宝石少年の旅記録

小枝 唯

文字の大きさ
上 下
150 / 210
【宝石少年と霧の国】

敵か味方か

しおりを挟む
 朝日が登る少し前。ここ一帯の木は葉が無いため、まだ太陽が顔を出す前の朝焼けでも、ずいぶんと明るい。
 眩しさに目元を歪めながらも、先に意識を覚ましたのはアウィンだった。眠りに落ちた瞬間の記憶が無い。相当疲れていたようだ。しかし、見張り番ができなかった罪悪感が重く、微睡みから這い上がる。
 鮮明になった視界を、彼は疑った。近くに居たルルとコーパルが居ない。池にでも入ったのかと思ったが、視線を転がしたそこにも姿は無かった。それとも、探索に行ったのか? 何も言わず?
 瞳を左右に揺らすと、見慣れた物を見つけた。それはルルのカバン。中には食糧の宝石や商売道具が入っているし、なにより大事な本もある。室内でない限り、彼が荷物を置いてどこかへ行くはずない。
 アウィンは冷や汗が伝うのを感じた。居た堪れず、まだ眠っているジプスの肩を強く揺する。

「ジプス殿! ジプス殿、起きてください!」
「ん……? どうか、したんですか?」
「ルルとコーパル殿が居ないんです!」
「……え?」

 寝起きなせいなのか、ジプスは珍しく怪訝そうな顔をして周囲を確認する。信じられないのか、一度ではなく何度も視線は往復した。
 彼は勢い良く立ち上がると、森の奥を見回した。人間よりも数倍はある、梟の獣人だからこその特徴である視覚で、最大限奥を見渡す。幹だけのここは、比較的邪魔が無く見やすい。それでも、彼らの姿は映らなかった。
 手先が冷たくなり、心臓が耳に張り付いたようにうるさく跳ねる。青ざめた顔に、アウィンは付近には居ないのだと察した。

「まさか、コーパル殿」
「そんな! コーパルさんは……っ」

 違うと、そう言いたい。しかしジプスは、アウィンの顔も苦痛に歪んでいるのを知って、言葉を飲み込んだ。
 数週間という短い時間で、しかも彼は記憶喪失。だから記憶を取り戻せば、敵となる可能性が高い。それでもこんなに疑うのを信じたくないのは、想像よりも皆、臆病なのに他人を思う優しい彼を、愛してしまったから。
 疑いが間違いであってほしい。そう願って、とにかく彼らがどこへ行ったか痕跡を探す事となった。しかし無言で別れた数分後、アウィンが何か見つけたようだ。

「ジプス殿、私はこうも現実を呪った事は、無いかもしれません」

 弱々しい声に、ジプスは心臓を摘まれた気分になった。ほんの僅かな希望は捨てず、彼の隣に立つ。白い瞳が、動揺に揺れた。
 無造作に置かれているのは、彼が大事にしている仮面。そして、そのすぐ隣に一人分の靴跡。大きさから見て、明らかにルルのではない。
 二人は同時に、憔悴しきった顔を見合わせる。夢であれば、どれほど世界を祝福したか。それでも絶望している場合ではない。

「師匠に……報告します。アウィンさん、僕の脚に捕まってください」
「足?」

 ジプスが目を閉じると、風を必要とせずにクリーム色の髪がふわりと舞う。それを合図に腕が羽根に包まれ、たちまち巨大な翼となった。人型であった面影は瞬きが終わるより早く消え去り、一羽の白いフクロウへ姿を変える。
 フクロウは、驚くアウィンの目の高さまで器用に飛ぶ。そこで彼は、ジプスが言っていた意味を理解した。その刃のような鋭い爪のある脚に捕まれと言ったのだ。
 アウィンは自分の腕とそう変わらない太さをした脚首に捕まる。瞬間、フクロウは空へ飛んだ。

 二メートルは超える翼は力強く、景色は目まぐるしく過ぎていく。アウィンは風圧に思わず目を閉じそうになりながらも、薄く開け続けた。もしかしたら、コーパルたちらしき影があるかもしれないのだ。無駄な足掻きでも、何かしなければ気が済まない。
 空間が開けた。目の前には久しく思える巨木を囲った、命の籠。家の前に流れる川の水を汲んでいるアガットが居た。

