宝石少年の旅記録

小枝 唯

文字の大きさ
上 下
126 / 210
【宝石少年と霧の国】

コーパル

しおりを挟む
 客間の中央には、今さっき作られたのではと思える六人がけのソファがあった。アンブルはその一つに腰を下ろし、パチンと指を鳴らす。すると、ソファに囲われて置かれたテーブルに六つ、大きな蕾が現れた。それが咲くと、紅茶が入ったカップが現れる。

「お座り。お前は私の隣においで」

 向けられた視線にビクッと肩を震わせた男は、ぎこちなく頷いてソファへ浅く座った。全員が座った頃、落ち着きの無い彼へアンブルはフッと笑った。

「そんなに怖がらないでいい。ここは獣人たちが多いが、何も取って食ったりしないよ。少なくとも、私たちはお前に何もしない」
「……、……」
「それにあの子たちは、お前の手当てをしたんだよ?」
「手当て……?」

 男は包帯の巻かれた腕を見て、自身の怪我を理解したようだ。示されたジプスとアガットに視線を向けると、ジプスは戸惑いながらも淡く笑みを浮かべる。アガットはいつもと変わらない華やかな笑顔を見せた。

「貴方、朝に森の入り口で倒れていらしたのよ。覚えていらっしゃらないの?」
「ああ、覚えてない」
「それだけじゃないさ。どうやら、全て覚えていないようだよ」
「全て? 記憶喪失……という事でしょうか?」
「ほ、本当ですか師匠?」

 ジプスは少し疑い深そうに、身構えて小さく尋ねる。男は疑いの視線に居心地が悪そうだ。思わず逃げようと意識を外した時、別方向からの視線に気付く。それはルルからだった。
 見た事のない虹の瞳。まるで体の中心を掴まれているようで、身動きができない。

『多分、本当だよ。この人からは、警戒心と、不安しか感じない』
「その通りだ。記憶を読み取ろうとしたが、無理だったよ」
「どうやったら戻るのかしら? そういえば、衝撃を与えると戻ると言いますわね。例えば頭をぶつけるとかどうですか?」
「そ、それは流石にやめてあげて」
「ははは、物騒な事はおやめ。だけどまぁ、事故からの記憶喪失だろう。誰かの手が加わっているのを感じなかった。自然に治る。思い出す頃には、怪我も良くなっているさ」

 アンブルは男の頭に手を置き、少し傷んだ黒髪をわしゃわしゃと撫でる。男はもう四十は超えている。そうなれば当然、記憶があろうが無かろうが、頭を撫でられるなんて母にもされないだろう。
 彼はどこか小っ恥ずかしそうな、居た堪れない顔をする。一番歳の近そうなアウィンへ救いの視線を向けるが、彼は苦笑いを返した。

「さあ、そうなると名前を決めないといけないね」
「名前……?」
「本当の名前が分かるまでの呼び名さ。いつまでも名無しじゃ、呼ぶのに困る」
「確かにそうですね」
「何がいい?」
「そ、そう言われても」

 男は難しそうに首をひねって小さく唸る。急に呼び名をと言われても、無理な話だ。
 親が子に授ける名の多くは、宝石から成り立っている。それは自然の加護を受け、健やかに育つようにという願いからだ。出会ったばかりの相手へでも、簡単には付けられない。
 するとアンブルは、その少しヒゲのある顎を持ち、グイッと自分の方へ向かせた。男は突然の事に何度も目を瞬かせる。その瞳をよく見れば、やつれて霞みながらも、とても美しい濃厚で鮮やかな金色をしていた。アンブルの瞳の色が混ざって、より深く見える。

「お前のその色……とても綺麗だ。琥珀を水に透かしたようだね。そうだ。ルル、何か見えないかい?」
『ん、え? 僕?』

 まさか名指しされるとは思ってなかった。そのせいか、頭の声はぎこちない。

「考えてもごらん。訳あり男には、たくさんの加護が必要だろう? 坊やが見合った名前を思い付けば、充分に授かると思わないかい?」

 それはおそらく、世界の王だからだろう。アンブルは、彼が王として扱われるのが嫌だと分かって、言っているのだ。ルルが頬を膨らませる真似をすると、案の定面白そうにクスクスと笑った。しかし本当にこれで加護がついて助けになるのなら、その力は利用させてもらおう。
 ルルは背の低いテーブルを乗り越え、男の頬を両手で包む。いきなり何だと、彼は体を硬直させた。

「ルルは目が見えないのです。貴方の顔を知りたいのでしょう」
「あ、あぁ、そうか」

 そう言われれば大人しくするしかないが、絶えず動く虹の色には落ち着かない。胸元がざわざわとする。しかし見惚れるほど美しいのも事実で、目線は外せない。
 一方で、ルルは難しそうに目を細める。見えると言われても、何も見えないのが事実。男の顔は理解できた。頬骨が分かるくらいの痩せ気味で、チクチクとヒゲがくすぐったい。掘りが深くて、大人っぽい印象だ。
 細い指先が、閉じた瞼下を掠める。アンブルは、彼の目が何色だと言っただろう?

