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【宝石少年と霧の国】
用意された部屋
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飛び降りようとしたアンブルは、視界の端に無数の緑色を見た。それはアウィンが落ちるよりも早く、彼の背後に回る。何千と背中に集まったのは木の葉だった。葉は分厚いクッションのように重なり合うと、アウィンを受け止める。するとそれまで絶壁だったすぐ下に床が現れた。
(木が、庇った……?)
アンブルは驚きながらも床に降りる。木の葉のベッドから、アウィンは頭を支えながら起き上がった。
「大丈夫かい?」
「は、はい、大丈夫です。しかし、これは?」
「木の意思だ。さて……一体全体、今更何のつもりだい。最初に来た頃、言ったね? 私の客人を取る真似をしたら許さない、と。さあ、ルルを返しなさい」
琥珀色の目が、ギロリと壁を睨む。今まで穏やかな表情が多かったせいか、本気の怒りに歪んだ顔に、アウィンも胸元を掴まれた気分になった。
壁が怯えるように震える。すると壁に穴が空き、そこにじわじわと水が溜まり始めた。水は不思議な事に穴の淵から溢れず、まるで鏡のようになった。水面に波紋が打たれて色がついたと思えば、映ったのはルルの姿。
「ルル!」
「これは……木から見た記憶だ」
鏡の中の彼は穏やかな目をこちらに向けながら、子供に言い聞かせるように言った。
──遊ぶのはいい。でも次からは、こんな事しちゃダメ。アンブルに、怒られちゃうよ? アウィンも、心配しちゃうから、僕が帰りたいと言ったら、帰してね?
木は少し迷うようにしていたが、やがて蔓をルルの小指に巻き付けて応えた。映像はそこで途絶え、穴が音もなく閉じる。
アウィンは彼らのやりとりがいまいち分からず、ただ目を瞬かせる。しかしアンブルには伝わったのか、仕方なさそうな溜息を盛大に吐き出した。彼女はパチンと指を弾く。途端に空間が震えはじめ、近くにあった壁が一気に遠くなる。唖然としていると部屋は形を変え、あっという間に客室へと変化した。
「アンブル様……?」
「ちゃんと帰すから、邪魔をしないでくれだとさ」
彼女は腰に手を置き、呆れた溜息をまた大きく吐いた。少しの間何か考えたようだが、再び小さく、それでも深い息を吐く。
「悪かったね。木はね、真に純粋な存在なんだよ」
「真に?」
「ああ。分別がつかないというか……あの子たちは、悪か善かしか判断しないんだ。人間の子供なんかだと思ってもらえればいい」
「傷付ける事は頭に無く、望むのは一緒に居たいという事だけ……ですか?」
「ああ。王様が来た。褒めてくれた、笑ってくれた。もっと遊びたい。こんな単純な話さ。私が住んで、人間側の常識や考え方なんかを教えたんだけど…………勝てないものだね。まったく」
アンブルは疲れたように、一人用ソファへ深く座る。アウィンはそれに苦笑いしながら、彼女が客室へ空間を変えた理由を理解した。ルルと約束をしたというのなら、帰ってくるのをただ待つしか無いからだろう。とりあえずは安心しても良さそうだと、アウィンも草のソファに身を完全に預けた。
~ ** ~ ** ~
ルルは木の太い根元に腰掛けた。攫われた身とは思えない表情だ。いや、むしろ楽しそうに見える。そう、こんなふうに自然とコミュニケーションを取れる機会は、きっと滅多に無い。だったらこちらも心から楽しまないと損だと思ったのだ。それに彼らを早く満足させれば、すぐ二人と合流できるかもしれない。
ルルは色とりどりの小さな花を摘み、編んでいく。遊ぶと言っても、あくまでもここは部屋の中。遊び方は限られている。それなら派手に遊ぶのではなく、穏やかに時を刻むのがいい。
何をしているのかと、鳥たちが不思議そうに集まってくる。
『ねぇ、花を一輪、咲かせられる? 大きいのがいい』
ルルの目の前に、一本の茎が伸びた。頭には大きな蕾を重たそうに実らせている。閉じた頭が震え、細い花びらを何枚も重ねた大輪が咲いた。花は茎からプツンとひとりでに切れると、差し出すようにスカートへポトリと落ちる。
『ありがとう。とっても、いい香り』
