた。大切そうに、何かをぐるりと囲んでいる。
(この眩しさ……国宝?)
五大柱であったアウィンは、母国の国宝を何度か拝んだ経験があった。国宝の大きさは国によって様々だが、美しい光を保ち続けている。脳裏に焼きついた記憶も、触れそうな眩しさを持っていた。
辿ってきた歌声が止んだ。おそらくは侵入者に気付いて息を潜めたのだろう。
ルルは新緑色のカーテンを手でそっと開け、中に入る。アウィンは少し慎重に、顔だけを出した。
「うあっ……!」
悲鳴とも取れない、うわずった小さな声がした。そこに居たのは、髪の長い子供。白い髪だけが隠す淡い紫の体は、性の特徴が無い。何しろ、黒に見える紫の瞳は特徴的な全眼。間違いなく、オリクトの民だった。
子供は何かを抱えている。それは磨かれたように丸いアメトリン。国宝だ。木は何年もの間、この子供を国宝と共に隠していたのだ。
子供はポカンとしている。しかしアウィンと目を合わせると、目をギュッと閉じて座ったまま後ずさった。
「んやぁあ!」
「あぁ……怖がらないで。私は敵ではありません」
アウィンは急いで中に入ると、しゃがんで子供と目を合わせる。ルルに怖がらないのを見ると、本能的に同族だと分かっているのだろう。涙ぐんだ紫の瞳から、欠けらほどだが恐怖の色が消える。
ルルは仮面とフードを取って、子供に歩み寄った。すると子供は安心したように嬉しそうに笑う。
「どうしてわざわざ、木は隠していたのでしょう」
『この子が、国宝の力を、掴んでいるからだよ』
「どういう事です?」
不思議に思っていた、国宝の音の波。まるで蓋を閉めるような感覚。それは正しかった。子供が蓋だったのだ。
この国は国宝の生命を保つ自然でできている。だからこそ、強すぎる力を制御していた器はすぐに疲弊する。本来王が生まれる数百年も早い今、器が生命の強さに耐えるには、外からの制御が必要だったのだ。
選ばれたのは、神の加護を生まれ持って受け、国宝を扱う事を許された生き物。それが、この生き残りであるオリクトの民の子供だ。子供は前王から国宝を託されていた。
『君は、ずっとこの子と、一緒に居たんだね』
ルルは様子を窺う木の枝を撫でる。
国宝は意図せず、その場で生命を繁栄させる。この大木は偶然ここで生まれ、その力を持って森を作った。しかし意思を持つ木にとって、自分と同じように動く物が居ないのは寂しかった。だから、子供と交流した。子供も同じ孤独だったから。
何人も子供を傷つけようと襲ってきた。いつの間にか大事な存在となった子供を、木は必死に守ろうとした。だから閉じ込めた。新たに住み始めた彼らにも話さず、子供が解放されるその時を待って。それでも、思ったより早く訪れた王にも言わなかったのは……。
『この子を独り占め、したかった?』
子供と木を繋ぐのは国宝。新たなものが紡がれれば、子供は解放されてここに居る意味を失う。それは嬉しい反面、木にとっては悲しかった。
ルルは図星を突かれたように固まった木に、優しく目を細めた。
『大丈夫。この子は、君が大好きだから。ね?』
「うー」
肯定するように、木へ小さな両手が伸ばされる。子供にとっても、木は大切な存在。国宝が新しくなったとしても、繋ぐ糸は硬い。
木が柔らかな毛を生やした蔓で、子供の手を取ろうとした。しかしその時、子供の背後からぬっと両手が伸びた。それは細い体を乱暴に抱きしめ、木と引き剥がす。
「あははははっ! お前たち、コレを殺されたくなければ、国宝と王の心臓を寄越せ!」
濁った笑い声を響かせたのは、アパティアだった。
しかし何故わざわざ隠していたのか。確かに国宝の扉は、どの国も厳重。それでもこの木はアンブルを慕って、身を任せるほど信頼もしている。そんな彼女にさえ、見せる事はせずとも場所すら教えないのは疑問が残る。
ルルは取手の無い大きな扉を撫でる。黄と紫が合わさる不思議な鉱石。無限の色を持つ全眼の宝石に、混ざりきらない色が濃く映り込む。頑なに閉ざしていた扉は、共鳴するように輝き、音も無く開いた。