(琥珀……綺麗な金色)

 その時、色の存在しない頭の中に、ポツンと何かが落ちてきた。それは、目の奥でキラリと黄金に輝く。

『──コーパル』
「なんだって?」

 呟きに男は恐る恐る目を開ける。しかし驚きに声を出したのは、彼ではなくアンブルだった。彼女は目を丸くしてルルを見る。

「どうしてその名前にしたんだい?」
『頭の中に、落ちてきたのが、その石だったから』

 コーパルは、琥珀が出来上がる過程の途中の石だ。濃密な茶色の琥珀よりも淡く、濃い金色で美しい。

「……お前さんは? どうだい」

 男は薄青い手が離れた自分の顔に触れる。何故だか不思議と、その名は嫌ではなかった。なんだか、元からその名であったように、心の中に溶けていく。

「嫌では、ない」
「そうか」

 しかしアンブルの声は、何やら考え込んでいるように低い。ルルは首をかしげる。

『ダメだった?』
「…………いいや、坊やが見えたんだ。きっと正しい。よし、コーパル。お前は体を綺麗にしておいで。ジプス、案内してあげなさい」
「はい」
「ちょ、ちょっと待ってくれ」
「どうした。水は苦手かい」
「そうじゃない。何故俺を、警戒しない? さっきの言葉だってまるで、記憶が戻るまでここに居ていいと言うような」
「そう言ったんだよ」

 コーパルは当然に返ってきた答えに唖然とし、次の言葉を作ろうとした口を無意味に動かした。アンブルは紅茶をひと口優雅に飲み、静かに微笑む。

「何もできない相手を、縛るような真似はしないさ。ただし、森に危害を加えるるのなら、それなりに応えるから覚えておきなさい。お前さんが招かれざる客じゃなければ、私たちは客人としてもてなすだけ。それに、この家が追い出さないんだ」
「それだけか?」
「ここでは充分さ。さあ、行きなさい。体を洗ったあとはまたおいで」
「……分かった」

 まだ不服そうだったが、コーパルは先を進んだジプスのあとを追った。

 カーテンの閉まった窓際に飾られた砂時計がクルクルと周り、砂が下へ全て落ちた。すると、ガラスに閉じ込められた砂の中から芽が生え、蕾が付き、可愛らしい薔薇が花開く。色は夜空の色だ。

「ああ、もうこんな時間か」
『どのくらい?』
「もう夜中だよ。バタバタしていたせいか、日が変わってしまったね」

 時間経過を今初めて知ったルルは、驚いてアウィンを見た。夜だと気付かなかったのは、単に見えないからではない。彼が普通に歩いていたのもあったのだ。
 アンブルは彼へ視線を向ける意味を理解したのか、席を立ち上がる。

「アウィンには薬を飲ませたんだよ」
『薬?』
「私は魔女をしていると言ったろう?」
『うん』
「魔女にも色々居てね。一通りの魔術はできるが、私が特別得意なのは、薬作りさ」

 漁っていた棚から、いくつかの小瓶が取り出される。どれもが呪術の模様を細かく刻んだ瓶だ。アンブルはそれを持ってテーブルに戻り、一つをルルに選ばせた。薄青い指が示した赤い瓶をひっくり返すと、コロコロと種が出て来た。親指の爪ほどで、少し重たい。
 種を小さな宝石の粒が敷き詰められた皿の上に置く。水差しからキラキラとした水が、宝石と種を濡らした。皿をアンブルの手が包む。彼女は空気を引っ張るように、クイッと手を上へ引き上げた。するとまるで手の動きに操られるかのように、種が震え、芽が顔を出した。

「こいつには、いろんな薬品と魔術を詰めているんだよ」

 芽はそれ以上伸びず、すぐに大きな蕾となった。アンブルは両手で蕾を覆い、払うように退ける。蕾は再び動きに従い、音も無く花びらを開かせた。辺りに甘い香りがふわりと漂い、ルルは開花を理解した。

