138 / 204
【宝石少年と霧の国】
帰還
しおりを挟む
アメジストの湖に入って、どのくらい時間が経ったか分からない。目的は果たしたのだから、地上で待っている三人の元へ早く帰ろう。
出入り口で揺れる水面を見つめていると、稚魚がクォンと鳴いた。そしてズルンと体を沈めると、頭と両手を差し出してくる。どうやら元の水中に連れて行ってくれるようだ。言葉に甘え、ルルは彼女の大きな手の平に自分の手を重ねた。
狭い空洞の中、稚魚の体は器用に泳いでいく。泳ぐ速さに、繋いだ手が振り解かれそうになる。稚魚は水圧に苦しそうなルルに気付いたのか、体を引き寄せて腕の中に包んだ。
まるで弾き出されるかのような勢いで、目の前が開けた。元の湖に戻ってきたのだ。
「!」
ルルは思わず息を呑みそうになった口を、必死で塞ぐ。強い視線を感じた。いや、視線だけじゃなく、圧倒的な存在感を肌で感じる。
目の前を遮ったそれは、どこか稚魚と姿形の面影がある。低い声が聞こえた。それは荒さを取り除かれてはいるが、確かに先程まで嘆いていた親の声だ。さっきとまるで別人だから気付かなかった。殺気が無いだけでこうも変わるのか。ルルと稚魚を見つめる赤い目は、打って変わって母のそれだ。
子が嬉しそうに鳴くと、親は愛しそうに応える。地に響くような声。それでも包み込むような優しさを感じる。彼女は我が子に頷くと、何メートルもの体を舞うように泳がせる。踊るそこは、乱心の末に薙ぎ倒された花吹雪の林。
その時だった。優雅に泳ぐ柔らかな体から、キラキラとした粒子が降り注ぐ。光の粒は水に優しく揺られながら、無惨に倒れた木々の上に音無く落ちた。粒子は仄暗い木肌に溶け、共に枝も岩肌に一体化するようにすうっと消える。黒と言うに相応しい地面は、一瞬、地上も貫きそうな紫の輝きを放った。
ルルはそのすぐあと、無数の動きを肌で感じた。身動いだのが分かったのか、稚魚は抱きしめていた体を解放すると、手を引いて地面に降りた。つま先の地面を、何かが割って顔を出す。小さな光の粒に見えるそれは、木の芽。
低くも高く感じる音がした。音の調子で、なんとなく鳴き声ではなく歌なのだと理解できた。小さな芽は、母の歌に惹かれるように、瞬く間に成長していった。不思議だ。木の成長する音なんて、こんな水中では無音に近い。それなのに、パキパキ、サワサワと木の呼吸が聞こえる。
母と子が共に鳴く。それに合わせるように、大輪が枝先に咲き乱れた。嵐が過ぎ去ったような林の残骸は、呼吸するように元の姿──いや、新たな息吹によってそれ以上に美しい姿になっていた。
ルルの体とそう変わらない手が、目の前に差し出される。彼はそれに怯える事なく、座って応えるように両手を伸ばした。どこか申し訳なさそうに、恐る恐る顔を寄せた母の頬に、ルルは優しく口付けをする。母は驚いたような顔をしたが、すぐ目を優しく細め、額を合わせた。
そろそろ呼吸が苦しくなってきた。そこで首に稚魚の腕が巻きつく。気付いて振り返ると、手を上へ引っ張る仕草をした。どうやら途中まで案内してくれるようだ。彼女の泳ぐ速さだったら、息が途絶える前に辿り着けるだろう。ルルは頷き、大きな手を取って母に見送られた。
~ ** ~ ** ~
地上でも風すら水を動かさないせいで、まるで時間が止まったかのようだ。そんな揺れる事の無い水面がルルを飲み込んで、そのくらい経っただろうか。
コーパルは、紫の鏡に映る自分に飽き飽きするほど見つめていた。不安さに止まってはいられず、しかし待つしかできない今、金の目だけがうろうろと彷徨っている。
「コーパル殿、そうずっと見ていたら貴方も落ちてしまいますよ」
「そうは言っても……水の中だぞ。こことは違って、音だって少ない」
「信じて待つしかありません」
コーパルを宥めるアウィンの姿に、ジプスは苦笑いした。そう正論を言う彼だって、首から下がる懐中時計を数分ごとに確認しているじゃないか。もちろんジプスだって心配していないわけじゃない。彼に至っては、気が狂いそうなもどかしさを隠すのに必死なのだ。
例えばルルに何かあっても、二人は潜る事ができる。最悪泳げなくても浮く事だって。しかしジプスにはそのどちらもできない。他人のためと豪語して飛び込めば、助けるのではなく助けられる立場になるのは目に見えている。だから、陸で彼が来た時にできる最大限のサポートの準備に専念する他無いのだ。
ジプスが肩に背負った荷物の中から取り出したのは、両手で持つ大きさのガラスの筒。中には、半透明の宝石が無数に敷き詰められている。
「それは何だ?」
「太陽のカケラです」
「そんなにたくさん? よく集めましたね」