「アガット殿!」
「あら、アウィン様にジプス? そんなに息を切らして、どうなさったの?」

 アウィンは脚から飛び降りる。アガットが慣れた手付きで腕を差し出すと、フクロウはそこへ止まり、地面に下され人型へ姿を戻した。

「師匠は?」
「家に居らっしゃいますわ」
「分かった。ごめん、アガットも来て」
「まあっ」

 ジプスは彼女の小さな体をひょいと横抱きにすると、魔法で開けた扉を急いで潜る。アガットは残りの二人を探して、後ろに続いたアウィンの後ろを見た。だがアウィンの背中を追う者は、いくら待っても居ない。
 ジプスは木にアンブルの居場所を尋ねた。応えるように、目の前の壁が水面のように波打ち、現れたドアが勝手に開かれる。どうやら急いでいるのが伝わったのか、開ける手間を省いてくれた。

「師匠……! あ、あれ、コーディエ?」

 扉を開け、まず目に入ったのはアンブル。だがその隣に珍しくコーディエが居た。彼は上の服を脱いでいて、体に巻いた包帯を新しくしている最中だった。
 そんな状態でも、コーディエは一体何があったのかと立ち上がる。しかし体に走る痛みに息が詰まり、その場に蹲った。ジプスはアガットを腕から下ろすと、慌てて彼の肩を支える。

「こら、まだ完治していないんだ。急に立ち上がるんじゃない」
「も、申し訳、ありません」
「コーディエ殿、その怪我はどうしたのです?」

 コーディエは苦々しく顔をしかめながら、三日前の出来事を辿々しくも語った。シリカと名乗る男が現れた事、彼が世界の王を求めている事。そして彼と組み合い、敗れた事も。
 傷の治りは、獣人だからこそのスピードだ。ジプスが持たせていた羽根のおかげもあって、動けるようになった。だがまだ日常生活が送れるほどではないのを見ると、相当な手だれだと想像できる。

「それで、二人はどうしたんだい? ルルとコーパルの姿が無いが」
「実は今朝、姿を消していて」
「何だって……?」
「おそらく、コーパル殿がルルを連れて行ったのかと」

 声は自然と小さく、歯切れが悪い。しかし驚きに鎮まった部屋では、よく聞こえた。しばらく時が止まったように音が消え、視線が絡み合う。沈黙を破ったのは、アンブルだった。

「確かだね?」

 ジプスはアウィンへ目配る。彼は地面に落ちていた仮面を、全員に見えるよう差し出した。

「すぐ近くに、コーパルさんのだと思われる足跡がありました」
「…………そうか。分かった。早急に二人の元へ向かおう」

 まるで当たり前のような言葉に、耳を疑った。人探しの魔法は確かに存在する。だがそれは、国石や魔力を辿るため、どちらかを持っているのが前提。オリクトの民であるルルは、どちらも所持していない。

「石が音を発しているのは知っているね? 私たちには聞こえない、特殊な音波だ」

 オリクトの民と、一部の魔獣が聞く事のできる音。それをオリクトの民は声と呼ぶし、ルルも例外ではない。

「実はね、坊やに持たせたおやつ袋に、念のため、アメトリンも入れておいたんだ」

 アンブルは机の上にある鉱石のうち、手の平サイズの水晶玉を手前に引き寄せる。空中で撫でるようにすると、一輪の花が浮かび上がった。それは誘い草と呼ぶ、日用品の照明として使っている野草だ。場所は知っている。

「場所は分かった。行くよ」

 アンブルが立ち上がると共に、それまであったソファやベッドが@消えるように床へ収納される。

「全員、離されないよう、近くの者と手を組みなさい」

 部屋の中心に立った彼女を囲むようにし、それぞれ隣同士で肩を組む。目を閉じたアンブルに合わせて、目蓋を伏せた。直後、床全体に巨大な魔法陣が現れ、体に僅かな痺れが走る。
 つま先から頭へ、一瞬で小さな痛みが駆け上り終えると、頬にふわりと風が当たるのを感じた。窓から入る風とはどこか違うそよ風。アンブルの呼吸が、控えめなものから普段の調子へ変わる。その様子に、四人は恐る恐る目を開いた。