「地下に続いているようですね」
下から風が吹く風で靡く髪を押さえながら、アウィンは恐る恐る暗い底を見下ろした。ルルも彼の手に支えられながら身を乗り出す。
暗闇の中、驚いたように丸くなった虹の目が眩しい。ルルはポツリと独り言のように呟く。
『居る』
「え?」
『鼓動が、聞こえる。人じゃない』
この木は、きっと国宝以外も守っているのだ。もう一つの命を。国宝の音の波も、それが影響している可能性が高い。
底の見えない暗闇に飛び込むには抵抗がある。行かなければいけないが、飛行魔法でどこまで安全に行けるだろう。アウィンの役目は、ルルが健全なまま国宝へ送り届ける事だ。しかしこれでは安全が保障できない。
ギシギシと枝が軋む音がした。続いて、シュルシュルと何かが擦れる音が、上から近づいてくる。音が耳に入った頃、目の前に蔓が垂れ下がってきた。何本もの蔓が絡まり、太い縄のようになっている。掴んで軽く引いてみても、簡単には千切れなさそうだ。
よく見ると、下に輪っかがある。どうやらここに足を引っ掛けるようで、木が連れて行ってくれるらしい。
「ルルは私に捕まってくださいね」
『うん』
アウィンは蔓にしっかり手を引っ掛け、腰に少女のような腕が回ったのを確認すると、地面を蹴った。
木の軋む音と共に、ゆっくりゆっくり暗い道を降りていく。しかし所々に浅く輝く鉱石や花が居て、暗闇の心細さは思った以上に薄れた。
ルルはギュッとアウィンの体に捕まりながら、見えない瞳で下を見つめる。小さいのは代わりないが、それでも、確かに国宝の音が大きくなっていった。しかしそれとは別の音が鉱石の耳を優しくくすぐる。
(……歌?)
微かに聞こえるのは、鼻歌だろうか。言葉が聞こえないから、きっとそうだ。少女のように小さくて鈴のように可愛らしい音がする。
絶えず暗闇が続くと思っていたが、それは案外すぐに終わりを告げた。小さく光が遠くに見える。まるで外かと勘違いしそうな、柔らかな陽光を思わせる光だ。目が暗闇に慣れたからか、眩しく見え、アウィンは光の痛みに目を細める。色の見えなかった光は近づくにつれて落ち着き、新緑を思わせる緑を見せた。
「ルル、もう少しで底に着きます」
『どうなってる?』
「草原のような物が見えますね」
『草原?』
幹の中を通って、まさか草原なんて単語を聞くなんて、思っていなかった。
アウィンの言葉は正しく、二人の足は柔らかな草の上に降り立つ。
『ここ、あったかい。太陽の暖かさと、一緒』
ルルは確かめるように上へ手の平を差し出す。アウィンは言葉を忘れ、ただ頷いた。おそらくここは、根の中に当たる。しかしそれが信じられない。
木の底は、眩しい緑に包まれていた。役目を果たして戻っていく蔓を見送れば、確かに降りてきた穴が見える。しかし不思議な事に、そこは直視できないほどに眩しい。ルルが言った通り、まるで太陽のようだった。辺り一面の草原、壁のようになった蔦。それらは瑞々しい。背を超える大きな花もあり、なんだか小人になった気分だ。
ルルは周囲を少し見回すと、目の前の蔦を退けて一歩進み出した。小さな足が草を踏んだ音で、アウィンも我に返って続く。
しかし、ここは本当に外のみたいだ。上に土があって、ここが地下であるなんて忘れてしまう。生い茂る蔓と蔦の中をしばらく進み、チラチラと覗く茶色に気付いた。木のように見えるが、よくよく目を凝らすと根だと分かった。それが地下であると証拠付けるのだが、どうにも現実味が感じられない。
そんな目眩を感じそうな世界でも、ルルの足は迷いが無い。国宝の音を頼りにしているのだろうと思ったが、それだけじゃなかった。歌声がアウィンの耳にも聞こえた。小さな可愛らしい鼻歌だ。それは子守唄のように聞こえる。音がハッキリした時、同時にルルの足が止まった。
彼の背中が暗く見えた。それは逆光となっているから。穴から注ぐ光とは別に、目の前が眩い光に包まれている。辿り着いたそこは、蔓のカーテンが覆っていた。大切そうに、何かをぐるりと囲んでいる。
(この眩しさ……国宝?)