「火の洞窟と言うのがあるんですが、その付近に生成されるんですよ」
太陽のカケラというのは、強い熱が集まるという条件を満たした場所でしか、自然生成されない。見た目からは想像できないくらいの熱を発するその石は、地上の太陽と呼ばれる。そしてそれを削った物を、太陽のカケラと呼ぶのだ。
ジプスは水差しを袋から取り出す。花の蕾を象った栓を抜き、筒の中に注いだ。
地上の太陽は近寄り難いほどの熱を常に発しているが、削るとたちまち収まる。太陽のカケラを発熱させるには、真逆の冷水に触れさせる必要があった。カケラは水の重さにガランと僅かに沈む。それぞれの中心から黄色の光が漏れ、やがて薄暗いここに小さな太陽が作られた。筒から、少し離れていても伝わるくらい熱が放たれる。
「焚き火代わりか?」
「そうです」
ここには焚き火に使えるような木も無いが、そもそも火を灯してはいけなかった。とは言え、上がってきたルルをそのまま放置すれば、病気知らずのオリクトの民でも体に良くないだろう。
ひとまず出迎える準備は整った。あとは無事を祈るしかない。
カチコチと、懐中時計の音だけが時を刻んでいる事を証明する。離れていた長針と短針が真上で重なった時、水面が波打った。
懲りずに湖を覗き続けていたコーパルが、変化にいち早く気付く。
「来た……!」
その声に残りの二人も側に駆け寄る。固唾を呑んで見守るのは、瞬きの時間にも満たない。それでも永遠かと思えた時、水飛沫と共にルルの頭が上がった。
「今引き上げますね!」
伸ばされた手を、コーパルとジプスが掴んで引き上げる。間を置かずに濡れた体へ、アウィンが自分のコートを触れないマントの代わりに肩へかけた。
ルルは少し乱れた呼吸を整え、雫の絶えない頭をブルブルと思い切り振った。そして、心配そうな三人の視線に頬を緩める。
『ただいま、みんな』
「おかえりなさいルル。待っていましたよ」
アウィンは早口に言うと、無事を確かめるようにルルの冷たい体を抱きしめる。
『濡れちゃうよ?』
「構いません」
ルルは可笑しそうにふふっと息を吐き、彼の背中に腕を回した。
出入り口で揺れる水面を見つめていると、稚魚がクォンと鳴いた。そしてズルンと体を沈めると、頭と両手を差し出してくる。どうやら元の水中に連れて行ってくれるようだ。言葉に甘え、ルルは彼女の大きな手の平に自分の手を重ねた。
狭い空洞の中、稚魚の体は器用に泳いでいく。泳ぐ速さに、繋いだ手が振り解かれそうになる。稚魚は水圧に苦しそうなルルに気付いたのか、体を引き寄せて腕の中に包んだ。
まるで弾き出されるかのような勢いで、目の前が開けた。元の湖に戻ってきたのだ。
「!」
ルルは思わず息を呑みそうになった口を、必死で塞ぐ。強い視線を感じた。いや、視線だけじゃなく、圧倒的な存在感を肌で感じる。
目の前を遮ったそれは、どこか稚魚と姿形の面影がある。低い声が聞こえた。それは荒さを取り除かれてはいるが、確かに先程まで嘆いていた親の声だ。さっきとまるで別人だから気付かなかった。殺気が無いだけでこうも変わるのか。ルルと稚魚を見つめる赤い目は、打って変わって母のそれだ。
子が嬉しそうに鳴くと、親は愛しそうに応える。地に響くような声。それでも包み込むような優しさを感じる。彼女は我が子に頷くと、何メートルもの体を舞うように泳がせる。踊るそこは、乱心の末に薙ぎ倒された花吹雪の林。
その時だった。優雅に泳ぐ柔らかな体から、キラキラとした粒子が降り注ぐ。光の粒は水に優しく揺られながら、無惨に倒れた木々の上に音無く落ちた。粒子は仄暗い木肌に溶け、共に枝も岩肌に一体化するようにすうっと消える。黒と言うに相応しい地面は、一瞬、地上も貫きそうな紫の輝きを放った。
ルルはそのすぐあと、無数の動きを肌で感じた。身動いだのが分かったのか、稚魚は抱きしめていた体を解放すると、手を引いて地面に降りた。つま先の地面を、何かが割って顔を出す。小さな光の粒に見えるそれは、木の芽。
低くも高く感じる音がした。音の調子で、なんとなく鳴き声ではなく歌なのだと理解できた。小さな芽は、母の歌に惹かれるように、瞬く間に成長していった。不思議だ。木の成長する音なんて、こんな水中では無音に近い。それなのに、パキパキ、サワサワと木の呼吸が聞こえる。
母と子が共に鳴く。それに合わせるように、大輪が枝先に咲き乱れた。嵐が過ぎ去ったような林の残骸は、呼吸するように元の姿──いや、新たな息吹によってそれ以上に美しい姿になっていた。
ルルの体とそう変わらない手が、目の前に差し出される。彼はそれに怯える事なく、座って応えるように両手を伸ばした。どこか申し訳なさそうに、恐る恐る顔を寄せた母の頬に、ルルは優しく口付けをする。母は驚いたような顔をしたが、すぐ目を優しく細め、額を合わせた。