「ルル!」

 花畑の真ん中に、探し求めていた彼が居た。突然現れた気配に驚いたのか、ルルは倒れているコーパルを庇うようにして、剣を構えている。

『みんな?』
「ご無事ですか……!」
『どうやって、来たの?』

 思わず抱きしめてきたアウィンの背中を撫でながら、ルルはポカンとして目を瞬かせる。その様子は、なんというかいつも通りののんびりさで、自然と皆の緊張も解れた。

「坊やに持たせた、水玉入りの袋があるだろう? あの中に入れておいたアメトリンで、居場所を見つけたんだよ」
『そうだったんだ。探してくれて、ありがとう』

 外傷も見当たらない。どうやら朝方から今まで何も襲われなかったらしい。
 アンブルは彼が守っていたコーパルへ視線を向ける。眠っているというより、気を失っていると言った方が正しいだろう。ルルはその視線の動きに気付いたのか、小さく頷いた。

「どうしたい? ルル」
『話をしたい。これからどうするか……コーパルに、選ばせる。いい?』

 アンブルは無言で頷く。四人も、それに反対意見は無いようだった。ルルは無事だった事や、何より彼が離れず守っていたのもある。それを無下にできないし、直接、コーパルから話を聞きたい。
 目覚める様子のないコーパルをアンブルが抱え、逸れないよう今度は手を繋ぐ。花畑全体に魔法陣が描かれ、次の瞬間には、部屋へテレポートした。

~               **              ~               **                 ~

 何故だか体が重く、指先を動かそうとする事すら億劫だった。少しずつ意識が浮上する中、頭が過去を振り返る。
 確か、安心して眠りについた。その時、声が聞こえたんだ。そうだ、ルースという、不思議と懐かしく感じる名前を呼ぶ声だ。

「──!」

 コーパルは言葉にならない叫びを口の中であげ、起き上がる。心臓が破裂しそうに激しく跳ね続け、嫌でも生を実感させた。
 ベッドの上で自分を包む毛布は暖かいのに、意に反して体はガタガタと震えていた。覚えている。何をしたのか、ハッキリと。

『おはよう』

 コーパルは頭に響く優しい声に、目玉が零れ落ちそうなくらい目を見開いた。ベッドのすぐ隣で、ルルが目覚めにホッとしている。室内だから、空気に触れる虹の全眼が笑みを作るように細くなった。
 視線は一つではなかった。ルルの後ろで、アンブルたちも居る。

「な、んで」

 行動は覚えているが、それから何があったか、コーパルは分かっていない。だからどういった状況で、何故皆が居る所にまだ自分が居るのか、更に混乱させた。
 そっと、頬へ薄青い手が伸びた。コーパルはハッとし、慌ててベッドから降りると、距離を取って後ずさる。

「来るな! 俺が、お前に何をしたのか、分かっていないのか?!」
『コーパル』
「違う、俺は、コーパルじゃない……! 俺は、俺は……世界の王を、この森を、奪うために来させられた、敵だっ」

 叫んだ声は掠れ、震える。
 ああ、でも良かったと、コーパルは頭の片隅で思った。ルルにもっと何か、酷い事をする前で。そしてアンブルが居てくれて。彼女は強い魔女だから、きっと自分を壊せる。こんな事をさせるのは忍びないが、それでも、皆を傷付けるより良かった。自分には勿体ないくらい幸せな思い出もできた。
 人よりも冷たい手が、無意識に作っていた拳に触れた。

『貴方の、本当の名前なんて、どっちでもいい』
「え……?」
『聞きたいのは、貴方が、どうしたいか。言ったでしょ? 望む事をしてって』

 言われている事の意味を理解できなかった。数週間共に過ごしていたって、敵であった事に変わりはない。それなのに、彼らは猶予を与えるのか? まだ自分に手を伸ばすのか? その手を取りたいと、まだ共に居たいと、望んでもいいと?

『望んで、いいんだよ』

 コーパルはふらりとよろけると、その場に膝を落とす。手を振り払わなければならないのに、力が入らない。
 ルルは涙で濡れた目元を覆った彼の体を、優しく抱きしめた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

処理中です...