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【宝石少年と霧の国】
救いへの覚悟
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ルルは小さくも深い息を吐き、フードと仮面を外す。まだ妖精の母が完全に操られる前に呼びかけ、宝石を砕かなければ。
『原因はあの石。あれを砕いて、彼女を取り戻す、必要があるの。けれど……抵抗されると、思うんだ』
「分かりました。ルルは石に集中してください。降りかかる攻撃は、全て私が止めます」
しかし妖精の母の元へ向かうには、湖に触れなければいけない。一応アウィンは、家に招待されてから、浮遊魔法をアンブルと共に訓練したお陰で渡る手段はあった。しかしルルもとなると、手を繋ぐ必要がある。この状況で片手が塞がるのは得策ではない。
しかしルルはそんな心配をよそに、足首まで隠すマントと靴を脱ぐと、迷わず湖へと歩き出した。
「ルル、その水は!」
『大丈夫。少しだけなら、僕は多分、触れる』
考えている暇など無いから、これは内心賭けでもあった。ルルはボロボロになった石や、死にかけた国宝を体内に入れられる。すぐ体に害がでそうな事をできるこの体は、簡単に言えば丈夫なのだ。だから触れられる可能性が、少しだがある。
グオンという低い叫びが、心を急かす。ルルは心臓が強く跳ねるのを全身で感じながら、そっと足を黒の渦巻く水へ入れた。
(痛い。でも……)
入れてすぐ、小さな牙に噛みつかれるような痛みが襲う。しかしそれだけだ。他の異常は、体に見られない。この程度の痛みなら、我慢できる。
水の鞭が振り上げられる。それはルルに落ちるより前に、鋭い刃に当たって空気に散った。足首に波紋が微かに伝わってくる。
「大丈夫。貴方には傷一つ付けません。彼女を救いましょう」
そう言って隣に並んだアウィンの持つ刃は、淡く青い光を纏っていた。心強い味方に、ルルは笑うように虹の目を細めて頷いた。
ダイヤを取るにはまず、見上げるほどの位置にある胸元へ近付く必要がある。そのために、あえて彼女に派手な攻撃をさせたかった。それを勘づかれないよう、アウィンには自分の動きに合わせるように伝える。水を使う彼女の攻撃は、目で見て判断するよりも浸かっている足の感覚の方に従った方がいい。
攻撃を避けながら、ゆっくり、確実に近づいて行く。水が触手のようになって、ルルを拒むように囲んだ。アウィンは剣先で足元の水を弾く。彼の魔法によってそれは小さな刃となり、触手を崩した。
弾かれた水の刃は、行き場を失い滝壺に叩き付けられる。偶然にも一つの刃が崩した鉱石の瓦礫が、水の洞窟の出入り口に降り注ぐ。二人の無事を見守っていたジプスたちは、まだ外に居る妖精たちを連れて、中へ駆け込んだ。
「あぁ、入り口が……!」
瓦礫の動きは収まったが、出入り口がすっかり塞がれてしまった。これでは何かあった時、ルルたちに加勢できない。
妖精たちは途方に暮れ、ジプスも治療どころではない。そんな中、すっとコーパルが立ち上がった。
何をするのかと視線で追えば、彼は瓦礫の岩を手で掘り始める。しかし生身の人間だ。爪にヒビが入り、手が血だらけになるのはあっという間だった。構わず掘り続けて細かな瓦礫を放り捨てる彼を、ジプスは慌てて止める。
「コーパルさん、いけません!」
「ジプスは治療を続けろ」
「でも手が」