ルルは愛しそうに花を両手で包み、笑うように目を細める。するとそれに応えるように、木が美しい花びらを天から散らした。紫の口元からふふっと笑った音がする。
花をいじる手を止めて幹に背中を預けると、彼は心地良さそうに目を伏せた。
『知ってる? 花びらが散る音は……雨が降る音に、よく似てるの』
降らせる側に言っても、きっと分からない。だからルルは、誰に言うわけでもなくただ囁いた。
サラサラ、サァサァと、流れるような音。花の香りと共に降る優しい雨。それは心地良い眠気を誘う。しかしここで微睡に負けてはいけない。そうしたら、余計に帰る時間が遅くなって、要らない心配をかけてしまう。
ルルはなんとか目を開き、小さなあくびと共に眠気を吐き出した。止めていた手を動かす。首に括れそうなほどの輪っかを花たちで作ると、最後に先程貰った大輪の花を飾った。
『できたよ』
その言葉に手元を覗こうとした枝を、ルルは確かめるように撫でる。手探りで枝先を見つけ、花の冠を通した。サイズはピッタリで、まるでそれは花の指輪のようだった。
驚いているように見える木へ、ルルは小指を差し出す。そこには木がくれた、小さな花のリングが嵌っている。
『お揃い』
そう言って、頬を緩めて虹の目を細める。木は多くの物を見せようとしてくれた。盲目な自分が喜ぶ物を必死に探し、それを全力で伝えようとしてくれた。少し強引さはあったが、その積極的な自由さにルルは嫌な気はしなかった。だから、その礼をしたかったのだ。
すると木は、キョトンとするように、動きを止めた。まるで指輪をじっと見つめているような仕草にも見える。次の瞬間、ルルの細い喉からヒュッと驚きに息を呑んだ音が鳴った。体が宙に浮く。木が何本もの枝を使い、彼を抱き上げたのだ。
唖然としていると、ギュッと抱きしめられる。優しくしようという気持ちは伝わってくるが、それでも木に抱きしめられると多少痛い。身動ぐと、慌てたように下へ降ろされる。
『ん……喜んでくれて、良かった』
言葉が木に届いた直後、空間が揺れたのを感じた。次は一体何が起こるというのだろう。ルルはすぐ対応できるようにと、急いで立ち上がった。
一歩手前の地面が、生き物のように動いているのが気配で分かる。これは木の意思なのだろう。転ばせないようにか、ルルの足場だけが全く揺れなかった。
青々とした空が、少しずつ色褪せていく。それまで見えなかった天井が現れ、壁も浮かび上がってきた。原っぱが赤茶色の絨毯に変わる。天井や壁は柔らかなクリーム色に。絨毯の上には丸いテーブルが置かれ、壁の端に本棚が設置される。そしてルルの足元からニュッとソファが映え、自然と座る形となった。
ポカンとしている間に、空間は静かになった。完成されたのは、とある素朴な部屋。ソファ、テーブル、キッチン、本棚といった、最低限の生活ができる程度の部屋だ。ルルは驚いてか、何も言葉を紡がない。しかし驚愕しているのは、単純に空間が変化した事へだけではなかった。
木が、期待するようにルルの様子を見守っている。
『───どうして?』
彼から聞こえた言葉は、ただの疑問。ルルは知っている。この部屋は、忘れるわけがない。このソファは、彼と最期の夜を共にした場所。あのテーブルは、一緒に食事をした場所。あの本棚には、好きな本がたくさんある。
そう、ここはアヴァールで、ルルがクーゥカラットと共に暮らした部屋だった。
『どうして、ここを、作ったの?』
いや、どうしてかなんて分かっている。木は、記憶の中で大切な場所を見つけ、再現してくれたのだ。喜ばせようとして。
ルルはソファから立ち上がると、木へ振り返る。だがその表情は、決して木が望んでいたものではなかった。どうして、この部屋を見て、彼はそんな哀しい顔をするのか。
『帰して。僕を』
ルルは木の肌をそっと撫でるように触れ、顔を寄せる。
『ダメなんだ。ここに来るのは、まだ、ダメ。僕はまだ、ここに来るべきじゃ、無いの』
ここは大切な場所。どこよりも、世界で一番大事な場所。だからこそ、来るべきその時以外は来たくない。それは、忠実に再現された偽物であってもだ。
木はまるで泣いて零れそうな虹の全眼をそっと蔓で撫でる。それはどこか申し訳なさそうで、ルルは柔らかな蔓を握った。
『ありがとう。楽しかったよ』
ハラリと花びらが落ちる。それと同時に空間が再び震えた。
(木が、庇った……?)
