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【宝石少年と2つの国】
神の愛した石
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誰も居なくなった屋上への階段を天井にしまうと、ベリルはすぐにカーテンを閉めた。今も息を殺して辺りを見る彼に、ルルは状況が分からず首をかしげる。
「その目、よく見せてくれ」
『ん……』
ベリルはルルの頬を両手で包み、虹の目を確認する様に見る。動きや感情によって、色が泳いで同じ表情は無く、どんな宝石よりも見ていて飽きない。
ルルは彼の手から伝わる緊張感に、呼吸と瞬きを止めて言葉を待った。ベリルの口から小さな息が吐かれ、そっと手が離れる。
「お前、オリクトの民で、王様なんだな?」
『どうして、そう思ったの? この国には、太陽の地区に、王と名乗る人が……居るんでしょ?』
「本物を見た事があれば、あの人が偽物くらい分かるさ。あの人の目はオパールだ。ルルの石は土台が白じゃなくて透明。だから綺麗な虹なんだ」
『王様って……目の石で、分かるの?』
「もしかして、ルルはどうして自分が王なのか、分かってないのか?」
頷いたルルにベリルは驚いてたが、机の引き出しから1枚の紙を取り出す。それは随分古い紙で、ルルが貰った書物の半分だった。
ベリルはそれを自分たちの間に置いて、彼の疑問に要約しながら答えた。
「王になる民は決まってるんだ。ルルの石を瞳と心臓に持った民が、国宝の終わりと共に訪れる。ルルの石は、神が最も愛した、清らかな石なんだって」
ルルの石が幻だと呼ばれるのは、どれほどの大金を払っても手に入らないからでもある。しかしそれとは別に『神に愛された石』は、人間が価値を付けるべきではないというのが、最もな理由だった。
ルルはベリルから書物を貰い、何か思い出す事はあるかと尋ねられ、自分の記憶の深い部分を探った。
しかしいくら考えても、自分の中にある王についての記憶は全く無い。思い出す古い記憶は、牢の冷たい床の感触。
『だから民の人は、僕を王だって……判断出来るんだ。あれ? じゃあ、ドラゴンとは?』
「オリクトの民は人型をしてるけど、生き物の中では自然界に1番近い存在なんだ。ドラゴンもそう。だから友好的だったんだって。あ~……何で生き返ったのかは、分かんないけど。多分、王だから……とかじゃないか? それに、王は世界の頂点だからな」
『そんな理由?』
「案外間違ってないと思うぜ。思い当たる節はあるだろ? 無意識だったり、そうするべきだって思ってる行動とかさ」
彼の言う通り、図星となる自分の行動がいくつも思い出される。しかしルルはどこか不服そうな顔をした。王の運命を全うするのは構わないし、旅に影響しない程度なら別に抗おうとも思わない。それで世界が良くなると言うなら、むしろ喜ばしいだろう。
ルルが不満なのはそこではなく、それを無意識な行動で行ってしまう事だ。勝手にではなく、自分で理解してやりたいのだ。
「ノイスには、どのくらい居るんだ?」
『国宝を新しくして、この国を、沢山知って……思い出を、充分作ってから。あとは、次の国宝の音が、聞こえたら……かな』
「本当は、今すぐ逃げた方がいいんだぜ? アダマスは危ないんだ。もしあの人が偽物だってバレたら」
『知ってる。でも僕が逃げたら、庇った彼女が……死んでしまうでしょ? それは、止める必要のある、不必要な死だよ』
「でも」
『僕のために、誰かが死ぬのは……嫌。そんな事、絶対あっては、いけないの。僕が、何者であろうとも』
ルルは剣のグリップをギュッと握る。もしまた、阻止出来る筈の死を見れば、過去が黒く霞んでしまう。クーゥカラットとの日々が背中を押すものではなく、悲しい影になって足を絡めとるものになる。
そう呟いたルルの顔は、あまり表情は変わらない。それでもベリルには、僅かな強張りと悲しそうな歪みが分かった。それでも、ベリルにとっても初めての友達を危険に晒したくはない。
しかし他人のためだとか、薄寒い面倒ごとは避けて生きてきた。今まで散々、自分の命を拾って逃げて生き延びてきたのだ。
「あのさ」
そのせいか、頭で思い浮かべたたった一言を口から出すまで酷く時間が掛かった。ルルは彼が何か迷っている事に不思議そうにしながら待つ。
「……何かあったら…………俺を使えよ」
『え?』
「だから! 手伝うって……事。お、お前は俺の、最初の友達だから、特別」
声は尻すぼみしていき、最後はルルにしか聞こえないくらい小さくなった。キョトンとした虹の目がこちらを見つめ、我に返ったベリルの顔は途端に赤くなる。
なんてカッコ悪くて、頼りなく弱々しい声で紡がれた言葉だろう。そんな大した力もないくせに。
「も、もちろん俺だって死にたくないし、無茶な事には付き合わないぞ!」
罪悪感に似た居心地の悪さと後悔に、癖になった言い訳を捲し立てる。逃げる理由は瞬時に考え付くのに、友達を思いやる言葉は全く思い付かない。
しかしルルはそれに嬉しそうに顔を綻ばせた。
『ありがとう、ベリル。君は、とてもかっこいいね』
「は、はぁ?! 何でそうなるんだよ!」
夕暮れの様な濃い赤茶の髪に負けないほど、ベリルは再び顔から火が出そうなくらいの熱を感じた。
不機嫌そうに顔を逸らしてぶつぶつと何やら文句を言う彼に、ルルは笑った息を吐く。この国には、褒められると機嫌を損ねる不器用な人が多いらしい。
「と、とにかく、その姿見せたら一発でバレるから気を付けろよ。まさか外でその格好してないよな?」
『他人の目が、ある場所では……取ってないよ。そう簡単に、見せないから』
「俺に見せちまってるけどな」
『ベリルはいいよ。友達でしょ?』
「お、おう」
ベリルは恥ずかしそうに頭を掻いた。その様子にルルが可笑しそうに頬を緩めた時、外から小さな音楽が流れて来た。それは国に夕刻を知らせる、女神像の足元が奏でる音楽だった。
ルルが窓へ顔を向けた事で、ベリルも微かな音に気付いた。
「あ、もうこんな時間か。会う人が居るんだよな、大丈夫か? その人」
『大丈夫だよ。月の民で…………ほら、君が捕まえようと、していた女の子』
「あぁ、あの」
記憶を辿りながら、白に近い水色の髪をした少女を思い出す。よくよく容姿を思い描いてみれば、確か彼女は五大柱の令嬢だった。
厄介な相手に手を出していた事にベリルは苦々しそうな顔をする。
「あ~悪かったって、言っといてくれるか?」
『それは……直接、言うべきだね』
「ぐ、せーろん」
『月と太陽の間に、迎えに来て、くれるんだけど』
「それなら、来た場所から逆方向にまっすぐ行けばいい。送るぜ」
ベリルはカーペットを捲り、重たい床の一部を持ち上げる。ここへ来た時と同じで、ルルはベリルのあとを追って地下へ向かった。しかし、来た時は短く感じた鉄梯子だったが、今は不思議と長く感じる。それは別れが名残惜しいからだろう。
ルルはふと、ドラゴンが飛び去った瞬間を思い出した。あの時、ガラスが派手に割れる音が聞こえた気がした。
『窓』
「ん?」
『屋根裏部屋の、窓。バラバラに……なったんじゃない?』
「あぁ、まぁな」
『修理、手伝う』
「怪我するぜ? そんなの気にすんなよ」
『手伝いたいの。これでも、普通の人と同じくらい、手作業は得意だよ。ダメかな?』
ベリルは彼の指先が赤く染まる未来を想像して中々頷けない。ルルは渋る彼に最終手段として付け加えた。
『友達の手伝いは、したいよ』
「……分かった。怪我しないようにな?」
『うん、ありがとう』
ベリルは『友達』という言葉に滅法弱いらしい。この一言で硬かった首を縦に振った彼に、ルルはバレない程度に笑った。
しばらくまっすぐ進んだ所にある1つの梯子にベリルは触れる。
「ここを上がれば、1番近い場所に出るぜ」
『そう、ありがとう。あとは……音で分かるから、大丈夫』
「おう。じゃあな」
『うん、またね』
慎重に梯子を登り、天井に手を付いてそっと押し開ける。誰も居ない事を確かめて出たルルをベリルは下から見守った。最後ルルがこちらに手を振ったのに軽く返し、自宅へと帰った。
「その目、よく見せてくれ」
『ん……』
ベリルはルルの頬を両手で包み、虹の目を確認する様に見る。動きや感情によって、色が泳いで同じ表情は無く、どんな宝石よりも見ていて飽きない。
ルルは彼の手から伝わる緊張感に、呼吸と瞬きを止めて言葉を待った。ベリルの口から小さな息が吐かれ、そっと手が離れる。
「お前、オリクトの民で、王様なんだな?」
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「本物を見た事があれば、あの人が偽物くらい分かるさ。あの人の目はオパールだ。ルルの石は土台が白じゃなくて透明。だから綺麗な虹なんだ」
『王様って……目の石で、分かるの?』
「もしかして、ルルはどうして自分が王なのか、分かってないのか?」
頷いたルルにベリルは驚いてたが、机の引き出しから1枚の紙を取り出す。それは随分古い紙で、ルルが貰った書物の半分だった。
ベリルはそれを自分たちの間に置いて、彼の疑問に要約しながら答えた。
「王になる民は決まってるんだ。ルルの石を瞳と心臓に持った民が、国宝の終わりと共に訪れる。ルルの石は、神が最も愛した、清らかな石なんだって」
ルルの石が幻だと呼ばれるのは、どれほどの大金を払っても手に入らないからでもある。しかしそれとは別に『神に愛された石』は、人間が価値を付けるべきではないというのが、最もな理由だった。
ルルはベリルから書物を貰い、何か思い出す事はあるかと尋ねられ、自分の記憶の深い部分を探った。
しかしいくら考えても、自分の中にある王についての記憶は全く無い。思い出す古い記憶は、牢の冷たい床の感触。
『だから民の人は、僕を王だって……判断出来るんだ。あれ? じゃあ、ドラゴンとは?』
「オリクトの民は人型をしてるけど、生き物の中では自然界に1番近い存在なんだ。ドラゴンもそう。だから友好的だったんだって。あ~……何で生き返ったのかは、分かんないけど。多分、王だから……とかじゃないか? それに、王は世界の頂点だからな」
『そんな理由?』
「案外間違ってないと思うぜ。思い当たる節はあるだろ? 無意識だったり、そうするべきだって思ってる行動とかさ」
彼の言う通り、図星となる自分の行動がいくつも思い出される。しかしルルはどこか不服そうな顔をした。王の運命を全うするのは構わないし、旅に影響しない程度なら別に抗おうとも思わない。それで世界が良くなると言うなら、むしろ喜ばしいだろう。
ルルが不満なのはそこではなく、それを無意識な行動で行ってしまう事だ。勝手にではなく、自分で理解してやりたいのだ。
「ノイスには、どのくらい居るんだ?」
『国宝を新しくして、この国を、沢山知って……思い出を、充分作ってから。あとは、次の国宝の音が、聞こえたら……かな』
「本当は、今すぐ逃げた方がいいんだぜ? アダマスは危ないんだ。もしあの人が偽物だってバレたら」
『知ってる。でも僕が逃げたら、庇った彼女が……死んでしまうでしょ? それは、止める必要のある、不必要な死だよ』
「でも」
『僕のために、誰かが死ぬのは……嫌。そんな事、絶対あっては、いけないの。僕が、何者であろうとも』
ルルは剣のグリップをギュッと握る。もしまた、阻止出来る筈の死を見れば、過去が黒く霞んでしまう。クーゥカラットとの日々が背中を押すものではなく、悲しい影になって足を絡めとるものになる。
そう呟いたルルの顔は、あまり表情は変わらない。それでもベリルには、僅かな強張りと悲しそうな歪みが分かった。それでも、ベリルにとっても初めての友達を危険に晒したくはない。
しかし他人のためだとか、薄寒い面倒ごとは避けて生きてきた。今まで散々、自分の命を拾って逃げて生き延びてきたのだ。
「あのさ」
そのせいか、頭で思い浮かべたたった一言を口から出すまで酷く時間が掛かった。ルルは彼が何か迷っている事に不思議そうにしながら待つ。
「……何かあったら…………俺を使えよ」
『え?』
「だから! 手伝うって……事。お、お前は俺の、最初の友達だから、特別」
声は尻すぼみしていき、最後はルルにしか聞こえないくらい小さくなった。キョトンとした虹の目がこちらを見つめ、我に返ったベリルの顔は途端に赤くなる。
なんてカッコ悪くて、頼りなく弱々しい声で紡がれた言葉だろう。そんな大した力もないくせに。
「も、もちろん俺だって死にたくないし、無茶な事には付き合わないぞ!」
罪悪感に似た居心地の悪さと後悔に、癖になった言い訳を捲し立てる。逃げる理由は瞬時に考え付くのに、友達を思いやる言葉は全く思い付かない。
しかしルルはそれに嬉しそうに顔を綻ばせた。
『ありがとう、ベリル。君は、とてもかっこいいね』
「は、はぁ?! 何でそうなるんだよ!」
夕暮れの様な濃い赤茶の髪に負けないほど、ベリルは再び顔から火が出そうなくらいの熱を感じた。
不機嫌そうに顔を逸らしてぶつぶつと何やら文句を言う彼に、ルルは笑った息を吐く。この国には、褒められると機嫌を損ねる不器用な人が多いらしい。
「と、とにかく、その姿見せたら一発でバレるから気を付けろよ。まさか外でその格好してないよな?」
『他人の目が、ある場所では……取ってないよ。そう簡単に、見せないから』
「俺に見せちまってるけどな」
『ベリルはいいよ。友達でしょ?』
「お、おう」
ベリルは恥ずかしそうに頭を掻いた。その様子にルルが可笑しそうに頬を緩めた時、外から小さな音楽が流れて来た。それは国に夕刻を知らせる、女神像の足元が奏でる音楽だった。
ルルが窓へ顔を向けた事で、ベリルも微かな音に気付いた。
「あ、もうこんな時間か。会う人が居るんだよな、大丈夫か? その人」
『大丈夫だよ。月の民で…………ほら、君が捕まえようと、していた女の子』
「あぁ、あの」
記憶を辿りながら、白に近い水色の髪をした少女を思い出す。よくよく容姿を思い描いてみれば、確か彼女は五大柱の令嬢だった。
厄介な相手に手を出していた事にベリルは苦々しそうな顔をする。
「あ~悪かったって、言っといてくれるか?」
『それは……直接、言うべきだね』
「ぐ、せーろん」
『月と太陽の間に、迎えに来て、くれるんだけど』
「それなら、来た場所から逆方向にまっすぐ行けばいい。送るぜ」
ベリルはカーペットを捲り、重たい床の一部を持ち上げる。ここへ来た時と同じで、ルルはベリルのあとを追って地下へ向かった。しかし、来た時は短く感じた鉄梯子だったが、今は不思議と長く感じる。それは別れが名残惜しいからだろう。
ルルはふと、ドラゴンが飛び去った瞬間を思い出した。あの時、ガラスが派手に割れる音が聞こえた気がした。
『窓』
「ん?」
『屋根裏部屋の、窓。バラバラに……なったんじゃない?』
「あぁ、まぁな」
『修理、手伝う』
「怪我するぜ? そんなの気にすんなよ」
『手伝いたいの。これでも、普通の人と同じくらい、手作業は得意だよ。ダメかな?』
ベリルは彼の指先が赤く染まる未来を想像して中々頷けない。ルルは渋る彼に最終手段として付け加えた。
『友達の手伝いは、したいよ』
「……分かった。怪我しないようにな?」
『うん、ありがとう』
ベリルは『友達』という言葉に滅法弱いらしい。この一言で硬かった首を縦に振った彼に、ルルはバレない程度に笑った。
しばらくまっすぐ進んだ所にある1つの梯子にベリルは触れる。
「ここを上がれば、1番近い場所に出るぜ」
『そう、ありがとう。あとは……音で分かるから、大丈夫』
「おう。じゃあな」
『うん、またね』
慎重に梯子を登り、天井に手を付いてそっと押し開ける。誰も居ない事を確かめて出たルルをベリルは下から見守った。最後ルルがこちらに手を振ったのに軽く返し、自宅へと帰った。
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