「俺は魔法も使えなければ、多分頭も悪い。だからこれくらいしかできない。だけど、それでも、二人を助けたいんだ!」
コーパルは手を振り解き、再び鋭い鉱石と向かい合う。すると、怪我をしていない妖精たちが、真似をして瓦礫を小さく崩し始めた。
ジプスはその闇雲な背中を見つめていたが、ギュッと拳を握る。そして、背中を向けた。
「……治療を終えていない子は、奥へ行ってください!」
全員の手当てを終わったら、自分も加勢しよう。ルルたちの無事を確認したいのは、全員同じなのだから。
奥に集まった妖精たちは、治療を受けながら何やら周囲を見渡しだした。ソワソワと落ち着かない様子だ。一匹が、リンッとジプスに何かを訴える。
「どこか別に、怪我がありますか?」
妖精は頭を横に振る。しかし彼らは話し合うように鈴のような声を出し続ける。やがて、コーパルと共に瓦礫を退かす妖精たちも手を止め始めた。何かあったのかと、コーパルも一旦壁から離れて妖精たちを見る。そこでとある事に気付いた。
「俺たちを連れて来た妖精が居ないぞ……!」
「えっ?」
妖精の目は、個体によって少しずつ違う。確かに青い瞳の妖精が居なかった。まさかと、ジプスとコーパルの目が瓦礫へ向けられた。
逃げ遅れた青い目の妖精は、瓦礫に身を潜めていた。暴れ続ける母の姿に、恐ろしくて体が動かない。しかし少しずつ変化が現れているのが分かった。その変化は、素人目でも分かる。攻撃が大きく、雑になって来ているのだ。今の攻撃ならおそらく、ルルたちでなくても避けられる。
ルルが歩み寄って距離を縮めるたび、母は確実に後退っている。それは彼に恐怖を感じている仕草に見えた。
妖精の母は声を震わせると、ルルへ両手をかざす。手から繰り出されたのは水の渦。水を巻き込んだ小さな渦は、やがて妖精の母と同じ巨大な竜巻となった。しかし、前に立とうとしたアウィンへ、彼は手をあげて静止させる。
迫り来る竜巻を真正面から見つめる虹の全眼が、一際眩しく輝いた。すると、竜巻はたちまち黒の混ざる虹の鉱石へ変わり、姿をそのままにして動きを止めた。竜巻だった鉱石は、まるで歪な螺旋階段。登った先にあるのは、妖精の母の胸元。
『行く』
一瞬の光景に目を瞠ったアウィンにひと言残し、ルルは鉱石の上を駆け上がる。これが狙いだった。
妖精の母へ近付くには、彼女の元へ行く足場が必要だった。鉱石を一から作るには、既存の物体を鉱石にするよりも時間がかかる。だから、攻撃で姿を変える水を鉱石化し、足場にしようと考えた。
しかしこの水はただの水ではない。王の力をまだ使いきれないルルの不安定さでは、毒の水を鉱石化できるのはほんの数秒だった。そのため、ルルは彼女の体とほぼ同じ巨大な攻撃を待ったのだ。
後ろから鉱石が水に戻り、崩れる音がする。ルルは肌に居座る痛みを無視し、なんとか頂上へ走り抜けた。その勢いのまま、妖精の母の胸へ跳ぶ。彼女は離れようとするが、ルルの手が触れる方が先だった。
(──あれっ?)
手は確かにダイヤへ伸ばされた。しかし遮ったのは、冷たい水の肌。それが何を意味するのか理解した時、母の叫びと共に体が弾き飛ばされる。
湖へ落ちる寸前で、アウィンに抱き止められた。
「無事ですか!」
『ダメ』
「え?」
『ブラックダイヤは、彼女の、体内にある』
ダイヤはもう、妖精の母の心臓となっていたのだ。つまり、ダイヤを取るその時が、彼女の最期となる。
ルルは思わず唇を噛んだ。初めてだ。救うという方法が、死に直結するだなんて。どうすればいい。何が正しい? 本当に殺さなければいけないのか?