アンブルは驚きながらも床に降りる。木の葉のベッドから、アウィンは頭を支えながら起き上がった。
「大丈夫かい?」
「は、はい、大丈夫です。しかし、これは?」
「木の意思だ。さて……一体全体、今更何のつもりだい。最初に来た頃、言ったね? 私の客人を取る真似をしたら許さない、と。さあ、ルルを返しなさい」
琥珀色の目が、ギロリと壁を睨む。今まで穏やかな表情が多かったせいか、本気の怒りに歪んだ顔に、アウィンも胸元を掴まれた気分になった。
壁が怯えるように震える。すると壁に穴が空き、そこにじわじわと水が溜まり始めた。水は不思議な事に穴の淵から溢れず、まるで鏡のようになった。水面に波紋が打たれて色がついたと思えば、映ったのはルルの姿。
「ルル!」
「これは……木から見た記憶だ」
鏡の中の彼は穏やかな目をこちらに向けながら、子供に言い聞かせるように言った。
──遊ぶのはいい。でも次からは、こんな事しちゃダメ。アンブルに、怒られちゃうよ? アウィンも、心配しちゃうから、僕が帰りたいと言ったら、帰してね?
木は少し迷うようにしていたが、やがて蔓をルルの小指に巻き付けて応えた。映像はそこで途絶え、穴が音もなく閉じる。
アウィンは彼らのやりとりがいまいち分からず、ただ目を瞬かせる。しかしアンブルには伝わったのか、仕方なさそうな溜息を盛大に吐き出した。彼女はパチンと指を弾く。途端に空間が震えはじめ、近くにあった壁が一気に遠くなる。唖然としていると部屋は形を変え、あっという間に客室へと変化した。
「アンブル様……?」
「ちゃんと帰すから、邪魔をしないでくれだとさ」
彼女は腰に手を置き、呆れた溜息をまた大きく吐いた。少しの間何か考えたようだが、再び小さく、それでも深い息を吐く。
「悪かったね。木はね、真に純粋な存在なんだよ」
「真に?」
「ああ。分別がつかないというか……あの子たちは、悪か善かしか判断しないんだ。人間の子供なんかだと思ってもらえればいい」
「傷付ける事は頭に無く、望むのは一緒に居たいという事だけ……ですか?」
「ああ。王様が来た。褒めてくれた、笑ってくれた。もっと遊びたい。こんな単純な話さ。私が住んで、人間側の常識や考え方なんかを教えたんだけど…………勝てないものだね。まったく」
アンブルは疲れたように、一人用ソファへ深く座る。アウィンはそれに苦笑いしながら、彼女が客室へ空間を変えた理由を理解した。ルルと約束をしたというのなら、帰ってくるのをただ待つしか無いからだろう。とりあえずは安心しても良さそうだと、アウィンも草のソファに身を完全に預けた。
~ ** ~ ** ~
ルルは木の太い根元に腰掛けた。攫われた身とは思えない表情だ。いや、むしろ楽しそうに見える。そう、こんなふうに自然とコミュニケーションを取れる機会は、きっと滅多に無い。だったらこちらも心から楽しまないと損だと思ったのだ。それに彼らを早く満足させれば、すぐ二人と合流できるかもしれない。
ルルは色とりどりの小さな花を摘み、編んでいく。遊ぶと言っても、あくまでもここは部屋の中。遊び方は限られている。それなら派手に遊ぶのではなく、穏やかに時を刻むのがいい。
何をしているのかと、鳥たちが不思議そうに集まってくる。
『ねぇ、花を一輪、咲かせられる? 大きいのがいい』
ルルの目の前に、一本の茎が伸びた。頭には大きな蕾を重たそうに実らせている。閉じた頭が震え、細い花びらを何枚も重ねた大輪が咲いた。花は茎からプツンとひとりでに切れると、差し出すようにスカートへポトリと落ちる。
『ありがとう。とっても、いい香り』
ルルは愛しそうに花を両手で包み、笑うように目を細める。するとそれに応えるように、木が美しい花びらを天から散らした。紫の口元からふふっと笑った音がする。
花をいじる手を止めて幹に背中を預けると、彼は心地良さそうに目を伏せた。
『知ってる? 花びらが散る音は……雨が降る音に、よく似てるの』