『花?』
「ああ、これが私の薬だよ。飲ませたのは、義手や義足なんかの、動けない物を意識によって動かせるものだ」

 アンブルは淡いピンクの花をルルの髪に飾った。ルルは目を輝かせてアウィンを見上げる。

『じゃあこれからは、夜を心配しなくて、いいの?』
「いや、坊やの足の事情はずいぶんと特殊だから、一時的だよ。そろそろ効果も切れる」
『そっか……』

 少し残念そうに俯いたルルの頭に、アウィンの手がポンと置かれる。彼の表情はとても穏やかで、どこか満足そうだった。

「動けたおかげで、いち早く貴方に怪我が無いか確かめられました。ほら、友の足も、夜は寝ろと言っているでしょう?」
『ん……そうだね』

 彼の声色に安心したように、ルルは心地良さそうに目を閉じる。アンブルはその様子に微笑み、散りはじめた砂時計の薔薇を見て立ち上がった。

「さあ、坊やたちは旅で疲れているだろう。早くお眠り。アウィンはここを自由に使いなさい」
「ありがとうございます」
「ルルはおいで。部屋に案内しよう」
『うん。おやすみ、アウィン』
「おやすみルル。良い夢を」

 ルルはアウィンにギュッと抱きつく。アウィンは絹のような髪を優しく撫で、前髪に隠れた額に口づけをした。ルルはくすぐったそうにふふっと息を零し、満足したのか体を離す。そして壁に作った扉の前で待つアンブルへ駆け寄り、差し伸べられた手を取ってq扉をくぐった。

 ルルは案内された部屋のベッドに腰を下ろす。天蓋が蕾のようで、ふかふかとしていて寝心地が良さそうだ。

「部屋の使い方は分かったね? 何かあったら言うんだよ。木に言って部屋まで案内してもらうといい」

 すると出て行こうとしたアンブルは、何か思い出したように足を止め、ベッドを堪能しているルルに振り返る。向けられた瞳は優しくも、どこか鋭く感じた。

「坊やはあの子の事、どう思う?」

 ルルは抑えるような低い声に、目を瞬かせる。しばらくの間、虹の目は考え込むように足元に向けられた。

『……味方かどうかは、分からない。でも、敵ではないよ』

 ルルは彼を初めて見た時を思い出す。そして何故木が、わざわざアンブルたちが居る部屋ではなく、彼の眠る場に降ろしたのかをなんとなく理解した。木は迷っていたのだ。彼を迎え入れてもいいかどうか。だから他者の、王の意見が欲しかったのだ。

『あの人、人間だけど、人間以外がある。変な匂いがするの。でも、悪意は無いから。それに、自分の事が、分からないって……とても、不安だと思うから』

 全て、感じたままに言った。するとアンブルは、付け加えられた言葉に一瞬キョトンとし、ふっと可笑しそうに笑う。

「その通りだ。迷い子に意地悪は酷だね。おやすみルル」
『うん、おやすみアンブル』

 扉は彼女の姿を隠すと、あっという間に元の壁へ変化した。ルルはベッドに寝転ぶ。とても広い。ベッドが部屋の三分の一を占めているだろう。試しに、ゴロゴロと端から端を往復してみた。アウィンのような、二メートル近い高身長が寝ても余裕だろう。このベッドならば、寝相が酷くても落ちる心配は無さそうだ。
 ルルはベッドから起き上がり、部屋を一通り手で触って回った。家具はシンプルだが、全て花や蕾、木ノ実がなっていたり、蔓草が覆っている。大きなベッドと小さなローテーブルが一つ。窓の近くに砂時計が置かれた広い机があった。本を書くのにちょうど良さそうな机だ。

(椅子に、何か物がある?)

 ぼんやり見える無機物の気配に首をかしげ、手探りで触れてみる。それは慣れ親しんだ物だった。マントと仮面とカバンだ。

(良かった。ここに、置いてくれていたんだ)

 ルルは畳まれたマントを、壁の蔓に掛ける。そして気を取り直すように、本とガラスペンを取り出し、真新しいページに『イリュジオン』と記した。今の記憶を頼りに、部屋を小さな図として描く。

(ここは、どんな国かな。人間が少ない国は、久しぶりだから……楽しみ)

 ルルは髪に飾られた花を取り、鼻に近付ける。そり返った花びらは途中から透けていて美しく、香りも涼やかでいい。美味しそうだが、これはおやつではなく薬。一体どんな薬だろう。またあとで聞かなければ。
 ルルは席を立ち、机に咲いた花の僅かに開かれている花びらをツンと突いた。すると蕾のように花びらは閉じ、部屋が一気に暗くなる。これが照明なのだ。空気に触れていると、雌しべが光るのだそうだ。刺激によって身を守るように花が閉じ、光もまた消える。

(外にも、咲いてるのかな?)

 新しい事を知れば、今すぐにでも確かめたくなる。だがルルは首を振って、なんとか好奇心を沈めた。夜にちゃんと寝なければ、明日が台無しになってしまう。
 ルルはベッドの中へボフンと倒れ、剣を抱きしめて丸くなる。緑の香りは安らぎで包み、すぐに彼を夢の中へと連れて行った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...