「ルル」
アウィンの声で我に変える。いつの間にか震えていた手を、彼の大きくもしなやかな両手が包んだ。
母の激しい叫びの中、鉱石の耳を震わせる泣き声。血の臭いに混ざる、涙の匂い。そうだ、何をぐずぐずしているんだ。もっと彼女を苦しませてどうする。救いたいと言ったのだから、せめて彼女の心があるうちに終わらせるべきだ。
妖精の母は、苦しそうに頭を抱える。もはや彼女の理性はほとんど残っていない。そのせいでもう冷静に狙う事もできないのか、水の刃は誰も居ない壁に亀裂を作った。これ以上暴れられれば滝壺自体が崩れてしまう。しかしデタラメに作られる刃のせいで、ルルたちも無闇に動けない。
刃が、必死に根を張る最も巨大な鉱石の柱に当たるのを、青い目の妖精は見ていた。柱は限界を迎え、岩から崩れる。その下には、ルルとアウィンが居た。このままでは下敷きになる。妖精は震える体に鞭を打ち、岩陰から飛び出した。
彼女の体は、落ちる鉱石と二人の間に入った。アウィンに抱きしめられたルルはそれに気付き、咄嗟に妖精へ手を伸ばす。ガシャンと、何かが壊れた音が辺りに響いた。
『原因はあの石。あれを砕いて、彼女を取り戻す、必要があるの。けれど……抵抗されると、思うんだ』
「分かりました。ルルは石に集中してください。降りかかる攻撃は、全て私が止めます」
しかし妖精の母の元へ向かうには、湖に触れなければいけない。一応アウィンは、家に招待されてから、浮遊魔法をアンブルと共に訓練したお陰で渡る手段はあった。しかしルルもとなると、手を繋ぐ必要がある。この状況で片手が塞がるのは得策ではない。
しかしルルはそんな心配をよそに、足首まで隠すマントと靴を脱ぐと、迷わず湖へと歩き出した。
「ルル、その水は!」
『大丈夫。少しだけなら、僕は多分、触れる』
考えている暇など無いから、これは内心賭けでもあった。ルルはボロボロになった石や、死にかけた国宝を体内に入れられる。すぐ体に害がでそうな事をできるこの体は、簡単に言えば丈夫なのだ。だから触れられる可能性が、少しだがある。
グオンという低い叫びが、心を急かす。ルルは心臓が強く跳ねるのを全身で感じながら、そっと足を黒の渦巻く水へ入れた。
(痛い。でも……)
入れてすぐ、小さな牙に噛みつかれるような痛みが襲う。しかしそれだけだ。他の異常は、体に見られない。この程度の痛みなら、我慢できる。
水の鞭が振り上げられる。それはルルに落ちるより前に、鋭い刃に当たって空気に散った。足首に波紋が微かに伝わってくる。
「大丈夫。貴方には傷一つ付けません。彼女を救いましょう」
そう言って隣に並んだアウィンの持つ刃は、淡く青い光を纏っていた。心強い味方に、ルルは笑うように虹の目を細めて頷いた。
ダイヤを取るにはまず、見上げるほどの位置にある胸元へ近付く必要がある。そのために、あえて彼女に派手な攻撃をさせたかった。それを勘づかれないよう、アウィンには自分の動きに合わせるように伝える。水を使う彼女の攻撃は、目で見て判断するよりも浸かっている足の感覚の方に従った方がいい。
攻撃を避けながら、ゆっくり、確実に近づいて行く。水が触手のようになって、ルルを拒むように囲んだ。アウィンは剣先で足元の水を弾く。彼の魔法によってそれは小さな刃となり、触手を崩した。
弾かれた水の刃は、行き場を失い滝壺に叩き付けられる。偶然にも一つの刃が崩した鉱石の瓦礫が、水の洞窟の出入り口に降り注ぐ。二人の無事を見守っていたジプスたちは、まだ外に居る妖精たちを連れて、中へ駆け込んだ。
「あぁ、入り口が……!」
瓦礫の動きは収まったが、出入り口がすっかり塞がれてしまった。これでは何かあった時、ルルたちに加勢できない。
妖精たちは途方に暮れ、ジプスも治療どころではない。そんな中、すっとコーパルが立ち上がった。
何をするのかと視線で追えば、彼は瓦礫の岩を手で掘り始める。しかし生身の人間だ。爪にヒビが入り、手が血だらけになるのはあっという間だった。構わず掘り続けて細かな瓦礫を放り捨てる彼を、ジプスは慌てて止める。
「コーパルさん、いけません!」
「ジプスは治療を続けろ」
「でも手が」
「俺は魔法も使えなければ、多分頭も悪い。だからこれくらいしかできない。だけど、それでも、二人を助けたいんだ!」
コーパルは手を振り解き、再び鋭い鉱石と向かい合う。すると、怪我をしていない妖精たちが、真似をして瓦礫を小さく崩し始めた。
ジプスはその闇雲な背中を見つめていたが、ギュッと拳を握る。そして、背中を向けた。