降らせる側に言っても、きっと分からない。だからルルは、誰に言うわけでもなくただ囁いた。
サラサラ、サァサァと、流れるような音。花の香りと共に降る優しい雨。それは心地良い眠気を誘う。しかしここで微睡に負けてはいけない。そうしたら、余計に帰る時間が遅くなって、要らない心配をかけてしまう。
ルルはなんとか目を開き、小さなあくびと共に眠気を吐き出した。止めていた手を動かす。首に括れそうなほどの輪っかを花たちで作ると、最後に先程貰った大輪の花を飾った。
『できたよ』
その言葉に手元を覗こうとした枝を、ルルは確かめるように撫でる。手探りで枝先を見つけ、花の冠を通した。サイズはピッタリで、まるでそれは花の指輪のようだった。
驚いているように見える木へ、ルルは小指を差し出す。そこには木がくれた、小さな花のリングが嵌っている。
『お揃い』
そう言って、頬を緩めて虹の目を細める。木は多くの物を見せようとしてくれた。盲目な自分が喜ぶ物を必死に探し、それを全力で伝えようとしてくれた。少し強引さはあったが、その積極的な自由さにルルは嫌な気はしなかった。だから、その礼をしたかったのだ。
すると木は、キョトンとするように、動きを止めた。まるで指輪をじっと見つめているような仕草にも見える。次の瞬間、ルルの細い喉からヒュッと驚きに息を呑んだ音が鳴った。体が宙に浮く。木が何本もの枝を使い、彼を抱き上げたのだ。
唖然としていると、ギュッと抱きしめられる。優しくしようという気持ちは伝わってくるが、それでも木に抱きしめられると多少痛い。身動ぐと、慌てたように下へ降ろされる。
『ん……喜んでくれて、良かった』
言葉が木に届いた直後、空間が揺れたのを感じた。次は一体何が起こるというのだろう。ルルはすぐ対応できるようにと、急いで立ち上がった。
一歩手前の地面が、生き物のように動いているのが気配で分かる。これは木の意思なのだろう。転ばせないようにか、ルルの足場だけが全く揺れなかった。
青々とした空が、少しずつ色褪せていく。それまで見えなかった天井が現れ、壁も浮かび上がってきた。原っぱが赤茶色の絨毯に変わる。天井や壁は柔らかなクリーム色に。絨毯の上には丸いテーブルが置かれ、壁の端に本棚が設置される。そしてルルの足元からニュッとソファが映え、自然と座る形となった。
ポカンとしている間に、空間は静かになった。完成されたのは、とある素朴な部屋。ソファ、テーブル、キッチン、本棚といった、最低限の生活ができる程度の部屋だ。ルルは驚いてか、何も言葉を紡がない。しかし驚愕しているのは、単純に空間が変化した事へだけではなかった。
木が、期待するようにルルの様子を見守っている。
『───どうして?』
彼から聞こえた言葉は、ただの疑問。ルルは知っている。この部屋は、忘れるわけがない。このソファは、彼と最期の夜を共にした場所。あのテーブルは、一緒に食事をした場所。あの本棚には、好きな本がたくさんある。
そう、ここはアヴァールで、ルルがクーゥカラットと共に暮らした部屋だった。
『どうして、ここを、作ったの?』
いや、どうしてかなんて分かっている。木は、記憶の中で大切な場所を見つけ、再現してくれたのだ。喜ばせようとして。
ルルはソファから立ち上がると、木へ振り返る。だがその表情は、決して木が望んでいたものではなかった。どうして、この部屋を見て、彼はそんな哀しい顔をするのか。
『帰して。僕を』
ルルは木の肌をそっと撫でるように触れ、顔を寄せる。
『ダメなんだ。ここに来るのは、まだ、ダメ。僕はまだ、ここに来るべきじゃ、無いの』
ここは大切な場所。どこよりも、世界で一番大事な場所。だからこそ、来るべきその時以外は来たくない。それは、忠実に再現された偽物であってもだ。
木はまるで泣いて零れそうな虹の全眼をそっと蔓で撫でる。それはどこか申し訳なさそうで、ルルは柔らかな蔓を握った。
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