五大柱であったアウィンは、母国の国宝を何度か拝んだ経験があった。国宝の大きさは国によって様々だが、美しい光を保ち続けている。脳裏に焼きついた記憶も、触れそうな眩しさを持っていた。
辿ってきた歌声が止んだ。おそらくは侵入者に気付いて息を潜めたのだろう。
ルルは新緑色のカーテンを手でそっと開け、中に入る。アウィンは少し慎重に、顔だけを出した。
「うあっ……!」
悲鳴とも取れない、うわずった小さな声がした。そこに居たのは、髪の長い子供。白い髪だけが隠す淡い紫の体は、性の特徴が無い。何しろ、黒に見える紫の瞳は特徴的な全眼。間違いなく、オリクトの民だった。
子供は何かを抱えている。それは磨かれたように丸いアメトリン。国宝だ。木は何年もの間、この子供を国宝と共に隠していたのだ。
子供はポカンとしている。しかしアウィンと目を合わせると、目をギュッと閉じて座ったまま後ずさった。
「んやぁあ!」
「あぁ……怖がらないで。私は敵ではありません」
アウィンは急いで中に入ると、しゃがんで子供と目を合わせる。ルルに怖がらないのを見ると、本能的に同族だと分かっているのだろう。涙ぐんだ紫の瞳から、欠けらほどだが恐怖の色が消える。
ルルは仮面とフードを取って、子供に歩み寄った。すると子供は安心したように嬉しそうに笑う。
「どうしてわざわざ、木は隠していたのでしょう」
『この子が、国宝の力を、掴んでいるからだよ』
「どういう事です?」
不思議に思っていた、国宝の音の波。まるで蓋を閉めるような感覚。それは正しかった。子供が蓋だったのだ。
この国は国宝の生命を保つ自然でできている。だからこそ、強すぎる力を制御していた器はすぐに疲弊する。本来王が生まれる数百年も早い今、器が生命の強さに耐えるには、外からの制御が必要だったのだ。
選ばれたのは、神の加護を生まれ持って受け、国宝を扱う事を許された生き物。それが、この生き残りであるオリクトの民の子供だ。子供は前王から国宝を託されていた。
『君は、ずっとこの子と、一緒に居たんだね』
ルルは様子を窺う木の枝を撫でる。
国宝は意図せず、その場で生命を繁栄させる。この大木は偶然ここで生まれ、その力を持って森を作った。しかし意思を持つ木にとって、自分と同じように動く物が居ないのは寂しかった。だから、子供と交流した。子供も同じ孤独だったから。
何人も子供を傷つけようと襲ってきた。いつの間にか大事な存在となった子供を、木は必死に守ろうとした。だから閉じ込めた。新たに住み始めた彼らにも話さず、子供が解放されるその時を待って。それでも、思ったより早く訪れた王にも言わなかったのは……。
『この子を独り占め、したかった?』
子供と木を繋ぐのは国宝。新たなものが紡がれれば、子供は解放されてここに居る意味を失う。それは嬉しい反面、木にとっては悲しかった。
ルルは図星を突かれたように固まった木に、優しく目を細めた。
『大丈夫。この子は、君が大好きだから。ね?』
「うー」
肯定するように、木へ小さな両手が伸ばされる。子供にとっても、木は大切な存在。国宝が新しくなったとしても、繋ぐ糸は硬い。
木が柔らかな毛を生やした蔓で、子供の手を取ろうとした。しかしその時、子供の背後からぬっと両手が伸びた。それは細い体を乱暴に抱きしめ、木と引き剥がす。
「あははははっ! お前たち、コレを殺されたくなければ、国宝と王の心臓を寄越せ!」
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