「……治療を終えていない子は、奥へ行ってください!」
全員の手当てを終わったら、自分も加勢しよう。ルルたちの無事を確認したいのは、全員同じなのだから。
奥に集まった妖精たちは、治療を受けながら何やら周囲を見渡しだした。ソワソワと落ち着かない様子だ。一匹が、リンッとジプスに何かを訴える。
「どこか別に、怪我がありますか?」
妖精は頭を横に振る。しかし彼らは話し合うように鈴のような声を出し続ける。やがて、コーパルと共に瓦礫を退かす妖精たちも手を止め始めた。何かあったのかと、コーパルも一旦壁から離れて妖精たちを見る。そこでとある事に気付いた。
「俺たちを連れて来た妖精が居ないぞ……!」
「えっ?」
妖精の目は、個体によって少しずつ違う。確かに青い瞳の妖精が居なかった。まさかと、ジプスとコーパルの目が瓦礫へ向けられた。
逃げ遅れた青い目の妖精は、瓦礫に身を潜めていた。暴れ続ける母の姿に、恐ろしくて体が動かない。しかし少しずつ変化が現れているのが分かった。その変化は、素人目でも分かる。攻撃が大きく、雑になって来ているのだ。今の攻撃ならおそらく、ルルたちでなくても避けられる。
ルルが歩み寄って距離を縮めるたび、母は確実に後退っている。それは彼に恐怖を感じている仕草に見えた。
妖精の母は声を震わせると、ルルへ両手をかざす。手から繰り出されたのは水の渦。水を巻き込んだ小さな渦は、やがて妖精の母と同じ巨大な竜巻となった。しかし、前に立とうとしたアウィンへ、彼は手をあげて静止させる。
迫り来る竜巻を真正面から見つめる虹の全眼が、一際眩しく輝いた。すると、竜巻はたちまち黒の混ざる虹の鉱石へ変わり、姿をそのままにして動きを止めた。竜巻だった鉱石は、まるで歪な螺旋階段。登った先にあるのは、妖精の母の胸元。
『行く』
一瞬の光景に目を瞠ったアウィンにひと言残し、ルルは鉱石の上を駆け上がる。これが狙いだった。
妖精の母へ近付くには、彼女の元へ行く足場が必要だった。鉱石を一から作るには、既存の物体を鉱石にするよりも時間がかかる。だから、攻撃で姿を変える水を鉱石化し、足場にしようと考えた。
しかしこの水はただの水ではない。王の力をまだ使いきれないルルの不安定さでは、毒の水を鉱石化できるのはほんの数秒だった。そのため、ルルは彼女の体とほぼ同じ巨大な攻撃を待ったのだ。
後ろから鉱石が水に戻り、崩れる音がする。ルルは肌に居座る痛みを無視し、なんとか頂上へ走り抜けた。その勢いのまま、妖精の母の胸へ跳ぶ。彼女は離れようとするが、ルルの手が触れる方が先だった。
(──あれっ?)
手は確かにダイヤへ伸ばされた。しかし遮ったのは、冷たい水の肌。それが何を意味するのか理解した時、母の叫びと共に体が弾き飛ばされる。
湖へ落ちる寸前で、アウィンに抱き止められた。
「無事ですか!」
『ダメ』
「え?」
『ブラックダイヤは、彼女の、体内にある』
ダイヤはもう、妖精の母の心臓となっていたのだ。つまり、ダイヤを取るその時が、彼女の最期となる。
ルルは思わず唇を噛んだ。初めてだ。救うという方法が、死に直結するだなんて。どうすればいい。何が正しい? 本当に殺さなければいけないのか?
「ルル」
アウィンの声で我に変える。いつの間にか震えていた手を、彼の大きくもしなやかな両手が包んだ。
母の激しい叫びの中、鉱石の耳を震わせる泣き声。血の臭いに混ざる、涙の匂い。そうだ、何をぐずぐずしているんだ。もっと彼女を苦しませてどうする。救いたいと言ったのだから、せめて彼女の心があるうちに終わらせるべきだ。
妖精の母は、苦しそうに頭を抱える。もはや彼女の理性はほとんど残っていない。そのせいでもう冷静に狙う事もできないのか、水の刃は誰も居ない壁に亀裂を作った。これ以上暴れられれば滝壺自体が崩れてしまう。しかしデタラメに作られる刃のせいで、ルルたちも無闇に動けない。
刃が、必死に根を張る最も巨大な鉱石の柱に当たるのを、青い目の妖精は見ていた。柱は限界を迎え、岩から崩れる。その下には、ルルとアウィンが居た。このままでは下敷きになる。妖精は震える体に鞭を打ち、岩陰から飛び出した。
彼女の体は、落ちる鉱石と二人の間に入った。アウィンに抱きしめられたルルはそれに気付き、咄嗟に妖精へ手を伸ばす。ガシャンと、何かが壊れた音が辺りに響いた。
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