そろそろ呼吸が苦しくなってきた。そこで首に稚魚の腕が巻きつく。気付いて振り返ると、手を上へ引っ張る仕草をした。どうやら途中まで案内してくれるようだ。彼女の泳ぐ速さだったら、息が途絶える前に辿り着けるだろう。ルルは頷き、大きな手を取って母に見送られた。
~ ** ~ ** ~
地上でも風すら水を動かさないせいで、まるで時間が止まったかのようだ。そんな揺れる事の無い水面がルルを飲み込んで、そのくらい経っただろうか。
コーパルは、紫の鏡に映る自分に飽き飽きするほど見つめていた。不安さに止まってはいられず、しかし待つしかできない今、金の目だけがうろうろと彷徨っている。
「コーパル殿、そうずっと見ていたら貴方も落ちてしまいますよ」
「そうは言っても……水の中だぞ。こことは違って、音だって少ない」
「信じて待つしかありません」
コーパルを宥めるアウィンの姿に、ジプスは苦笑いした。そう正論を言う彼だって、首から下がる懐中時計を数分ごとに確認しているじゃないか。もちろんジプスだって心配していないわけじゃない。彼に至っては、気が狂いそうなもどかしさを隠すのに必死なのだ。
例えばルルに何かあっても、二人は潜る事ができる。最悪泳げなくても浮く事だって。しかしジプスにはそのどちらもできない。他人のためと豪語して飛び込めば、助けるのではなく助けられる立場になるのは目に見えている。だから、陸で彼が来た時にできる最大限のサポートの準備に専念する他無いのだ。
ジプスが肩に背負った荷物の中から取り出したのは、両手で持つ大きさのガラスの筒。中には、半透明の宝石が無数に敷き詰められている。
「それは何だ?」
「太陽のカケラです」
「そんなにたくさん? よく集めましたね」
「火の洞窟と言うのがあるんですが、その付近に生成されるんですよ」
太陽のカケラというのは、強い熱が集まるという条件を満たした場所でしか、自然生成されない。見た目からは想像できないくらいの熱を発するその石は、地上の太陽と呼ばれる。そしてそれを削った物を、太陽のカケラと呼ぶのだ。
ジプスは水差しを袋から取り出す。花の蕾を象った栓を抜き、筒の中に注いだ。
地上の太陽は近寄り難いほどの熱を常に発しているが、削るとたちまち収まる。太陽のカケラを発熱させるには、真逆の冷水に触れさせる必要があった。カケラは水の重さにガランと僅かに沈む。それぞれの中心から黄色の光が漏れ、やがて薄暗いここに小さな太陽が作られた。筒から、少し離れていても伝わるくらい熱が放たれる。
「焚き火代わりか?」
「そうです」
ここには焚き火に使えるような木も無いが、そもそも火を灯してはいけなかった。とは言え、上がってきたルルをそのまま放置すれば、病気知らずのオリクトの民でも体に良くないだろう。
ひとまず出迎える準備は整った。あとは無事を祈るしかない。
カチコチと、懐中時計の音だけが時を刻んでいる事を証明する。離れていた長針と短針が真上で重なった時、水面が波打った。
懲りずに湖を覗き続けていたコーパルが、変化にいち早く気付く。
「来た……!」
その声に残りの二人も側に駆け寄る。固唾を呑んで見守るのは、瞬きの時間にも満たない。それでも永遠かと思えた時、水飛沫と共にルルの頭が上がった。
「今引き上げますね!」
伸ばされた手を、コーパルとジプスが掴んで引き上げる。間を置かずに濡れた体へ、アウィンが自分のコートを触れないマントの代わりに肩へかけた。
ルルは少し乱れた呼吸を整え、雫の絶えない頭をブルブルと思い切り振った。そして、心配そうな三人の視線に頬を緩める。
『ただいま、みんな』
「おかえりなさいルル。待っていましたよ」
アウィンは早口に言うと、無事を確かめるようにルルの冷たい体を抱きしめる。
『濡れちゃうよ?』
「構いません」
ルルは可笑しそうにふふっと息を吐き、彼の背中に腕を回した。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活
ゼウママ
ファンタジー
50歳目前、突然異世界生活が始まる事に。原因は良く聞く神様のミス。私の身にこんな事が起こるなんて…。
「ごめんなさい!もう戻る事も出来ないから、この世界で楽しく過ごして下さい。」と、言われたのでゆっくり生活をする事にした。
現役看護婦の私のゆっくりとしたどたばた異世界生活が始まった。
ゆっくり更新です。はじめての投稿です。
誤字、脱字等有りましたらご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる