117 / 210
【宝石少年と霧の国】
オーア・トーン
しおりを挟む
心配のあまり視線を送りすぎたせいか、彼の知らない事が聞けた。その過去はおそらく簡単に話せるようなものではないだろう。だから今度は自分の番だと、ルルはフードを取って仮面を外す。
『僕はね、国宝を新しくする、旅をしているの。もちろん、旅自体は、やりたいから、やってるけれど』
目を静かに開くと、ハッと息を飲む音がアウィンの口から聞こえた。それは単に、幻の石に驚いたものではないだろう。友人にオリクトの民が居るとなれば、世界の王についてに知識が自然と身につくだろうから。どうか彼が、王ではなくルルとして接してくれる事を祈りながら、虹の瞳で見つめる。
「なるほど、だからその仮面を」
『うん』
「……良かったのですか? 私に見せて」
『アウィンには、話したかったから。この姿で』
「なら、これからも友人としての関係を望んでも?」
『もちろん』
頭の声は食い気味で、アウィンは可笑しそうに笑った。表情は変わらないのに、瞳は先程よりもキラキラと鮮やかな色が踊りはじめ、感情が面白いくらい良く分かった。
「しかし、いくら姿を隠していると言っても、もう少し危機感を持たなければなりませんね」
『ん……』
両頬を包まれ、ルルは頷きながらも困った顔をした。危機感を持たなければならないのは、当然分かっている。それでも、いかんせんどうやって持てばいいのか分からない。なにせ、ルルは彼らが自分に対してどんな行動をしたいのか、理解できないからだ。
『僕は、男でも女でも、無いのに、どうして狙うの? 姿だって、分からないのに』
「そんなの、そもそも他人を襲うような野蛮人には関係ないんです。それに貴方はまだ幼い。それも狙われやすいのですよ。改めて聞きますが、何もされませんでしたか?」
『うん、殴られただけ』
「おやおや、本当に見境の無い連中です」
『あ……ねえ、あなって何?』
「あな? 掘ってできるあの穴ですか?」
『多分。あの人、穴があればいいって、言っていたから』
少しの間考えて、それが穴ではなく孔である事に、アウィンは気付いた。こんな子供に対してなんて事を言うのだろう。意識せずとも、呆れた溜息が出る。旅人には容赦ないにもほどがあるが、彼らに言っても無駄だ。あんな簡単に逃すんじゃなかったと後悔する。
「……もう少し痛ぶってから果てへ飛ばしても、良かったですね」
怒りが湧いたせいで、低く鋭い声が思わず口から殺気と共に漏れた。我に帰ると、案の定ルルは丸い目をさらに丸くし唖然としている。アウィンは怖がわせないよう、顔を笑顔に戻す。しかしそれは珍しくぎこちない苦笑いとなってしまった。
いけない。友に散々言われたじゃないか。お前は毒を吐く時に笑う癖があるから、周りに逃げられるんだと。しかしルルの口からはふふっと笑ったような息が聞こえた。
『アウィンは、面白いね』
ルルは驚いただけで、恐怖は全く感じなかった。むしろ嬉しい。声しか分からない中で、知らない彼の表情を知れたのだから。
「ははは、貴方には負けます」
そう言って笑うアウィンの声は、とても嬉しそうだった。
辺りの空気は完全に光の熱が失われ、夜を迎えている。今日は比較的歩いたはずなのに、不思議と眠くない。久しぶりに国以外で誰かと会話をしているせいだろうか。
アウィンは隣にあるオーア・トーンを一瞥した。
「ルルは、オーア・トーンをご存知ですか?」
『ううん、何それ?』
「鍵盤楽器の名前です。貴方にはとても身近ですよ」
しかしルルは音楽について疎い方だ。促すように差し伸べられた手を取り、彼の座る椅子を半分借りて腰を落ろす。
オーア・トーンは、普段アウィンが愛用している鍵盤楽器のアコーディオンとは異なり、とても大きく持ち運べない。一般普及している楽器の中で大きな類いで、1人用の部屋にはギリギリ置けないだろう。二人暮らし用であろうこの空き家ですら、半分を占めている。堂々としているが、曲線を描く体の繊細さが美しく、貴族はもちろん少女たちが憧れる楽器だ。
蓋を開けると鍵盤が現れる。足元にあるペダルで、音の伸びを調節できる。大きくもしなやかな指がそっと置かれ、一つの鍵盤を押した。音は部屋の隅々に響き渡る。
「!」
ポーーンと透き通る音だ。聞いた瞬間、ルルは驚いてアウィンを見た。変化し続ける虹の瞳が、反響するように一層鮮やかに輝き始めた。彼は僅かに震える鉱石の耳にそっと触れた。
『鉱石の、音……』
「親しみがある音でしょう?」
『どうして? 鉱石なの?』
頭に響く声は興奮気味なのがよく分かる。アウィンはクスクスと笑いながら、前のめるように近付いたルルの頭をそっと撫でた。
「これには鉱石の成分は使われていますが、それ自体ではありません。ですから、正確には鉱石に似た音、ですね」
『アウィンにも、聞こえるの?』
「ええ。これは、とあるオリクトの民が人のために作った楽器なのですよ」
鉱石や鉱物の音を聞いたり会話などができるのは、この世界でオリクトの民のみだ。オーア・トーンは、そんな彼らだけの世界に人が触れられる、唯一の架け橋だ。鉱石の音に近付けるのには、何十年と時間を有した。そんな途方の無い道を、一度も挫けずに完成まで辿り着けたのには、特別な理由があった。
ポーーーンと、再び音が響く。
「せっかくです。オーア・トーンが作られた物語を、お聞かせしましょう」
気持ち良く伸びる透き通った音に乗る、低く穏やかな声にルルは聞き入った。その声と音が紡ぐのは、一人の青年と一人の少女の物語。
とある林の中、一人の青年はそこに住む少女と出会う。歌が好きな少女は、林の魔獣たちとよく歌って過ごしていた。偶然に出会った二人は、交流を繰り返すうち互いに惹かれ合い、そして結ばれた。少女は青年だけが聴ける鉱石の音に興味を惹かれ、彼と共にいつかその音で歌いたいと想い焦がれた。青年はその夢を叶えるため、一つの楽器を作る。
頭の中で物語を描いていると、歌が終わった。
「──美しき愛の果てに生まれたのが、このオーア・トーンだと云われています」
『? 確かじゃないの?』
「残念な事に、そうなんです。なにせオーア・トーンは全ての鍵盤楽器の原点で、数百年以上前に作られた物です。オリクトの民が人のために作ったのは確かですが、この歌の真実までは分かりかねます」
『そう。でも、本当だったら、素敵だね』
「ええ、本当に。しかし、このオーア・トーンはずいぶん古い型です」
オーア・トーンは一般普及してから様々な型が作られている。今製作に携わっている職人は少なくなっているらしいが、今でも新しい型が生み出され続けている。それほどオーア・トーンは広く深く愛される楽器なのだ。
アウィンが生まれ育った屋敷にも、彼専用にオーア・トーンがいくつも置かれている。同じ音など存在せず、どれだけ集めても聴き足りないからだ。
「一番古いでしょうか……珍しい。ああ、最初に作られた物と全く同じでしょう。間違いない、本でしか見た事がありません。通りで古いのに音が良いはずです。どうやって手に入れたのでしょうか。家主がいらっしゃれば伺えたのに、残念です」
アウィンは目に見えるほど埃に飾られた表面を、愛おしそうに撫でる。この家の主人は相当の音楽マニアだろう。そんな事を言う彼も充分に饒舌で、ルルは目をパチクリさせてからおかしそうに笑う息を吐いた。アウィンはその笑った音に気付いて我に返る。
「も、申し訳ありません、珍しかったもので、つい」
『ううん、とても楽しそう。このオーア・トーンは、きっとアウィンを、待っていたんだね』
この家に立ち寄ったのは運命だ。オーア・トーンがアウィンを呼んだのだ。何故なら彼らには誰かの手が無ければ自らを輝かせられないから。どれだけ美しくたって、ただ見つめられたりそこに存在するだけでは、その身を真に輝かせられない。
『僕らに、音を聞かせるために』
「……貴方の言葉は、歌と同じように美しいですね。それなら、今晩はたくさん奏でましょう。聞いてくれますか?」
断る理由なんて無く、ルルは真っ先に頷いた。それが合図となり、アウィンの指が鍵盤の上で踊り出す。その晩、もはや誰も見向きしなくなったはずの空き家からは、想像つかない穏やかで美しい音が溢れ続けた。
『僕はね、国宝を新しくする、旅をしているの。もちろん、旅自体は、やりたいから、やってるけれど』
目を静かに開くと、ハッと息を飲む音がアウィンの口から聞こえた。それは単に、幻の石に驚いたものではないだろう。友人にオリクトの民が居るとなれば、世界の王についてに知識が自然と身につくだろうから。どうか彼が、王ではなくルルとして接してくれる事を祈りながら、虹の瞳で見つめる。
「なるほど、だからその仮面を」
『うん』
「……良かったのですか? 私に見せて」
『アウィンには、話したかったから。この姿で』
「なら、これからも友人としての関係を望んでも?」
『もちろん』
頭の声は食い気味で、アウィンは可笑しそうに笑った。表情は変わらないのに、瞳は先程よりもキラキラと鮮やかな色が踊りはじめ、感情が面白いくらい良く分かった。
「しかし、いくら姿を隠していると言っても、もう少し危機感を持たなければなりませんね」
『ん……』
両頬を包まれ、ルルは頷きながらも困った顔をした。危機感を持たなければならないのは、当然分かっている。それでも、いかんせんどうやって持てばいいのか分からない。なにせ、ルルは彼らが自分に対してどんな行動をしたいのか、理解できないからだ。
『僕は、男でも女でも、無いのに、どうして狙うの? 姿だって、分からないのに』
「そんなの、そもそも他人を襲うような野蛮人には関係ないんです。それに貴方はまだ幼い。それも狙われやすいのですよ。改めて聞きますが、何もされませんでしたか?」
『うん、殴られただけ』
「おやおや、本当に見境の無い連中です」
『あ……ねえ、あなって何?』
「あな? 掘ってできるあの穴ですか?」
『多分。あの人、穴があればいいって、言っていたから』
少しの間考えて、それが穴ではなく孔である事に、アウィンは気付いた。こんな子供に対してなんて事を言うのだろう。意識せずとも、呆れた溜息が出る。旅人には容赦ないにもほどがあるが、彼らに言っても無駄だ。あんな簡単に逃すんじゃなかったと後悔する。
「……もう少し痛ぶってから果てへ飛ばしても、良かったですね」
怒りが湧いたせいで、低く鋭い声が思わず口から殺気と共に漏れた。我に帰ると、案の定ルルは丸い目をさらに丸くし唖然としている。アウィンは怖がわせないよう、顔を笑顔に戻す。しかしそれは珍しくぎこちない苦笑いとなってしまった。
いけない。友に散々言われたじゃないか。お前は毒を吐く時に笑う癖があるから、周りに逃げられるんだと。しかしルルの口からはふふっと笑ったような息が聞こえた。
『アウィンは、面白いね』
ルルは驚いただけで、恐怖は全く感じなかった。むしろ嬉しい。声しか分からない中で、知らない彼の表情を知れたのだから。
「ははは、貴方には負けます」
そう言って笑うアウィンの声は、とても嬉しそうだった。
辺りの空気は完全に光の熱が失われ、夜を迎えている。今日は比較的歩いたはずなのに、不思議と眠くない。久しぶりに国以外で誰かと会話をしているせいだろうか。
アウィンは隣にあるオーア・トーンを一瞥した。
「ルルは、オーア・トーンをご存知ですか?」
『ううん、何それ?』
「鍵盤楽器の名前です。貴方にはとても身近ですよ」
しかしルルは音楽について疎い方だ。促すように差し伸べられた手を取り、彼の座る椅子を半分借りて腰を落ろす。
オーア・トーンは、普段アウィンが愛用している鍵盤楽器のアコーディオンとは異なり、とても大きく持ち運べない。一般普及している楽器の中で大きな類いで、1人用の部屋にはギリギリ置けないだろう。二人暮らし用であろうこの空き家ですら、半分を占めている。堂々としているが、曲線を描く体の繊細さが美しく、貴族はもちろん少女たちが憧れる楽器だ。
蓋を開けると鍵盤が現れる。足元にあるペダルで、音の伸びを調節できる。大きくもしなやかな指がそっと置かれ、一つの鍵盤を押した。音は部屋の隅々に響き渡る。
「!」
ポーーンと透き通る音だ。聞いた瞬間、ルルは驚いてアウィンを見た。変化し続ける虹の瞳が、反響するように一層鮮やかに輝き始めた。彼は僅かに震える鉱石の耳にそっと触れた。
『鉱石の、音……』
「親しみがある音でしょう?」
『どうして? 鉱石なの?』
頭に響く声は興奮気味なのがよく分かる。アウィンはクスクスと笑いながら、前のめるように近付いたルルの頭をそっと撫でた。
「これには鉱石の成分は使われていますが、それ自体ではありません。ですから、正確には鉱石に似た音、ですね」
『アウィンにも、聞こえるの?』
「ええ。これは、とあるオリクトの民が人のために作った楽器なのですよ」
鉱石や鉱物の音を聞いたり会話などができるのは、この世界でオリクトの民のみだ。オーア・トーンは、そんな彼らだけの世界に人が触れられる、唯一の架け橋だ。鉱石の音に近付けるのには、何十年と時間を有した。そんな途方の無い道を、一度も挫けずに完成まで辿り着けたのには、特別な理由があった。
ポーーーンと、再び音が響く。
「せっかくです。オーア・トーンが作られた物語を、お聞かせしましょう」
気持ち良く伸びる透き通った音に乗る、低く穏やかな声にルルは聞き入った。その声と音が紡ぐのは、一人の青年と一人の少女の物語。
とある林の中、一人の青年はそこに住む少女と出会う。歌が好きな少女は、林の魔獣たちとよく歌って過ごしていた。偶然に出会った二人は、交流を繰り返すうち互いに惹かれ合い、そして結ばれた。少女は青年だけが聴ける鉱石の音に興味を惹かれ、彼と共にいつかその音で歌いたいと想い焦がれた。青年はその夢を叶えるため、一つの楽器を作る。
頭の中で物語を描いていると、歌が終わった。
「──美しき愛の果てに生まれたのが、このオーア・トーンだと云われています」
『? 確かじゃないの?』
「残念な事に、そうなんです。なにせオーア・トーンは全ての鍵盤楽器の原点で、数百年以上前に作られた物です。オリクトの民が人のために作ったのは確かですが、この歌の真実までは分かりかねます」
『そう。でも、本当だったら、素敵だね』
「ええ、本当に。しかし、このオーア・トーンはずいぶん古い型です」
オーア・トーンは一般普及してから様々な型が作られている。今製作に携わっている職人は少なくなっているらしいが、今でも新しい型が生み出され続けている。それほどオーア・トーンは広く深く愛される楽器なのだ。
アウィンが生まれ育った屋敷にも、彼専用にオーア・トーンがいくつも置かれている。同じ音など存在せず、どれだけ集めても聴き足りないからだ。
「一番古いでしょうか……珍しい。ああ、最初に作られた物と全く同じでしょう。間違いない、本でしか見た事がありません。通りで古いのに音が良いはずです。どうやって手に入れたのでしょうか。家主がいらっしゃれば伺えたのに、残念です」
アウィンは目に見えるほど埃に飾られた表面を、愛おしそうに撫でる。この家の主人は相当の音楽マニアだろう。そんな事を言う彼も充分に饒舌で、ルルは目をパチクリさせてからおかしそうに笑う息を吐いた。アウィンはその笑った音に気付いて我に返る。
「も、申し訳ありません、珍しかったもので、つい」
『ううん、とても楽しそう。このオーア・トーンは、きっとアウィンを、待っていたんだね』
この家に立ち寄ったのは運命だ。オーア・トーンがアウィンを呼んだのだ。何故なら彼らには誰かの手が無ければ自らを輝かせられないから。どれだけ美しくたって、ただ見つめられたりそこに存在するだけでは、その身を真に輝かせられない。
『僕らに、音を聞かせるために』
「……貴方の言葉は、歌と同じように美しいですね。それなら、今晩はたくさん奏でましょう。聞いてくれますか?」
断る理由なんて無く、ルルは真っ先に頷いた。それが合図となり、アウィンの指が鍵盤の上で踊り出す。その晩、もはや誰も見向きしなくなったはずの空き家からは、想像つかない穏やかで美しい音が溢れ続けた。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる