遺恨

りゅ・りくらむ

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ボェの国(吐蕃)の役職について

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吐蕃(ボェの国=チベット)の官位は、統一王国の初代王ティ・ソンツェン(ソンツェン・ガンポ 581?-649?)の時代に定まったと言われていますが、次第に形骸化してしまったため、グー・ティサン・ヤプラクが整備しなおしたようです。
十二階の位階(告身)と九つの官職が定められていますが、このお話に出てくるのは官職である九大尚論(政務九大臣 ཞང་བློན་ཆེན་པོ་དགུ།  shang blon chen po dgu)です。
(★は宰相職)

【貢論(གུན་བློན།  gun blon)】:任免の一切を決定する
★大相(総理)
★副相(副総理)
 小貢論

【内論(ནང་བློན།  nang blon)】:内政を司る
★内大相
 内副相
 内小相

【整事(བཀའ་ཡོ་གལ་འཆོས་པ།  bka' yo gal 'chos pa)】:治安を司る
 整事大相
 副整事
 小整事

この九大尚論に加え、★シャンのお方おひとり(この小説では「王家姻戚シャン筆頭尚論」としています)が政務を主導していたようです。



尚論(シャン・レン)とは大臣といった意味で、吐蕃の高官につけられる2種類の尊称を合わせた名称です。

尚(シャン)は「おじ」という意味。
王を成した王妃の実家出身の大臣に付けられました。
ティソン・デツェン王時代のシャンは、

ナナム  :ティソン・デツェン王の母の実家
チム   :ティデ・ツクツェン王の母の実家
ド    :ティ・ドーソン王の母の実家
ツェポン :ティ・ソンツェン王(ソンツェン・ガンポ)の母の実家

の四家になります。

その他の氏族出身の大臣は論(レン=「臣」の意味)と呼ばれました。


参考:
维基百科,自由的百科全书「政务九大臣」
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BF%E5%8A%A1%E4%B9%9D%E5%A4%A7%E8%87%A3

『チベット(上・下)』
 山口瑞鳳著 東京大学出版会
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